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はじめの一歩

母様のところへ帰りましょう。

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「確か、闇は守りに特化していると言っていましたよね?わたくしが闇を選んだ理由はここにあるんです。」『守りより、攻撃や生活のほうが…』
「ふふふ…そうでもないんですよ?」『???』
(なんでじゃ?まあ、わからなくもないがの…)(なんで?どうして?教えて教えて!)(主様がそう言うならそうなのでしょう。)
「まず生活面ですが、わたくしは貴族、しかも爵位は1番上の公爵ですから生活に困ることはほとんどありません。領民のことも入れるとそうではありませんが。それにわたくしは女ですから、騎士として屋敷を離れる、なんてこともほとんどありません。そもそもわたくしは騎士に向いてませんし。(ちょっと悔しくって悲しくって申し訳ないと思っているのは気のせいでしょう。)」
(聞こえているのじゃ。www)(どこまでも素直だね!主は。)(???きっと上級精霊ごときの私には到底理解できない事を話しているんですね!かっこいい…)(……………💘。)
「なんですか?顔に出ていますよ?」
『なんでもないのじゃ。続けてなのじゃ。』
「…わかりました。生活面はこんな感じですね。攻撃面は、極めたところで格上の相手って必ずいますよね?攻撃して必ず勝てるという根拠はありますか?守りに特化していれば、自分の身を守ることができます。それに確か幻術も使えると言っていましたよね?それで目くらましをして逃げることもできるじゃないですか。まだ弱いんですから、まずは自分の身を守ることが最善です。攻撃はその後です。」
『……☺️』『むむむ 返す言葉がないのじゃ。』
『そーだねー 確かに!主はすごいね!』
『私は主様を信じていました。』
ふふふ。ガレナ可愛いです。あっガレナとは、闇の精霊王様の名前です。私がつけたやつですよ!ガレナとは、黒くてキラキラ光っている宝石の名前です。ガレナは宝石の様に価値があって、磨けば磨くほどよくなっていくんです。そういう意味を込めました。
ミュアはいつも元気で見ているこっちも明るい気持ちになれますね!ミュアは水の精霊王様の名前です。可愛い感じがぴったりですよね!水のミと青のアを取ってミュアです。かなりうまく組み合わせられたと思うのですが、どうですか?
ルージュは真面目で頼りになります。時々自分の感情が漏れ出ているのが面白いですね。ルージュは火の上級精霊様の名前です。ルージュは赤という意味を持っています。真っ赤な髪が特徴的だったのでこの名前にしました。わたくしの国では口紅という意味ですが、砂漠の国の言葉では、赤という意味なんですよ!
リヤンは冷静だけどボケが上手で見ていて楽しいです。人を惹きつける何かがあります。リヤンは私が一番お世話になった無の精霊王様の名前です。
リヤンは違う国で使われている言葉で無という意味を持っています。ぴったりですよね!それから、絆 という意味も持っています。リヤンともっと絆を深められたらいいな、という願いを込めてこの名前にしました。
「さて、練習しましょうか、と言いたいところですが先生きっとわたくしのこと探していると思うので帰りましょう。今日はありがとう。」
『む?』『なんでありがとうなの?』『意味が理解できないのですが…』『え?』
どういうことでしょう?契約してもわざわざわたくしについてなんて来ませんよね?
『ついていくに決まっておるじゃろうが!!』
『ひどいよーついてくよー?』
『私は一生主様についていきますよ?』
『いつも一緒…離れたく無い…』
「私は本当に幸せものですね。人生の生き方と考え方を少し変えるだけで、こんなにわたくしを思ってくれる人が増えるなんて…!」
前の生では私の味方は一人もいませんでした。表立っては。裏でパパがなにかしていたようですが…
そういえば前の生をいれて母様にあったことは一度もありませんね。生きているとするならばかなり自由気ままな人なのですね。
「ではここを抜け出す方法を教えてくれますか?」
『わかったなのじゃ!こっちじゃ。』
わたくしがリヤンについていくと後ろから契約したたくさんの精霊様方がわらわらと…
『楽しみー』『ユリアと一緒うれしー』
可愛いです。手のひらサイズの子供の姿をしているのでなおさらです。わたくしの新しい癒やしです!
リヤンの後をついてき森を進みます。途中にあの変な木は見当たりませんでした。確かにリヤンが創ったものですね。そうでなければ一瞬で消えたりしませんよね。
『そろそろなのじゃ。わらわ達精霊は人に見つからぬようわらわの魔法で見えなくするのじゃ。お主からも見えぬが近くを飛んでいるからの。ここをまっすぐ行けば、お主の先生?が待っておるぞ。』
なんで疑問系なのでしょうか?
見えなくても一緒ですか…なんか絵本とかでよくありそうな展開ですね。
まあ、とりあえず真っ直ぐに行きましょう。
「ユリアさん!探しましたよ。怪我はしていませんか?」
「はい、この通り元気です。」
先生は私をとても心配してくれたようです。
でも何処か帰ってくることを知っていたような感じだったのはの気せいでしょっか。
「ホントに?ホントのホント?嘘ついてない?」
「はい。ご心配をおかけしました。でも、新しいことは見つけられましたよ。」
先生は大きく目を見開いたかと思うとそれはそれは嬉しそうに笑いました。
「良かったですね。ふふ。」

さぁ、家に帰りましょう。パパが待ってます。
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精霊の名前考えてくれた方、ありがとうございます。
今回使わなかった名前も、いずれ出てくる他の精霊に使おうと思うので…!
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