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はじめの一歩

堪忍袋の緒が切れました。

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「さて、能力を確認しますか。」わたくしがそう言うと、どこからやってきたのでしょう。いえ、その前に聞きつけるの早すぎませんか?能力の最初の一言でやってくるって…
とにかく、確認しま…
『『『『契約した精霊の属性魔法が使える、それが(お主)(主)(主様)(僕の女神様)の新しい能力(なのじゃ)(なんだよお!)(なのです。)(…)』』』』
「精霊様に主などと呼ばれるのは変な気分ですね…(一人不思議なことを言っていらっしゃいましたが。)能力、豪華ですね。さっそく練習しましょう。」
本で読んだことがあります。確か、魔道士という役が唯一能力として魔法を使えて…魔法は習得しないと扱うことができないんでしたよね…5つの属性どれから練習しましょうか。
『わらわの属性は使い勝手がいいぞ!わらわの属性からやろうなのじゃ。』
必死のアピ-ルがやってきました。でも確かに無属性は使い勝手良さそうで…
『そうじゃろう、そうじゃろう えっへん』
『ちょっとまってよお。僕の水属性も便利だよお。生活面でも実用上でも。制御が難しいから、早めに習得したほうがいいよ!それに鍛えれば氷属性習得の近道にもなるんだよ!』
そうですね…一石二鳥が期待できます。
『失礼ながら火属性も生活面、実用上で便利です。それに高火力です。』
そうね火も大事ね。
『闇は、守りに特化している。目くらましとか…あと心が汚れている人わ見ることができる……
僕なんかがみんなの邪魔をしてごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………』
わかりましたから。そんなに自分を傷つけないでください。見ているわたくしまで悲しくなってきます。
『っ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい………』
「…教えてくれてありがとうございます。とても助かりましたよ?」
よしっ 決めました!、とその前に
「どうして皆さんそんなに必死にアピールするんですか?」
『言ってなかったかの?』「はい…」
『じつはの…』
話は、こんな感じでした。

昔々神々が世界を創る時、後の精霊の元祖といわれる9人の天使が世界創造の手助けをしたと言われています。天使ですから、当然神の使いです。
それぞれ、無から世界を創り出す時に手伝った天使、川や雨を創り出す時に手伝った天使。雪や氷を創り出す、寒い季節を創る、細かい作業をする時に手伝った天使、温かい季節を創り温める方法を創るのを手伝った天使、世界の発展の状況について知らせて回る手つだいをした天使、天候を創る手伝いをした天使、地を創る手伝いをした天使、昼間を創る手伝いをした天使、夜を創る手伝いをした天使と、役割が違っていました。そしてどれも大切な役割でした。世界を無事創り終わり、神々が生き物を生み出し終わった時9人の天使は力を使い果たし消えてしまったそうです。神々は彼らの消滅を悲しみ、残っていた彼らの力でそれぞれが貢献したことを属性としてそれぞれの神がそっくりの精霊達を創り出し一番力の弱い人間の助けとなるように、という大義名分のもと世にはなったそうです。
そしてその時の精霊の子孫が今わたくしの前にいる精霊達なのだそうです。

この話は一見アピールの話とは関係ないように聞こえますが、ちゃんと意味はここにあります。
注目すべきは
【それぞれの神がそっくりの精霊達を創り出し】
というところにあります。それぞれの神が ということは、9人の精霊が手伝った神に創ってもらったということなんです。自分が1番関わっていた、1番よく知っていて尊敬していた神々に自分だけ創ってもらったってことです。
ここまで言えば、理解できるでしょう。
精霊様たちは、わたくしを尊敬して、1番にかかわってほしかったってことですね。1番ということに意味があるそうです。嬉しいです。でも…
困りましたね…わたくし、皆さんに感謝しているのですが…
(わらわじゃろ?)キラキラの眼差しで見つめられても…(僕は主を信じる…!)そんなに信じてます的な眼差しで見つめられても…(主様の仰せのままに。でも…)こちらは少し控えめですね。だけど無言の圧を感じます。(きっと僕なんかが選ばれるわけない…)こっちは無意識に罪悪感を感じます…
「…。…。っといいますか、皆さん自己中過ぎませんか!?正直言って、うざいです。自分の考えを押し付けようとしないでほしいです。わたくしが皆さんの誰か一人を選べると本気で思っているの?…ですか。」
ああ、久しぶりに怒りましたね。前の生のとき以来です。怒ると口調が変わってしまうこの癖、どうにかならないのでしょうか。でも、ボロが出ちゃったので、そのまま本気で怒っていいですよね。
「だいたい、今回は能力を何から練習するか、だったけど、その1番じゃなきゃいけないの?他の1番じゃダメなの?たとえば守備面で1番とか、攻撃面で1番とか。」
『『『『………』』』』
『すまなかったなのじゃ。確かに他の一番でもお主のためのことならば構わないのじゃ。(怖すぎなのじゃ。)』
「わかりました。では、今回は闇からにしようと思います。」
『なんで…』「それは…」
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