1 / 1
遠くまで
しおりを挟む
遠くまで
今日は寒いのね。さあ、出発しましょう
あたし帰らないわ。
もうあの家には。
あたしは、今バスに乗って遠くの町へ行くの。
どこに行くかって、知らない
けど、ここにいるよりはいいの。
ほら、バスが来た。横浜駅行きよ。
これに乗ってみましょう。
あたしと同じ年齢の人は皆、学校に行っている
時間ね。
お年玉は、使ってないの、あたしは。
お金を貯めるのが好きでお年玉は沢山貯まったわ。
だから何処へでもいけるの。
横浜から小田原まで行って
そこから新幹線に乗って明石の方まで行きましょう。
おばあちゃんはね、明石に住んでいたの
小さい時遊びに行った時、明石城にも行ったの
だからもう一度行くのよ
新幹線に乗ったわ。
わくわくしたわ。海か見えた時は興奮したわ。
誰にも言わずに来ちゃったけれど
玲子さんは、心配なんかしない。
あ、玲子さんて継母、意地悪であたしの
前では、笑わないの
明石のお城についたわ。白鳥が寄ってきた。
売店で買ったパンをちぎってあげたの
パクパク食べたわ。
家族でおばあちゃんの家に行った時
こんな広い所でお弁当食べたっけ
おばあちゃんは死んじゃって
遊びにはいけないけど
お堀の側で眠りましょ
寒いねけれどあの家よりはいいの。
皆ね、優しかったよ。駅の人はね
道を教えてくれてとっても優しかったよ。
今までの誰より優しかったよ。
優しい人もいるんだね。
良かった。ここに来て
今ここで眠ったら
おばあちゃんに会える気がするよ。
あれ、雪だ。
雪が降って来た
ラッキーだな
雪大好き。
目をつぶっても雪が見える
不思議だな
誰かが呼ぶ声がする。
眠っているのに
邪魔しないで欲しいな
サイレンの音もがする
どうしたんだろう。
あれっ、ここは何処?
白い壁
継母がいた。泣いている
「彩ちゃん」
継母は泣き声で言った
泣かないでよと思った
継母だって思っているんだから
本当の母親みたいに泣かないでよ
わたしの中ではあなたは継母なんだから。
あーあ、また捕まっちゃった
何処に逃げたらいいんだろう
何処に逃げたらいいの。
この世界から
こんな時だけ母親みたいにしないで。
またあしたから日常に
なっちゃうんだよね
明石にいたのに
あれは夢だったの
そうか
夢だったのね。
残念だな
楽しかったのにな
夢のように楽しかったのに。
END
今日は寒いのね。さあ、出発しましょう
あたし帰らないわ。
もうあの家には。
あたしは、今バスに乗って遠くの町へ行くの。
どこに行くかって、知らない
けど、ここにいるよりはいいの。
ほら、バスが来た。横浜駅行きよ。
これに乗ってみましょう。
あたしと同じ年齢の人は皆、学校に行っている
時間ね。
お年玉は、使ってないの、あたしは。
お金を貯めるのが好きでお年玉は沢山貯まったわ。
だから何処へでもいけるの。
横浜から小田原まで行って
そこから新幹線に乗って明石の方まで行きましょう。
おばあちゃんはね、明石に住んでいたの
小さい時遊びに行った時、明石城にも行ったの
だからもう一度行くのよ
新幹線に乗ったわ。
わくわくしたわ。海か見えた時は興奮したわ。
誰にも言わずに来ちゃったけれど
玲子さんは、心配なんかしない。
あ、玲子さんて継母、意地悪であたしの
前では、笑わないの
明石のお城についたわ。白鳥が寄ってきた。
売店で買ったパンをちぎってあげたの
パクパク食べたわ。
家族でおばあちゃんの家に行った時
こんな広い所でお弁当食べたっけ
おばあちゃんは死んじゃって
遊びにはいけないけど
お堀の側で眠りましょ
寒いねけれどあの家よりはいいの。
皆ね、優しかったよ。駅の人はね
道を教えてくれてとっても優しかったよ。
今までの誰より優しかったよ。
優しい人もいるんだね。
良かった。ここに来て
今ここで眠ったら
おばあちゃんに会える気がするよ。
あれ、雪だ。
雪が降って来た
ラッキーだな
雪大好き。
目をつぶっても雪が見える
不思議だな
誰かが呼ぶ声がする。
眠っているのに
邪魔しないで欲しいな
サイレンの音もがする
どうしたんだろう。
あれっ、ここは何処?
白い壁
継母がいた。泣いている
「彩ちゃん」
継母は泣き声で言った
泣かないでよと思った
継母だって思っているんだから
本当の母親みたいに泣かないでよ
わたしの中ではあなたは継母なんだから。
あーあ、また捕まっちゃった
何処に逃げたらいいんだろう
何処に逃げたらいいの。
この世界から
こんな時だけ母親みたいにしないで。
またあしたから日常に
なっちゃうんだよね
明石にいたのに
あれは夢だったの
そうか
夢だったのね。
残念だな
楽しかったのにな
夢のように楽しかったのに。
END
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

十年目の結婚記念日
あさの紅茶
ライト文芸
結婚して十年目。
特別なことはなにもしない。
だけどふと思い立った妻は手紙をしたためることに……。
妻と夫の愛する気持ち。
短編です。
**********
このお話は他のサイトにも掲載しています

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!
山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」
夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる