33 / 61
呼んでいる声がする(その33)何処か
しおりを挟む
父と母を見ているから、愛とか信じられないの。」
そう言うと瑠子はため息をついた。
「そうかも、あたしも。」
と、蓮花は同意した。
「でも、蓮花ちゃんは彼氏がいるんだよね。」
蓮花が、彼氏がいる事がまだ以外だった。
妖精の様な蓮花に彼氏がいる事実はショックにまだ慣れないと瑠子は思った。
けれど、彼氏から電話が自宅にかかってくるなんて時代錯誤だなと思って
つい本音が出てしまった
「でも、自宅に電話かかって来るの大変だね。家族の人とか出ちゃったら。」
蓮花の家族も複雑なのも聞いているからだ。
そういうと、彼女はいっきにどんよりとした表情になった。
まずいなと思って話題を変えた。
「あの、この後、カフェに寄らない?」
蓮花は頷いた。
「でも、雪が。」
「そうだよね。」
「あ、でも良いです。今日電話かかって来ない日だから。」
「良かった。」
それから二人は、セルフカフェの店に寄った。
今日も何か暗い空気が漣花を包んでいる気がした
二人共、カフェオレを頼んだ。
「ここのカフェオレ美味しいよね。」
席についてから瑠子は言った。
蓮花は頷いたがやはり暗い。
人々の明るい声と対比した蓮花の表情はいやでも
気になった
窓を見やると暗い夜の様相を見せ始め雪はかろうじて
ちらちらと振っている程度だ。
「雪って綺麗だけれど、怖いよね。」
蓮花は顔を上げると、うっすらと笑った。
「雪が振ってるから、誰もいないと思ったけどお客さんが割といるね。」
「ええ、あの、」
「え?」もう帰るのかな?と心の中で危惧した。
「今日は、あの反対方向に用があって。」
「えっ。」
「そうなの?」
「彼の電話は?」
「あ、今日は来ない日なの、」
「え、電話、来ない日も有るのね。」
「うん、かかって来るのは月水金なの」
そうか今日は水曜日だもんね
それにしても、今夜は何処にいくんだろう、こんな雪の日に
「雪振ってるけれど、大丈夫?」
力無く頷いた。
そんな返事が返って来たので瑠子は蓮花が
雪に埋もれて倒れる気映像が浮かんで来た。
「もし良かったら、一緒に行こうか?」
何処行くかわからないけれどと、瑠子は思った。
蓮花は、首を振った
「そんな事出来ないよ。悪いから。」
「いいの、あたし雪の道中は経験済みだから。」
蓮花は少し笑った
その笑顔に嬉しくなった瑠子は更に続けた。
「雪の中何時間もバスに閉じ込められてさ。」
「大変でしたよね。」
「そう、あの雪に比べたらたいした事無いよ。ところで何処行くの?」
「えっ。」
答えたくないのかなと思った。
そんな答えたくない所に行くのはますます不安だと思った瑠子は余計なお世話かもしれないと思いつつプッシュした。
「あたし、何処かに行きたい気分なんだ、いいかな?」
「そう?じゃあ。」
「うんうん、行こう。」
何処行くかもわからないのに返事をした。 つづく
いつも読んでいただいてありがとうございます。
そう言うと瑠子はため息をついた。
「そうかも、あたしも。」
と、蓮花は同意した。
「でも、蓮花ちゃんは彼氏がいるんだよね。」
蓮花が、彼氏がいる事がまだ以外だった。
妖精の様な蓮花に彼氏がいる事実はショックにまだ慣れないと瑠子は思った。
けれど、彼氏から電話が自宅にかかってくるなんて時代錯誤だなと思って
つい本音が出てしまった
「でも、自宅に電話かかって来るの大変だね。家族の人とか出ちゃったら。」
蓮花の家族も複雑なのも聞いているからだ。
そういうと、彼女はいっきにどんよりとした表情になった。
まずいなと思って話題を変えた。
「あの、この後、カフェに寄らない?」
蓮花は頷いた。
「でも、雪が。」
「そうだよね。」
「あ、でも良いです。今日電話かかって来ない日だから。」
「良かった。」
それから二人は、セルフカフェの店に寄った。
今日も何か暗い空気が漣花を包んでいる気がした
二人共、カフェオレを頼んだ。
「ここのカフェオレ美味しいよね。」
席についてから瑠子は言った。
蓮花は頷いたがやはり暗い。
人々の明るい声と対比した蓮花の表情はいやでも
気になった
窓を見やると暗い夜の様相を見せ始め雪はかろうじて
ちらちらと振っている程度だ。
「雪って綺麗だけれど、怖いよね。」
蓮花は顔を上げると、うっすらと笑った。
「雪が振ってるから、誰もいないと思ったけどお客さんが割といるね。」
「ええ、あの、」
「え?」もう帰るのかな?と心の中で危惧した。
「今日は、あの反対方向に用があって。」
「えっ。」
「そうなの?」
「彼の電話は?」
「あ、今日は来ない日なの、」
「え、電話、来ない日も有るのね。」
「うん、かかって来るのは月水金なの」
そうか今日は水曜日だもんね
それにしても、今夜は何処にいくんだろう、こんな雪の日に
「雪振ってるけれど、大丈夫?」
力無く頷いた。
そんな返事が返って来たので瑠子は蓮花が
雪に埋もれて倒れる気映像が浮かんで来た。
「もし良かったら、一緒に行こうか?」
何処行くかわからないけれどと、瑠子は思った。
蓮花は、首を振った
「そんな事出来ないよ。悪いから。」
「いいの、あたし雪の道中は経験済みだから。」
蓮花は少し笑った
その笑顔に嬉しくなった瑠子は更に続けた。
「雪の中何時間もバスに閉じ込められてさ。」
「大変でしたよね。」
「そう、あの雪に比べたらたいした事無いよ。ところで何処行くの?」
「えっ。」
答えたくないのかなと思った。
そんな答えたくない所に行くのはますます不安だと思った瑠子は余計なお世話かもしれないと思いつつプッシュした。
「あたし、何処かに行きたい気分なんだ、いいかな?」
「そう?じゃあ。」
「うんうん、行こう。」
何処行くかもわからないのに返事をした。 つづく
いつも読んでいただいてありがとうございます。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる