26 / 61
呼んでいる声がする(その26)砂丘に行きたい人
しおりを挟む
夕凪書店で、1時間位して夕昏時に蓮花とは、夕霧書店で別れた。
寂しい、楽しければ楽しい程比例して終わりは淋しい気がすると瑠子は思った。
そんな感傷に浸っていると、自分を呼ぶ声が聞こえて来た。
「瑠子ちゃん。」
馴れ馴れしいその声はと振り向くとやはり猫男だった
バイト終わったんだと思った。
「よく会うね。」
「ほんと。」
「最近よく猫にご飯上げてくれているでしょ。助かるよ。」
「何でそれを。」
「だってあまり食べない日があるから。それに、隠した猫達のお皿動いているし。」
鋭いなと瑠子は思った。
「今日は、外国旅行の本見ているんだ。」
と、瑠子が手にしている本を見て言った。
「どこか行くの?」
「ええ、今では無いけれど。」
「俺も行きたい。」
「どこ?」
「遠い所。」
「何処?アメリカとか?」
「それ、俺のイメージ?違うよ鳥取砂丘。」
意外な答えに少し驚いた。
「え、日本?なら近いうちに行けるわよね。」
「まあね、でも今は行かない。」
そこにまた、聞き覚えのある女の人の声が店の外から聞こえて来た
見ると、前猫男と以前、一緒に居た色気のある女で有る。
「紫苑。」
「呼んでいるよ(猫男の事)
「あ、俺こっちから帰るから。」
「えっ?」
「女苦手なんだ。」
「は?(嘘でしょ?)」
「じゃあね。」
そう言うと、猫男はもう一つの入り口の方に向かって行ってしまった
色気の有る女はどんどん瑠子の方に近づいて来た
そして、瑠子と目が合った。
じろじろと瑠子を睨む様に見るとあたりを捜し始めた。
そして瑠子の方に来ると、殺気だった瞳でこう言った
「紫苑知らない?」
「あ、帰りました。」
「えっ、どうして。さっき見たのに。」
「いたのですけど、今、出て行きました。」
そう答える瑠子にその女はいらいらした様に言った。
「あなた、ここで紫苑と会っていたの?」
「いいえ、偶然会ったんです。」
「そうよね。」
そう言うとその女は瑠子を睨みつけると急いで店を出て行った。
猫男の後を追うつもりかなと思った。
香水の香りがあたりじゅうに漂っている。
「なんか、勘違いしているよ。誰が猫男なんか、人間界にいるだけでも
ちゃんちゃらおかしいよ。」
と一人事を言って隣の男の人に振り向かれたので、何も無かった様に
立ち読みの続きをした。
つづく
いつも読んでいただいてありがとうございます。
寂しい、楽しければ楽しい程比例して終わりは淋しい気がすると瑠子は思った。
そんな感傷に浸っていると、自分を呼ぶ声が聞こえて来た。
「瑠子ちゃん。」
馴れ馴れしいその声はと振り向くとやはり猫男だった
バイト終わったんだと思った。
「よく会うね。」
「ほんと。」
「最近よく猫にご飯上げてくれているでしょ。助かるよ。」
「何でそれを。」
「だってあまり食べない日があるから。それに、隠した猫達のお皿動いているし。」
鋭いなと瑠子は思った。
「今日は、外国旅行の本見ているんだ。」
と、瑠子が手にしている本を見て言った。
「どこか行くの?」
「ええ、今では無いけれど。」
「俺も行きたい。」
「どこ?」
「遠い所。」
「何処?アメリカとか?」
「それ、俺のイメージ?違うよ鳥取砂丘。」
意外な答えに少し驚いた。
「え、日本?なら近いうちに行けるわよね。」
「まあね、でも今は行かない。」
そこにまた、聞き覚えのある女の人の声が店の外から聞こえて来た
見ると、前猫男と以前、一緒に居た色気のある女で有る。
「紫苑。」
「呼んでいるよ(猫男の事)
「あ、俺こっちから帰るから。」
「えっ?」
「女苦手なんだ。」
「は?(嘘でしょ?)」
「じゃあね。」
そう言うと、猫男はもう一つの入り口の方に向かって行ってしまった
色気の有る女はどんどん瑠子の方に近づいて来た
そして、瑠子と目が合った。
じろじろと瑠子を睨む様に見るとあたりを捜し始めた。
そして瑠子の方に来ると、殺気だった瞳でこう言った
「紫苑知らない?」
「あ、帰りました。」
「えっ、どうして。さっき見たのに。」
「いたのですけど、今、出て行きました。」
そう答える瑠子にその女はいらいらした様に言った。
「あなた、ここで紫苑と会っていたの?」
「いいえ、偶然会ったんです。」
「そうよね。」
そう言うとその女は瑠子を睨みつけると急いで店を出て行った。
猫男の後を追うつもりかなと思った。
香水の香りがあたりじゅうに漂っている。
「なんか、勘違いしているよ。誰が猫男なんか、人間界にいるだけでも
ちゃんちゃらおかしいよ。」
と一人事を言って隣の男の人に振り向かれたので、何も無かった様に
立ち読みの続きをした。
つづく
いつも読んでいただいてありがとうございます。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
瞬間、青く燃ゆ
葛城騰成
ライト文芸
ストーカーに刺殺され、最愛の彼女である相場夏南(あいばかなん)を失った春野律(はるのりつ)は、彼女の死を境に、他人の感情が顔の周りに色となって見える病、色視症(しきししょう)を患ってしまう。
時が経ち、夏南の一周忌を二ヶ月後に控えた4月がやって来た。高校三年生に進級した春野の元に、一年生である市川麻友(いちかわまゆ)が訪ねてきた。色視症により、他人の顔が見えないことを悩んでいた春野は、市川の顔が見えることに衝撃を受ける。
どうして? どうして彼女だけ見えるんだ?
狼狽する春野に畳み掛けるように、市川がストーカーの被害に遭っていることを告げる。
春野は、夏南を守れなかったという罪の意識と、市川の顔が見える理由を知りたいという思いから、彼女と関わることを決意する。
やがて、ストーカーの顔色が黒へと至った時、全ての真実が顔を覗かせる。
第5回ライト文芸大賞 青春賞 受賞作
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる