2 / 2
彼女を誰よりも愛しているのに
しおりを挟む
俺の名はアラン。侯爵家の三男としてこの世に生を受けた。
小さい頃から身体を動かすことが大好きで、いずれは栄誉ある騎士団に入団することが俺の夢だった。
そんな俺の夢を応援してくれる幼馴染がいる。
彼女の名前はリディア。
隣に住む伯爵家の次女で、栗色の髪と琥珀色の瞳をした、俺と同い年のとても可愛い女の子だ。
リディアに初めて会った時から、俺はずっと彼女に夢中だった。
「大好きだよ、リディア。将来は俺のお嫁さんになって」
だから会う度にそう言い続けた。
でも、リディアからはなかなかいい返事がもらえない。
「わたし、どちらかと言うと物静かで頭の回転の速い、知的なタイプが好みなのよね」
「えー、俺とは真逆じゃないか!」
「そう。だからね、アランのことは大好きだけど、結婚はできそうにないな」
それを聞いた俺はものすごく落ち込んだ。
けれど、だからと言って諦めるつもりはない。
だって、リディアが好きなんだ。
野菜をもっと食べろだとか、剣術の訓練ばかりじゃなくて勉強もしろだとか、そんな口煩いことを言うけれど、それは全部俺のために言ってくれていることを俺は知っている。
少し分かりにくいところはあるけれど、幼馴染としてずっと一緒に育ってきた俺には分かる。リディアはとても優しくて、誰よりも素敵な女の子なんだ。
将来は絶対にリディアと結婚する。そう俺は決めている。
そのためにも、俺は剣術の鍛錬に励み続けた。
俺は三男だ。侯爵家を継ぐことはできない。
当家にはもう一つだけ子爵の爵位があるけれど、それは二番目の兄上のものになる。だから俺はなにがなんでも騎士団に入団し、そこで武功を上げて、いずれは騎士爵を受けるつもりでった。
それもこれも、すべては大好きなリディアのため。
俺の手で絶対にリディアを幸せにしたいと思い、日々の鍛錬に励んでいたのだった。そして会うたびに、リディアに愛を囁き続けた。
十才になった時、俺の粘りが功をそうしたのか、リディアからこんなことを言ってもらえた。
「わたしたちが十八才なって王立学園を卒業する時、まだアランがわたしを好きだって言っていたら、その時は婚約しよう」
「!!!!!」
嬉しくて天にも昇る心地だった。
だって、俺がリディアを好きじゃなくなるなんて、そんなことはあり得ない。十八才になった俺は、間違いなくリディアを好きでいるはずだ。
これはもう婚約は決まったようなものだ。
一日も早く十八才になりたい。そう思いながら、俺はその日が来るのを楽しみに待ち続けたのだった。
そうこうしている内に、やがて俺たちは十五才になり、王立学園に入学した。その翌年、無事に成人の義を迎えることもできた。
成人後は夜会への参加が可能になる。
俺はいつもリディアをエスコートした。彼女のエスコートをする栄誉を、他の男に譲るつもりは毛頭ない。
運動神経がいいだけに、俺はダンスもかなり得意だった。おかげでいつだって、リディアをとても上手くリードすることができる。
ダンスホールの中、俺のリードで蝶のように美しく舞うリディアは、他のどんな令嬢よりも美しく素敵だ。
「この夜会の会場の中で、リディアが一番綺麗だ。俺にはリディアが一番の美人に見える。好きだよ、リディア。昔から君だけを愛してる。どうか俺を好きになって」
だから思ったままにそう言うと、リディアはその可愛らしい頬を赤く染めた。そして、生まれて初めて、恋愛的な意味での好意の言葉を俺に言ってくれたのだ。
「わたしも好きよ、アラン。学園を卒業したら婚約しましょう?」
この時、俺がどれほど幸せだったか、言葉で表すことは不可能だと思う。それくらい、俺は本当に本当に幸せで、ダンスのリードも忘れて足を止めると、その場でリディアを力強く抱きしめてしまったくらいだ。
やがて俺たちは学園を卒業し、俺は夢だった騎士団への入団を叶えることができた。そして、無事にリディアと婚約することができたのだった。
俺たちが結婚するのは一年後。
結婚したら、俺たちは実家の貴族籍を抜けて平民という立場になる。
そうなった時のことを考えてのことだろう、リディアも薬屋で働き始めた。家事もがんばって覚えてくれているらしい。
俺とリディアの仕事の休みはなかなか合わない。
けれど、リディアは薬屋が休みの時、騎士団の俺のところに、必ずと言っていいほど差し入れしてくれるようになった。俺の分だけじゃなく、騎士団で働く皆の分まで作ってきてくれる。
そのおかげか、騎士団内でのリディアの評判はかなり良い。
そりゃそうだろう。
リディアは可愛いいだけじゃなく、明るくて優しいし、気遣いだって上手だ。それに最近は料理の腕も上がってきて、差し入れてくれる軽食や甘い菓子はすべてが美味しくて、俺の上司や先輩、同僚たちにからも大人気だ。
「来年には結婚か。お前、良い人を捕まえたな」
そう言って親しみを込めて肩を叩いてくれたのは、俺の所属する第三騎士団の副団長であるビル殿だ。俺はこの副団長からものすごく目をかけてもらっていて、剣術の訓練もよく見てもらっている。
見た目が少し強面で、最初こそ話すたびに緊張していたものの、今では騎士団のすべての騎士の中で、俺が最も尊敬する憧れの人となっている。
そんな副団長は、騎士団の中では誰も知る愛妻家だ。
奥方は名前をフェリシア様という。見た目にはとても派手な感じの色気のある美女だ。
奥方はごくたまに訓練場にやってきては、しばらく様子を見て帰っていくという行動を取ることがある。おそらく、愛する旦那の仕事ぶりを見に来てているのだろう。が、その時に、なぜだか彼女とよく目が合うことに俺は気付いた。
なにか俺に言いたいことでもあるのだろうか。
そんなことを思っていたある日、鍛錬の途中で休憩していた俺は、いつものように訓練所に見学に来ていたフェリシア様から話しかけられた。
「アラン、あなた来年には結婚するのでしょう? よくここに差し入れに来る、あの可愛らしいお嬢さんと」
「ええ、そうです。今から楽しみで仕方ありません」
「そう、それは良かったわね。でも……あなた、大丈夫なの?」
問われたことの意味が分からす、俺は首を傾げた。
するとフェリシア様は小さく笑いながら、俺の耳元で小声で言った。
「あなた、多分だけど童貞でしょう? 結婚後、ちゃんとリディアさんを満足させてあげられるの? 真面目なのもいいけれど、あまりにも未熟だと、がっかりさせて嫌われてしまうわよ」
それを聞いた俺は驚きに目を見開いた。
確かに俺は未経験で、女性とそのような関係になったことはない。当然だ、生まれてこれまでリディア一筋なのだから。
貴族令嬢であるリディアとは、結婚後でなければ性交するなど考えられない。俺だって貴族令息として、そういう風に教育を受けてきてる。童貞を捨てるのは、リディアとの初夜の時だと思っていた。
しかし、それでは未熟で嫌われる?
そんなことを考えたこともなかった俺は、驚いたのと同時に、すごく焦ってしまった。リディアに嫌われたら生きていけない。どうすればいいのだろう。
すると、顔色を悪くしていた俺に、笑顔のフェリシア様が言った。
「心配しないで。わたしが手取り足取り教えてあげるから」
言われたことの意味が分からず、俺は戸惑ってしまう。
「? それってどういう……」
「騎士団ではね、あなたみたいな新しい団員を一人前の男にするために、上司の妻がひと肌脱ぐことは珍しくないの。勿論、ビルだって了承済みよ」
「ええ?! それは本当ですか! だって、副団長は愛妻家だって有名な話で……」
「ビルだって同じだもの。入団したばかりの頃、上司の奥方のお世話になったのよ。その恩に報いるため、今度は自分の部下になった若い子の面倒を妻に見させる。これは騎士団では伝統的なことなのよ」
驚愕する俺に、フェリシア様が更に詳しく教えてくれた。
今回の俺に対するフェリシア様からの提案は、副団長も当然知っていることで、それを俺が断るということは、上司の気遣いを無碍にする失礼な態度になるらしい。
また、こういったことは、どこの騎士団でも当たり前に行われていることなのだそうだ。
「これは団員同士の絆を深めることにもなるのよ。とても必要なことなの」
「でも俺、そういった話を、これまで先輩方から一度も聞いたことがありませんが」
「それは当然よ。あくまでも秘密裏に行われいることだもの。口に出すのはマナー違反だわ。あなたもそう。今後のわたしとの関係を人に話してはだめよ。皆だって、知っているのに気付かないフリをしているのだから。さっきも言ったけど、団員同士でそのことについて話すのはマナーなのよ。だから絶対に誰にも話してはダメ」
なるほど、そういう理由があったから、これまで先輩たちからも『上司の奥方からの閨事授業』について一度も耳にしたことがなかったのか。
そこに関しては納得したものの、俺は丁寧にフェリシア様からのお誘いに断りを入れた。
「なるほど、理解できました。けれど、俺にそういった手ほどきは不要です。俺が下手でもきっとリディアは許してくれる。二人で一緒に学んでいけばいいんですから」
「同じようなことを言っていて、新妻に愛想をつかされて離婚した団員を何人も知っているわ」
「!」
「それにね、言ったでしょう? わたしの誘いを断るということは、あなたに目をかけているビルの面子を潰すことになるの。本当にそれでもいいの?」
それを言われると困っていしまう。
黙り込んだ俺を見て、フェリシア様クスッと笑った。
「ともかく、今度のあなたの非番の日に部屋に行くから。楽しみに待ってなさい」
「いや、だから俺は、そんなのいりま――――」
「上司の奥方命令よ!」
そう言うと、俺の言葉を聞かずにフェリシア様は帰っていってしまった。
そうして次の非番の時、宣言通りにフェリシア様は俺の部屋にやってきった。かと思うと、戸惑う俺を無視して全裸になると、俺をベッドへと引きずり込んだのだった。
副団長からの恩情。
フェリシア様を拒むことは、副団長からの思いやりを無視することになり、それは恩を仇で返すことを同義となる。
そう言われてしまうと、俺としてはフェリシア様に従うしかなかった。そして俺はフェリシア様の性技に翻弄されつつ、その手練手管に発情を促されて童貞を失うことになったのだった。
初めて経験した性交は、言葉にできない程の快感を俺に与えてくれた。あまりの気持ち良さになにも考えられず、ただ猿のように腰を振るだけだった俺に、フェリシア様は色々なことを教えてくれた。
「自分だけ気持ち良くなろうとしてはダメよ。女性を気持ち良くすることを考えなくちゃ。どうされると相手の女性が感じるのか、それを探りながら色々と動いて見るのよ。それに、黙って腰を振るだけなんて以ての外! 愛してるとか綺麗だよとか好きだとか、言葉でも女性を気持ち良くさせなくちゃ。睦み合っている最中は、わたしのことは呼び捨てにしなさい」
フェリシア様からの教えは、聞けばなるほど納得できることばかりで、回数を重ねるごとに俺の技術は上がっていった。
リディアに対して感じていた申し訳ないという気持ちも、これが騎士団の伝統なのだから仕方がないのだと、いつの間にか受け入れてしまい、罪悪感もあまり感じなくなっていったのだった。
そうは言っても、俺はいつも思っていたんだ。
これはすべて副団長の面子を潰さないためと、結婚後にリディアに愛想をつかされないために行っているのだと。いつだって心からそう思っていた。気持ち良くなることが目的で、フェリシア様と寝ているわけではない。
だからリディアとの結婚式まで二ヵ月を切った時。
その日は俺の非番とリディアの休日が珍しく重なって、本当なら二人で町の探索をしたり、結婚式について話したりしようと思っていた。が、俺の非番を知ったフェリシア様がこう言ったことで、リディアとのデートは中止することになったんだ。
「あなたとの閨事にはもう飽きてき……じゃなくて、もうあなたには教えることはなくなったわ。どこの女をも喜ばせることができる立派な男よ。だから次のあなたの非番の日をもって、わたしの授業を最後とします」
「ああ、良かった。本当ですか!」
「良かったって……あなたねぇ。まあ、いいわ。ともかく次が最後よ。だから最終試験を行うわ。教えられたことを全部出しきって、わたしを満足させてみなさいな。合格できなければ授業を延長することになるわよ」
延長は御免だった。
確かにフェリシア様との閨事は気持ち良いけれど、俺が本当に抱きたい相手はリディアだけだ。だから、少しでも早くフェリシア様との授業を終わりにしたくて、俺は彼女の言葉に頷いたのだった。
リディアには疲れているからと嘘をついて、デートを中止してもらうことにした。心から申し訳ないと思うが、これも一日も早くフェリシア様との授業を終わらせるためだ。どうか許して欲しい。
そして、次の非番の日。
最後の授業として俺がフェリシア様と抱き合っている際中、恐ろしいことが起こった。
なんと、俺たちが睦み合っている真っ最中、なぜか急にベッドごと、俺たちは騎士団の訓練場に移動してしまったのだ。
一瞬、なにが起きたか分からずに呆然としてしまった。そして、次には愕然とした。
ベッドの周りにはたくさんの同僚たちがいて、皆一様に驚いた顔で俺たちを見ている。
全裸で性器同士を繋げたままの俺たちは、そのすべてを余すところなく騎士団員たちに晒していた。恥ずかしくて逃げ出したいのに、体は少しも動こうとはしてくれない。言い訳したくても口が動かないせいで声も出せない。
しばらくすると、俺は鬼の形相で駆け付けた副団長から、殺される寸前まで殴りつけられ、体中を蹴り上げられた。
動けず、しゃべれもしないせいで、副団長にどんな言い訳もすることができない。ただ、心の中でこう思っていた。
どうしてここまで副団長は怒っているのだろう。フェリシア様との関係は、副団長も了承しているはずだ。この場に繋がったま現れたことは申し訳ないと思うけど、どうしてこうなったのか俺にだってわからない。
そんなことを思いながら、副団長からの暴行を受けまくった俺は、あまりの痛みに耐え切れず、やがて意識を失ったのだった。
その後、医務室で目を覚ました俺は、見舞いに来てくれた同僚に話を聞いて驚愕することになる。
フェリシア様……いや、フェリシアが俺に言っていた騎士団の伝統がどうとかいう話は、すべてが嘘だった。俺は馬鹿な話をコロリと信じた、とんだマヌケ野郎だったらしい。それだけじゃなく、俺は名実ともに、上司の奥方と不倫をする糞野郎で、そんな俺のことを副団長は殺すと言ってはばからないほど怒り狂っているそうだ。
俺は大怪我による痛みに苦しみながらも、事情聴取に訪れた団長に、これまでの経緯を包み隠さずすべて話した。
フェリシアの言葉に簡単に騙された俺は、確かにとんでもなく馬鹿だったかもしれない。けれども、それも副団長を尊敬していたからこそ、その尊敬する副団長の奥方の言葉だったからこそ、信じてしまったんだ。
俺はそれを涙ながらに団長に訴えた。
そんなバカなことがあるか、と最初は信じてくれなかった団長だが、団長の宛てに匿名の手紙が数通届き、その内容が俺と同じ目に合ったことがあるという先輩騎士たちからのものだったことで、俺の話が嘘ではないと漸く信じてもらえたのだった。
どうやらフェリシアは、顔の良い新人騎士団員食いの常習犯だったらしい。純粋な者ほど彼女の言葉に騙されたらしく、今回の俺の騒ぎによって、自分も騙されていたのだと初めて気付いた先輩たちも、何人もいたのだそうだ。
先輩たちの手紙のおかげで、俺は騎士団をクビにならずにすんだ。しかし、辺境へと飛ばされることになった。
そこは魔獣の出没の多い危険地域であり、生きて帰ることができたら奇跡とも言えるような、そんな危ない場所だ。
リディアとの婚約は破棄された。
どんなに言い訳したくとも、リディアは俺に二度と会ってくれようとはしなかった。
更に俺は、お隣の可愛いリディアを裏切ったたクズとして、両親から勘当されてしまった。二度と屋敷の門をくぐることは許さないと、汚物を見るような目を両親から向けられた。
聞いた話によると、副団長はフェリシアを娼館に売り飛ばしたらしい。今後の人生、男たちに性的な奉仕をしながら生きることになるだろうが、それは果たしてあの女にとって罰になるのだろうか。むしろご褒美になるのではないかと俺は訝しんだ。
正直、俺はフェリシアを殺してやりたいほど憎んでいる。
あの女のせいで、心から愛しているリディアとの結婚がなくなり、二度と会えなくなってしまったからだ。
しかし、これ以上俺が罪を重ねれば、元婚約者だったリディアの汚点を大きくするだけだと思い、なんとか殺人犯にならずに我慢している。
フェリシアの売られた娼館は国内でも娼婦の扱いが酷いことで評判の悪店らしいから、いずれあの女は性病にでもかかって死ぬことになるだろう。ザマアミロと言ってやりたい。
ベッドが突然移動した理由は、いまだ解明されていないらしい。
不義密通を許さない神の裁きとかいう噂話が飛び交っているようだが、本当のところは不明なままだ。もしかすると、本当に神の怒りにより行われた、奇跡の業なのかもしれない。
俺は今日、辺境へと向かう辻馬車に乗り、王都を離れることになる。俺はきっと、彼の地で命を落とすことになるだろう。仕方がない、すべてが自業自得だと理解している。
ただ、心残りが一つだけある。
勿論、それは愛するリディアのことだ。
ああ、リディア。今も心から愛している。
最後に一目だけでもいいから会いたかった。
俺がバカだったせいで傷つけた。心から申し訳ないと思う。
リディア と結婚して、幸せな家庭を築き、生涯寄り添って生きていきたかった。
もう二度と会えないだろうけど、リディアの幸せを誰よりも祈ってる。
本当は、リディアを俺の手で幸せにしたかった。
さようなら、リディア。
生まれ変わったら今度こそ、リディアと結婚して幸せになりたい。
俺はそんなことを思いながら、わずかな荷物だけを手に持ち、馬車へと乗り込んだのだった。
見送りは誰一人としていなかった。
End
小さい頃から身体を動かすことが大好きで、いずれは栄誉ある騎士団に入団することが俺の夢だった。
そんな俺の夢を応援してくれる幼馴染がいる。
彼女の名前はリディア。
隣に住む伯爵家の次女で、栗色の髪と琥珀色の瞳をした、俺と同い年のとても可愛い女の子だ。
リディアに初めて会った時から、俺はずっと彼女に夢中だった。
「大好きだよ、リディア。将来は俺のお嫁さんになって」
だから会う度にそう言い続けた。
でも、リディアからはなかなかいい返事がもらえない。
「わたし、どちらかと言うと物静かで頭の回転の速い、知的なタイプが好みなのよね」
「えー、俺とは真逆じゃないか!」
「そう。だからね、アランのことは大好きだけど、結婚はできそうにないな」
それを聞いた俺はものすごく落ち込んだ。
けれど、だからと言って諦めるつもりはない。
だって、リディアが好きなんだ。
野菜をもっと食べろだとか、剣術の訓練ばかりじゃなくて勉強もしろだとか、そんな口煩いことを言うけれど、それは全部俺のために言ってくれていることを俺は知っている。
少し分かりにくいところはあるけれど、幼馴染としてずっと一緒に育ってきた俺には分かる。リディアはとても優しくて、誰よりも素敵な女の子なんだ。
将来は絶対にリディアと結婚する。そう俺は決めている。
そのためにも、俺は剣術の鍛錬に励み続けた。
俺は三男だ。侯爵家を継ぐことはできない。
当家にはもう一つだけ子爵の爵位があるけれど、それは二番目の兄上のものになる。だから俺はなにがなんでも騎士団に入団し、そこで武功を上げて、いずれは騎士爵を受けるつもりでった。
それもこれも、すべては大好きなリディアのため。
俺の手で絶対にリディアを幸せにしたいと思い、日々の鍛錬に励んでいたのだった。そして会うたびに、リディアに愛を囁き続けた。
十才になった時、俺の粘りが功をそうしたのか、リディアからこんなことを言ってもらえた。
「わたしたちが十八才なって王立学園を卒業する時、まだアランがわたしを好きだって言っていたら、その時は婚約しよう」
「!!!!!」
嬉しくて天にも昇る心地だった。
だって、俺がリディアを好きじゃなくなるなんて、そんなことはあり得ない。十八才になった俺は、間違いなくリディアを好きでいるはずだ。
これはもう婚約は決まったようなものだ。
一日も早く十八才になりたい。そう思いながら、俺はその日が来るのを楽しみに待ち続けたのだった。
そうこうしている内に、やがて俺たちは十五才になり、王立学園に入学した。その翌年、無事に成人の義を迎えることもできた。
成人後は夜会への参加が可能になる。
俺はいつもリディアをエスコートした。彼女のエスコートをする栄誉を、他の男に譲るつもりは毛頭ない。
運動神経がいいだけに、俺はダンスもかなり得意だった。おかげでいつだって、リディアをとても上手くリードすることができる。
ダンスホールの中、俺のリードで蝶のように美しく舞うリディアは、他のどんな令嬢よりも美しく素敵だ。
「この夜会の会場の中で、リディアが一番綺麗だ。俺にはリディアが一番の美人に見える。好きだよ、リディア。昔から君だけを愛してる。どうか俺を好きになって」
だから思ったままにそう言うと、リディアはその可愛らしい頬を赤く染めた。そして、生まれて初めて、恋愛的な意味での好意の言葉を俺に言ってくれたのだ。
「わたしも好きよ、アラン。学園を卒業したら婚約しましょう?」
この時、俺がどれほど幸せだったか、言葉で表すことは不可能だと思う。それくらい、俺は本当に本当に幸せで、ダンスのリードも忘れて足を止めると、その場でリディアを力強く抱きしめてしまったくらいだ。
やがて俺たちは学園を卒業し、俺は夢だった騎士団への入団を叶えることができた。そして、無事にリディアと婚約することができたのだった。
俺たちが結婚するのは一年後。
結婚したら、俺たちは実家の貴族籍を抜けて平民という立場になる。
そうなった時のことを考えてのことだろう、リディアも薬屋で働き始めた。家事もがんばって覚えてくれているらしい。
俺とリディアの仕事の休みはなかなか合わない。
けれど、リディアは薬屋が休みの時、騎士団の俺のところに、必ずと言っていいほど差し入れしてくれるようになった。俺の分だけじゃなく、騎士団で働く皆の分まで作ってきてくれる。
そのおかげか、騎士団内でのリディアの評判はかなり良い。
そりゃそうだろう。
リディアは可愛いいだけじゃなく、明るくて優しいし、気遣いだって上手だ。それに最近は料理の腕も上がってきて、差し入れてくれる軽食や甘い菓子はすべてが美味しくて、俺の上司や先輩、同僚たちにからも大人気だ。
「来年には結婚か。お前、良い人を捕まえたな」
そう言って親しみを込めて肩を叩いてくれたのは、俺の所属する第三騎士団の副団長であるビル殿だ。俺はこの副団長からものすごく目をかけてもらっていて、剣術の訓練もよく見てもらっている。
見た目が少し強面で、最初こそ話すたびに緊張していたものの、今では騎士団のすべての騎士の中で、俺が最も尊敬する憧れの人となっている。
そんな副団長は、騎士団の中では誰も知る愛妻家だ。
奥方は名前をフェリシア様という。見た目にはとても派手な感じの色気のある美女だ。
奥方はごくたまに訓練場にやってきては、しばらく様子を見て帰っていくという行動を取ることがある。おそらく、愛する旦那の仕事ぶりを見に来てているのだろう。が、その時に、なぜだか彼女とよく目が合うことに俺は気付いた。
なにか俺に言いたいことでもあるのだろうか。
そんなことを思っていたある日、鍛錬の途中で休憩していた俺は、いつものように訓練所に見学に来ていたフェリシア様から話しかけられた。
「アラン、あなた来年には結婚するのでしょう? よくここに差し入れに来る、あの可愛らしいお嬢さんと」
「ええ、そうです。今から楽しみで仕方ありません」
「そう、それは良かったわね。でも……あなた、大丈夫なの?」
問われたことの意味が分からす、俺は首を傾げた。
するとフェリシア様は小さく笑いながら、俺の耳元で小声で言った。
「あなた、多分だけど童貞でしょう? 結婚後、ちゃんとリディアさんを満足させてあげられるの? 真面目なのもいいけれど、あまりにも未熟だと、がっかりさせて嫌われてしまうわよ」
それを聞いた俺は驚きに目を見開いた。
確かに俺は未経験で、女性とそのような関係になったことはない。当然だ、生まれてこれまでリディア一筋なのだから。
貴族令嬢であるリディアとは、結婚後でなければ性交するなど考えられない。俺だって貴族令息として、そういう風に教育を受けてきてる。童貞を捨てるのは、リディアとの初夜の時だと思っていた。
しかし、それでは未熟で嫌われる?
そんなことを考えたこともなかった俺は、驚いたのと同時に、すごく焦ってしまった。リディアに嫌われたら生きていけない。どうすればいいのだろう。
すると、顔色を悪くしていた俺に、笑顔のフェリシア様が言った。
「心配しないで。わたしが手取り足取り教えてあげるから」
言われたことの意味が分からず、俺は戸惑ってしまう。
「? それってどういう……」
「騎士団ではね、あなたみたいな新しい団員を一人前の男にするために、上司の妻がひと肌脱ぐことは珍しくないの。勿論、ビルだって了承済みよ」
「ええ?! それは本当ですか! だって、副団長は愛妻家だって有名な話で……」
「ビルだって同じだもの。入団したばかりの頃、上司の奥方のお世話になったのよ。その恩に報いるため、今度は自分の部下になった若い子の面倒を妻に見させる。これは騎士団では伝統的なことなのよ」
驚愕する俺に、フェリシア様が更に詳しく教えてくれた。
今回の俺に対するフェリシア様からの提案は、副団長も当然知っていることで、それを俺が断るということは、上司の気遣いを無碍にする失礼な態度になるらしい。
また、こういったことは、どこの騎士団でも当たり前に行われていることなのだそうだ。
「これは団員同士の絆を深めることにもなるのよ。とても必要なことなの」
「でも俺、そういった話を、これまで先輩方から一度も聞いたことがありませんが」
「それは当然よ。あくまでも秘密裏に行われいることだもの。口に出すのはマナー違反だわ。あなたもそう。今後のわたしとの関係を人に話してはだめよ。皆だって、知っているのに気付かないフリをしているのだから。さっきも言ったけど、団員同士でそのことについて話すのはマナーなのよ。だから絶対に誰にも話してはダメ」
なるほど、そういう理由があったから、これまで先輩たちからも『上司の奥方からの閨事授業』について一度も耳にしたことがなかったのか。
そこに関しては納得したものの、俺は丁寧にフェリシア様からのお誘いに断りを入れた。
「なるほど、理解できました。けれど、俺にそういった手ほどきは不要です。俺が下手でもきっとリディアは許してくれる。二人で一緒に学んでいけばいいんですから」
「同じようなことを言っていて、新妻に愛想をつかされて離婚した団員を何人も知っているわ」
「!」
「それにね、言ったでしょう? わたしの誘いを断るということは、あなたに目をかけているビルの面子を潰すことになるの。本当にそれでもいいの?」
それを言われると困っていしまう。
黙り込んだ俺を見て、フェリシア様クスッと笑った。
「ともかく、今度のあなたの非番の日に部屋に行くから。楽しみに待ってなさい」
「いや、だから俺は、そんなのいりま――――」
「上司の奥方命令よ!」
そう言うと、俺の言葉を聞かずにフェリシア様は帰っていってしまった。
そうして次の非番の時、宣言通りにフェリシア様は俺の部屋にやってきった。かと思うと、戸惑う俺を無視して全裸になると、俺をベッドへと引きずり込んだのだった。
副団長からの恩情。
フェリシア様を拒むことは、副団長からの思いやりを無視することになり、それは恩を仇で返すことを同義となる。
そう言われてしまうと、俺としてはフェリシア様に従うしかなかった。そして俺はフェリシア様の性技に翻弄されつつ、その手練手管に発情を促されて童貞を失うことになったのだった。
初めて経験した性交は、言葉にできない程の快感を俺に与えてくれた。あまりの気持ち良さになにも考えられず、ただ猿のように腰を振るだけだった俺に、フェリシア様は色々なことを教えてくれた。
「自分だけ気持ち良くなろうとしてはダメよ。女性を気持ち良くすることを考えなくちゃ。どうされると相手の女性が感じるのか、それを探りながら色々と動いて見るのよ。それに、黙って腰を振るだけなんて以ての外! 愛してるとか綺麗だよとか好きだとか、言葉でも女性を気持ち良くさせなくちゃ。睦み合っている最中は、わたしのことは呼び捨てにしなさい」
フェリシア様からの教えは、聞けばなるほど納得できることばかりで、回数を重ねるごとに俺の技術は上がっていった。
リディアに対して感じていた申し訳ないという気持ちも、これが騎士団の伝統なのだから仕方がないのだと、いつの間にか受け入れてしまい、罪悪感もあまり感じなくなっていったのだった。
そうは言っても、俺はいつも思っていたんだ。
これはすべて副団長の面子を潰さないためと、結婚後にリディアに愛想をつかされないために行っているのだと。いつだって心からそう思っていた。気持ち良くなることが目的で、フェリシア様と寝ているわけではない。
だからリディアとの結婚式まで二ヵ月を切った時。
その日は俺の非番とリディアの休日が珍しく重なって、本当なら二人で町の探索をしたり、結婚式について話したりしようと思っていた。が、俺の非番を知ったフェリシア様がこう言ったことで、リディアとのデートは中止することになったんだ。
「あなたとの閨事にはもう飽きてき……じゃなくて、もうあなたには教えることはなくなったわ。どこの女をも喜ばせることができる立派な男よ。だから次のあなたの非番の日をもって、わたしの授業を最後とします」
「ああ、良かった。本当ですか!」
「良かったって……あなたねぇ。まあ、いいわ。ともかく次が最後よ。だから最終試験を行うわ。教えられたことを全部出しきって、わたしを満足させてみなさいな。合格できなければ授業を延長することになるわよ」
延長は御免だった。
確かにフェリシア様との閨事は気持ち良いけれど、俺が本当に抱きたい相手はリディアだけだ。だから、少しでも早くフェリシア様との授業を終わりにしたくて、俺は彼女の言葉に頷いたのだった。
リディアには疲れているからと嘘をついて、デートを中止してもらうことにした。心から申し訳ないと思うが、これも一日も早くフェリシア様との授業を終わらせるためだ。どうか許して欲しい。
そして、次の非番の日。
最後の授業として俺がフェリシア様と抱き合っている際中、恐ろしいことが起こった。
なんと、俺たちが睦み合っている真っ最中、なぜか急にベッドごと、俺たちは騎士団の訓練場に移動してしまったのだ。
一瞬、なにが起きたか分からずに呆然としてしまった。そして、次には愕然とした。
ベッドの周りにはたくさんの同僚たちがいて、皆一様に驚いた顔で俺たちを見ている。
全裸で性器同士を繋げたままの俺たちは、そのすべてを余すところなく騎士団員たちに晒していた。恥ずかしくて逃げ出したいのに、体は少しも動こうとはしてくれない。言い訳したくても口が動かないせいで声も出せない。
しばらくすると、俺は鬼の形相で駆け付けた副団長から、殺される寸前まで殴りつけられ、体中を蹴り上げられた。
動けず、しゃべれもしないせいで、副団長にどんな言い訳もすることができない。ただ、心の中でこう思っていた。
どうしてここまで副団長は怒っているのだろう。フェリシア様との関係は、副団長も了承しているはずだ。この場に繋がったま現れたことは申し訳ないと思うけど、どうしてこうなったのか俺にだってわからない。
そんなことを思いながら、副団長からの暴行を受けまくった俺は、あまりの痛みに耐え切れず、やがて意識を失ったのだった。
その後、医務室で目を覚ました俺は、見舞いに来てくれた同僚に話を聞いて驚愕することになる。
フェリシア様……いや、フェリシアが俺に言っていた騎士団の伝統がどうとかいう話は、すべてが嘘だった。俺は馬鹿な話をコロリと信じた、とんだマヌケ野郎だったらしい。それだけじゃなく、俺は名実ともに、上司の奥方と不倫をする糞野郎で、そんな俺のことを副団長は殺すと言ってはばからないほど怒り狂っているそうだ。
俺は大怪我による痛みに苦しみながらも、事情聴取に訪れた団長に、これまでの経緯を包み隠さずすべて話した。
フェリシアの言葉に簡単に騙された俺は、確かにとんでもなく馬鹿だったかもしれない。けれども、それも副団長を尊敬していたからこそ、その尊敬する副団長の奥方の言葉だったからこそ、信じてしまったんだ。
俺はそれを涙ながらに団長に訴えた。
そんなバカなことがあるか、と最初は信じてくれなかった団長だが、団長の宛てに匿名の手紙が数通届き、その内容が俺と同じ目に合ったことがあるという先輩騎士たちからのものだったことで、俺の話が嘘ではないと漸く信じてもらえたのだった。
どうやらフェリシアは、顔の良い新人騎士団員食いの常習犯だったらしい。純粋な者ほど彼女の言葉に騙されたらしく、今回の俺の騒ぎによって、自分も騙されていたのだと初めて気付いた先輩たちも、何人もいたのだそうだ。
先輩たちの手紙のおかげで、俺は騎士団をクビにならずにすんだ。しかし、辺境へと飛ばされることになった。
そこは魔獣の出没の多い危険地域であり、生きて帰ることができたら奇跡とも言えるような、そんな危ない場所だ。
リディアとの婚約は破棄された。
どんなに言い訳したくとも、リディアは俺に二度と会ってくれようとはしなかった。
更に俺は、お隣の可愛いリディアを裏切ったたクズとして、両親から勘当されてしまった。二度と屋敷の門をくぐることは許さないと、汚物を見るような目を両親から向けられた。
聞いた話によると、副団長はフェリシアを娼館に売り飛ばしたらしい。今後の人生、男たちに性的な奉仕をしながら生きることになるだろうが、それは果たしてあの女にとって罰になるのだろうか。むしろご褒美になるのではないかと俺は訝しんだ。
正直、俺はフェリシアを殺してやりたいほど憎んでいる。
あの女のせいで、心から愛しているリディアとの結婚がなくなり、二度と会えなくなってしまったからだ。
しかし、これ以上俺が罪を重ねれば、元婚約者だったリディアの汚点を大きくするだけだと思い、なんとか殺人犯にならずに我慢している。
フェリシアの売られた娼館は国内でも娼婦の扱いが酷いことで評判の悪店らしいから、いずれあの女は性病にでもかかって死ぬことになるだろう。ザマアミロと言ってやりたい。
ベッドが突然移動した理由は、いまだ解明されていないらしい。
不義密通を許さない神の裁きとかいう噂話が飛び交っているようだが、本当のところは不明なままだ。もしかすると、本当に神の怒りにより行われた、奇跡の業なのかもしれない。
俺は今日、辺境へと向かう辻馬車に乗り、王都を離れることになる。俺はきっと、彼の地で命を落とすことになるだろう。仕方がない、すべてが自業自得だと理解している。
ただ、心残りが一つだけある。
勿論、それは愛するリディアのことだ。
ああ、リディア。今も心から愛している。
最後に一目だけでもいいから会いたかった。
俺がバカだったせいで傷つけた。心から申し訳ないと思う。
リディア と結婚して、幸せな家庭を築き、生涯寄り添って生きていきたかった。
もう二度と会えないだろうけど、リディアの幸せを誰よりも祈ってる。
本当は、リディアを俺の手で幸せにしたかった。
さようなら、リディア。
生まれ変わったら今度こそ、リディアと結婚して幸せになりたい。
俺はそんなことを思いながら、わずかな荷物だけを手に持ち、馬車へと乗り込んだのだった。
見送りは誰一人としていなかった。
End
64
お気に入りに追加
175
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(6件)
あなたにおすすめの小説
愚かな浮気夫
京佳
恋愛
夫はどうしても浮気癖が治らない。妻はお前だけ愛人も持つつもりは無い。結婚しているのだからたかが浮気くらい大目に見ろと夫は悪びれもせずまた今日も違う女を引き入れる。そんな夫だけど愛してるから離婚なんて考えられない。そうね…貴方の言う通り浮気は気にしない事にするわ。
自暴自棄サレ妻
ヤリチン夫の末路
ゆるゆる設定
※少し書き直しました
された事をそのままやり返したら婚約者が壊れた(笑)
京佳
恋愛
浮気する婚約者に堪忍袋の緒がブチ切れた私は彼のした事を真似てやり返してやった。ふん!スッキリしたわ!少しは私の気持ちが分かったかしら?…え?何で泣いてるの?やっぱり男の方が精神も何もかも弱いのね。
同じ事をやり返し。ざまぁ。ゆるゆる設定。
リアンの白い雪
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
その日の朝、リアンは婚約者のフィンリーと言い合いをした。
いつもの日常の、些細な出来事。
仲直りしていつもの二人に戻れるはずだった。
だがその後、二人の関係は一変してしまう。
辺境の地の砦に立ち魔物の棲む森を見張り、魔物から人を守る兵士リアン。
記憶を失くし一人でいたところをリアンに助けられたフィンリー。
二人の未来は?
※全15話
※本作は私の頭のストレッチ第二弾のため感想欄は開けておりません。
(全話投稿完了後、開ける予定です)
※1/29 完結しました。
感想欄を開けさせていただきます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
いただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
貴方に愛されなかった惨めな私は消えます
京佳
恋愛
婚約者の心変わりに長年苦しんできた私。私と婚約破棄もせず恋人とも別れない最低な貴方。けれどそろそろ私に終わりの時期が近付いてきた。最低な貴方だけど好きだった。さようなら恋人とお元気で。
ゴミ屑婚約者
乞食女
自暴自棄ヒロイン
ゆるゆる設定
※誤字訂正しましたm(_ _)m
さようなら、あなたとはもうお別れです
四季
恋愛
十八の誕生日、親から告げられたアセインという青年と婚約した。
幸せになれると思っていた。
そう夢みていたのだ。
しかし、婚約から三ヶ月ほどが経った頃、異変が起こり始める。
番を辞めますさようなら
京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら…
愛されなかった番
すれ違いエンド
ざまぁ
ゆるゆる設定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
愛されて…の方なんですが
栗色の瞳と琥珀色の瞳となっている部分がありましたのと…
彼女を…
マナーよ。と、奥方が言っているのですが、こちらは違反が抜けてように思いましたが…読み間違えだったらすみません。
アランが哀れ…
でもなぁ何も知らないリディア的には、他の女に「愛してる」って言っているのを聞いてしまったわけだし。
そりゃあショックでしょうよ。トラウマだよ。
アランは可哀想だけどアホすぎて、今回の事がなくても、いつか同じようなことに引っ掛かる結果になりそう。
いやーきつい。アラン君可哀想すぎて。浮気は絶対ダメだけど、アラン君視点では不可抗力なところもあったのだし。疑問に思いつつも快楽に溺れてしまったのはおバカだけど、若い頃にはありがちですし。長年の恋心が昇華されようとする直前での破局は、生涯アラン君を苦しめ続けるであろう事はかたくない。自分だったら理由聞いたら許しちゃうな〜実際そこまで一途に思ってくれる人はまずいないもの。こういう痛い目にあった人は2度と同じ過ちを繰り返さないはずと信じたい気持ちもある。痛い目にあわせたのリディアちゃんで仕返しはすんでるし。理由を聞いたリディアちゃんがアラン馬鹿だなぁって思いながらやりすぎちゃった自分を反省しつつ(私は正直やりすぎだと思ってます)自分を思い続けてくれたアラン君を許し、追いかけていって幸せになる未来を想像して自分を慰めます。じゃないとやり切れなさすぎて浮上出来ません〜(笑)