お義兄様に一目惚れした！

36 満ち足りて

　わたしを上から見下ろすお義兄様は、なぜだか少し苦しそうに見える。全身に汗を滲ませて熱気を放つその姿は、言いようもないほどに色っぽい。

「はあ……全部繋がったぞ、クリス」
「……あ、……嬉し、お義兄様……好きです」
「ああ、俺もだ」

　夢のようだった。
　以前に繋がった時は、媚薬を使って無理矢理お義兄様に襲わせた。
　でも今度はお義兄様が自分の意思でわたしを求めてくれている。

　幸せだった。
　そんな想いを体が感じ取ったのか、わたしの中がお義兄様をきゅうと締め付けた。それを合図と受け取ったのか、お義兄様が腰をゆっくりと動かし始めた。

　わたしの体を気づかってか、優しく単調な動きがしばらく続く。
　やがてそれが中を抉えぐるような動きに変わった。そしてすぐに最奥を突き上げるような動きに変わる。

　お義兄様の動きと共に、狂おしいほどの気持ち良さが体の内部から生まれ、それが全身へと広がっていく。

　奥を激しく突かれながら花芽を指でぐりっと圧し潰されると、強い愉悦が生まれてわたしは思わず大きく喘いだ。

「ああっ……あっ！　義兄様……そこ……ああ、いいっ」
「かわいい、クリス。俺もすごくいいよ。でもまだ足りない」
「もっと良くなって……わたしで気持ち良くなって……んっ、あアんっ」
「誰にも渡さない、俺のクリス、もっと俺を感じてくれ」

　もうお義兄様がなにをしても、どんな動きをしても気持ちがいい。
　縋るように伸ばした手を、お義兄様がしっかりと握ってくれた。

「名前を呼んでくれ、クリス。俺の名前を」
「っあ、セド……セドリック」
「もっと……もっとだ」
「セドリック、ああっ、愛しています、セドリック」

　硬い亀頭にぐりっと子宮口が圧し潰された。そのまま小刻みに何度も突かれ、張ったカリでゴリゴリと奥を削られる。

「やぁっ……そこすごいっ、ゴリゴリだめっ、ああ……お義兄様、ああっ」
「もっとだ、もっと善がってみせてくれ……はぁ、溶けそうだ」
「もうだめっ、わたしもっ……溶けるっ、そこっ、そこがぁ……ああああっ！！！！」

　激しく体を痙攣させながらわたしは絶頂した。わたしの膣がセドリックを甘くきつく締め付ける。それでもセドリックは動きをとめず、わたしの中を激しく蹂躙し続ける。

　今もまだ達している最中で快感に溢れたわたしの体に、新たなる快感が覆いかぶさってきて、あまりにも気持ちがよすぎて頭がおかしくなりそうになってしまう。

「ああっ、変にっ……変になるっ！　またイくっ……またイっちゃますっ！！」
「いいぞ、何度でもイけ。俺にまた蕩けた顔を見せてくれ」
「は……ぃやあぁぁっ！！」

　再度の絶頂にむせび泣くわたしの上で、セドリックがぶるりと体を震わせた。奥に熱いなにかが注がれた感触に、わたしの体が歓喜に震えて痙攣する。

　やがてセドリックは泣きそうな顔で体を倒すと、わたしに何度もキスをした。優しく触れ、舌を絡ませたかと思うと、また触れるだけのキスを繰り返す。

「愛している。本当に……心から……もう二度と離さない」

　嘘偽りのないその囁くような声を耳にして、わたしの胸が切なさにきゅうと縮こまる。あまりにも幸せで、泣きながらセドリックを抱きしめた。

「わたしを見つけてくれて、ずっと諦めないでいてくれて、ありがとうございます」

　旅の疲れと四年振りの性交による疲れのせいか、わたしはお義兄様に抱きしめられたまま、気を失うように眠りについたのだった。