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35 互いしか見えない
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甘い痺れに全身を犯されて放心していると、お義兄様の声が聞こえた。
「クリスの体に触れたのは、俺だけだな? この四年間、他の男には触らせていないな?」
「はい……お義兄様だけです。お義兄様にしか触れさせないし、触れられたくありませんから」
目を細めてお義兄様がふわりと微笑んだ。
そして、小さくなにかを呟く。
「よかった。もし触れた者がいたら、殺してしまうところだ」
声が小さすぎて、なにを言ったから分からない。聞き返そうかと思ったけれど、それよりもわたしには質問したいことがあった。
「わたしのことより、お義兄様はどうなのです? 他の女性と同衾のご経験はあるのですか?」
「え?」
「以前、淑女教育をして下さっていたロマーノ夫人から聞いたことがあります。お義兄様が房事の実施授業を受けるって。どこかのご婦人と、その、触れ合ったの……ですか?」
考えただけでも悲しくて、わたしの瞳から涙が零れ落ちる。
「そのことをロマーノ夫人から聞いた時、わたし、とても苦しくて嫌な気持ちになりました。今それを想像するだけでもすごく辛い。……嫌、嫌です。お義兄様が他の女性と肌を合わせるなんて、絶対に嫌……」
涙を流しながら嗚咽するすわたしに、お義兄様が困ったように眉根を下げながらも口元に笑みを浮かべた。
「本当に、昔から俺を好いてくれていたのだな。嬉しいよ、クリス」
そう言うと、わたしの涙を唇で吸い取ってくれる。
「安心してくれ、俺もクリスだけだ。房事の実施は断ったからな」
「そ、そうなのですか?」
「クリス以外を抱くなんて、考えただけで虫唾が走る。俺はずっとクリスだけを好きだった。欲しいのは今も昔もクリスだけだ」
「嬉しい」
お兄様から触れるだけのキスを何度かされた後、熱の籠った瞳を向けられた。
「おしゃべりはここまでだ。続きがしたい」
「わたしも早くお義兄様と一つになりたい……」
「……くっ、煽り過ぎた。俺が何年この時を待っていたと思っている」
お義兄様の水色の瞳が欲望の色に染まる。
つい先ほどまで指でかき回されていた濡れた秘所に、お義兄様の熱い屹立が当てられた。それが柔らかく濡れた肉を割り開くように少しずつ入ってくる。
最後にそこに何かが入ったのは、もう四年も前のこと。
久し振りすぎて痛みがあるものの、愛する人とひとつになれる喜びで全身が歓喜にむせび泣く。
「あ……あぁっ」
「クリス」
「早く、お義兄様、早く奥まで……きて」
次の瞬間、わたしの体を太くて硬くて熱いものが貫いた。
「は、んぁああっ!」
「クリスの体に触れたのは、俺だけだな? この四年間、他の男には触らせていないな?」
「はい……お義兄様だけです。お義兄様にしか触れさせないし、触れられたくありませんから」
目を細めてお義兄様がふわりと微笑んだ。
そして、小さくなにかを呟く。
「よかった。もし触れた者がいたら、殺してしまうところだ」
声が小さすぎて、なにを言ったから分からない。聞き返そうかと思ったけれど、それよりもわたしには質問したいことがあった。
「わたしのことより、お義兄様はどうなのです? 他の女性と同衾のご経験はあるのですか?」
「え?」
「以前、淑女教育をして下さっていたロマーノ夫人から聞いたことがあります。お義兄様が房事の実施授業を受けるって。どこかのご婦人と、その、触れ合ったの……ですか?」
考えただけでも悲しくて、わたしの瞳から涙が零れ落ちる。
「そのことをロマーノ夫人から聞いた時、わたし、とても苦しくて嫌な気持ちになりました。今それを想像するだけでもすごく辛い。……嫌、嫌です。お義兄様が他の女性と肌を合わせるなんて、絶対に嫌……」
涙を流しながら嗚咽するすわたしに、お義兄様が困ったように眉根を下げながらも口元に笑みを浮かべた。
「本当に、昔から俺を好いてくれていたのだな。嬉しいよ、クリス」
そう言うと、わたしの涙を唇で吸い取ってくれる。
「安心してくれ、俺もクリスだけだ。房事の実施は断ったからな」
「そ、そうなのですか?」
「クリス以外を抱くなんて、考えただけで虫唾が走る。俺はずっとクリスだけを好きだった。欲しいのは今も昔もクリスだけだ」
「嬉しい」
お兄様から触れるだけのキスを何度かされた後、熱の籠った瞳を向けられた。
「おしゃべりはここまでだ。続きがしたい」
「わたしも早くお義兄様と一つになりたい……」
「……くっ、煽り過ぎた。俺が何年この時を待っていたと思っている」
お義兄様の水色の瞳が欲望の色に染まる。
つい先ほどまで指でかき回されていた濡れた秘所に、お義兄様の熱い屹立が当てられた。それが柔らかく濡れた肉を割り開くように少しずつ入ってくる。
最後にそこに何かが入ったのは、もう四年も前のこと。
久し振りすぎて痛みがあるものの、愛する人とひとつになれる喜びで全身が歓喜にむせび泣く。
「あ……あぁっ」
「クリス」
「早く、お義兄様、早く奥まで……きて」
次の瞬間、わたしの体を太くて硬くて熱いものが貫いた。
「は、んぁああっ!」
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