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第三章 死面の篝火
第十五話 名無しの怪物
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◇◇◇
その人間は、枯葉の色の長い髪を持っていた。
足元まである白い衣を着て、晴れ空のような布を羽織っていた。
弦靴を履いた足で、一歩、一歩、沈まない石の上を進んでくる。
腰をかがめ、顔を近づけて、
ワタシを見る。
「まぁ!」
人間は、土色の目を見開いた。
「やっぱりですわ!」
白い両腕が伸びてきた。
掴まれた。
「骨だわ、人の頭の骨ーーー」
ズポン!
「?!」
ワタシを引き抜いた人間の目が、ワタシの頭、白い頭蓋骨から伸びている黒い身体をまじまじと見ている。
骨の頭部に、黒くて長い軟体を付けた者なんて見たことないだろうからな。
ワタシは、震える人間の腕を払いのけた。
白い頭蓋骨をそのままに、身体を固体に変化させていく。
獣の四肢となり、石の上へ飛び降りた。
青熊の身体だが、まだ子供だったから、人間の半分くらいの背丈にしかなれない。
頭蓋骨の下で声帯を作り、人間の言語を放る。
【気安く触るナ人間、次はなイ】
「ッ!!」
泥の中へと沈んで行くワタシの後ろで、
「次はないって、どういう意味なの?」
愚か者の声がした。
【喰らウ】
身体を泥の中へと潜らせながら、
そう答えた。
けれど、
それは半分嘘だ。
ワタシたちは、生きた人間を喰らう必要はない。
辺りを見渡せば、動物、植物、人間、魔物が浮かんでいる。
みんな、死んでいる。
ワタシたちが殺したわけじゃあない。
落ちてくる死骸を、
ワタシたちは喰うのだ。
あちらでも、そちらでも、
黒いワタシたちに包まれ、喰われ、
死骸は消えていく。
後には何も残らない。
…………いや、
「あなたのこと、何て呼べばいいかしら?」
【…………?】
あの人間が、また、ワタシの前にいる。
おかしい。
「わたくしの名前は、ディーゼラよ。」
◇◇◇
少年の上半身と昆虫の下半身を持つ薄紫色の魔物、ア・モースーは、ザカザカと走らせていたムカデのような脚を止めた。
薄紫色の鼻先を、とある場所に向けて声を上げた。
【何してんだ?クロウ。】
人間の営む店の軒先で、黒鬼が椅子に座っていた。
最近魔物たちの間で話題となっている食堂だ。
どっかの蟷螂ジジイが、ここの肉を魔物たちにバラ撒いたのが発端である。
黒鬼は、食卓の皿の上にある黄色い葡萄から、ぷちりともぎ取った一粒を口に放り込んだ。
『……食べている。』
【そうじゃねーよ、おまえがいるせいで、空気が悪いんだよ。あー、気分わるいなー。すっごい悪いなー。もう最悪に、あ!こんにちは、オルセー、いつものください。】
はーい、あれねェー!と厨房にいる女店主が声を上げる。
黒鬼は、ア・モースーの閉じられ、薄く皮膚の張った瞼を見上げると、コクリ、頷いた。
『家に帰って寝るといい。』
【おッ、まッ、えッ、が、帰れって言ってんだよッ!!こんの残虐王!!おまえが街中にいたら、みんな怖がるじゃないかよ!見てみろ!】
たしかに、黒鬼と薄紫色の魔物を人間たちは引きつった顔で遠巻きにしている。
食堂にいた魔物たちは、敵意のある怪しげな顔でチラチラと見ていた。
けれど、口の中に食事を放り込む手は止まっていない。
女店主へのおかわり請求の声がけと、皿や机をガンガン叩く音も小さくなったが止まることはない。
ちなみに、魔物たちと人間のオルセーの言葉は違うのだが、この食堂では通じるようになっている。
黒朗は、また、黄色い葡萄から、ぷちりともぎ取って一粒を口に放り込む。
【おい!】
『ア・モースーも食べるか?』
【オレの名前を呼ぶんじゃねぇッ!】
『オマエはオレの名前を呼んでいる。』
【おまえの名前を呼ぶ時はなッ!呪いを込めてんだッ!だからいいんだよッ!】
『なるほど。』
【おまえに、あらゆる不幸が襲いかかるようにな!】
『そうか。』
真剣な顔をしてそう言う魔物に、黒鬼はコクリと頷いた。
「キャアアアアアーーー!!」
黒髪の若い人間の女が悲鳴を上げていた。
女を両腕に抱き上げた中年の人間の男が、
げへげへと、嬉しそうな顔で立っている。
女がジタバタと手足を振り回し、それが当たってもびくともしない。
『…………』
すっ、と黒鬼が立ち上がった。
「ゴバトう?!」
黒鬼の手が男の横腹に突き刺さり、男は奇声を上げて崩れ落ちた。
男の腕から逃れた女は、倒れ伏す男の頭を踏みつけ、唾を吐き捨て去っていった。
【何なのそいつ?】
ア・モースーは、起き上がって、何事もなかったかのように再び料理や酒に手を伸ばす男を見る。
黒色の巻き毛の髪に、顎髭の男だ。
黒い目に、黄土色の肌をしている。
濃紺の衣の上に、黒い甲冑を身に付けていた。
その男は、ア・モースーが訪れた時から、ずっと黒朗の隣で料理を掻き込んでいた。
『拾った。』
「ワハハハッッ!!そう!!拾われたのだ!ワハハハッッ!!」
バシバシと黒朗の肩を叩く男に、ア・モースーは顔を引きつらせた。
知り合いの針鼠親父と似た匂いに、彼の脚がザワザワと後退した。
「お主は……、クロウ殿の家臣か?」
ア・モースーの両手の平から、薄紫色の両刃が飛び出し、男の首を横凪に切り払った。
が、
【!!】
「違うか。」
両刃は、粉々に砕け散ってしまう。
【………おまえ、人間じゃないの?】
男は、肩をすくめた。
「さぁて?なんだったか?」
【は?】
「覚えておらんのだ。」
男は、自分の頭を指でコツコツと叩いた。
「頭の中が、もや~って、もうもやや~ってなっててな、名前もわからん有り様で。なァ!クロウ殿!」
黒鬼は、コクリと頷いた。
『コイツの腹が鳴ったから、ここに連れて来た。』
「城でも食事できるようになったんじゃなかった?料理人雇ったんでしょ?」
新しい料理の大皿を食卓に置きながら、食堂の主オルセーは黒朗の方へ視線をやる。
黒鬼は、黄色い目玉を横にそらした。
「黒朗ーーーーー!!黒朗ッ!!黒朗ッッ!黒朗オオオオオーーーーー!!どおおおこだあアアアアアーーーー!!どこに隠れやがッタアアアアアーーー?!」
灰色の鬼城のてっぺんで、海藻頭の中年男、春風が、怒号を上げていた。
灰色の柱に黒いモノで縛られている春風は、逃れようと踠もがく。
だが、叶わない。
黒朗の造り出した黒いモノのせいなのだろう、彼の能力である風の力も使えない。
「落ちつけ。」
赤髪の青年、紅羽が、春風に声をかけるが、
「若ッ!!黒朗を探してくださいよ!探して青柳を城に戻すように言ってくださいッ!アイツ!青柳を牢獄に、あんな子供を、罪人共のいる場所に入れたんですよ?!鬼の所業でしょ?!!」
「…………」
たしかに鬼の所業だ、と紅羽は思った。
「若だって見たでしょ?!そもそもあのイカれたクソガキが仕掛けたのが悪いんだッ!!青柳は応戦しただけじゃないですか!!やり返しただけなのに、半分灰にされる刑ってなんなんですか?!あの子めっちゃ泣いてましたよ?!だいたい青柳は女の子なんですよ?!それを凶悪なケダモノの群れに落とすなんてーーー!!」
「…………」
春風の言葉に、やはり少し波立っていた紅羽の心は落ちついた。
青柳は、たしかに女の子だが、
(アイツの内にも、凶悪なケダモノはいる。)
黒翼の男と出会った折、
白い角の鬼と化そうとした青柳はーーー。
紅羽の目が、鋭さを帯びる。
「所詮化け物には!人間の気持ちなんかわからないんですよッ!!」
「そんなことはありませんわ。」
降り注ぐ陽光のような、柔らかな声が、春風の耳に注がれた。
美しい女の姿をした魔物、ガラディーだった。
肩まである灰銀色の髪が、ふわりと揺れ、
青銅色の目が、春風の黒い目を覗き込む。
花びらのような唇が、咲いた。
「化け物も、人間と同じ。心を持っているのですよ。友愛の心だってあるのです。……ジャージィカルは、信用出来ないかもしれませんが。」
春風はガラディーを睨み付け、唇の端を上げた。
「アンタも、オレは信用出来ないんですがねェ…。」
ふふふ、とガラディーは微笑んだ。
「では、わたくしがアオヤギを取り返してきますわ。」
「は?」
「だって、あの子は、わたくしの大切な友人の1人ですもの。」
◇◇◇
人間は、白い手をワタシに差し出した。
すごく、笑っている。
【………知らなイのか?人間は、ディポクシャジャラ、と呼ぶ】
いいな、これ、
と、ワタシは思った。
黒い液状の身体から、毛むくじゃらの熊の手を出して、女の白い手を掴んだ。
次は、この人間にしようと。
◇◇◇
その人間は、枯葉の色の長い髪を持っていた。
足元まである白い衣を着て、晴れ空のような布を羽織っていた。
弦靴を履いた足で、一歩、一歩、沈まない石の上を進んでくる。
腰をかがめ、顔を近づけて、
ワタシを見る。
「まぁ!」
人間は、土色の目を見開いた。
「やっぱりですわ!」
白い両腕が伸びてきた。
掴まれた。
「骨だわ、人の頭の骨ーーー」
ズポン!
「?!」
ワタシを引き抜いた人間の目が、ワタシの頭、白い頭蓋骨から伸びている黒い身体をまじまじと見ている。
骨の頭部に、黒くて長い軟体を付けた者なんて見たことないだろうからな。
ワタシは、震える人間の腕を払いのけた。
白い頭蓋骨をそのままに、身体を固体に変化させていく。
獣の四肢となり、石の上へ飛び降りた。
青熊の身体だが、まだ子供だったから、人間の半分くらいの背丈にしかなれない。
頭蓋骨の下で声帯を作り、人間の言語を放る。
【気安く触るナ人間、次はなイ】
「ッ!!」
泥の中へと沈んで行くワタシの後ろで、
「次はないって、どういう意味なの?」
愚か者の声がした。
【喰らウ】
身体を泥の中へと潜らせながら、
そう答えた。
けれど、
それは半分嘘だ。
ワタシたちは、生きた人間を喰らう必要はない。
辺りを見渡せば、動物、植物、人間、魔物が浮かんでいる。
みんな、死んでいる。
ワタシたちが殺したわけじゃあない。
落ちてくる死骸を、
ワタシたちは喰うのだ。
あちらでも、そちらでも、
黒いワタシたちに包まれ、喰われ、
死骸は消えていく。
後には何も残らない。
…………いや、
「あなたのこと、何て呼べばいいかしら?」
【…………?】
あの人間が、また、ワタシの前にいる。
おかしい。
「わたくしの名前は、ディーゼラよ。」
◇◇◇
少年の上半身と昆虫の下半身を持つ薄紫色の魔物、ア・モースーは、ザカザカと走らせていたムカデのような脚を止めた。
薄紫色の鼻先を、とある場所に向けて声を上げた。
【何してんだ?クロウ。】
人間の営む店の軒先で、黒鬼が椅子に座っていた。
最近魔物たちの間で話題となっている食堂だ。
どっかの蟷螂ジジイが、ここの肉を魔物たちにバラ撒いたのが発端である。
黒鬼は、食卓の皿の上にある黄色い葡萄から、ぷちりともぎ取った一粒を口に放り込んだ。
『……食べている。』
【そうじゃねーよ、おまえがいるせいで、空気が悪いんだよ。あー、気分わるいなー。すっごい悪いなー。もう最悪に、あ!こんにちは、オルセー、いつものください。】
はーい、あれねェー!と厨房にいる女店主が声を上げる。
黒鬼は、ア・モースーの閉じられ、薄く皮膚の張った瞼を見上げると、コクリ、頷いた。
『家に帰って寝るといい。』
【おッ、まッ、えッ、が、帰れって言ってんだよッ!!こんの残虐王!!おまえが街中にいたら、みんな怖がるじゃないかよ!見てみろ!】
たしかに、黒鬼と薄紫色の魔物を人間たちは引きつった顔で遠巻きにしている。
食堂にいた魔物たちは、敵意のある怪しげな顔でチラチラと見ていた。
けれど、口の中に食事を放り込む手は止まっていない。
女店主へのおかわり請求の声がけと、皿や机をガンガン叩く音も小さくなったが止まることはない。
ちなみに、魔物たちと人間のオルセーの言葉は違うのだが、この食堂では通じるようになっている。
黒朗は、また、黄色い葡萄から、ぷちりともぎ取って一粒を口に放り込む。
【おい!】
『ア・モースーも食べるか?』
【オレの名前を呼ぶんじゃねぇッ!】
『オマエはオレの名前を呼んでいる。』
【おまえの名前を呼ぶ時はなッ!呪いを込めてんだッ!だからいいんだよッ!】
『なるほど。』
【おまえに、あらゆる不幸が襲いかかるようにな!】
『そうか。』
真剣な顔をしてそう言う魔物に、黒鬼はコクリと頷いた。
「キャアアアアアーーー!!」
黒髪の若い人間の女が悲鳴を上げていた。
女を両腕に抱き上げた中年の人間の男が、
げへげへと、嬉しそうな顔で立っている。
女がジタバタと手足を振り回し、それが当たってもびくともしない。
『…………』
すっ、と黒鬼が立ち上がった。
「ゴバトう?!」
黒鬼の手が男の横腹に突き刺さり、男は奇声を上げて崩れ落ちた。
男の腕から逃れた女は、倒れ伏す男の頭を踏みつけ、唾を吐き捨て去っていった。
【何なのそいつ?】
ア・モースーは、起き上がって、何事もなかったかのように再び料理や酒に手を伸ばす男を見る。
黒色の巻き毛の髪に、顎髭の男だ。
黒い目に、黄土色の肌をしている。
濃紺の衣の上に、黒い甲冑を身に付けていた。
その男は、ア・モースーが訪れた時から、ずっと黒朗の隣で料理を掻き込んでいた。
『拾った。』
「ワハハハッッ!!そう!!拾われたのだ!ワハハハッッ!!」
バシバシと黒朗の肩を叩く男に、ア・モースーは顔を引きつらせた。
知り合いの針鼠親父と似た匂いに、彼の脚がザワザワと後退した。
「お主は……、クロウ殿の家臣か?」
ア・モースーの両手の平から、薄紫色の両刃が飛び出し、男の首を横凪に切り払った。
が、
【!!】
「違うか。」
両刃は、粉々に砕け散ってしまう。
【………おまえ、人間じゃないの?】
男は、肩をすくめた。
「さぁて?なんだったか?」
【は?】
「覚えておらんのだ。」
男は、自分の頭を指でコツコツと叩いた。
「頭の中が、もや~って、もうもやや~ってなっててな、名前もわからん有り様で。なァ!クロウ殿!」
黒鬼は、コクリと頷いた。
『コイツの腹が鳴ったから、ここに連れて来た。』
「城でも食事できるようになったんじゃなかった?料理人雇ったんでしょ?」
新しい料理の大皿を食卓に置きながら、食堂の主オルセーは黒朗の方へ視線をやる。
黒鬼は、黄色い目玉を横にそらした。
「黒朗ーーーーー!!黒朗ッ!!黒朗ッッ!黒朗オオオオオーーーーー!!どおおおこだあアアアアアーーーー!!どこに隠れやがッタアアアアアーーー?!」
灰色の鬼城のてっぺんで、海藻頭の中年男、春風が、怒号を上げていた。
灰色の柱に黒いモノで縛られている春風は、逃れようと踠もがく。
だが、叶わない。
黒朗の造り出した黒いモノのせいなのだろう、彼の能力である風の力も使えない。
「落ちつけ。」
赤髪の青年、紅羽が、春風に声をかけるが、
「若ッ!!黒朗を探してくださいよ!探して青柳を城に戻すように言ってくださいッ!アイツ!青柳を牢獄に、あんな子供を、罪人共のいる場所に入れたんですよ?!鬼の所業でしょ?!!」
「…………」
たしかに鬼の所業だ、と紅羽は思った。
「若だって見たでしょ?!そもそもあのイカれたクソガキが仕掛けたのが悪いんだッ!!青柳は応戦しただけじゃないですか!!やり返しただけなのに、半分灰にされる刑ってなんなんですか?!あの子めっちゃ泣いてましたよ?!だいたい青柳は女の子なんですよ?!それを凶悪なケダモノの群れに落とすなんてーーー!!」
「…………」
春風の言葉に、やはり少し波立っていた紅羽の心は落ちついた。
青柳は、たしかに女の子だが、
(アイツの内にも、凶悪なケダモノはいる。)
黒翼の男と出会った折、
白い角の鬼と化そうとした青柳はーーー。
紅羽の目が、鋭さを帯びる。
「所詮化け物には!人間の気持ちなんかわからないんですよッ!!」
「そんなことはありませんわ。」
降り注ぐ陽光のような、柔らかな声が、春風の耳に注がれた。
美しい女の姿をした魔物、ガラディーだった。
肩まである灰銀色の髪が、ふわりと揺れ、
青銅色の目が、春風の黒い目を覗き込む。
花びらのような唇が、咲いた。
「化け物も、人間と同じ。心を持っているのですよ。友愛の心だってあるのです。……ジャージィカルは、信用出来ないかもしれませんが。」
春風はガラディーを睨み付け、唇の端を上げた。
「アンタも、オレは信用出来ないんですがねェ…。」
ふふふ、とガラディーは微笑んだ。
「では、わたくしがアオヤギを取り返してきますわ。」
「は?」
「だって、あの子は、わたくしの大切な友人の1人ですもの。」
◇◇◇
人間は、白い手をワタシに差し出した。
すごく、笑っている。
【………知らなイのか?人間は、ディポクシャジャラ、と呼ぶ】
いいな、これ、
と、ワタシは思った。
黒い液状の身体から、毛むくじゃらの熊の手を出して、女の白い手を掴んだ。
次は、この人間にしようと。
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