黒鬼の旅

葉都

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第三章 死面の篝火

第十二話 捕まった老夫婦

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燃え上がる炎の上で、黒い鉄鍋が白い煙を吹く。赤色の野菜と黄色の木の実と、分厚い肉が舞い上がる。

茶色い髪と黒い目をした30代くらいの女は、たくましい腕をあらわに、鉄鍋を操る。

カマドの奥からは、パンの焼ける芳ばしい薫りが広がっていた。


「母ちゃんッ!」

「用意してあるわよ。」


慌てた声で厨房に駆け込んできた息子に、オルセーは、手に持つヘラで灰色の台を指し示す。

台の上には、巨大な重箱がどどんと幾つも積み上げられていた。

自分の倍の背丈ほどのそれを見上げ、コレウセは、にっかりと笑った。


「あんがと、母ちゃん!」


(よーしッ)


コレウセは、焦げ茶色の目を閉じた。


(いいぜッ!)


コレウセの身体が膨らみ、日に焼けた肌に、黒い獣毛が波打ち始める。

焦げ茶色の目が赤黒く染まり、米神にぐるりと天を突く黒角が生える。

人間の少年の姿から、黒い牛の頭を持つ魔物の姿へと変化した。

着ていた服は伸縮自在の特別製なので、服を着た黒牛男の出来上がりである。

コレウセは、重箱を背負いオルセーを振り返ると片手を上げる。


【いってくるよ!母ちゃん!】

「気をつけるんだよ!」


人間には、イナナきにしか聞こえない息子の声に、オルセーは人間の言葉を返す。

2メートル近い背丈の魔物にはちょっと小さい人間用の扉をくぐり出ていく姿を、オルセーはやれやれと笑い息を吐く。


「まったくね、とんでもないことになったもんだわ。」


外から聞いたことのある不思議な音がして見て

みると、麦藁帽子をかぶり、青黒い肌をした異形--魔物たちの神であるサーチャーと、コレウセが出くわしていた。


オルセーの胸が早鐘のように鳴る。


オルセーには、魔物の言葉などまったく理解出来ないのだが、コレウセはサーチャーに挨拶しているようだった。

サーチャーとは、何度か関わる機会があって(昆虫頭の常連客のあれで)、害は加えられなさそうだ、というのはわかってはきていたが、その存在に慣れることができない。

サーチャーの本当の姿は、地下に封印されていた巨大な邪神であるらしいし、今の姿は姿で、奇っ怪だ。


(なんだか、悪いこと考えてそうよねー?)


なんとなく、オルセーはそう思って、

そして、この街の支配者となった黒鬼の姿が思い浮かんだ。

店を小鳥と共に訪れた白ずくめの少年、クロウは、とても優しそうだった。

けれど、同じ優しそうな顔で、魔物たちも人間も、無慈悲な力で屈服させてしまった。


オルセーは、ちょっと笑った。



「あら?誰かしら?」


サーチャーの隣に、深緑色の長い髪の男が立っていた。

黄緑色の目、黄土色の肌をした30代ほどの男だ。がっしりとした体躯のその男は、服装からして、クレハやハルカゼと同じ異国人のようだった。

引きつった表情を浮かべる男を見て、オルセーは思った。


(なんだか、似てるわねー)


魔物の姿となったコレウセや、店を訪れる魔物たちの姿が脳裏をちらつくのだ。


サーチャーと緑髪の男は、立ち去っていく。

コレウセも、目的地へと歩き出した。

コレウセやサーチャーに目を向け、ひそひそと囁く人間たちがいたが、オルセーは気にしない。

むしろこちらをチラチラと伺う魔物たちのほうが問題なのだ。

昆虫頭の魔物、タ・カランが、売り物の骨付き肉の入った鍋を強奪した後から、魔物たちが店に顔を出すようになった。

人間への敵意は窺えるが、料理は受け入れられるらしい。


(光栄だわね~)


オルセーだって、帰ってきた息子が魔物に変化するようになって、言いたい文句はいくらでもあるのだ。


(ふんだくってやるわッ!!)


オルセーは腕を捲る。


「さーてと、やりましょ!」









【ゾフさ--ん!!】


樹の一番てっぺんにいた灰色の小鳥は、届いた声に空色の目を下へと向ける。

黒い牛頭の魔物が、地上からこちらを見上げていた。


トッ、トッ、トッ


枝から枝へと飛び移り、ゾフタルキタは、黒牛の肩に乗った。

灰色の小鳥は、コレウセの背中にある荷物を、身体を上下左右に揺らしながら見た。


『忘れものはないだろうな?』

【ないよ。ゾフさんの分もしっかり持ってきた。】

『よかろう。』


緑の草原が広がる景色の一部が歪み、キラキラと、光の粒がにじみ出る。

コレウセの前に、巨大な黒い扉が現れた。

星空のような扉は、音もなく開いた。

コレウセは、足を踏み出した。









小さく黒いものが、宙に無数に浮かんでいる。

それは揺れて、少しの金色の光を溢して消えていく。

それを見て、灰色の小鳥は目を細めた。


【ルウス!】


黒と白の入り交じる幾何学模様の描かれた床の上に、灰色の髪の少年が座りこんでいる。

白い半袖の上着と、黒いズボンを身につけた裸足の少年の両足首には、黒い鎖が付けられていた。

少年は床に広がる大きな本に視線を落としていた。

それは、黒く塗りつぶされた本だった。

文字はどこにも見当たらない。

そんな真っ黒い本を、少年、ルウスはじっと見ていた。

訪れるたびに見る光景に、コレウセはちょっと不安を感じている。

頭おかしくなったりしてないか--?と。


【また食わなかったのか?】


側に置かれた重箱の蓋を開け、コレウセは鼻を鳴らした。

重箱の中の料理は、昨日渡したそのままの状態だったのだ。

スッと、黒いものが重箱の上に現れて、矢印となって、箱の一角を指し示した。


【?】

『ポスは食ったらしいな。』


灰色の小鳥の言葉に、赤い小さな実がなくなっていることに気がついた。

宙に浮かぶ黒いものが、変化して、ぐるりと円を描く。

本から目を離さずのルウスのそれに、黒牛の額にビキリと血管が浮かぶ。


【食ったうちに入らないっつーの!!ちゃんと食えよ!!おまえッ!顔色悪すぎなんだよ!目の下に隈なんかできちゃってさ!ちゃんと食えってばッ!!】

「うるさいな。これは寝ずに本を読み更けってしまった結果だよ。食べてないとかそういうことじゃない。だいたい食べなくてもいいんだから。」


宙に浮いていた黒いものが、するすると落ちてきて、本から目を離さないルウスの身体の中へと入っていく。


「言っただろ?こうやって、魔力が得られれば、肉体の維持に問題はない。魔物と同じようなもの……わかるだろ…。」


ピクリとコレウセの黒い耳が動いた。


「だから、コレウセがわざわざ毎日弁当を持って来なくたってなんの問題も【いやだね!全然大丈夫そうに見えねーしなッ!それに不味そうだッ!】


黒牛の毛むくじゃらの両手が、ルウスに掴みかかろうとして、見えない何かに遮られて、それでも諦めない。


【今日こそは全部食べてもらうからなッ!!ルッブッ!】


宙に浮く黒いものが、コレウセの顔面にぶつかってくる。


【ちょ、ブベ?!ルウスッ!!ルウス--ッ?!】


ベタベタとコレウセの前方に壁のように広がって、のみこんだ。









「おや、コレウセくん。」

「まぁまぁ、コレウセちゃん?今日は、直接なのねぇ。」

【ッ!】


声が聞こえた足元に視線をやると、顔馴染みの老夫婦と目があった。

そこは、白壁と黒床に囲まれ、扉の代わりに、ぎらりと光る鉄杭が嵌め込まれた場所。

人間の囚人、ケネスとレダ夫婦の牢屋だった。




「その様子じゃあ、今日もダメだったみたいねぇ。」


シワの刻まれた白い顔の中にある、湖色の目がコレウセを見やる。

頭を黄色い花柄の散る三角巾で包み、明るい茶色のワンピース姿の老女、レダが、小さな白い円卓にのった白いカップに、緑色のお茶を注ぎながら言った。

差し出されたお茶を、コレウセは白い丸椅子に座りながら、大きな毛むくじゃらの手で掴み、ごくりと飲み干した。

爽やかな薫りが鼻を通って抜けていく、少し苦いのに、後味に甘味を感じる。


【美味しい。これどうしたの?】


ルウスに追い出されたコレウセが、偶々知り合った2人に突っぱねられた重箱をあげたところ、美味しいと言ってくれて、それから追い出されるたびに夫婦の元へ行き、重箱を差し入れるようになった。

囚人の食事は、とても不味かったらしく、すごく喜んでもらえてコレウセは嬉しかった。

ルウスに拒絶されて落ち込んでいたからなおさらだ。


(だれからの差し入れだろう?)


この牢獄に放り込まれた囚人宛に、差し入れをすることは禁止されていない。

食べ物、飲み物、服や家具を差し入れるのまで問題ない。

牢屋なのに、普通の部屋みたいなところばっかりである。

重箱を持ったケネスが、部屋の白壁へと向かうと、こんこん、と壁を叩いた。

しばらくケネスは待って、またこんこん、と壁を叩く。


(?なにしてるんだ?)


コレウセがいぶかしんでいると、白い壁に、にゅっと穴が開いた。

ケネスの顔くらいの大きさの穴から、緑色の目がぎょろりと覗いた。

目玉の中には、黒い水で描いたような円環。

その目は、穴の前に立つケネスを見ると、


【チッ…】


目が消えて、しばらくすると、ぬっ、と黒紫色の太い腕が出てきた。

じゃらじゃらと、赤銅の腕飾りを鳴らして、その手は、ケネスの重箱を掴み取ると引っ込んだ。


【チッ!……チッ!チッ!】


再び穴から黒紫色の手が出てきた。

大きな手の平には、緑色のリボンに結われた銀色の袋が転がっていた。

それをケネスは両手を伸ばして受け取る。


「こりゃあ、ありがたい。」


緑色の目が、ぎょろり、白髭の口元を綻ばせるケネスを見た。


「ありがとな、ハクイさん。」

【……チッ!!】


白い壁に空いた穴は閉じてしまった。


【…今のなに?】

「ハクイさんだよ。コレウセくんの持ってくるお弁当をお裾分けしたら、気に入ったらしくてね、代わりに、お返しをくれるんだ。」


ケネスから渡された銀色の袋の中には、たしかに今飲んだお茶と同じ薫りのする葉が入っていた。


「サーチャーさんが作ったお茶が、差し入れされたらしくてね、それをくれるんだよ。いつも差し入れは争奪戦になって大変なのにねー。」

「ほんとにねぇ、戦争よアレ。」

「コレウセくん?どうしたの?汗だくになって。」

【壁、穴開いてなかった…?】

「そりゃあ、開いてたな。」

「開いてましたねぇ。」


コレウセは、白壁に握り拳を叩きつけた。

白壁は、うんともすんとも言わず、


【ういッたアアアアア--ッ!!】


コレウセの拳が腫れ上がり、青い血がビュービューと飛び出した。


【ホラ!ホラ!普通の家なんか、一発で粉々にしちゃうオレの拳がコレなんだよ?!母ちゃんにめちゃくそ怒られたヤツだぜ?!ルウスのヤツに腹立ってさ、ここの壁を思い切り殴ったんだよ!そしたら骨砕けたんだからさッ!!】

「八つ当たりはよくないぞ。」

「よくないわねぇー。」

【そんなのどうでもいいよッ!あの魔物はこの壁を壊せるってことなら、ヤバいヤツじゃん!危ないって!いつでも侵入される可能性あるし、あんたたちに害を加えることもできるんだよッ!】

「大丈夫よ~?ねー?」

「まぁ、大丈夫だな。」

【なんでそう言えんの?!】

「ハクイさん、いい人だから。それに、ほら、これがあるから、」


レダは、腕を広げ、身に纏う黒い肩掛けを示した。肩掛けの先には、夜闇の星屑のように、銀の粒石が彩る。


「囚人はみんなこのソロイを身に付けているだろ。これがある限り他者への攻撃を打ち消されるからな。そして、もし負傷しても治癒される。」


ケネスは、銀色のボタンが光る、黒いベストに手をやりながら言った。

それは、黒鬼と銀鳥が作った囚人の証であり、錠である。

黒は、危険な力を消滅させた。

銀は、あらゆる傷を癒した。


「けど、魔物の王様だからかしら?少しくらい殴りあってもいいみたいなところがあるみたいねー。魔物同士で喧嘩が起きたり、魔物対人間の喧嘩とかは止めてくれないみたいで、牢番さんもほおっておくだけだし。」

「静かに暮らしたいんだがなァ。」

「ほんとにねぇ、短い余生をゆっくりと寛がせてほしいんだけどねぇ。」

【いや、そもそも、ここ牢屋だから。くつろぎとか求めるとか、入っちゃダメなんだからなッ!!】

「そうだった!」

「そうだったわ!」


可笑しそうに笑う2人に、コレウセは息を吐く。


(そういえば、なんで2人はここにいるんだろう?)




ふと、視線を感じた。




「牛だ。」




鉄格子の外に、鋼色の髪の子供が立っていた。

コレウセよりも小さな男の子だ。

赤髪の異国人、クレハと似た服装をしている。

その小さな右手が掴む先を見れば、大きな黄緑色のカエルがぶらさがっていた。

眉毛や、表皮には羽毛が生えていて、身体から、どろどろと透明なものが垂れ流しになっていた。

つぶらな黒い目からも、垂れていて、コレウセを見つめていた。



(あ、泣いてるのか…)



「コレウセくんッ!!」



銀色に輝くものが、コレウセに向かって放たれた。

コレウセの両手、両足に鋼色の輪が絡まり縛めた。



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