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54話
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アリアが思った通り、次の日登校して一番に見たアリアの顔は酷く青ざめた死人のような顔をしていた。眠れてないのだろうか、薄らと隈まで出来ている。あれでは途中で倒れるだろう。
けれどそんなリリーの様子を知ってか知らずか、ヴィルヘルムはリリーに近寄ろう、話しかけよう、とソワソワしているのだから、アリアは昼休憩になっても二人、特にリリーから目を離すことが出来なかった。
「っ!危ない!!」
そんな折、心のどこかで危険視していたことが起きた。フラフラと階段を上るリリーがアリアとすれ違うその瞬間に、その足を踏み外したのだ。
咄嗟に手を伸ばして捕まえるが、アリアの細腕ではリリーを支えるのことなどできない。そのまま引きずられるようにして、二人一緒に落下していく。
「お嬢!!無事か!!」
「ぅ……え、えぇ…」
痛みに呻きながらも体を起こす。落ちたと言っても階段の中腹ほど。踊り場の壁に打ち付けられたのは痛いが、頭を守れたこともあり、ギリギリ重症には至っていないだろう。
「すぐ医務室に行くぞ。」
「……私よりも、リリー様は?無事?」
腕の中にいるはずのリリーに視線を向ければ、気絶しているのか眠っているのか、血の気のない顔のまま腕の中でぐったりしている。リリーをヴィノスに預け立ち上がろうとするが、落ちた時に足をくじいたのか痛みが走りすぐさま座り込んでしまう。
「お嬢怪我したの?」
「えぇ、立てそうにないわ。人を呼ぶか先にリリー様を連れてってもらえる?」
「えぇー。普通そういうのお嬢先じゃね?てか、先に連れてけー!って言われると思ってた。」
「貴方は私をなんだと思ってるのよ。」
わがままはもう辞めると決めたのだ。それ以上に今は意識のないリリーの方が心配だ。いくら前回いがみ合ったとはいえ、彼女の様子を見ると、どうしてもあの冷たい牢屋では怯えて眠れず、その睡眠不足が体を蝕んでいく辛さを思い出す。
放っておこうとする自分を、泣きわめく自分が押さえつけ怒り出してしまうのだ。どうして辛いのに放っておくの、助けてよ、と。
「ユーリでも引き摺ってくっから、お嬢動くなよ。」
「えぇ、お願いするわ。」
ヴィノスが食堂の方に走り出そうとした時、騒ぎを聞き付けて集まってきた野次馬たちを掻き分けて、目に痛い銀髪が飛び出してきた。
「リリー!!」
大急ぎで階段を駆け下りてくるヴィルヘルムの前に、咄嗟に立ち塞がるようにヴィノスが立つ。その表情はアリアから見えないが、きっと面倒くさいを表に出した表情をしているのだろう。
「……なんのつもりだ。」
「王太子殿下こそ、今フローレスに駆け寄って何をなさるおつもりで?」
「お前ごときがリリーの名を呼ぶな。アリアの犬が。リリーに何をした!!」
ヴィノスに暴言を吐き捨て、そしてさらに奥にいるアリアまでもを睨んで叫ぶ。その声と表情に、断罪され婚約破棄を言い渡された時のことを思い出したアリアが身を強ばらせる。
「何をしたって、何もしてねーよ。ただその愛しのリリーが足を滑らせて落ちただけだ。」
「嘘だな。お前が…いや、アリアがわざと突き落としたのか?見苦しい。言い訳をするな!」
「曲解どころか妄言もいい所だな。何をしたらそう見えんだ。こっちはあいつ庇うためにお嬢本人まで怪我したんだぞ。」
「ハッ、怪我ねぇ。どうだか、ただ気を引きたいだけでは無いのか?」
何を言っても聞く耳を持たず、アリアが悪いの一点張りのヴィルヘルムにヴィノスが苛立ちを募らせる。野次馬は増える一方で、周りからはヒソヒソとうるさい囁き声がなり続ける。
「…マジでさっきからなんなんだよ。嫌味だったら後にしてくれ。こちとら早く医務室に連れていかなきゃなんねぇんだ。」
「心配は無用だ。リリーなら私が医務室に連れていく。」
「俺はてめぇの心配なんてしてねぇよ、どけって言ってんの。耳ついてんのか?」
「その無礼は今は看過してやろう。早くリリーをこちらに渡すんだ。」
苛立ちすぎてもはやアリアに言いつけられた外面さえも簡単に剥がれさり、堂々とヴィルヘルムに向かって舌打ちとガンをプレゼントする。けれどヴィルヘルムも変わらぬ態度でリリーの名ばかりを呼ぶ。
「一体これはなんの騒ぎですの!」
「お、ナイスタイミング。」
けれど人混みの奥から高らかな声が聞こえ、その声に聞き覚えのあったヴィノスはさっきまでの苛立ちを隠しいつもの飄々とした笑みに戻す。
「おどきなさい!……アリア様!それに、リリー様まで!!」
人混みが二つに裂け、そこが我が道だと言わんばかりにやってきたのは案の定アムネジアだった。なぜだか知らないがその後ろに身を縮ませたユーリもいたが、逆に好都合だとヴィノスは思った。
「これはどういうことですの?!」
「リリー様が足を滑らせて階段から落ちてしまわれたんですわ。私はともかく、リリー様の意識がないの、早く医務室に運んでさしあげないといけないわ。」
ヴィルヘルムに何かを言ってもろくな返しがないことを理解していたアリアは、ヴィノスとヴィルヘルムの会話に混ざることは無かったが、ちょうど事態を動かす乱入者としてやってきたアムネジアに、簡潔にすべきことを話す。
「あーなるほど。ならすぐ運んだ方がいいか。クラレンス嬢、フローレス嬢貸して。」
「お願い致しますわ。」
「おい!!」
咎めるようなヴィルヘルムの声が聞こえてきたが、無視をしてアリアはユーリにリリーを渡す。そして身が軽くなったアリアは痛む足を抑えながらヴィノスの肩を借りて立つ。
「殿下。」
「……」
アリアとは会話もしたくないのか、アリアの呼び掛けに視線は向けるが、答えはない。そのうえその視線は人を射殺しそうなほど鋭かった。
「貴方様がどうお考えなのかは私には図りきれません。しかし私はクラレンス家に誓って、リリー様を害すようなことは致しておりません。」
「……どうだかな。」
「悲しい限りですわ。それでは、私はここで失礼致しますわ。ごきげんよう。」
痛む足を必死に我慢して完璧なカーテシーを見せる。けれどその後一歩も歩けない。強がりのまま佇んでいればヴィノスが横からアリアを抱き上げる。
「怪我してんのに見栄はんなよ。」
「見栄を張るのが貴族の仕事だもの。」
「はいはい、御託はいいからさっさと医務室行くぞ。」
けれどそんなリリーの様子を知ってか知らずか、ヴィルヘルムはリリーに近寄ろう、話しかけよう、とソワソワしているのだから、アリアは昼休憩になっても二人、特にリリーから目を離すことが出来なかった。
「っ!危ない!!」
そんな折、心のどこかで危険視していたことが起きた。フラフラと階段を上るリリーがアリアとすれ違うその瞬間に、その足を踏み外したのだ。
咄嗟に手を伸ばして捕まえるが、アリアの細腕ではリリーを支えるのことなどできない。そのまま引きずられるようにして、二人一緒に落下していく。
「お嬢!!無事か!!」
「ぅ……え、えぇ…」
痛みに呻きながらも体を起こす。落ちたと言っても階段の中腹ほど。踊り場の壁に打ち付けられたのは痛いが、頭を守れたこともあり、ギリギリ重症には至っていないだろう。
「すぐ医務室に行くぞ。」
「……私よりも、リリー様は?無事?」
腕の中にいるはずのリリーに視線を向ければ、気絶しているのか眠っているのか、血の気のない顔のまま腕の中でぐったりしている。リリーをヴィノスに預け立ち上がろうとするが、落ちた時に足をくじいたのか痛みが走りすぐさま座り込んでしまう。
「お嬢怪我したの?」
「えぇ、立てそうにないわ。人を呼ぶか先にリリー様を連れてってもらえる?」
「えぇー。普通そういうのお嬢先じゃね?てか、先に連れてけー!って言われると思ってた。」
「貴方は私をなんだと思ってるのよ。」
わがままはもう辞めると決めたのだ。それ以上に今は意識のないリリーの方が心配だ。いくら前回いがみ合ったとはいえ、彼女の様子を見ると、どうしてもあの冷たい牢屋では怯えて眠れず、その睡眠不足が体を蝕んでいく辛さを思い出す。
放っておこうとする自分を、泣きわめく自分が押さえつけ怒り出してしまうのだ。どうして辛いのに放っておくの、助けてよ、と。
「ユーリでも引き摺ってくっから、お嬢動くなよ。」
「えぇ、お願いするわ。」
ヴィノスが食堂の方に走り出そうとした時、騒ぎを聞き付けて集まってきた野次馬たちを掻き分けて、目に痛い銀髪が飛び出してきた。
「リリー!!」
大急ぎで階段を駆け下りてくるヴィルヘルムの前に、咄嗟に立ち塞がるようにヴィノスが立つ。その表情はアリアから見えないが、きっと面倒くさいを表に出した表情をしているのだろう。
「……なんのつもりだ。」
「王太子殿下こそ、今フローレスに駆け寄って何をなさるおつもりで?」
「お前ごときがリリーの名を呼ぶな。アリアの犬が。リリーに何をした!!」
ヴィノスに暴言を吐き捨て、そしてさらに奥にいるアリアまでもを睨んで叫ぶ。その声と表情に、断罪され婚約破棄を言い渡された時のことを思い出したアリアが身を強ばらせる。
「何をしたって、何もしてねーよ。ただその愛しのリリーが足を滑らせて落ちただけだ。」
「嘘だな。お前が…いや、アリアがわざと突き落としたのか?見苦しい。言い訳をするな!」
「曲解どころか妄言もいい所だな。何をしたらそう見えんだ。こっちはあいつ庇うためにお嬢本人まで怪我したんだぞ。」
「ハッ、怪我ねぇ。どうだか、ただ気を引きたいだけでは無いのか?」
何を言っても聞く耳を持たず、アリアが悪いの一点張りのヴィルヘルムにヴィノスが苛立ちを募らせる。野次馬は増える一方で、周りからはヒソヒソとうるさい囁き声がなり続ける。
「…マジでさっきからなんなんだよ。嫌味だったら後にしてくれ。こちとら早く医務室に連れていかなきゃなんねぇんだ。」
「心配は無用だ。リリーなら私が医務室に連れていく。」
「俺はてめぇの心配なんてしてねぇよ、どけって言ってんの。耳ついてんのか?」
「その無礼は今は看過してやろう。早くリリーをこちらに渡すんだ。」
苛立ちすぎてもはやアリアに言いつけられた外面さえも簡単に剥がれさり、堂々とヴィルヘルムに向かって舌打ちとガンをプレゼントする。けれどヴィルヘルムも変わらぬ態度でリリーの名ばかりを呼ぶ。
「一体これはなんの騒ぎですの!」
「お、ナイスタイミング。」
けれど人混みの奥から高らかな声が聞こえ、その声に聞き覚えのあったヴィノスはさっきまでの苛立ちを隠しいつもの飄々とした笑みに戻す。
「おどきなさい!……アリア様!それに、リリー様まで!!」
人混みが二つに裂け、そこが我が道だと言わんばかりにやってきたのは案の定アムネジアだった。なぜだか知らないがその後ろに身を縮ませたユーリもいたが、逆に好都合だとヴィノスは思った。
「これはどういうことですの?!」
「リリー様が足を滑らせて階段から落ちてしまわれたんですわ。私はともかく、リリー様の意識がないの、早く医務室に運んでさしあげないといけないわ。」
ヴィルヘルムに何かを言ってもろくな返しがないことを理解していたアリアは、ヴィノスとヴィルヘルムの会話に混ざることは無かったが、ちょうど事態を動かす乱入者としてやってきたアムネジアに、簡潔にすべきことを話す。
「あーなるほど。ならすぐ運んだ方がいいか。クラレンス嬢、フローレス嬢貸して。」
「お願い致しますわ。」
「おい!!」
咎めるようなヴィルヘルムの声が聞こえてきたが、無視をしてアリアはユーリにリリーを渡す。そして身が軽くなったアリアは痛む足を抑えながらヴィノスの肩を借りて立つ。
「殿下。」
「……」
アリアとは会話もしたくないのか、アリアの呼び掛けに視線は向けるが、答えはない。そのうえその視線は人を射殺しそうなほど鋭かった。
「貴方様がどうお考えなのかは私には図りきれません。しかし私はクラレンス家に誓って、リリー様を害すようなことは致しておりません。」
「……どうだかな。」
「悲しい限りですわ。それでは、私はここで失礼致しますわ。ごきげんよう。」
痛む足を必死に我慢して完璧なカーテシーを見せる。けれどその後一歩も歩けない。強がりのまま佇んでいればヴィノスが横からアリアを抱き上げる。
「怪我してんのに見栄はんなよ。」
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