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29話
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はく、と音の無い呼吸が聞こえるような気がした。それくらいに、顔を青くして口をぱくぱくさせるアムネジアが衝撃を受けていたのは確実だった。覚悟を決めたアリアはされどじっとアムネジアの瞳を見続けた。
「あ、アリア様は…もう、諦めておられるのですか?」
「あの様子が、在学中に正される気配がなければ、それは仕方のないことですわ。」
「けれど、あの御方は王位継承権第一位であられる御方ですわ。」
「その順位を変動させ王位についた方も、過去にはおりますわ。」
アムネジアだって理解しているのだろう。もしこの状態で、仮にアリアを王妃としリリーを側室として迎え入れようとも、本来のアリアとの婚姻の目的である血筋を持った子供が生まれることがないことを。
実際、前回ではアリアは自分の犯した罪によりその命を奪われ、見事王妃となったリリーと子を成したはずだ。リリーを王妃にするためにどう言った理由付け、手順を踏んだかも、その子が将来どうなったのかも、何もかも、死んだアリアは知る由もないのだが。
「アリア様。一つ確認させてくださいまし。もし仮に殿下がそのまま玉座に着いた場合、平民の王妃をお認めになるおつもりですの?」
「そうなった場合、認めざるを得ないでしょうね。」
カチャリ、と重い空気の中アリアの茶器が成る。アムネジアはとうとうそれに耐えられなくなったかのように、重々しいため息を吐き出した。
「どうやって、婚約を破棄するおつもりなんですの?」
「それが全く目処がたっておりませんの。リリー様との関係を素直に告げてくだされば、こちらから身を引くことも出来るというのに。」
「あーお嬢、多分それ無理だぜー?」
そこでやっと、今まで黙って事の成り行きを見守っていたヴィノスが声を出した。貴族のあれそれに疎いヴィノスは、こういった話の時、基本黙っている。今だって人払いのために見張りを続けているのに、わざわざ話に入ってきたことにアリアは驚いた。
「どういう意味?」
「お嬢は王太子に嫌われてる。その理由も理由だ、絶対向こうから関係を明かした挙句にお嬢に身を引かせるなんてねーよ。」
「……もう少し分かりやすく説明してちょうだい。」
「ちょうどいい、報告はしようと思ってたんだよ。」
ヴィノスはユーリから聞いたことを話す。最初はアムネジアも、その話を知っている、何がおかしいところがあるのか、という表情をしていたが、ヴィノスがリリーが王太子にそういう想いを向けられることに対して多少なりとも後ろ向きな気持ちを持っているということを説明すれば顔の色をまたなくしていった。
アリアに関してはもはや頭を抱えていた。
「つまり…何?王太子殿下の思いは一方通行で?」
「おう。」
「挙句の果てにはリリー様はその想いに答えようとはせず、リリー様が私に対して好意的な感情を持っているという理由で更に王太子が私に対して嫌悪を抱いていると?」
「嫌悪なんてもんじゃなく、ありゃ憎悪にも届くな。」
ケラケラと笑うヴィノスに対して、明確な苛立ちを感じるアリア。けれど、それは二の次にして、一番の問題点と向き合わなければと考え直す。
「まるで昔のお嬢見てーだよな。」
「やめてちょうだい。少し思っていただけあって心が苦しいのよ。」
「ま、それら差し置いてもさすがに浮気を認めるような状況にはできねーし、今の状況から王太子がフローレスを手に入れるんなら、あれこれ理由つけてお嬢捨てるしかねーな。」
貧民街で暮らしていれば、自分の非を正当化しようとするものたちなど山ほどいて、そして正当化するための方法なんていやでも身につく。そこから考えつく方法をヴィノスが教えてやれば、アリアは顔色をどんどん悪くしていく。アムネジアはもうその常識の範疇を越してしまったのか、追いつけていないように固まっている。
「理由をつける、とは例えば?」
「それこそ、お嬢が嫉妬してフローレスを虐めていた、とか?あーでも階級制度の前じゃちと弱いか?嫉妬するあまりフローレスの暗殺を企てた、とか」
「冗談じゃないわ!そんなこと、する訳ないじゃない!」
ヴィノスの提案はその両方がアリアが前回企てたものだった。思わず立ち上がりヴィノスを睨みつける。下手をすれば解雇の可能性だってあるほどに無礼な発言を下にもかかわらず、ヴィノスはヘラヘラと笑いながら落ち着けよ、と声をかけた。
「あくまで予想。お嬢がしなければ濡れ衣になる。お嬢はそんな事しないだろ?」
「する訳ないじゃない!……恐ろしいこと言わないで。」
「悪かったって。」
アリアはイラついた様子を隠さないまま再び席に着く。目の前で繰り広げられる主従の会話とは思えない会話に、アムネジアは何度も抱いた感想をとうとうこぼした。
「本当に、アリア様はその従者のことを気に入っておられるのですわね。」
「へ?」
「私だったら、そのような呼び方をしてくる時点で折檻。話し方、マナー、内容の全てから迷う余地なく解雇致しますわ。」
疲れた表情でそう言うアムネジアに、アリアは戸惑うように声を漏らす。解雇をする。それ自体は前回アリアが山ほど他の侍従にしてきたことだ。今回になってから一度もしていないが、もちろん頭の片隅にはその手段は置いてあった。
「ヴィノスを…解雇?」
「普通はしますわよ。それだけ気に入っておられるのでしょう?まぁもう少し、他の者がいるときは気をつけた方がいいと思いますが……」
「え、えぇ……それは、ごもっともですわ。」
けれど、ヴィノスを解雇するだなんて本気で考えたこと、アリアにはなかった。前回は一番言うことの聞く従順な駒であったから、解雇の必要はなかったし、今回になってからは自分の命を奪う恐怖の対象そのものだ。感じの必要がある。
けれど確かに、解雇して心強い護衛でも雇えば、命自体は守れたのかも知れない。けれどなぜ、自分はこうも頑なにヴィノスを手放すという判断に至らなかったのか。
「え、お嬢俺の事解雇すんの?退職金出る?」
「しないわよ。それに、仮に貴方の無礼で解雇するなら退職金は出さないわよ。」
「従者が雇い主にそんな無礼な口を聞くなんて、恐らく男爵家や大商家でもありませんわよ。」
呆れたような視線をアムネジアから向けられ、二人揃って互いに顔を見合わせる。アリアは無自覚だったからかキョトンとした顔を、ヴィノスは何が面白いのかいつものように金の瞳を三日月のようにして笑っている。
「……とりあえず、今日のことは他言無用にしませんと。絶対に、他には聞かせられない内容になってしまったわ。聞かれた瞬間、全員もれなく打首ですわ……」
恐ろしい、そう言って顔を青くするアムネジアに、改めてアリアも自分がとんでもないことを言って、挙句の果てにそれにアムネジアを巻き添えにしたことを自覚した。
「あ、アリア様は…もう、諦めておられるのですか?」
「あの様子が、在学中に正される気配がなければ、それは仕方のないことですわ。」
「けれど、あの御方は王位継承権第一位であられる御方ですわ。」
「その順位を変動させ王位についた方も、過去にはおりますわ。」
アムネジアだって理解しているのだろう。もしこの状態で、仮にアリアを王妃としリリーを側室として迎え入れようとも、本来のアリアとの婚姻の目的である血筋を持った子供が生まれることがないことを。
実際、前回ではアリアは自分の犯した罪によりその命を奪われ、見事王妃となったリリーと子を成したはずだ。リリーを王妃にするためにどう言った理由付け、手順を踏んだかも、その子が将来どうなったのかも、何もかも、死んだアリアは知る由もないのだが。
「アリア様。一つ確認させてくださいまし。もし仮に殿下がそのまま玉座に着いた場合、平民の王妃をお認めになるおつもりですの?」
「そうなった場合、認めざるを得ないでしょうね。」
カチャリ、と重い空気の中アリアの茶器が成る。アムネジアはとうとうそれに耐えられなくなったかのように、重々しいため息を吐き出した。
「どうやって、婚約を破棄するおつもりなんですの?」
「それが全く目処がたっておりませんの。リリー様との関係を素直に告げてくだされば、こちらから身を引くことも出来るというのに。」
「あーお嬢、多分それ無理だぜー?」
そこでやっと、今まで黙って事の成り行きを見守っていたヴィノスが声を出した。貴族のあれそれに疎いヴィノスは、こういった話の時、基本黙っている。今だって人払いのために見張りを続けているのに、わざわざ話に入ってきたことにアリアは驚いた。
「どういう意味?」
「お嬢は王太子に嫌われてる。その理由も理由だ、絶対向こうから関係を明かした挙句にお嬢に身を引かせるなんてねーよ。」
「……もう少し分かりやすく説明してちょうだい。」
「ちょうどいい、報告はしようと思ってたんだよ。」
ヴィノスはユーリから聞いたことを話す。最初はアムネジアも、その話を知っている、何がおかしいところがあるのか、という表情をしていたが、ヴィノスがリリーが王太子にそういう想いを向けられることに対して多少なりとも後ろ向きな気持ちを持っているということを説明すれば顔の色をまたなくしていった。
アリアに関してはもはや頭を抱えていた。
「つまり…何?王太子殿下の思いは一方通行で?」
「おう。」
「挙句の果てにはリリー様はその想いに答えようとはせず、リリー様が私に対して好意的な感情を持っているという理由で更に王太子が私に対して嫌悪を抱いていると?」
「嫌悪なんてもんじゃなく、ありゃ憎悪にも届くな。」
ケラケラと笑うヴィノスに対して、明確な苛立ちを感じるアリア。けれど、それは二の次にして、一番の問題点と向き合わなければと考え直す。
「まるで昔のお嬢見てーだよな。」
「やめてちょうだい。少し思っていただけあって心が苦しいのよ。」
「ま、それら差し置いてもさすがに浮気を認めるような状況にはできねーし、今の状況から王太子がフローレスを手に入れるんなら、あれこれ理由つけてお嬢捨てるしかねーな。」
貧民街で暮らしていれば、自分の非を正当化しようとするものたちなど山ほどいて、そして正当化するための方法なんていやでも身につく。そこから考えつく方法をヴィノスが教えてやれば、アリアは顔色をどんどん悪くしていく。アムネジアはもうその常識の範疇を越してしまったのか、追いつけていないように固まっている。
「理由をつける、とは例えば?」
「それこそ、お嬢が嫉妬してフローレスを虐めていた、とか?あーでも階級制度の前じゃちと弱いか?嫉妬するあまりフローレスの暗殺を企てた、とか」
「冗談じゃないわ!そんなこと、する訳ないじゃない!」
ヴィノスの提案はその両方がアリアが前回企てたものだった。思わず立ち上がりヴィノスを睨みつける。下手をすれば解雇の可能性だってあるほどに無礼な発言を下にもかかわらず、ヴィノスはヘラヘラと笑いながら落ち着けよ、と声をかけた。
「あくまで予想。お嬢がしなければ濡れ衣になる。お嬢はそんな事しないだろ?」
「する訳ないじゃない!……恐ろしいこと言わないで。」
「悪かったって。」
アリアはイラついた様子を隠さないまま再び席に着く。目の前で繰り広げられる主従の会話とは思えない会話に、アムネジアは何度も抱いた感想をとうとうこぼした。
「本当に、アリア様はその従者のことを気に入っておられるのですわね。」
「へ?」
「私だったら、そのような呼び方をしてくる時点で折檻。話し方、マナー、内容の全てから迷う余地なく解雇致しますわ。」
疲れた表情でそう言うアムネジアに、アリアは戸惑うように声を漏らす。解雇をする。それ自体は前回アリアが山ほど他の侍従にしてきたことだ。今回になってから一度もしていないが、もちろん頭の片隅にはその手段は置いてあった。
「ヴィノスを…解雇?」
「普通はしますわよ。それだけ気に入っておられるのでしょう?まぁもう少し、他の者がいるときは気をつけた方がいいと思いますが……」
「え、えぇ……それは、ごもっともですわ。」
けれど、ヴィノスを解雇するだなんて本気で考えたこと、アリアにはなかった。前回は一番言うことの聞く従順な駒であったから、解雇の必要はなかったし、今回になってからは自分の命を奪う恐怖の対象そのものだ。感じの必要がある。
けれど確かに、解雇して心強い護衛でも雇えば、命自体は守れたのかも知れない。けれどなぜ、自分はこうも頑なにヴィノスを手放すという判断に至らなかったのか。
「え、お嬢俺の事解雇すんの?退職金出る?」
「しないわよ。それに、仮に貴方の無礼で解雇するなら退職金は出さないわよ。」
「従者が雇い主にそんな無礼な口を聞くなんて、恐らく男爵家や大商家でもありませんわよ。」
呆れたような視線をアムネジアから向けられ、二人揃って互いに顔を見合わせる。アリアは無自覚だったからかキョトンとした顔を、ヴィノスは何が面白いのかいつものように金の瞳を三日月のようにして笑っている。
「……とりあえず、今日のことは他言無用にしませんと。絶対に、他には聞かせられない内容になってしまったわ。聞かれた瞬間、全員もれなく打首ですわ……」
恐ろしい、そう言って顔を青くするアムネジアに、改めてアリアも自分がとんでもないことを言って、挙句の果てにそれにアムネジアを巻き添えにしたことを自覚した。
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