上 下
21 / 49

第21話 書庫

しおりを挟む
自室に戻るとゴロウはまだ寝ていた。



「ゴロウそろそろ起きなよ」



「うんーあとちょっと」

この反応は人間も元ワニのドラゴンも同じようだ。



「わかったよ、あとちょっとだけだからね」



「ありが・・・スヤぁ」

とたった5文字を言いきらないまま夢の世界に戻った。




まぁ、昨日孵化したばっかだし仕方ないかな



オレはその間今把握できているゴロウの能力をまとめてみる



・言語能力

・飛行

・治癒魔法

・オレへの身体強化



確定しているだけでもすごい能力だ

これは後でバルシュと共有をしておこう・・・



それとバルシュが昨晩言っていた森の中で魔獣に襲われなかった強者のオーラ(仮)



他にも力や魔法の適正等未知数な部分が多い

幸いゴロウとは話せるので能力の確認などはやりやすそうだ。




まずは、エンシェントドラゴンの記述のある本などないかを探してみようと

屋敷にある書庫へと行くことにした。




自分の身体能力が上がっていたことを忘れて普段通りドアを開けてしまった。



シュタッ



エリーは必要分だけ後ろに飛びドアと当たらないギリギリの位置で躱した



オレは焦って確認をする

「ごめん、エリー ドアにぶつからなかった?」




「はい、大丈夫でございます。

ダイ様はどちらいかれるのですか?」



「うん、ちょっと書庫に行こうかとおもって・・・」



「ならば私も。ダイ様では届かない本もあるでしょう」



「そっか、ありがとう。」



「ですが、ダイ様ドアを開けるときはお気を付けください。」



「うん ごめんなさい・・・」

しかし、エリーの身のこなしまるで忍者みたいだったな・・・

何か体術でもやっているのかな?

まぁいいか、今度それとなく聞いてみよう。



そして書庫をあけると

しばらく誰も入っていなかったのだろうドアを開けるとほこりがまった。



エリーが奥にある窓を開けて換気をする。



「まずは掃除が必要ですね」

とエリーがそう言いながら何やら詠唱を始めた。



「ピュアウィンドウ」

スーと風が抜けた。



「エリーすごいね!空気だけじゃなくて埃をかぶっていた本まできれいになったよ」



「いえ、これくらい メイドですので」

謙遜しながら心なしか表情は嬉しそうだった。



そうか、生活魔法もたくさんあるんだな。

今度エリーに教えてもらおう。



早速オレはきれいになった本棚を見て回る



「ダイ様はどのような本をお探しで?」



「ド・・・いや えッと・・・昔の魔獣とかが出てくるお話とか読みたいなっておもって」

危ない、ドラゴンの本なんて言ったら変に勘繰られてしまうかもしれない。

なるべく慎重に事を進めなければ・・・



「昔の魔獣となると冒険記や英雄譚等に出てくるかもしれませんね」



「うん、冒険するお話とか読みたいなって」



「わかりました、私も探してみます。」



「ありがとう」



気になった本を開いては閉じて本棚にもどす。

あまりドラゴンの事を書いているものが無かった。



「あんまりいいの無いなー」

とあきらめて自室に戻ろうとエリーに声をかけようとしたとき



「ダイ様 こんな本はいかがでしょう。」

一番高いところに積まれていた本の中からジェンガを抜くように

1冊の本だけを引き抜きオレに手渡す。



「勇者伝記?」



表紙にはドラゴンの絵が描かれている

表紙を捲るとその本は絵本になっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】好きです!あと何回言ったらわたしを好きになってくれますか?

たろ
恋愛
「貴方が好きです」 会うと必ず伝えるわたしの気持ち。 「ごめん、無理」 必ず返って来る答え。 わかっているんだけど、どうしても伝えたい。 だって時間がないの。 タイムリミットまであと数日。 わたしが彼に会えるのは。 両片思いのお話です。 たぶん5話前後で終わると思います。

心からの愛してる

松倖 葉
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。 全寮制男子校 嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります ※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

天才魔術師の秘書をしてます

みちこ
ファンタジー
子爵家の娘として育った主人公。 学園を卒業して、就職をしようとするけど中々決まらずに困ってると、主人公の兄が友人の秘書にならないかと提案してくる。 兄の親友は天才魔術師と言われてるけど、色々と問題がある人物だった。

今日で都合の良い嫁は辞めます!後は家族で仲良くしてください!

ユウ
恋愛
三年前、夫の願いにより義両親との同居を求められた私はは悩みながらも同意した。 苦労すると周りから止められながらも受け入れたけれど、待っていたのは我慢を強いられる日々だった。 それでもなんとななれ始めたのだが、 目下の悩みは子供がなかなか授からない事だった。 そんなある日、義姉が里帰りをするようになり、生活は一変した。 義姉は子供を私に預け、育児を丸投げをするようになった。 仕事と家事と育児すべてをこなすのが困難になった夫に助けを求めるも。 「子供一人ぐらい楽勝だろ」 夫はリサに残酷な事を言葉を投げ。 「家族なんだから助けてあげないと」 「家族なんだから助けあうべきだ」 夫のみならず、義両親までもリサの味方をすることなく行動はエスカレートする。 「仕事を少し休んでくれる?娘が旅行にいきたいそうだから」 「あの子は大変なんだ」 「母親ならできて当然よ」 シンパシー家は私が黙っていることをいいことに育児をすべて丸投げさせ、義姉を大事にするあまり家族の団欒から外され、我慢できなくなり夫と口論となる。 その末に。 「母性がなさすぎるよ!家族なんだから協力すべきだろ」 この言葉でもう無理だと思った私は決断をした。

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

藤森フクロウ
ファンタジー
 相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。  悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。  そこには土下座する幼女女神がいた。 『ごめんなさあああい!!!』  最初っからギャン泣きクライマックス。  社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。  真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……  そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?    ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!   第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。  ♦お知らせ♦  余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!  漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。  よかったらお手に取っていただければ幸いです。    書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。  7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。  今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。  コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。  漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。  ※基本予約投稿が多いです。  たまに失敗してトチ狂ったことになっています。  原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。  現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。  

追放から始まる新婚生活 【追放された2人が出会って結婚したら大陸有数の有名人夫婦になっていきました】

眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
役に立たないと言われて、血盟を追放された男性アベル。  同じく役に立たないと言われて、血盟を解雇された女性ルナ。 そんな2人が出会って結婚をする。  結婚した事で、役に立たないスキルだと思っていた、家事手伝いと、錬金術師。 実は、トンデモなく便利なスキルでした。  最底辺、大陸商業組合ライセンス所持者から。 一転して、大陸有数の有名人に。 これは、不幸な2人が出会って幸せになっていく物語。 極度の、ざまぁ展開はありません。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

転生発明家は異世界で魔道具師となり自由気ままに暮らす~異世界生活改革浪漫譚~

夜夢
ファンタジー
 数々の発明品を世に生み出し、現代日本で大往生を迎えた主人公は神の計らいで地球とは違う異世界での第二の人生を送る事になった。  しかし、その世界は現代日本では有り得ない位文明が発達しておらず、また凶悪な魔物や犯罪者が蔓延る危険な世界であった。  そんな場所に転生した主人公はあまりの不便さに嘆き悲しみ、自らの蓄えてきた知識をどうにかこの世界でも生かせないかと孤軍奮闘する。  これは現代日本から転生した発明家の異世界改革物語である。

処理中です...