11 / 51
第11話 湖
しおりを挟む
バルシュと二人で森を進み始めてから30分程たっただろう。
マルフォは別働でこの先に魔物がいないかを確認しながら進んでくれている。
神様から授かった啓示によるとそろそろ湖についても良さそうなものだが・・・
そんなことを思っているとバルシュが
「ダイ、あれを見なさい」そう指をさした。
その先を少し背伸びをしながら見てみると200mくらい先に
木が開けた場所から日が差し込んでいるのが見えた。
「あの日の光の元に湖があるのだ。もう少しだ」
そう、オレの目を見て鼓舞するように言った。
「はい、父様」
と返事をしてバルシュについていく
そうか、子供の体力だとこの歩きづらい道の上、いつ魔獣に襲われるかわからない状況だと疲弊をしてもおかしくない。
少し疲れている様子を見せておいた方がいいかな・・・
そんなことを思いながら日の光の方へ進んでいくと
先ほどまで鬱蒼とした雰囲気だった森の中に優しい光が広がり始めた。
「よし、この茂みを越えたところが湖だ」
バルシュはそうが言いながら背丈ほどの木々を掻き分けていく。
その茂みをバルシュが作ってくれたトンネルを抜けると、
そこには光が乱反射をして、まるで宝石が散らばっているような錯覚をしてしまう程の水面が広がっていた。
その湖にバルシュと近づいてみる。水の中を覗いてみるとそこに住んでいる小さい魚の鱗まで見えそうなほど澄んでいる。
バルシュは徐にその水を掬い口に運ぶ。
「うむ。やはりこの水は魔力を含んでいて旨いな。ダイも飲んでみなさい。」
「はい!父様。」
そう言い、恐る恐るその水を手で掬い飲んでみる。
「・・・甘い。この水、甘いです父様」
「うむ。人は魔力の回復は睡眠や休憩をする事で魔力を回復する事ができるが
魔力を含むものを食せば口からも摂取する事ができるからな。
よし、そろそろ卵を探さねばな。」
バルシュはそうが言い腰をあげる。
オレも辺りを見渡してみる。
ちょうど湖畔の対岸の辺りにある岩場には木漏れ日で一点を指している場所を見つけた。
「父様、あそこです。あの場所にあるような気がします。」
オレはそういうと
「よし。先にマルフォを行かせてみよう。あの場所になければ一周して見れば良いのだ」
とバルシュは返してくれた。
バルシュは指笛でマルフォに指示を出す。
マルフォは水面のギリギリを飛んで岩場へと向かう。
岩場に近づくとくるくると旋回をして一番高い岩へととまった。
「ピュイーィ」
と声を上げるとバルシュは優しい笑顔でオレをみると
「ダイよかったな。あの場にお前の従魔になる卵があるみたいだ。」
「はい!ありがとうございます!父様!」
やっとゴロウに会える。
そう思うと笑顔が自然とこぼれる。
バルシュと湖畔を10分ほど歩きマルフォがいる岩場へと到着した。
マルフォがいる岩の下にあるくぼみにはオレの膝丈ほどもある大きな卵をみつけた。
・・・ゴロウ
やっと会えたね・・・
マルフォは別働でこの先に魔物がいないかを確認しながら進んでくれている。
神様から授かった啓示によるとそろそろ湖についても良さそうなものだが・・・
そんなことを思っているとバルシュが
「ダイ、あれを見なさい」そう指をさした。
その先を少し背伸びをしながら見てみると200mくらい先に
木が開けた場所から日が差し込んでいるのが見えた。
「あの日の光の元に湖があるのだ。もう少しだ」
そう、オレの目を見て鼓舞するように言った。
「はい、父様」
と返事をしてバルシュについていく
そうか、子供の体力だとこの歩きづらい道の上、いつ魔獣に襲われるかわからない状況だと疲弊をしてもおかしくない。
少し疲れている様子を見せておいた方がいいかな・・・
そんなことを思いながら日の光の方へ進んでいくと
先ほどまで鬱蒼とした雰囲気だった森の中に優しい光が広がり始めた。
「よし、この茂みを越えたところが湖だ」
バルシュはそうが言いながら背丈ほどの木々を掻き分けていく。
その茂みをバルシュが作ってくれたトンネルを抜けると、
そこには光が乱反射をして、まるで宝石が散らばっているような錯覚をしてしまう程の水面が広がっていた。
その湖にバルシュと近づいてみる。水の中を覗いてみるとそこに住んでいる小さい魚の鱗まで見えそうなほど澄んでいる。
バルシュは徐にその水を掬い口に運ぶ。
「うむ。やはりこの水は魔力を含んでいて旨いな。ダイも飲んでみなさい。」
「はい!父様。」
そう言い、恐る恐るその水を手で掬い飲んでみる。
「・・・甘い。この水、甘いです父様」
「うむ。人は魔力の回復は睡眠や休憩をする事で魔力を回復する事ができるが
魔力を含むものを食せば口からも摂取する事ができるからな。
よし、そろそろ卵を探さねばな。」
バルシュはそうが言い腰をあげる。
オレも辺りを見渡してみる。
ちょうど湖畔の対岸の辺りにある岩場には木漏れ日で一点を指している場所を見つけた。
「父様、あそこです。あの場所にあるような気がします。」
オレはそういうと
「よし。先にマルフォを行かせてみよう。あの場所になければ一周して見れば良いのだ」
とバルシュは返してくれた。
バルシュは指笛でマルフォに指示を出す。
マルフォは水面のギリギリを飛んで岩場へと向かう。
岩場に近づくとくるくると旋回をして一番高い岩へととまった。
「ピュイーィ」
と声を上げるとバルシュは優しい笑顔でオレをみると
「ダイよかったな。あの場にお前の従魔になる卵があるみたいだ。」
「はい!ありがとうございます!父様!」
やっとゴロウに会える。
そう思うと笑顔が自然とこぼれる。
バルシュと湖畔を10分ほど歩きマルフォがいる岩場へと到着した。
マルフォがいる岩の下にあるくぼみにはオレの膝丈ほどもある大きな卵をみつけた。
・・・ゴロウ
やっと会えたね・・・
416
お気に入りに追加
758
あなたにおすすめの小説

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。


辺境伯令嬢に転生しました。
織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。
アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。
書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる