雨晒し

Liz

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あたしの彼は、

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「あーん…、あたし赤点かもぉ…、自信ないぃ…」


今にも泣き出しそうな声でそう言ったマユミの頭を“よしよし”と撫でながら、窓側でクラスの男子たちと談笑をしている榛名くんをチラリと盗み見る。


もうあれから一週間以上が経ったけど、全然実感が湧かない。

それどころか、あれは現実だったのか?と本気で疑ってしまうレベルで本当に今までと何も変わらない。


相変わらず学校ではたまーに目が合うくらいだし。
テスト期間中もちょこちょこあたしの家では会ってたけど、真面目に勉強するだけだったし。
それはそれは甘いの“あ”の字もないくらいに勉強モードだったし。



「もうこうなったら開き直るしかない!補講まで遊びまくってやる!!」


いきなり叫び出したマユミの大きな声に驚いてビクッと肩が上がる。

…ってか、補講は決定なんだ。


そんな事を心の中で思っているとマユミが急にバッと顔を上げた。


「そうと決まれば今日ははっちゃけよーね、希子!」

「…っえ、」

「駅前に新しくできたカフェに超インスタ映えするパフェがあるんだって!ずっと行ってみたかったんだぁ~」



あれよあれよと話しを進めていくマユミを制すべく「ちょっと待って!」と慌てて声を上げれば、「ん?何?」と首を傾げる。


「あたし、今日はちょっと無理っていうか…、」


言いにくいながらもおずおずとそう言えば、マユミはその大きな瞳をわざとらしく細めてあたしにズイッと顔を寄せてきた。



「なーんーでー?」

「…なんでって……ちょっと先約が…」

「先約ぅ?一体誰とどこで何するの!」


まるで束縛が激しい彼氏みたいな事を聞いてくるマユミに苦笑を浮かべる。
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