雨晒し

Liz

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隠された本音

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思わず声を張り上げたあたしに、榛名くんは驚いたようにほんの少しだけ目を見張った。

けれどすぐにそれを細めて、再び唇を動かした。




「…なんでそんなムキになってんの?」

「ムキになんてなってない」

「なってるじゃん」

「…っていうか、あんな風に庇ってくれなくてよかったのに。同じ学校の子も居たし、あんなとこ見られたらどうするの?」



話しをすり替えてそう言えば、榛名くんは不機嫌さを表すようにぐっと眉を寄せた。



「…別にどうもしないよ。見られたって困らない」


さっきよりも少し低い声で紡がれたその言葉に、今度はあたしが眉を寄せる番だった。



「…嘘つき」

「…はぁ?」


小さな声で吐き捨てるようにそう言えば、榛名くんはますます眉を寄せて、意味が分からないとでも言いたそうな眼差しを送ってくる。


だって、見られたら困るから店内に入る前にあたしにどうするか聞いてきたんでしょ?

こんな不誠実な関係、他の人に知られたくないに決まってる。


榛名くんみたいな完璧を纏ってる人からしたら、特に。

そんな榛名くんにとって、あたしと居る事でメリットになる事があるとしたら、ひとつしかない。




「…榛名くんがあたしと居る理由なんて、聞く必要なかったね」

「…どういう意味?」

「さっきの奴が言ってたような事、どうせ榛名くんだって内心は思ってるんでしょ?」

「…は?」

「慰めたらすぐにヤレそうなバカな女だって思ってるんでしょ?だからあたしと一緒に居るんでしょ?」


これ以上言ったらダメだってわかってたのに、あたしの口は止まらなかった。



「榛名くんだって、どうせさっきの奴と一緒じゃん」
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