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隠された本音
、
しおりを挟むその後は、ちゃんと真面目にプリントを終わらす事に徹した。
あたし達が校舎を出る頃、辺りはもうすっかり薄暗くなっていた。
「それにしても担任、先に帰るとかありえないよね」
榛名くんと並んで正門まで向かう途中で、あたしはふいにそう切り出した。
仕上げたプリントを担任に渡すために帰りに職員室に寄ったものの、もう既に担任は校舎内には居なかった。
帰るならせめて一言くらい言ってから帰れよ、と思ってしまうのはあたしだけじゃないと思う。
少し棘のある声色でそう言ったあたしを榛名くんは横目でちらりと一瞥してから口を開いた。
「…あの人、昔からあんな感じなんだよ。適当っていうか、横暴っていうか」
「ふーん?榛名くん大変だね?」
「もう慣れたよ。…まぁ、まさか担任になるとは思わなかったけど」
「え、本当それ!すっごい偶然だよね!てかもう運命だよ!」
興奮気味のあたしに対して、榛名くんはうんざりした表情を見せる。
「…なにそれ。嬉しくないんだけど」
そう言った榛名くんの顔が本当に嫌そうで、思わずプッと吹き出して笑ってしまった。
“送るよ”って言ってくれた榛名くんの言葉に甘えて、その後も2人で他愛もない話しをしながらあたしの家までの道のりをゆっくり歩いた。
半分ほど歩いたところで、ふとコンビニを目にした榛名くんは少し後ろを歩くあたしをちらりと振り返った。
「喉渇いてない?」
「あ、渇いてる」
「じゃ、コンビニ寄って行こっか」
「うん」
コクリと頷いたあたしを見て前に向き直った榛名くんの背中を見つめる。
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