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隠された本音
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しおりを挟む…“…っん、”?!!!
何今の声…!可愛すぎるんだけど!?
バッと耳元を手で押さえた榛名くんの顔はみるみるうちに真っ赤になる。まるでリンゴだ。
「…っ、何すんの」
「糸くずが付いてたから取っただけだよ」
ほら、と摘んだままのそれを顔に近づけるように見せれば、榛名くんは首の後ろ辺りをポリポリと掻きながら顔を逸らす。
「…だからっていきなり触んないでよ」
「可愛い声出ちゃうから?」
「っな、」
逸らしていた顔を勢いよくまたこっちに向けた榛名くんの表情には焦りが滲み出てて、それが可愛くてたまらなくて、思わずニヤけてしまう。
“聞こえてたの?”って言ってるも同然の目で見てくるから、何も言われてないけど口を開いた。
「ちゃーんと聞こえたよ?」
「…むかつく、」
「ね、さっきのもう一回聞かせてよ」
「…いや」
「ふーん。じゃ、もう一回触っちゃお」
そう言うが早いか、身を前に乗り出して手を伸ばした。
「…っちょ、」
焦ったような声を出した榛名くんは伸ばしたあたしの手をパシッと掴んだ。
たったそれだけの事なのに、何故か心臓がドキッと音を立てた。
榛名くんの手は男の人の物とは思えないほど白くて、綺麗。
だけどあたしの手をすっぽりと包み込んじゃうその大きさに、やっぱり男の子なんだなって実感する。
なんでだろう。
手なんかもう何度も触ったのに。なんならキスだってハグだってしてるのに。
なんであたし、こんなにドキドキしてるんだろう。
「…ちゃんと真面目に勉強してよ」
「……、」
「…じゃないと…、」
そう言いながらあたしに視線を向けた榛名くんは、そこでピタリと口を止めて、驚いたように少しだけ目を見張った。
そして、再び薄い唇を動かした。
「…なんで、辻本が赤くなってんの?」
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