雨晒し

Liz

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隠された本音

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「…あいつ?って?」


首を傾げてそう問いかければ、担任は操作していたスマホを耳に当てながらにやっと口角を上げて、



「俺の可愛い子羊ちゃん」


さらりとそんな事を言うもんだから、「えっ!?」と大きな声が出てしまった。

慌てて口元を手で押さえながらも、頭の中では今さっき担任が放った言葉がぐるぐると回っていた。



子羊って、しかも俺のって…、え?

もしかしてこれって、アレ?
教師と生徒の禁断の恋…ってやつなんじゃないの?!


あたしがあれこれとあらぬ妄想をしているうちにどうやら担任はその“子羊ちゃん”と通話を終えたらしく、スマホをポケットに入れながらあたしを見上げる。


「とりあえず、図書室に呼び出した。多分10分くらいで来ると思うから、何か分かんねぇとこあったらそいつに聞けよ」

「…え、“子羊ちゃん”が?今から?来るの?」

「あぁ、そーだよ。安心しろ、お前よりかはだいぶ頭いい奴だから」



もはや担任のそんな嫌味すらも右から左へと受け流してしまう。

だって、この担任がまさか生徒と…?


いや、見た目とか茶髪パーマでどっかのチャラい大学生みたいだし口調だって荒い通り越して悪すぎるし。
教師に向いてないだろって何億回も思ってたけど、まさかここまでルールを破りまくってるとは思わなかった。




「何ボケーッとしてんだよ、さっさと行け」


シッシッと追い払うようにジェスチャーしてくる担任に「あ、うん」と気の抜けた返事をしたあたしはそそくさと逃げるように図書室へと向かった。
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