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脆弱を覆う優しさ
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しおりを挟む教室を後にしたあたしは、靴箱でローファーに履き替え、校舎の外へと身を投じた。
「…うわ、雨降りそう…」
見上げた先に広がる曇天の空を見つめては、そんな独り言をぽろりと零した。
前へと向き直って再び歩き始めたあたしは学校から一番近いコンビニへと立ち寄った。
ウィーン、微かに音を立てて開く自動ドアをくぐれば「いらっしゃいませー」少し気怠そうな店員の声が響く。
ひやりと冷たい冷房の風を肌に感じながら、手にしたカゴにゼリーやらスポーツ飲料水やらを放り込んでいく。
レジ横にあったビニール傘も忘れないように手に持ち、会計を済ませた。
「ありがとうございましたー」入った時と同じ気怠そうな声を背中に受け止めながら、再びじめじめした空気を纏う外へと足を踏み出す。
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