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揺れる黒と、広がる赤
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しおりを挟む「…マジで、やばい」
「…な、なにが?」
“やばい”と、同じ言葉を繰り返した榛名くんは夕陽に照らされて真っ赤になった顔で、
「…ごめん。…ちょっと噛んでもいい?」
とんでもない事を言い放った。
あたしがその言葉に“っへ?”と間抜けな声を出すよりも先に、後頭部に回った手にぐいっと引き寄せられ、次の瞬間には首筋にチクッとした痛みが走った。
「…っな!」
反射的にズザッと一歩引き下がっては、バッと首筋を手で押さえる。
…か、噛まれた!今、首噛まれた!!
な、なんで!?え!?
プチパニックに陥って、口をパクパクとさせているあたしを真っ赤な顔で見下ろす榛名くんは、その薄い唇をゆっくりと動かした。
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