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閑話 彼が抜けた後の彼ら

柚葉奏

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何も変わらない。
俺たちの在り方は変わりはしない。
そう信じて、疑うこともなかったのに。
アイツがグループを抜けて色んなことが変わった。


フォーメーションやパート分けの変更は想定内のことだった。
だって居たはずの奴が居なくなったのだ。その分を分担するのは当たり前の話だ。
俺は蒼真みたいに如何に自分が目立つかを重要視しているわけじゃないので、見せ場が増えることに大して喜びは感じなかったけれど、増えた分はそれなりにやろうという気はあった。
そしてすぐに物にする自信もあった。
みんなで連携がとれるようになるまでは苦戦するかもしれないが、それさえ出来れば後は楽勝だと、その時の俺は正直言ってナメていた。


それが楽勝どころか一向に講師から合格をもらえず、メンバー全員が毎日強制的に自主練をさせられる日々。


10年を迎える俺たちはある程度の位置にまで来て、それ以上の伸び悩みはあっても、下に下がることは無いと高を括っていたのだ。そんな保証、あるわけないのに。
俺たちは維持してきた努力が年月を経ていつの間にか自信になり、余裕へと変化して、そして自覚の無いままに高慢になってしまっていた。そんな傲りを見落としていた俺らは、思わぬところから自分たちの至らなさを痛いくらいに身に沁みて知るのだった。



「お前今なんつった!!??」
「だーかーらー、移動が遅いんだって。カメラを意識するのはいいけど迷惑かけないでもらえる?」
「お前が早すぎんだよ!」
「はあ?人のせいにしないでよ」


蒼真と千景の言い合いが始まり、段々と争いが激しくなっていく。もう何度目になるかわからない喧嘩。
何だってこんな喧嘩が毎度の如く起こるんだ。今までこんなことは無かったのに。


「2人ともやめろよ!」
「だってコイツが……!」
「はあ?自分が悪いんでしょ」
「テメェ……!」


俺ではどうしようもないと思って、リーダーである龍二くんに目で助けを求める。
だが、龍二くんは俺の視線から逃げるように顔を逸らした。
どうしてだ。そんな疑問が頭に浮かぶ。
今まで龍二くんは何かあれば仲裁に入って注意をしてくれた。俺とアイツが揉めてる時は毎回間に入ってくれてたじゃないか。それと同じことなのに。
そう思った瞬間、何かが自分の中で引っ掛かったが、はっきりとわからないことだったので、俺は目の前の喧嘩を止めるためにもその小さな違和感を無視した。


それからメンバーと顔を合わせる度に誰かしらが揉めるようになり、それが頻繁に起こるようになっていったが、やはり龍二くんは進んで止めようとはしなかった。
唯一口を出すとしたら、千景の言動があまりにも見兼ねた時くらいだろうか。その時だけは本人に注意をしてくれる。けれど、それだけだった。


俺も口は悪い方だが、千景も千景で性格と言い方がかなりキツい。最近ではよりキツくなった分、千景の普段の言い方を考えたら諌めるのは当然だと思うが、龍二くんはなんだかあまりにも一方的すぎる気がした。揉めてる相手が俺だとして、その光景を目にしたら千景にブチ切れていたのを一瞬で無かったことにして同情してしまうくらいには。


何があったのか、何が原因で揉めたのかも聞かないで、揉めてる片方が千景だったらすぐに龍二くんは千景に対して注意をする。頭ごなしに千景が悪いと決めつけて、みんなの前で叱りつけるのだ。千景の気持ちや体裁を考えずに。
それは千景からしたらかなりの屈辱だろう。千景だって千景なりの言い分があるとすれば尚更に。何も千景だけが悪いわけではないし、正しい言い分の時だってあるのだ。


心のどこかで龍二くんってこんな人だったか?と疑問が湧くのを俺はずっと抑えつけていた。


別の日には。


「紘孝!前に出過ぎなんだよ!合わせろって言ってんだろ!」
「すんません……」
「何でそんなこともできねぇんだよ!お前何年目だと思ってんだ!」


ダブルセンターになったことにより、振りやパート分けの何から何までが1番変わった紘孝は、連日もう1人の元々のセンターでもあった蒼真に怒鳴られている。
最近の蒼真は様子が変だった。センターが2人になる練習を始めてから、蒼真はキレやすくなり、焦っているようなどこか余裕の無さが感じられた。神経質になったと言えばいいのだろうか。紘孝が些細なミスでもしようものなら捲し立てるように怒鳴り散らすのだ。ミス自体、蒼真が指摘しなければ誰もわからない程の小さなミスだったとしても。


「アイツだったらこんなミスしねぇぞ」
「すんません……」
「あーもう、何だってお前なんだよ。ダブルセンターになるならなるで、もっと人選あったろ……」


頭をぐしゃぐしゃに掻きながら、蒼真はそんなことをボヤいた。
その言葉に紘孝は「は?」と言いたげに目を剥いて、「心底遺憾で不愉快です」と伝わるくらいに眉根を寄せて顔を引き攣らせた。
蒼真はあろうことか本人を前にして人選ミスだと言っているのだ。紘孝の怒る気持ちはわからなくもない。


「……俺だって、なりたくてなったわけじゃないんスよ」
「は?何だって?」
「覚えが遅い俺が!センターに自分からなろうとするわけねぇだろ!それにアンタいつもあの人と俺を比べますけどね、あの人のレベルを俺に求めるのやめてもらえません?あの人レベルなんてそもそも滅多にいないし、あの人みたいに出来るなら誰もこんな苦労してないっスよ」


至極まともな反論だと思う。
紘孝にしてみれば突然のフォーメーション変更どころか大幅なポジション変更。本人は覚えが遅いのをきっちり自覚している中で、新しいポジションで変更になった全曲の振りを必死に身体に叩き込んでいる最中に他人と比べられるのだ。
それも、この変更を招いた元凶でもある、手の届かないレベルの天才と。正直、これはキレても当然で仕方ないことだと思う。


「大体何なんだよアンタ!あんだけのことをしてあの人を追い出しておいて、居なくなってからあの人レベルを求めるとか!だったらあんな真似なんてしなければ良かったんだよ!そうすればあの人はここに居たんだ!!」


アイツが辞めて、比べられて紘孝にも色々と思うことがあったのだろう。紘孝がここまで激昂しているところは見たことがなかったから、蒼真だけでなく俺も他メンバーも若干気圧されていた。それは蒼真や紘孝だけでなく、俺を含む全員にアイツへの後ろめたさがあったからでもある。


「だ…誰もそんなこと言ってねぇだろ!」
「いいや、今回のことで蒼真さんがどう思ってるのかよくわかりました。隣にあの人レベルを求めるならあの人を連れ戻してください」
「できるわけねぇだろ!!」
「ですよね?できませんよね?それと同じで俺だってあの人並みに踊るのは無理です。求められたところで困ります。それはアンタが1番わかってますよね?」


紘孝らしい、実にわかりやすく理に適った反論だった。蒼真は自分でも出来もしないことを紘孝に要求しているのだ、と。
それとは逆に、今度は蒼真が苛立ちを深めていく。年下の紘孝に言い負かされたことが余程悔しいのか、ギリッと歯を鳴らした。
言う必要があったのか俺には判断し兼ねるが、紘孝は最後に蒼真の劣等感を刺激した。アイツに追いつこうとして結局追いつけなかった、アイツのレベルまで到達できなかった蒼真の劣等感を。



「別にアイツ並みに踊れなんて言ってねぇだろ……」


舌打ちをした蒼真はボソッと呟き、怒りを抑えながらそのまま背を向け練習室から出て行った。
そろそろ止めに入ろうとタイミングを見計らっていたので、その前に言い合いが止まったことに俺は安堵する。
今頃は蒼真も頭を冷やしている頃だろう。そして紘孝がどう思っているか蒼真も知れたことだろう。しばらくはもしかしたらギクシャクするかもしれないが、これはセンターである2人にとって必要な言い合いだったようにも思う。
毎日誰かしらが揉めて仲裁に入っている内に嫌でも慣れてしまった俺は、ギリギリまでタイミングを見ていたのだった。
何故俺がこんなことを……と思わないでもない。
だけど龍二くんにはもう期待できないから、俺は甘んじて仲裁役を受け入れていた。


そして薄々と、いつかそうなるだろうと予想していた通り、ついに千景は龍二くんにブチ切れた。それも特大の爆弾を放って。
千景はショックを受けた龍二くんを気にも留めずに立ち去って、動けなかった俺たちは気まずすぎて地獄に取り残されたような気分だった。
どこかでまだ龍二くんを信じていたかった自分が居たけれど、千景の言い分を聞いたら、ずっと感じていた龍二くんの行動への不信感に説明がついてしまった。そしてそれを否定して、放心する龍二くんを慰める言葉を俺は持ち合わせていなかった。


そんな出来事があって色々と考えるようになった時に偶然エレベーターでアイツと出会して。最初はただ怒りに頭が染まった。
お前が抜けてからこっちはこんなことになっているというのに。
お気楽そうにスマホを弄っているその姿を見たら、全身から言い様のない怒りが沸き上がった。
みんなが変わってしまい、俺はそれに戸惑っているというのに。みんなバラバラで纏まらなくて焦っているというのに。
引っ掴んで文句でも言って絞め上げようと思った。

だが話せば話す程、俺は考えがまとまらなかったメンバーたちの変化をアイツに打ち明けていた。
しかし俺とアイツでは認識に齟齬があった。


アイツは感情を乗せないまま、そのお綺麗な顔で「でもお前らってそういう人間だろ?」と、さも当然とばかりに宣った。
そして続く言葉の数々にショックを受けながらも、俺はそこでようやく小さな違和感の正体が何だったのか、己が如何に無知だったのかを理解した。


アイツが居た頃も、龍二くんは今の千景にするみたいにアイツを一方的に責め立てていた。思えば俺はアイツと揉めている時、龍二くんから叱られたことがない。明らかに俺に非があることだとしても、だ。
千景を気の毒だと思っていたことは、アイツにだって当て嵌まることじゃないか。
なのに俺は千景と同じように思うどころか気付きもしないで、口うるさいのが煩わしくて暴言を一方的に吐き続け、龍二くんに怒られているアイツを見て内心ざまあみろと嗤ってさえいた。なんて最低なのだろう。


それに、遥斗のことだってそうだ。
俺たちはずっとアイツが遥斗をいじめていると思い込んでいたが、俺たちは2人から何があったのか聞いたことさえない。それこそ一方的に決めつけていた。アイツはずっといじめていないと訴えていたのに。
俺は正義感から遥斗を庇っていたけれど、遥斗自身、記憶を探ってもアイツにいじめられたと口にしたことは1度も無かった。
俺は龍二くんのことを軽蔑しておいて、同じことをしていたのかもしれない。そう思ったら何が正しいのかわからなくなって、途端に自分の今までやってきたことが怖くなった。


遥斗に確認したい衝動に駆られるが、遥斗は塞ぎ込んでいるかのように口数が減って、意思疎通や会話が難しくなっている。
遥斗はアイツと寮で同室だった。
……待てよ。冷静に考えて。
普通いじめてる奴と一緒の空間にいられるものか?本当にいじめられていたのなら真っ先に同室相手を変えないだろうか。家でもいじめられる恐怖に怯えることになるのだ、普通なら変える。だけど遥斗はアイツと同室であることに不満を漏らしたことはないし、変えたいと言ったこともない。もし脅されて言えなかったとしても、寮から出て行く選択肢が出来た時点で出て行くことができたはず。それをしなかったということは。
もしこれが俺たちの早とちりの勘違いであったならば。俺たちは間違った正義をアイツにずっと振り翳していたことになる。


俺は、俺が今まで信じてきたものがアイツの犠牲の上に成り立っていたことにどうしようもない罪悪感を感じた。
アイツをずっと傷付けてきた分、罪は重い。
何がお荷物だよ。お荷物はアイツじゃなく俺たちの方じゃないか。


それからの俺は龍二くんにリーダーとしての役割を求めるのは止めることにした。求めたところでしない人だとわかったし、期待するだけ無駄だと悟った。何よりもう人に押し付けたくなかった。
アイツにしてきたことを考えれば、アイツが今まで耐えてきたことを自分がやって知らなければと思った。それがアイツに対して俺が出来る贖罪な気がして。
何より、あんなことをした俺に、見直したと言って褒めてくれた期待を裏切りたくなかった。



そんな毎日を過ごす中である日、俺は右足に僅かな違和感を覚えた。前日にあったレギュラー番組の収録で痛めでもしたのだろうか。
それでも我慢できる痛みだったし、腫れなどの目に見えた酷い症状もなかったので、湿布さえ貼っていればその内治るだろうと俺は思っていた。


そして恒例の練習。ギスギスと険悪な雰囲気ではあるが、時間を掛けたおかげで新しいフォーメーションでの連携はかなり息が合ってきた。
これはもう練習漬けの日々とのさよならは近い、と俺は肩の力を抜きすぎて油断していたのかもしれない。



俺はこの日、踊っている最中、痛む足に気を取られたまま足を縺れさせて転倒した。
転ける瞬間、自分の足首からゴキッと変な音がしたような気がした。それと同時にピキッと、骨か筋が裂けるような鋭い痛みの感覚が走る。
軸足でもあった右足は挫いたことで余計に痛みを帯び、俺は床に寝転がったまま足を抱えて丸まった。


「奏ッ!?」
「おい、凄いコケ方したぞ!?」


大丈夫か!?と周りが駆け寄って心配する中で頭に過ぎったのは、いつも口うるさく色んな小言を言ってきたアイツだった。
やたら怪我についての注意をされていたな、と場違いなことを思い返す。

最後に会った時も、優しく笑って頭を撫でてきたアイツが「怪我だけには気をつけろよ」と言っていたのに。


アイツが抜けてから俺はダンスに関して誰にも咎められたことがなかった。
アイツが抜けた現状、俺が1番ダンスが上手いという位置付けなのでダンスに関することは誰も何も言えなかったのだろう。アイツとのやり取りを見ていた全員、俺が逆ギレすることを知っているから尚更に言えるわけがなかった。
メンバーのそんな心の内など露知らず、何も言われないからと調子に乗ってしまう性格の俺は無敵状態みたいなもので、アイツからあれだけ散々言われていた柔軟などしてないに等しいものだった。


アイツだけだったのだ。
善意から俺を心配し、いつも根気強く苦言を呈してくれたのは。
それを俺は邪険に扱って。こうして実際に怪我をしてからその正しさと心遣いを知る。
なんて大バカ野郎なんだ俺は。
初めて味わう激痛に耐えながら、俺は自分の愚かさに歯噛みする。


「っ、クソッ……いってぇ……」


こんなどうしようもない俺のことを思って注意をしてくれるアイツみたいな奴なんて、このグループにはもう居ない。
俺はその事実にどこか寂しさを感じた。








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