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辞めてからの日々
01
しおりを挟むレゾブンを辞めてから少し経った頃。
「最近俺と莉音でユニットを組むって噂になってるらしい」
「え、何で?」
「俺のアカウントからしか莉音が見れないからじゃね?」
「あー俺の垢レゾブンの時ので使えないしな」
「そこで新しいのを作らないのが莉音だよね」
「今休暇中だし」
「じゃなくても上げないじゃん?」
「そうだな、前もダンスの動画しか上げてないしな」
「ダンスの動画もいいけど、ファンはこういうのを求めてるわけ!」
ドン!と突き付けられた伊月のスマホの画面を覗くと「嫁、寝落ち」の文字の下にデカデカと俺の寝顔のドアップがそこにあった。
「お前なんつーもんを世間に晒してくれてんだ!!」
「莉音はこういうプライベート感が薄かったから、俺から発信してみた」
「お前が数稼ぎたいたけだろ」
「まあまあ、そう言わずに見てみ?このコメントたちを」
そこには「リオン君の寝顔天使すぎる」「伊月くんの前じゃ無防備なんですね」「まつ毛長っ!!美少女!!」「そりゃ嫁ですわ」「写真から愛が伝わる」「リオンを嫁にできる伊月つよつよ」「嫁がリオンなら誰も文句言えない」「式はいつですか?」などなど、何故かわからないがやけに伊月のファンから肯定的なコメントが多かった。
そして俺を応援してくれていたファンたちも、伊月が定期的に俺の写真や動画を上げるのでいつもコメントしてるそうだ。
「リオン君が健やかに寝てる……!」「リオン君元気そうで良かった……」「伊月様いつもありがとうございます!」「伊月様にならリオンを任せられますね」など。
何故か俺のファンは伊月のことを様付けするらしい。……何故?
「てか嫁ってなんだよ。しかもなんか定着してないか?」
「だってお前休業中だろ?社長に上げていいか聞いたら、わからないように上げるならOKって許可出たから」
「普通に俺ってバレてますけど?」
「まあファンのみにわかる隠語ってことだよ」
「だからってもうちょっと違うものがあるだろ……」
「勘違いを呼ぶような文で興味を引いて、莉音だと安心させるの好評でさー」
「もう勝手にしてくれ……」
口振りからして明らかに初犯でないことは見て取れたが、どうせ自分ではしばらくSNSをチェックをするつもりは無かったし、世話になってる身として家賃分くらいは好きにしてくれという思いで匙を投げた。
「で、それが何でユニット?」
「俺たちの仲良しぶりからファンが期待し始めちゃってね」
「ファンたちで盛り上がってるだけだろ?」
「この前コメントで訊かれたから、強く願えば現実になるかもね?って言っちゃった♡」
「言っちゃった♡じゃねぇわ」
「それがSNS上に広まって俺らがユニット組むかもってことになってるらしい」
「つまりお前のせい、と」
「現実にしちゃお?」
「可愛こぶんな」
ペチンと伊月の額を叩いて席を立つ。
伊月はやけにユニットを組むことに関してノリノリだった。
レゾブン在籍時代から、せっかく同じ事務所なんだから企画ユニットを組もう、と何度も誘われていた。何故俺なのかわからないが、伊月はめげずに今だって誘ってくれる。
脱退した今、いいかもしれないと思う自分が居るのは確かだったが、それと同じくらいに誰かと組むのが怖くなってしまった自分も居る。
特に伊月とは養成所時代より前のダンススクールからの仲だ。そんな伊月と組んだら楽しいだろうなと思う半面、また嫌われてしまったらという恐怖が足元からぞわぞわと這い上がって頷けないでいた。
伊月との関係が壊れてしまう可能性があることが1番怖かった。俺はメンバーの全員から鬱陶しがられるくらいなのだ。伊月と衝突してしまうことが何よりも怖くて、返事をのらりくらりと躱してしまう。
「俺、旅に出るから旅から戻ってきたら考えるわ」
「何泊?いつ帰ってくんの?」
「わかんね。2、3ヶ月は帰ってこないんじゃね?」
「はぁー??何で俺を誘わないんですかー?」
「お前は仕事があるだろ」
「そうだけど!俺も莉音と!旅行行きたい!」
「写真上げて新婚旅行って騒がれる未来が見える……」
「別によくない?」
「よくはないだろ」
俺は脱退理由が海外留学だったのでそれに便乗して長旅を計画していた。
近年メキメキ全体の実力を上げて、国主体でも芸能に力を入れて伸し上がったと言われているご近所の国。
以前からチェックしていたが、あの国のダンスのクオリティは本当に凄い。
フォーメーションの構成自体よくできたものだし、人数が多いグループだとよりわかりやすいが、何から何まで揃っているのだ。動きも、高さも、タイミングも。
それはまるで軍隊のような、一糸乱れぬ洗練されたパフォーマンスだった。
どれだけ練習を重ねたらあんなレベルになるのか。並々ならない努力だと想像に難くない。見ればきっと素人でもわかる。
そしてそんな激しく難しいダンスを向こうの国は日本と違ってフルで踊る。長い分、何倍もしんどくて息が上がりそうなものなのに、ブレることが一切ない歌唱力も見事で素晴らしいものだった。ボーカルだから踊れないなんて者は誰一人居ない。
歌って踊れるのが当たり前、がプロを目指す者としての基準でありスタートラインなのだろう。俺の見てきた世界と圧倒的にレベルが違っていた。
だから本場のライブを生で見てみたくなった。
俺はこれといった目標を失くしてから若干燃え尽きていたので、いい刺激をもらって熱意を取り戻したいと考えていた。
社長に旅行の日程や計画が決まったら報告することを義務付けられていたので、俺は久しぶりに事務所へ出向いた。最後に来たのは卒業する直前だったから、約1ヶ月ぶりか。
練習室にほぼ毎日通ってた頃と比べたら久しぶりと思っても無理はない。
社長に大体の計画や日程を告げると、何故か社長の現地の知り合いに面倒を見てもらう流れになった。
俺にそんな良くしてもらう理由も無いので辞退しようとしたのだが、社長としては1人で滞在させるのは不安があるらしい。観光にだけ行くわけじゃないので尚更だと。言語の壁もあるから大人しく言われた通りにしろ、とそこまで強く言われたら断りきれなかった。
それに加えて、面倒を見てくれる人の伝手を辿ってレッスンに参加させてもらえることにもなった。
社長がサクサク決めていくので早すぎる展開にいまいち付いていけてないが、旅行として計画を立てていた長旅がダンス留学という形で本当に留学となってしまった。
お世話になる人もだが、レッスンの参加も突発的に決まることじゃなさそうなのに、現地の相手に確認する素振りもなく瞬時に決まっていく。何だか社長の策略的なものを感じなくもないが、どういう意図であれ俺にとっては悪い話ではない。寧ろ破格の待遇で、レッスン参加は願ってもないことだ。
燃え尽きそうだったやる気の火が自分の中で再び灯っていくのを感じた。
表情を輝かせる俺を見て社長は意地悪そうにニヤリと口元を釣り上げ、向こうは俺より10歳以上年下の子供たちが俺よりも遥かに高いレベルの実力を持っているから覚悟しとけ、と軽く脅してくる。
「子供たちの中に大人が混ざるのは恥ずかしいぞ~」と揶揄おうとしてくる社長につい笑ってしまった。
社長はいつも俺をサポートしてくれる。高待遇すぎて申し訳なくなる程に。
「裏切り者は楽しそうだね」
社長室から出て、帰ろうとエレベーターを待っていると後ろから知った声がした。振り返るとそこにはこちらを鋭く睨む橘が居た。
「は?」
「裏切り者は自分が順調だったら何でもいいんだ?」
え???確か俺ってお前とだけは割と順風満帆にさよならしたよな?
それが何で裏切り者??
記憶を探っても禍根を残す別れ方ではなかったように思う。
けれど橘の恨みがましい一方的な視線は鋭さを増すばかりだった。
まともに会話ができる気がしない。
俺はハァ……と溜息を吐いてエレベーターの方を向いた。相手にしたくなくて、見ない振りをして無視をする。
「辞めた途端他人のフリかよ。薄情な奴」
「……何か用か?」
「アンタはいいよね。社長のお気に入りだから次も用意されててさ」
「は?次?」
「俺たちは誰かさんのせいで炎上して叩かれまくってるっていうのに」
「炎上?」
俺が炎上してるんじゃなくて?と首を傾げる。
俺はSNSを見ることを自重していた。自重というと聞こえはいいが、あんな辞め方をした俺にファンは怒って当然で、しばらくは俺に対して炎上までとはいかなくとも騒がしくなるだろうと予想し、単に俺が否定的な意見を目の当たりにしたくなかったのがSNSを見ない大きな理由なのだけれど。
「こっちは火消しに必死だってのに誰かさんは同期の家で呑気そうにゴロゴロ寝てやがるし」
「あれは伊月が、」
「伊月、ねぇ?いつもそうだよね。アンタたちはグループが違うくせにいつも一緒で」
「そりゃ同期だし」
「その仲良しの同期とユニット組むのが決まってるなら辞めることも躊躇しないよね」
「は?」
耳を疑わずにはいられなかった。何故伊月とユニット組むから辞めたみたいな言い方をされなければならないのか。そもそも順番も違えば事実も違うというのに。
「俺と伊月のユニットは最近出だした噂であって、本当に組むかどうかすら決まっていない」
「本当になるのは時間の問題だろ。社長がこんなチャンスを逃すはずがない」
「そうだとしてお前に関係あるか?」
「……は?」
「俺と伊月の話だ。お前には関係ないし、既に抜けたレゾブンにだって関係ない」
「お前よくもそんなこと言えるな……ッ!!お前のせいで!!こっちは大迷惑してるってのに!!」
「何で俺のせいなんだ」
「お前があんな辞め方するから!!」
「それは俺だけのせいなのか?」
「っ、」
「お前らも望んでいたじゃないか」
散々辞めろとけしかけてきたくせに。
辞めたら辞めたで喧嘩吹っ掛けられるとか、どうすればいいんだよ。
「気の毒だとは思うけど、辞めた俺にできることはない」
エレベーターの到着の音が鳴る。扉が開き乗り込むと、背を向けたまま俯く橘の後ろ姿が目に入る。
俺は迷わずに閉のボタンを押した。
「辞めてからも絡まれるってどういうことだよ……」
エレベーターの壁に凭れ、げんなりして思わず呟いた。
しかしレゾブンが炎上とは驚いた。俺が理由みたいに言っていたが、どういうことだろう。気にはなるが、自分でSNSをチェックする勇気までは出なかった。
帰ったらインフルエンサー伊月に聞いてみようと、俺は事務所を出た。
「あー、何かやっぱここ数年のギスギス感をファンは察してたみたいよ?」
その言葉に俺は目を丸くする。
「で、お前の事後報告脱退にメンバーの誰も触れないから大炎上したみたい」
「だ、大炎上……?」
「リオンが追い出された!って」
「え」
「そりゃ卒業ライブもなけりゃ、節目の10周年前の脱退。何かあるとしか思わないわな」
そんなつもりで辞めたわけではなかったので、何だかちょっとだけ申し訳ないような、居た堪れない気分になっていく。
「タイミング悪かったかな……」
「いや、そもそもお前のファンが1番多いんだからいつやっても同じ結果だったと思うよ」
「え?1番人気は殿岡だろ?」
「は?」
「え、だって1番人気だからセンターなんだろ?」
「…………あれはバランス的に中間が取れてたのと、メインボーカルだったからセンターになっただけで、実力とファンの数はダントツでお前だろ」
「え、いや、でも……俺……お荷物、だったし……」
「…………それ、アイツらが言ってたの?」
「え……いや、その、どうだったかな……?」
伊月の声が段々と低みを帯びていく。
俺は伊月の真顔具合から言ってはいけないことを言ってしまったような気がした。突然機嫌急降下する伊月に気圧されつつも、曖昧に返事をして答えを濁す。全然濁しきれていないが。
伊月は眉間を揉み解し、感情を抑えるように息を吐く。顔を上げた伊月は切り替えたかのようにいつも通りに優しく、柔らかく微笑んだ。
「いつも一生懸命頑張ってるリオンが元気なさそうに見えるってファンはずっと心配してたんだよ」
「そうだったのか……俺、周りに目を向けなさすぎたな……」
「それな。まあ、だからグループ内でいじめがあったんじゃないか?とか、リオンが追い出された!って大炎上したわけ」
「でも事務所が庇うだろ?」
「あー、それは……社長ああ見えて激おこだったからね。進んで庇おうとする気はなさそうだったわ」
「え、社長が?」
「気付かないのはお前だけだな」
「え、だって俺には普通だったし、何なら辞める時も怒られたりしてないし……」
「社長はお前にゲロ甘だからな。それにお前が何とかしようとずっとみんなに歩み寄って努力してたのも知ってるからこそ、辞めるって決めたお前をレゾブンには引き止められなかったんだろ」
「そうだったのか……」
「息子同然に可愛がってるお前がこんなことになったんだから社長も思うところはあったんじゃないか?炎上に関しての事務所のコメントも"リオンが決めた道を我々は今後も全力でサポートしていくつもりなので、リオンがまた姿を見せる日まで温かく見守ってください"ってリオンのことにしか触れてないから。実際いじめみたいなことをやってたわけだから庇いきれなかったんだろ」
ここまでくると橘が俺に突っ掛かってきた理由も何となく察した。
そりゃ事務所は自分たちを全面的に守ってくれないわ、社長のお気に入りと思われている俺はのほほんと過ごしているとなったら突っ掛かりたくもなるかもしれない。
だからといって俺はそこまでの面倒は見きれないし、正直、知るか!という話なんだが。
「どちらにせよお前が気にすることじゃないよ。お前はのんびり休暇とって、したいことしとけ」
「伊月……」
にっかりと男らしく笑う伊月の頼もしさに感動する。
「そんで戻ってきたら俺とユニットデビューだ!」
「……伊月」
さっきまでの感動を返せと言いたくなる。どさくさに紛れて言質を取ろうとする伊月に白けた視線を送った。
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