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第一話 出会い
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あの事件から6年が経とうとしていた。
えりも大学四年生になり、卒業を間近に控えていた。
えりは、ここ数年でイメージも一新していた。佐山達に髪型を変えられ、さらにアメリカの開放的な強い女性の文化が露出の高い服にミニスカートというスタイルに変えた。どこから見ても明るい美人となり、まわりの男性にもちやほやされるようになっていた。服装や見られ方が変わるにつれ、えりは、明るく快活な性格にもなっていた。
大学では、犯罪心理を専攻し、優秀な成績を納めており、大学院への進学を教授から勧められていたが、日本に戻り、佐山達と現場で活躍することを望んでいた。
えりの能力はというと、以前と全く変わらず、探偵社のバイト先での浮気調査といった簡単な事案に役立たせていた。
そんなある日、卒業式を前に友人3人と旅行にいく予定をしていた。
3人は、入学当初から仲がよく、卒業を控えての旅行であった。
今日も旅行の打ち合わせのために集まる予定にしていた。
「えり!おはよう」
「おはよう!キャサリン」
《キャサリン》
キャサリンは、とにかく明るく、いつもみんなを笑わせるムード役
「えりちゃん!キャサリン!おはよう」
「おはよう」
《メアリー》
メアリーは、スポーツ万能、とにかく体を動かすことが生き甲斐
「皆様!おはようございます」
「おはよう」
《シアン》
シアンは、お嬢様育ち、落ち着きと品をもちまさに才色兼備
「イタリアのフィレンツェ楽しみだね」
「フィレンツェのどこに行こうかあ」
「イタリアまでの船も楽しみ」
「船旅は、初めてですわ」
「私もよ」
「今からワクワクだね」
「旅行まであっという間なんだろうなあ」
「早くいきーい」
何事もなく、日々が過ぎていき、旅行出発の日になった。
(待ち合わせ時間より少し早めに着いたなあ。みんないるのかなあ。まだ誰もいないかあ)
「お待たせ!えり早いね」
「メアリーこそ」
「子供の遠足みたいに眠れなくて」
「私も実はそうなの」
「やっぱり!」
「1時間前だもんね」
「そこのカフェでコーヒー飲んで待ってようよ」
「いいね」
しばらく船の出発ロビーの喫茶店で2人はコーヒーを飲んでいた。
「お待たせ」
「こんにちは!シアン!」
「あとは、キャサリンだけだね」
「いつも遅れてくるからね」
「大丈夫かなあ」
《本日は、ソフィア号にご利用いただきありがとうございます。ご乗船になられるお客様は、乗船手続き、手荷物検査をお済みになられ、速やかにご乗船いただきますようにお願い致します》
「乗船手続き始まったよ」
「そうだね。大丈夫かなあ」
「とりあえず手続き済ましちゃおうかあ」
「その方がいいかもね」
3人は、乗船手続き、手荷物検査を終わらせた。
《本日は、ソフィア号をご利用いただきありがとうございます。まもなく乗船手続きを終了させていただきます。ご乗船の方は、速やかにお手続きをお願い致します。また、ご乗船手続き、手荷物検査を終了されましたお客様は、乗船いただきますようにお願い致します》
「どうする?キャサリンに連絡してみる?」
「それがさっきから連絡入れてるんだけど、返事がないんだよね」
《本日は、ソフィア号をご利用いただきありがとうございます。まもなく乗船手続きを終了いたします。ご乗船の方はお急ぎください》
「キャサリンは、間に合いそうにないね」
「仕方ない。先に行こう」
「待って!」
「キャサリン!遅い!」
「電車が事故で遅れちゃって」
「早く乗船手続き済ませて」
キャサリンも乗船手続き、手荷物検査を終わらせ、4人で乗船口へ向かった。
「キャサリン!心配したわよ」
「ごめんごめん」
「とにかく間に合ってよかったよ」
「さあ、乗船しましょう」
4人は、タラップを上りかけた。
「どいてどいて!」
1人の同年代の男が後ろから、えり達を割って、タラップを駆け上がっていった。
「キャサリンみたいな感じかなあ」
「あはは」
「初めての船旅だけど、乗船の出迎えとかすごいね」
「本当だね」
「早く荷物を部屋において、デッキから出航見ようよ」
「そうだね」
えり達は、一等船室に向かった。
「301、302室だから、ここだね」
「えりとシアンが301だったよね。じゃあ、私とキャサリンが302だからここだね」
「荷物おいたらすぐデッキへ行こうね」
「はーい」
4人は、荷物を置くと最上階デッキに向かった。
「あらためて見るとこの船大きいね」
「本当だね」
「そろそろよ」
船のタラップがはずされ、綱もはずされ、船が少しずつ岸から離れていった。
「なんか旅ーって感じだね」
「本当だね」
船は、岸を遠くに、沖まで進んだ。
「そろそろ部屋にもどろうか?」
「だね」
えり達は、部屋に向かって歩き始めた。
「こんにちは!さっきは後ろからごめんね」
さっき追い抜いていった男が声をかけてきた。
「いえいえ!なんかお急ぎだったんですよね。
「乗り遅れるかと」
「私もよ」
「こいつさ。寝過ごしたのに電車が事故とか言って。調べたら事故なんてどこでも起きてないのにね」
「なんかうちにもいたなあ」
「あはは」
「お互い苦労するね」
「だね」
「あ!俺は、トム、こっちがサム、テリーで、こいつは、哲也だよ」
「私は、キャサリン、でメアリー、シアンにえりだよ」
「哲也ってひょっとして日本人?」
「そうだよ。ひょっとしてえりさんも?」
「そうです」
「こんなところで日本人に会うとはね」
「君たちは、大学生?」
「今年卒業するから、最後の旅行なのよ」
「お!俺たちと一緒だ」
「嬉しいなあ。よかったらディナーでもご一緒にどう?」
「そうね。どうする?」
「いいわよ」
「やったあ」
「じゃあ18時にテラスのレストランで夕陽を見ながら」
「OK!」
「またあとでね!」
えり達は、部屋へと向かった。
えりも大学四年生になり、卒業を間近に控えていた。
えりは、ここ数年でイメージも一新していた。佐山達に髪型を変えられ、さらにアメリカの開放的な強い女性の文化が露出の高い服にミニスカートというスタイルに変えた。どこから見ても明るい美人となり、まわりの男性にもちやほやされるようになっていた。服装や見られ方が変わるにつれ、えりは、明るく快活な性格にもなっていた。
大学では、犯罪心理を専攻し、優秀な成績を納めており、大学院への進学を教授から勧められていたが、日本に戻り、佐山達と現場で活躍することを望んでいた。
えりの能力はというと、以前と全く変わらず、探偵社のバイト先での浮気調査といった簡単な事案に役立たせていた。
そんなある日、卒業式を前に友人3人と旅行にいく予定をしていた。
3人は、入学当初から仲がよく、卒業を控えての旅行であった。
今日も旅行の打ち合わせのために集まる予定にしていた。
「えり!おはよう」
「おはよう!キャサリン」
《キャサリン》
キャサリンは、とにかく明るく、いつもみんなを笑わせるムード役
「えりちゃん!キャサリン!おはよう」
「おはよう」
《メアリー》
メアリーは、スポーツ万能、とにかく体を動かすことが生き甲斐
「皆様!おはようございます」
「おはよう」
《シアン》
シアンは、お嬢様育ち、落ち着きと品をもちまさに才色兼備
「イタリアのフィレンツェ楽しみだね」
「フィレンツェのどこに行こうかあ」
「イタリアまでの船も楽しみ」
「船旅は、初めてですわ」
「私もよ」
「今からワクワクだね」
「旅行まであっという間なんだろうなあ」
「早くいきーい」
何事もなく、日々が過ぎていき、旅行出発の日になった。
(待ち合わせ時間より少し早めに着いたなあ。みんないるのかなあ。まだ誰もいないかあ)
「お待たせ!えり早いね」
「メアリーこそ」
「子供の遠足みたいに眠れなくて」
「私も実はそうなの」
「やっぱり!」
「1時間前だもんね」
「そこのカフェでコーヒー飲んで待ってようよ」
「いいね」
しばらく船の出発ロビーの喫茶店で2人はコーヒーを飲んでいた。
「お待たせ」
「こんにちは!シアン!」
「あとは、キャサリンだけだね」
「いつも遅れてくるからね」
「大丈夫かなあ」
《本日は、ソフィア号にご利用いただきありがとうございます。ご乗船になられるお客様は、乗船手続き、手荷物検査をお済みになられ、速やかにご乗船いただきますようにお願い致します》
「乗船手続き始まったよ」
「そうだね。大丈夫かなあ」
「とりあえず手続き済ましちゃおうかあ」
「その方がいいかもね」
3人は、乗船手続き、手荷物検査を終わらせた。
《本日は、ソフィア号をご利用いただきありがとうございます。まもなく乗船手続きを終了させていただきます。ご乗船の方は、速やかにお手続きをお願い致します。また、ご乗船手続き、手荷物検査を終了されましたお客様は、乗船いただきますようにお願い致します》
「どうする?キャサリンに連絡してみる?」
「それがさっきから連絡入れてるんだけど、返事がないんだよね」
《本日は、ソフィア号をご利用いただきありがとうございます。まもなく乗船手続きを終了いたします。ご乗船の方はお急ぎください》
「キャサリンは、間に合いそうにないね」
「仕方ない。先に行こう」
「待って!」
「キャサリン!遅い!」
「電車が事故で遅れちゃって」
「早く乗船手続き済ませて」
キャサリンも乗船手続き、手荷物検査を終わらせ、4人で乗船口へ向かった。
「キャサリン!心配したわよ」
「ごめんごめん」
「とにかく間に合ってよかったよ」
「さあ、乗船しましょう」
4人は、タラップを上りかけた。
「どいてどいて!」
1人の同年代の男が後ろから、えり達を割って、タラップを駆け上がっていった。
「キャサリンみたいな感じかなあ」
「あはは」
「初めての船旅だけど、乗船の出迎えとかすごいね」
「本当だね」
「早く荷物を部屋において、デッキから出航見ようよ」
「そうだね」
えり達は、一等船室に向かった。
「301、302室だから、ここだね」
「えりとシアンが301だったよね。じゃあ、私とキャサリンが302だからここだね」
「荷物おいたらすぐデッキへ行こうね」
「はーい」
4人は、荷物を置くと最上階デッキに向かった。
「あらためて見るとこの船大きいね」
「本当だね」
「そろそろよ」
船のタラップがはずされ、綱もはずされ、船が少しずつ岸から離れていった。
「なんか旅ーって感じだね」
「本当だね」
船は、岸を遠くに、沖まで進んだ。
「そろそろ部屋にもどろうか?」
「だね」
えり達は、部屋に向かって歩き始めた。
「こんにちは!さっきは後ろからごめんね」
さっき追い抜いていった男が声をかけてきた。
「いえいえ!なんかお急ぎだったんですよね。
「乗り遅れるかと」
「私もよ」
「こいつさ。寝過ごしたのに電車が事故とか言って。調べたら事故なんてどこでも起きてないのにね」
「なんかうちにもいたなあ」
「あはは」
「お互い苦労するね」
「だね」
「あ!俺は、トム、こっちがサム、テリーで、こいつは、哲也だよ」
「私は、キャサリン、でメアリー、シアンにえりだよ」
「哲也ってひょっとして日本人?」
「そうだよ。ひょっとしてえりさんも?」
「そうです」
「こんなところで日本人に会うとはね」
「君たちは、大学生?」
「今年卒業するから、最後の旅行なのよ」
「お!俺たちと一緒だ」
「嬉しいなあ。よかったらディナーでもご一緒にどう?」
「そうね。どうする?」
「いいわよ」
「やったあ」
「じゃあ18時にテラスのレストランで夕陽を見ながら」
「OK!」
「またあとでね!」
えり達は、部屋へと向かった。
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