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第十四話 真相への軌跡
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「分析終わったみたいだな」
「ん?相関関係が交錯してるなあ」
「どういうこと?」
「関係性が一般的な友人関係と同じようになってるんだよね」
「兄さん。よくわからない」
「簡単にいうと。今回のターゲットは、
田中先生、高橋先生、山田先生、慶子、理恵だよね」
「そうだよ」
「全員が全員、それぞれにつながりがあるということ。特に、理恵は慶子とだけ、つながりが大きいんだけど、あとの4人は、それぞれにつながりが大きいといえるんだよね」
「AIもえりちゃん死亡を想定した場合、3人に容疑がかかる因果性が同程度ということなんだよね。しかも殺意が薄いという判断になるんだよね」
「え!どうしてそういう結果になるの?」
「情報が足りないといえる。もしくは、全くの第三者が存在するのかもしれない」
「えりちゃんを殺そうとした判断根拠が足りないってことなの?」
「そういうことになるね」
「あとは、それぞれの相関関係だけは見ることができるから、そこから新たな情報を入手する必要があるね」
「じゃあ1人ずつ見てみるしかないかあ」
「まず高橋先生から順にいってみようか」
「ちょっと待ってね」
「いいよ」
《高橋》
◯女子高生を盗撮していた
◯田中につきまとっていた
◯山田に弱みを握られていた
《田中》
◯山田が慶子が好きなことを知っていた
◯山田につきまとっていた
《山田》
◯慶子につきまとっていた
◯高橋の盗撮を知っていた
「という結果になるんだよね」
「ただ因果性以外の注意すべき項目が何点かを抽出しているんだけど」
「次の項目がそうだよ」
《高橋》
◯お金を誰かに払っている
《田中》
◯誰かに指示をうけている
◯写真の送付履歴がある
「今回の件は、今の地点ではっきりしたことはわからないってことだなあ」
「どうかな?役に立たず申し訳ない。人の感情によって犯罪は起きるから、まあAIも限界があるということだね」
「プロファイリングの知見とさっきのAIの整理情報から判断しても、まずえりちゃんの事件との因果関係はないといえるね」
「ちょっと待って、私達、えりちゃんの事件をきっかけに、慶子ちゃんの事件が起きてたと思ってたけど違うということ?」
「そうだね。別の事件かもしれない」
「たまたまタイミングがオーバーラップした結果、複雑に絡めさせてたのかもしれない」
「慶子に指示をしていたひとがいない以上確かに別にいるということにはなるよね」
「そういうことだね」
「慶子の件もここに犯人はいないということですよね。副校長なんて意外に怪しいと思ってたんですよね」
「山川ちゃんドラマの見過ぎ」
「しかし、私の事件で2人は誰を見たんだろう。そして、田中先生に写真を要求したのは誰だろう。さらに高橋先生がお金のやりとりしてるのは誰だろう」
「そうね」
「この犯人は、かなり巧妙ね。危険だけど証拠の残らない方法を取ってると言えるね」
「ゆいつの手がかりは、慶子とやり取りしていたメールの主だね」
「あとは、全て直接会ってやりとりしてるのね。あの日も屋上に直接呼び出しているしね」
「屋上に呼び出したのは、ランチの時よね。そして授業終わってすぐいなくなった。ということは、ランチから最後の授業の時までに直接アクセスしたということになるね」
「もう一度状況整理した方がいいね」
「そうかもしれない」
「じゃあ整理してみよう」
佐山は、ホワイトボードに状況を書き始めた。
《GW》
①GW 慶子の万引きを〇〇が発見
《GW後》
②慶子は体の写真を〇〇に送る
《夏休み後》
③えりをいじめを〇〇から指示を受ける
《えり事件》
④えりが〇〇から突き落とされる
⑤〇〇をえりの現場でみる
《慶子事件》
⑥えりに真実を伝えようとする
⑦慶子が〇〇から突き落とされる
「ということだね。さらに別に判明したことを加えてみよう」
《高橋》
⑧〇〇にお金を払っている
《田中》
⑨〇〇に指示を受ける
⑩写真を〇〇に送る
「ちょっと待って〇〇という記号は、同じ意味で意図して書いてないけど同一人物にすれば
合うんじゃない?」
「④の可能性としては?」
「私があった順番は、階下から山口→山田→橋本→高橋→田中ですよ。山口先生は、目立つかも」
「えりちゃん階段ですれ違ったのはだれ?」
「山口、橋本先生です。山田、高橋、田中先生は、階段を上がった時、廊下にいる姿を見ました」
佐山は、ホワイトボードにえりが出会った人物を書き上げると、山口、橋本にマーカーで◯をつけた。
「冷静に判断すると、階段を降りる姿は、急いでいるように見えないし、事件発生時の叫び声を受けて急いで降りているなら目立たないと考えると、突き飛ばして、学生が発見する間だけゆっくり動いていれば不審じゃないわよね。となると山口先生もありえるんじゃない?」
「確かに!」
「今日は、今の想定が正しいか、実際資料をみていきましょう」
「ん?相関関係が交錯してるなあ」
「どういうこと?」
「関係性が一般的な友人関係と同じようになってるんだよね」
「兄さん。よくわからない」
「簡単にいうと。今回のターゲットは、
田中先生、高橋先生、山田先生、慶子、理恵だよね」
「そうだよ」
「全員が全員、それぞれにつながりがあるということ。特に、理恵は慶子とだけ、つながりが大きいんだけど、あとの4人は、それぞれにつながりが大きいといえるんだよね」
「AIもえりちゃん死亡を想定した場合、3人に容疑がかかる因果性が同程度ということなんだよね。しかも殺意が薄いという判断になるんだよね」
「え!どうしてそういう結果になるの?」
「情報が足りないといえる。もしくは、全くの第三者が存在するのかもしれない」
「えりちゃんを殺そうとした判断根拠が足りないってことなの?」
「そういうことになるね」
「あとは、それぞれの相関関係だけは見ることができるから、そこから新たな情報を入手する必要があるね」
「じゃあ1人ずつ見てみるしかないかあ」
「まず高橋先生から順にいってみようか」
「ちょっと待ってね」
「いいよ」
《高橋》
◯女子高生を盗撮していた
◯田中につきまとっていた
◯山田に弱みを握られていた
《田中》
◯山田が慶子が好きなことを知っていた
◯山田につきまとっていた
《山田》
◯慶子につきまとっていた
◯高橋の盗撮を知っていた
「という結果になるんだよね」
「ただ因果性以外の注意すべき項目が何点かを抽出しているんだけど」
「次の項目がそうだよ」
《高橋》
◯お金を誰かに払っている
《田中》
◯誰かに指示をうけている
◯写真の送付履歴がある
「今回の件は、今の地点ではっきりしたことはわからないってことだなあ」
「どうかな?役に立たず申し訳ない。人の感情によって犯罪は起きるから、まあAIも限界があるということだね」
「プロファイリングの知見とさっきのAIの整理情報から判断しても、まずえりちゃんの事件との因果関係はないといえるね」
「ちょっと待って、私達、えりちゃんの事件をきっかけに、慶子ちゃんの事件が起きてたと思ってたけど違うということ?」
「そうだね。別の事件かもしれない」
「たまたまタイミングがオーバーラップした結果、複雑に絡めさせてたのかもしれない」
「慶子に指示をしていたひとがいない以上確かに別にいるということにはなるよね」
「そういうことだね」
「慶子の件もここに犯人はいないということですよね。副校長なんて意外に怪しいと思ってたんですよね」
「山川ちゃんドラマの見過ぎ」
「しかし、私の事件で2人は誰を見たんだろう。そして、田中先生に写真を要求したのは誰だろう。さらに高橋先生がお金のやりとりしてるのは誰だろう」
「そうね」
「この犯人は、かなり巧妙ね。危険だけど証拠の残らない方法を取ってると言えるね」
「ゆいつの手がかりは、慶子とやり取りしていたメールの主だね」
「あとは、全て直接会ってやりとりしてるのね。あの日も屋上に直接呼び出しているしね」
「屋上に呼び出したのは、ランチの時よね。そして授業終わってすぐいなくなった。ということは、ランチから最後の授業の時までに直接アクセスしたということになるね」
「もう一度状況整理した方がいいね」
「そうかもしれない」
「じゃあ整理してみよう」
佐山は、ホワイトボードに状況を書き始めた。
《GW》
①GW 慶子の万引きを〇〇が発見
《GW後》
②慶子は体の写真を〇〇に送る
《夏休み後》
③えりをいじめを〇〇から指示を受ける
《えり事件》
④えりが〇〇から突き落とされる
⑤〇〇をえりの現場でみる
《慶子事件》
⑥えりに真実を伝えようとする
⑦慶子が〇〇から突き落とされる
「ということだね。さらに別に判明したことを加えてみよう」
《高橋》
⑧〇〇にお金を払っている
《田中》
⑨〇〇に指示を受ける
⑩写真を〇〇に送る
「ちょっと待って〇〇という記号は、同じ意味で意図して書いてないけど同一人物にすれば
合うんじゃない?」
「④の可能性としては?」
「私があった順番は、階下から山口→山田→橋本→高橋→田中ですよ。山口先生は、目立つかも」
「えりちゃん階段ですれ違ったのはだれ?」
「山口、橋本先生です。山田、高橋、田中先生は、階段を上がった時、廊下にいる姿を見ました」
佐山は、ホワイトボードにえりが出会った人物を書き上げると、山口、橋本にマーカーで◯をつけた。
「冷静に判断すると、階段を降りる姿は、急いでいるように見えないし、事件発生時の叫び声を受けて急いで降りているなら目立たないと考えると、突き飛ばして、学生が発見する間だけゆっくり動いていれば不審じゃないわよね。となると山口先生もありえるんじゃない?」
「確かに!」
「今日は、今の想定が正しいか、実際資料をみていきましょう」
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