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終章

115 ~五年後~

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 始まりの丘、そこは共同墓地になっており、はるか昔に赤髪の魔女が舞い降りた場所と言われていた。
 比較的新しい墓の前に金髪の女性が座っている。
 その横には五歳になる女の子が祈りを捧げていた。

「まーま、おはなもってきた」
「はい、ありがとう。このお墓にはね、ママの大事な人が眠っているの。
 でも、長旅で疲れたから、ちゃっちゃっと祈りなさいね」
「まーま、いのるのはだいじっ! まじめにっ」
「はいはい、全く誰に似たんだか」

 金髪の母親は墓石へ祈る娘の頭を力任せになでる。

 そして小さな声で墓石へと語りかけた。

「ヴェル……本当にありがとう……ね」
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