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149 あっけない結末
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軽い昼食を取ると私は馬車を呼んでもらって、学園へ行く。
困った時になんでも相談に乗ってくれる人を私は知っているからだ。
何時もの部屋で何時もの扉をノックする。
二度目のノックをする。
反応が無い、おかしいわね。
三度目のノックをする。もはやノックというよりは強打だ。
反応が無い、なんだと……。
「ちょっと! 居留守は酷くない? ねぇ、ディーオもん!」
私が扉を叩いているから、数人の学生が私を見ては、そそくさと離れていく。
いいわよ、見世物じゃないしさっさと消えて。
「ふぉっふぉっふぉ、ディーオ君は今日はおらんよ」
どこかのお爺さんの声がする。
振り向かないといけないだろうか、振り向きたくは無い。
深呼吸をしてしょうがないから振り向く。
「これは、ごきげんよう校長先生」
「やほーほっほ」
何がやほほだ。
校長であり国王であるくせに、この国王が一言命令すればどんな命令でも正当化されるのよ。王が死刑って言ったら私は死刑なんだし。
「意味も無くそんな事はしないんじゃがのう」
「ま、まだ何も言ってませんけどっ。ええっと、ディーオ先生が留守って」
「ふぉっふぉ、彼には溜まった仕事もあるしのう」
なーにか、引っかかる言い方ね。
一応予定通りには帰って来てるし、ディーオだって有給なはずよ。
「所で……」
「なんでしょうか?」
「火付けは重罪でのー」
「なっ! 私はしてませんし、なんだったらガーもごもご」
校長の手が私の頬をギュっと掴む。
シワの手がほっぺに食い込む、痛いんですけどー。
「エルンちゃん、証拠もないのにそういうのはいけないのう」
「ぶひぃっ!」
言葉が優しいんだけど、薄っすらと開くまぶたから見える眼光が怖い。
ナナとかは、優しい校長先生です。って笑顔でいうけど、本当の正体を知らないからだだわ。
腐っても、王国の第一権力者よ……。
「王様くさっちゃったかのー」
「ぶっは……いやですわ、全然元気そのもので」
ほら、この校長すーぐ私の考えている事を見抜く。
だから余計に苦手だ。
「で、声をかけたという事は用事があるんですよね?」
「おお、そうじゃった……」
このボケ爺さんめ。
「ボケ爺さんですまんのう……」
「な、校長はいつもしっかりしてると思いますわ」
「ふむ、エルンちゃんとの距離が縮まらなくてじいちゃん悲しい」
「ご用件を!」
話に付き合っていたら、いつか私が墓穴ほって牢屋にぶち込まれる未来しか見えない。
さっさと用件を聞こう。
「そうじゃったそうじゃった。あの放火の犯人はもう国内、おっとこの場合は王都にはおらんよ」
「はい?」
「立ち話もなんじゃ、校長室にいこうかのう」
勝手に歩き出す校長の背中を見つめ、考えた末について行く事にする。
ディーオの教員の小部屋からはちょっとあるき、校長室に入る。
誰も居ない校長室。
楽にしてくれといわれたので近くのソファーへと座った。
校長はヤレヤレというと、私の真向かいにすわる。
「エルンちゃんや、犯人は誰と思う?」
「だれって……ガール補佐官の一派?」
「ふむーそうおもうか……違うのじゃ」
「え、じゃあ誰?」
思わずタメ口になってしまった。
よかった気分は害してないみたいね。
「ギルドの進出を良く思わない勢力がいてのう、作業にまぎれて煙草の火をポイじゃ」
「はっや、昨日の今日でもう犯人捕まえたの!? いや、捕まえたんですかっ!?」
「ふぉっふぉっふぉ、もっと褒めてもいいのじゃよ?」
さすが国王という所よね、ディーオより仕事が速い。
「え、じゃぁ……ガール補佐官は悪くは無い?」
「うむ。悪く言う者もいるが、あれでガール補佐官は良くやっているのだよ、エルンちゃんからみてガール補佐官のイメージを教えてほしいのう」
「ええっと……では失礼ながら、我侭で目つきが悪く権力を振りかざした極悪非道なお爺さん、お金が好きそうで、お金さえ積めば白の物も黒っていってくれそうで」
後は、よなよな女子供をいたぶったり、生意気な人間が居たらギロチンにかけたり、盗撮魔の孫と一緒に変な趣味がありそうな人と思ったけど、その部分は言わないで胸にしまった。
「ふぉっふぉっふぉ、思ったより酷いのう。
彼は必要悪なのじゃよ、彼が悪者になり城の不満を受けてくれる。
居なかったら不満があちこちに飛び火するじゃろうな」
「え、じゃぁあの人って演技なの?」
「いや、地じゃろな。ただ、ガール補佐官も自身の立場をわかっておる」
という事は、自分は必要悪だから好きにさせろって事かしら?
やっぱり悪人だ。
「じゃなくて、犯人がわかったとしたら、話が見えない……みえません」
「うむうむ、エルンちゃんには迷惑かもしれないが、ギルド長の座を降りて欲しいのじゃ」
「え、ラッキー」
おっと、思わず即答で答えてしまった。
いや、なんだかんだで左団扇できるかなっておもったギルドマスターの話だったけど、ガルド曰く責任ばっかりくるし、今回の火事だって結局は私の責任もあるらしい。
なんでよ! って反論したら。
普段の行い……もとい、ぱっとでの貴族が行き成りギルドマスターになりましたってなったら問題も起きるだろうと。
じゃぁ誰が受けたほうがいいのよ、ガルドがすれば? と皮肉ったら命令であればなって。
それに被害を受けたのはこっちなのに、周りにご迷惑をかけましたってお金を用意するのよ?
そりゃ心配はかけたし、消火も手伝って貰ったけど一件二件じゃなくて数十件、しまいには手伝っても無い家にも渡さないとって話出てるし。
「即答かの?」
「はっ即答はまずかったのか……ええっと、色々と考えた結果、ギルドマスターの話は今回の火事の責任を取り辞退させて貰えるのであれば、謹んでお受けします」
「エルンちゃん、前半が口に出てるのう、お詫びはちゃんとするので」
「え。じゃぁ後任は?」
「カインじゃ」
あ、だったら安心だ。
もしかして、コタロウがワンチャン責任者なるのかなって思ったらやっぱ違うのね。
うん、仕事は真面目にするんだけどね……。
「変に王家が直接するより、日頃の功績からエルンちゃんを推薦した結果、放火が起こった。だったら完全に王家と関わりあうようにという事じゃ」
校長の目が光った。
こわっ、結構本気で怒ってるわよねこれ。
そういえば犯人は既に国内に居ないって言っていたけど……もしかして、捕らえて死刑って奴?
「ふぉっふぉっふぉ」
聞かないほうがいいわねこれ。
「お話はわかりました、ご用件はそれだけですか?」
「エルンちゃんは王宮に興味はないかのう?」
「え?」
困った時になんでも相談に乗ってくれる人を私は知っているからだ。
何時もの部屋で何時もの扉をノックする。
二度目のノックをする。
反応が無い、おかしいわね。
三度目のノックをする。もはやノックというよりは強打だ。
反応が無い、なんだと……。
「ちょっと! 居留守は酷くない? ねぇ、ディーオもん!」
私が扉を叩いているから、数人の学生が私を見ては、そそくさと離れていく。
いいわよ、見世物じゃないしさっさと消えて。
「ふぉっふぉっふぉ、ディーオ君は今日はおらんよ」
どこかのお爺さんの声がする。
振り向かないといけないだろうか、振り向きたくは無い。
深呼吸をしてしょうがないから振り向く。
「これは、ごきげんよう校長先生」
「やほーほっほ」
何がやほほだ。
校長であり国王であるくせに、この国王が一言命令すればどんな命令でも正当化されるのよ。王が死刑って言ったら私は死刑なんだし。
「意味も無くそんな事はしないんじゃがのう」
「ま、まだ何も言ってませんけどっ。ええっと、ディーオ先生が留守って」
「ふぉっふぉ、彼には溜まった仕事もあるしのう」
なーにか、引っかかる言い方ね。
一応予定通りには帰って来てるし、ディーオだって有給なはずよ。
「所で……」
「なんでしょうか?」
「火付けは重罪でのー」
「なっ! 私はしてませんし、なんだったらガーもごもご」
校長の手が私の頬をギュっと掴む。
シワの手がほっぺに食い込む、痛いんですけどー。
「エルンちゃん、証拠もないのにそういうのはいけないのう」
「ぶひぃっ!」
言葉が優しいんだけど、薄っすらと開くまぶたから見える眼光が怖い。
ナナとかは、優しい校長先生です。って笑顔でいうけど、本当の正体を知らないからだだわ。
腐っても、王国の第一権力者よ……。
「王様くさっちゃったかのー」
「ぶっは……いやですわ、全然元気そのもので」
ほら、この校長すーぐ私の考えている事を見抜く。
だから余計に苦手だ。
「で、声をかけたという事は用事があるんですよね?」
「おお、そうじゃった……」
このボケ爺さんめ。
「ボケ爺さんですまんのう……」
「な、校長はいつもしっかりしてると思いますわ」
「ふむ、エルンちゃんとの距離が縮まらなくてじいちゃん悲しい」
「ご用件を!」
話に付き合っていたら、いつか私が墓穴ほって牢屋にぶち込まれる未来しか見えない。
さっさと用件を聞こう。
「そうじゃったそうじゃった。あの放火の犯人はもう国内、おっとこの場合は王都にはおらんよ」
「はい?」
「立ち話もなんじゃ、校長室にいこうかのう」
勝手に歩き出す校長の背中を見つめ、考えた末について行く事にする。
ディーオの教員の小部屋からはちょっとあるき、校長室に入る。
誰も居ない校長室。
楽にしてくれといわれたので近くのソファーへと座った。
校長はヤレヤレというと、私の真向かいにすわる。
「エルンちゃんや、犯人は誰と思う?」
「だれって……ガール補佐官の一派?」
「ふむーそうおもうか……違うのじゃ」
「え、じゃあ誰?」
思わずタメ口になってしまった。
よかった気分は害してないみたいね。
「ギルドの進出を良く思わない勢力がいてのう、作業にまぎれて煙草の火をポイじゃ」
「はっや、昨日の今日でもう犯人捕まえたの!? いや、捕まえたんですかっ!?」
「ふぉっふぉっふぉ、もっと褒めてもいいのじゃよ?」
さすが国王という所よね、ディーオより仕事が速い。
「え、じゃぁ……ガール補佐官は悪くは無い?」
「うむ。悪く言う者もいるが、あれでガール補佐官は良くやっているのだよ、エルンちゃんからみてガール補佐官のイメージを教えてほしいのう」
「ええっと……では失礼ながら、我侭で目つきが悪く権力を振りかざした極悪非道なお爺さん、お金が好きそうで、お金さえ積めば白の物も黒っていってくれそうで」
後は、よなよな女子供をいたぶったり、生意気な人間が居たらギロチンにかけたり、盗撮魔の孫と一緒に変な趣味がありそうな人と思ったけど、その部分は言わないで胸にしまった。
「ふぉっふぉっふぉ、思ったより酷いのう。
彼は必要悪なのじゃよ、彼が悪者になり城の不満を受けてくれる。
居なかったら不満があちこちに飛び火するじゃろうな」
「え、じゃぁあの人って演技なの?」
「いや、地じゃろな。ただ、ガール補佐官も自身の立場をわかっておる」
という事は、自分は必要悪だから好きにさせろって事かしら?
やっぱり悪人だ。
「じゃなくて、犯人がわかったとしたら、話が見えない……みえません」
「うむうむ、エルンちゃんには迷惑かもしれないが、ギルド長の座を降りて欲しいのじゃ」
「え、ラッキー」
おっと、思わず即答で答えてしまった。
いや、なんだかんだで左団扇できるかなっておもったギルドマスターの話だったけど、ガルド曰く責任ばっかりくるし、今回の火事だって結局は私の責任もあるらしい。
なんでよ! って反論したら。
普段の行い……もとい、ぱっとでの貴族が行き成りギルドマスターになりましたってなったら問題も起きるだろうと。
じゃぁ誰が受けたほうがいいのよ、ガルドがすれば? と皮肉ったら命令であればなって。
それに被害を受けたのはこっちなのに、周りにご迷惑をかけましたってお金を用意するのよ?
そりゃ心配はかけたし、消火も手伝って貰ったけど一件二件じゃなくて数十件、しまいには手伝っても無い家にも渡さないとって話出てるし。
「即答かの?」
「はっ即答はまずかったのか……ええっと、色々と考えた結果、ギルドマスターの話は今回の火事の責任を取り辞退させて貰えるのであれば、謹んでお受けします」
「エルンちゃん、前半が口に出てるのう、お詫びはちゃんとするので」
「え。じゃぁ後任は?」
「カインじゃ」
あ、だったら安心だ。
もしかして、コタロウがワンチャン責任者なるのかなって思ったらやっぱ違うのね。
うん、仕事は真面目にするんだけどね……。
「変に王家が直接するより、日頃の功績からエルンちゃんを推薦した結果、放火が起こった。だったら完全に王家と関わりあうようにという事じゃ」
校長の目が光った。
こわっ、結構本気で怒ってるわよねこれ。
そういえば犯人は既に国内に居ないって言っていたけど……もしかして、捕らえて死刑って奴?
「ふぉっふぉっふぉ」
聞かないほうがいいわねこれ。
「お話はわかりました、ご用件はそれだけですか?」
「エルンちゃんは王宮に興味はないかのう?」
「え?」
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