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104 昨日の結果
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学園祭四日目。
正確には学園祭が終わって次の日とも言う。
私は朝早くから学園にいる、昨日までの模擬店の片付けもあるからね。
さて始めましょうと言う所で、私の顔を見て何時も泣きそうになる受付の人から、お二人を校長が呼んでいますと連絡を貰ったのだ。
で。
場所は校長室で、校長、ディーオ、私、ナナの四人だ。
「ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ」
「校長、先ほどから笑うだけではなく……」
状況を整理していたら、校長が笑っていた。
「あのー御用がなければ帰りたいんですけどー」
「ほう?」
「エ、エルンさん!」
校長の目が光った! ようなきがした。
私は身震いをする。
「ワタシ、ナニモシテマセン」
「何で片言……、エルンさんあの後大変だったんですからね……」
恨みがましい目で見るのはナナである。
変態男を置いて来たのは悪かったわよ、ガルドに聞いた所、いう事を聞いてくれればまたご褒美を考えます!ってナナが叫んで無事帰ったらしい。
「悪い事したわよ、でも、ナナのおかげで解決したんだから感謝してる。
さすが、ナナだわ」
「そ、そんなエルンさんに褒められるとその、あの、嬉しいです」
突然ディーオが咳払いをする。
「昨日は、とりあえず、直ぐに帰したが。
変な噂が立つ前に、君達にも事情と口裏を合わせて貰う。校長続きを」
「ふぉっふぉっふぉ」
あーもう――――ふぉっふぉっふぉと。
「わしは、ハサミみたいな手でフォッフォッフォと笑う魔物じゃないぞな」
「そんな事ひっと事も言ってませんけど!
それより、話の続きをどうぞ!」
心臓が止まるかと思ったわ……。
「ふむ、ライデイが雷を操るようになったのはつい最近でのう。
ガール補佐官なんぞは、孫が剣技を使えるようになって、それはもう自慢しまくりでのう」
「はぁ……でも、インチキだったんでしょ?」
「話を最後まで聞け」
ディーオが顔をしかめ注意してくる。
本当の事言っただけじゃないのよ。
「はいはい、で?」
「仮にも校長、いや王に対する口調とは思えないな」
「そういうディーオだって」
「ボクは公の場ではちゃんと話している」
「ふぉっふぉっふぉ、かまわんよ気にしない。どれディーオ先生のほうが話が聞きやすそうじゃのう」
私は校長のお墨付きを貰って、優雅に微笑む。
ディーオの顔がますます、しかめっ面になって行くのが面白い。
「では続きを、ライデイ君の剣技は不完全だった。
突然の突風で飛んできたベドベド君、それを受けたライデイ君は集中が切れ、その未完成な剣技を自身にダメージを与えて倒れた。
一方リュート君も、突然の突風で飛んできたベトベト君に絡まれ意識はあるもの倒れた。
試合は無効試合となり、通常なら再戦をするのだが」
「だが?」
「ライデイ君の傷が思ったよりも深くなり剣技が使えない状態になった。
規則ならリュート君が優勝者になるが、彼もそれを辞退したので、今年の優勝者は無しになった」
「え、でも傷ってエリクサーあったわよね?」
ディーオが咳払いすると、口調を強めてくる。
「表向きの話だ! フロム家の者が試合でインチキをしたとばれて見ろ、最悪国が傾くぞ」
「え、まじで?」
もしかして、私やばい事やった?
「ふぉっふぉっふぉ、いや発見したのが昨日でまだ良かった。これが他国や遠征中となると被害や損害ももっと酷かったじゃろうし、フロム家の扱いも考えないとのう」
「例えば?」
「ふむ。例えばのう、国と国の威信をかけて一騎打ちなどになって卑怯な手を使ったとしようのう。フロム家はグラン国でも上位の貴族じゃ、その貴族が不正をしたとなればグラン国での信頼もありフロム家の者を全員ギロチンじゃの、いやライデイ君だけでもいいかのう」
ちょ、え? まじで?
そんな簡単にギロチンって。
「エルン君……手に持っていた鞄を落としたぞ」
「ふぉっふぉっふぉ、だからエルンちゃんも黙ってね」
語尾にハートがつきそうな感じで校長は話してくる。
「そ、そうね。ええっと用はそれだけ?」
やっぱり、ちょっと悪い事をしただけでギロチンにされる怖い世界だ。
悪い事はしてない! と、思うけどヤブ蛇をつつく前に作業へと戻りたいわね。
「そうだな……エルン君後で教員部屋に来てくれ」
「え、やだ。部屋に連れ込んで何するつもりよ」
「何もしないっ用があるだけだ! とにかく、今回の事は以上で決まった。
彼が不正をしたかどうかは、してないという事になっている。
もちろん、騎士科や一般科も含めて怪しいと思っている人間は多いだろうが、口には出さないはずだ。
ライデイ君は、暫くは休学という事でフロム家の遠い家へと行っている、そこで剣技を磨いて貰うとガール補佐官から今朝に話が届いた。他にも何名か休学届けが既に出ている」
だから! と、一際大きい声を出して腕を組みはじめた。
「今後余計な事は言わないように。特に君は危ないからな、ナナ君は保険だ。
君が騒ぎを大きくするとナナ君にも迷惑が掛かると思っていたまえ」
なんでこっちを見て言うのかしら。
「風評被害なんですけどー! 今まで一度もナナに迷惑をかけたこと無いわよ!」
「「「………………」」」
「その、迷惑だって事一度も無いです!」
「ほら」
微妙な間があったけど気のせいね、可愛いナナがそんな事思うはずないもんね。
………………無いわよね?
「話は終わりだ」
ふぉっふぉっふぉと校長は笑っているし。
ディーオは犬を追っ払うように手をシッシと振って来る。
呼ばれたから来たのに、この扱い恨み忘れべからず! よ。
◇◇◇
模擬店の荷物が終わった、使った道具は酒場熊の手へ受け渡し、ナナが定期的に燃料の中和剤を売りに行くらしい。
ゆくゆくは他の錬金術師も売りにいける様に将来を見据えてとか、なんて立派な。
儲けは白金貨三十枚、雑費がかさなり思ったよりも儲けがなかったけどしょうがない。
ナナに半分を渡し、残りは財布にいれる。
今日の夜はお疲れ会として、酒場熊の手を貸しきっているのだ。
久々の外食で気分は高まる。
いやだって、ぽんぽん外食できないじゃない。お金はあるのよ? あっても、ノエがおじょうさまを守れませんから、なるべくやめて下さい……とか涙目で言うし。
だったらガルドを連れて行こうと思ったら、ノエは役に立たないので留守番しますというし。
だから、ガーランドから戻って来てもそんなに外食には行っていない。
「さて、残った大型なのはガルドに任せて、熊の手へいきましょうか」
「えっ!?」
「えって……何か用事でもあった?」
「いえ、あの……エルンさんがディーオ先生に呼ばれていたような」
「………………そういえば、アレよ人間嫌な事は忘れるのよ、どうせ下らない説教とかよ。天才であるボクが説明するんだーとか」
「あの……」
「ね、ナナもそうおもうわよね」
「下らない説教で悪かったな」
背後から、なぜかディーオの声がする。
「でも、良く考えたらありがたい話もあるのよ? あら、ディーオ先生遅くなりましたけど、今から部屋に」
「変な媚をしなくていい、まったく……」
ディーオは頭に手を当てて溜め息をついてくる、ちょーっと忘れたぐらいで、そんなに怒らなくても。
正確には学園祭が終わって次の日とも言う。
私は朝早くから学園にいる、昨日までの模擬店の片付けもあるからね。
さて始めましょうと言う所で、私の顔を見て何時も泣きそうになる受付の人から、お二人を校長が呼んでいますと連絡を貰ったのだ。
で。
場所は校長室で、校長、ディーオ、私、ナナの四人だ。
「ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ」
「校長、先ほどから笑うだけではなく……」
状況を整理していたら、校長が笑っていた。
「あのー御用がなければ帰りたいんですけどー」
「ほう?」
「エ、エルンさん!」
校長の目が光った! ようなきがした。
私は身震いをする。
「ワタシ、ナニモシテマセン」
「何で片言……、エルンさんあの後大変だったんですからね……」
恨みがましい目で見るのはナナである。
変態男を置いて来たのは悪かったわよ、ガルドに聞いた所、いう事を聞いてくれればまたご褒美を考えます!ってナナが叫んで無事帰ったらしい。
「悪い事したわよ、でも、ナナのおかげで解決したんだから感謝してる。
さすが、ナナだわ」
「そ、そんなエルンさんに褒められるとその、あの、嬉しいです」
突然ディーオが咳払いをする。
「昨日は、とりあえず、直ぐに帰したが。
変な噂が立つ前に、君達にも事情と口裏を合わせて貰う。校長続きを」
「ふぉっふぉっふぉ」
あーもう――――ふぉっふぉっふぉと。
「わしは、ハサミみたいな手でフォッフォッフォと笑う魔物じゃないぞな」
「そんな事ひっと事も言ってませんけど!
それより、話の続きをどうぞ!」
心臓が止まるかと思ったわ……。
「ふむ、ライデイが雷を操るようになったのはつい最近でのう。
ガール補佐官なんぞは、孫が剣技を使えるようになって、それはもう自慢しまくりでのう」
「はぁ……でも、インチキだったんでしょ?」
「話を最後まで聞け」
ディーオが顔をしかめ注意してくる。
本当の事言っただけじゃないのよ。
「はいはい、で?」
「仮にも校長、いや王に対する口調とは思えないな」
「そういうディーオだって」
「ボクは公の場ではちゃんと話している」
「ふぉっふぉっふぉ、かまわんよ気にしない。どれディーオ先生のほうが話が聞きやすそうじゃのう」
私は校長のお墨付きを貰って、優雅に微笑む。
ディーオの顔がますます、しかめっ面になって行くのが面白い。
「では続きを、ライデイ君の剣技は不完全だった。
突然の突風で飛んできたベドベド君、それを受けたライデイ君は集中が切れ、その未完成な剣技を自身にダメージを与えて倒れた。
一方リュート君も、突然の突風で飛んできたベトベト君に絡まれ意識はあるもの倒れた。
試合は無効試合となり、通常なら再戦をするのだが」
「だが?」
「ライデイ君の傷が思ったよりも深くなり剣技が使えない状態になった。
規則ならリュート君が優勝者になるが、彼もそれを辞退したので、今年の優勝者は無しになった」
「え、でも傷ってエリクサーあったわよね?」
ディーオが咳払いすると、口調を強めてくる。
「表向きの話だ! フロム家の者が試合でインチキをしたとばれて見ろ、最悪国が傾くぞ」
「え、まじで?」
もしかして、私やばい事やった?
「ふぉっふぉっふぉ、いや発見したのが昨日でまだ良かった。これが他国や遠征中となると被害や損害ももっと酷かったじゃろうし、フロム家の扱いも考えないとのう」
「例えば?」
「ふむ。例えばのう、国と国の威信をかけて一騎打ちなどになって卑怯な手を使ったとしようのう。フロム家はグラン国でも上位の貴族じゃ、その貴族が不正をしたとなればグラン国での信頼もありフロム家の者を全員ギロチンじゃの、いやライデイ君だけでもいいかのう」
ちょ、え? まじで?
そんな簡単にギロチンって。
「エルン君……手に持っていた鞄を落としたぞ」
「ふぉっふぉっふぉ、だからエルンちゃんも黙ってね」
語尾にハートがつきそうな感じで校長は話してくる。
「そ、そうね。ええっと用はそれだけ?」
やっぱり、ちょっと悪い事をしただけでギロチンにされる怖い世界だ。
悪い事はしてない! と、思うけどヤブ蛇をつつく前に作業へと戻りたいわね。
「そうだな……エルン君後で教員部屋に来てくれ」
「え、やだ。部屋に連れ込んで何するつもりよ」
「何もしないっ用があるだけだ! とにかく、今回の事は以上で決まった。
彼が不正をしたかどうかは、してないという事になっている。
もちろん、騎士科や一般科も含めて怪しいと思っている人間は多いだろうが、口には出さないはずだ。
ライデイ君は、暫くは休学という事でフロム家の遠い家へと行っている、そこで剣技を磨いて貰うとガール補佐官から今朝に話が届いた。他にも何名か休学届けが既に出ている」
だから! と、一際大きい声を出して腕を組みはじめた。
「今後余計な事は言わないように。特に君は危ないからな、ナナ君は保険だ。
君が騒ぎを大きくするとナナ君にも迷惑が掛かると思っていたまえ」
なんでこっちを見て言うのかしら。
「風評被害なんですけどー! 今まで一度もナナに迷惑をかけたこと無いわよ!」
「「「………………」」」
「その、迷惑だって事一度も無いです!」
「ほら」
微妙な間があったけど気のせいね、可愛いナナがそんな事思うはずないもんね。
………………無いわよね?
「話は終わりだ」
ふぉっふぉっふぉと校長は笑っているし。
ディーオは犬を追っ払うように手をシッシと振って来る。
呼ばれたから来たのに、この扱い恨み忘れべからず! よ。
◇◇◇
模擬店の荷物が終わった、使った道具は酒場熊の手へ受け渡し、ナナが定期的に燃料の中和剤を売りに行くらしい。
ゆくゆくは他の錬金術師も売りにいける様に将来を見据えてとか、なんて立派な。
儲けは白金貨三十枚、雑費がかさなり思ったよりも儲けがなかったけどしょうがない。
ナナに半分を渡し、残りは財布にいれる。
今日の夜はお疲れ会として、酒場熊の手を貸しきっているのだ。
久々の外食で気分は高まる。
いやだって、ぽんぽん外食できないじゃない。お金はあるのよ? あっても、ノエがおじょうさまを守れませんから、なるべくやめて下さい……とか涙目で言うし。
だったらガルドを連れて行こうと思ったら、ノエは役に立たないので留守番しますというし。
だから、ガーランドから戻って来てもそんなに外食には行っていない。
「さて、残った大型なのはガルドに任せて、熊の手へいきましょうか」
「えっ!?」
「えって……何か用事でもあった?」
「いえ、あの……エルンさんがディーオ先生に呼ばれていたような」
「………………そういえば、アレよ人間嫌な事は忘れるのよ、どうせ下らない説教とかよ。天才であるボクが説明するんだーとか」
「あの……」
「ね、ナナもそうおもうわよね」
「下らない説教で悪かったな」
背後から、なぜかディーオの声がする。
「でも、良く考えたらありがたい話もあるのよ? あら、ディーオ先生遅くなりましたけど、今から部屋に」
「変な媚をしなくていい、まったく……」
ディーオは頭に手を当てて溜め息をついてくる、ちょーっと忘れたぐらいで、そんなに怒らなくても。
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