99 / 209
95 秋イベ開始
しおりを挟む
狭い職員用の個室で、温かい珈琲を飲んでいる男性は、私を見ると細い目になる。
「そのなんだ、なんで君は毎回ボクに報告に来る」
ディーオが心底不思議そうな顔で尋ねてくるが、こっちにも一応の理由がある。
「だって、報告しないと不機嫌になるじゃない。
前の大ミツバチの巣見つけた時とか、怒ったじゃないの」
「あれは、君が刺されたのを言わないで放置してるからだ」
夏前に精霊の森へナナと言った時の話だ。
ナナの精霊であるくまたんが、大きな蜂の巣を探し当てた。
中には蜂蜜がたっぷりで、極上の美味さがあった…………うん、話はここで終わらなくて私の精霊であるカー助も大きな蜂の巣を咥えてきた。
大ミツバチ付きで。
何とか逃げ出したけど、その時にお腹を刺されていたらしく、翌日に物凄い腫れた。
ナナが薬の調合を調べるのにディーオに泣き付いて、なぜか私も怒られた。
「じゃぁ、剣拾った時も」
「それは、君達が湖から引っ張ってきた古代剣の事だな。
魔よけのために宝剣を沈めたという王家の伝承が無事証明されたよ、おかけで剣を戻すのにこっちは徹夜した」
「あの時も言ったけど、別に引き抜いたわけじゃないわよ……浮いていたんだからナナ達と一緒に持って帰っただけよ」
「そのせいなのか、あちこちで夏風邪が流行ったな」
これも夏に入って直ぐだ。
腫れから完全復帰した私は、ナナとカインとリュートに誘われて森の湖へと言った。
なんでも、秘密の避暑地らしく夏だというのに涼しかった。
さて、晩御飯でも釣りましょうと言った所で、湖に剣が浮いていたのだ。
ナナは不思議な力を感じますっていうし、カインはなぜか青ざめているし、リュートも腕を組んで考え込んでいた。
結局、私が見つけたのだから私の物でいいわよねと、言って欲しそうなナナに渡そうとしたんだけど、男性二人に一晩待ってくれと頼まれた。
で、どういう経由で話が言ったのが謎だけど……いや、謎ではないか。
リュート・カイン組からヘルン、ヘルンから国王、国王からディーオに話が伝わって、なぜか私が怒られた。
ナナなんて、その剣を潰してお守り作ろうとしていたし、別に私だけが悪いわけじゃないような気がする。
とにかく、そんなこんなでこの男、ディーオ・クライマーは何か変わった事があったら報告してくれと、げっそりした顔で言うのだから私も悪いなーと、思って報告に来てるだけである。
それ以外の何も無い。
無い!
無いわよ?
「とにかく……校長から聞いた。亜人問題や他国の女王を護るなど、怪我はあったようだが無事でなによりだ、おかえり」
「っ!」
この男にしては珍しく、珍しく笑顔を私に向けてきた。
ぼさぼさに見える髪で、グリーン色の瞳が私を真っ直ぐに見つめてくる。
「どうした、ぼーっとして時差ぼけか」
「ぼ、ぼけるほど離れてませんしー。その……ただ……ただいま」
「っ…………ああ……」
なぜか、ディーオも押し黙る。
コンコン。
「ど、どうぞ! 開いている」
「そ、そうよ! 開いてるわよ!」
私とディーオがほぼ同時喋ると、静に扉が開いた。
入ってきたのは、ナナである。
「あれ、ナナどうしたの?」
「エルンさん! エルンさんも今度の学園祭の話ですか?」
「学園祭?」
「学園祭とはグラン学園の行事の一つでな一年に一回行われる行事だ。
個人やグループで模擬店を出したり、クラスや学科で模擬店をだしたりする」
「へぇ……知ってるわよ。いや、学園祭って名前だけは知ってるって意味ね」
なるほど、もうそんな季節か。
ゲームでの学園祭。
主人公であるナナは、ホットドックを【錬金術】で大量に作り大量に売りさばく、お金もうけイベントである。
はたして、料理ではなく錬金術で作った食べ物は安全なのだろうか? と思いながらもプレイしたものだ。
それ以外にも、学園祭の終わりにはルートによってはデートイベントなどもあったきがする。
にしても、イベントが多い学校よね。
その辺はゲームと同じかぁ。
「で、錬金術科では何かするの?」
「知ってのとおり、錬金術科は人数が少ない」
本当に少ない。
元から何十人も居るわけじゃないし、結構辞めていったし普通科に編入した生徒も多い。
私も数回、ディーオの授業を受けに、不定期で行われる授業にでたけど。
受ける度に生徒の顔が違うし、何か集まってするようなことも無い。
「思うんだけど少なすぎない?」
「資格だけを買おうとする生徒などは、普通科へ編入させているからな。
もっとも、人数が多くても、錬金科は問題児や協調性の無い人間もいる」
「なんでこっちを見て言うのかしら?」
「そういう人間も居るという話だ」
「「………………」」
私とディーオがにらみ合っていると、ナナの困った声が聞こえた。
「あ、あのっ!」
「ああ、すまない。ナナ君のやりたいと言っていた模擬店の申請は下りた。そのエルン君も何かやらかすのか?」
「なんで、ナナはやりたいで、私はやらかす前提なのよ! しないわよ!」
「それは助かる、なんせ君が…………いや君達が問題を起こす度にボクの給料が減るんだ」
「………………それはゴメン」
「ご、ごめんなさい!」
「錬金術師として知識に飢えているのはわかるが…………いや説教をしたいわけじゃない。
当日の食べ物屋はボクも楽しみにしよう」
私とナナはディーオが居た部屋から一緒にでる。
廊下を歩くと、中庭には練習用の剣を振り回し練習に励む生徒も見えた。
「皆熱心ねぇ」
「はい、当日は一般解放もされますので、様々な人が来ます。
その……他の貴族様や商人の方など」
「あー……なるほどね」
流石にこの場では口にださないが、そういう事か。
どういう事かというと、簡単にいえば学園祭というのは、汚い言葉で言えば身売り場だ。
様々な特技を外の人間にアピールして縁を繋ぐというのかしら。
「ほ、ほかにも卒業生さんなども、そのカップルも多く出来ると聞いています」
「あ、もしかしてナナも恋人作り――」
「違います! 純粋にお金を稼ぎたくて……あの、錬金術の道具って何でも高いんです……」
確かに。
いまだ資産がある私なら気にしないけど、ナナだったらそうでしょうね。
ゲームでも後から出てくる道具がべらぼうな値段に成っていくし。
「――――とはいえ、私ももうそろそろ今後の事を考えたほうがいいような……」
「大丈夫です! エルンさんさえ良ければ一緒に工房を立ち上げましょう!」
「はっまた口に。でも、私まだ中和剤しか作れないわよ」
「大丈夫です! エルンさんは何もしなくてもいいんです。わたし頑張ります!」
共同経営者としてそれはどうなんだろう。
よし、だったらエルンさんも、ナナに良い所みせないとね。
「そのなんだ、なんで君は毎回ボクに報告に来る」
ディーオが心底不思議そうな顔で尋ねてくるが、こっちにも一応の理由がある。
「だって、報告しないと不機嫌になるじゃない。
前の大ミツバチの巣見つけた時とか、怒ったじゃないの」
「あれは、君が刺されたのを言わないで放置してるからだ」
夏前に精霊の森へナナと言った時の話だ。
ナナの精霊であるくまたんが、大きな蜂の巣を探し当てた。
中には蜂蜜がたっぷりで、極上の美味さがあった…………うん、話はここで終わらなくて私の精霊であるカー助も大きな蜂の巣を咥えてきた。
大ミツバチ付きで。
何とか逃げ出したけど、その時にお腹を刺されていたらしく、翌日に物凄い腫れた。
ナナが薬の調合を調べるのにディーオに泣き付いて、なぜか私も怒られた。
「じゃぁ、剣拾った時も」
「それは、君達が湖から引っ張ってきた古代剣の事だな。
魔よけのために宝剣を沈めたという王家の伝承が無事証明されたよ、おかけで剣を戻すのにこっちは徹夜した」
「あの時も言ったけど、別に引き抜いたわけじゃないわよ……浮いていたんだからナナ達と一緒に持って帰っただけよ」
「そのせいなのか、あちこちで夏風邪が流行ったな」
これも夏に入って直ぐだ。
腫れから完全復帰した私は、ナナとカインとリュートに誘われて森の湖へと言った。
なんでも、秘密の避暑地らしく夏だというのに涼しかった。
さて、晩御飯でも釣りましょうと言った所で、湖に剣が浮いていたのだ。
ナナは不思議な力を感じますっていうし、カインはなぜか青ざめているし、リュートも腕を組んで考え込んでいた。
結局、私が見つけたのだから私の物でいいわよねと、言って欲しそうなナナに渡そうとしたんだけど、男性二人に一晩待ってくれと頼まれた。
で、どういう経由で話が言ったのが謎だけど……いや、謎ではないか。
リュート・カイン組からヘルン、ヘルンから国王、国王からディーオに話が伝わって、なぜか私が怒られた。
ナナなんて、その剣を潰してお守り作ろうとしていたし、別に私だけが悪いわけじゃないような気がする。
とにかく、そんなこんなでこの男、ディーオ・クライマーは何か変わった事があったら報告してくれと、げっそりした顔で言うのだから私も悪いなーと、思って報告に来てるだけである。
それ以外の何も無い。
無い!
無いわよ?
「とにかく……校長から聞いた。亜人問題や他国の女王を護るなど、怪我はあったようだが無事でなによりだ、おかえり」
「っ!」
この男にしては珍しく、珍しく笑顔を私に向けてきた。
ぼさぼさに見える髪で、グリーン色の瞳が私を真っ直ぐに見つめてくる。
「どうした、ぼーっとして時差ぼけか」
「ぼ、ぼけるほど離れてませんしー。その……ただ……ただいま」
「っ…………ああ……」
なぜか、ディーオも押し黙る。
コンコン。
「ど、どうぞ! 開いている」
「そ、そうよ! 開いてるわよ!」
私とディーオがほぼ同時喋ると、静に扉が開いた。
入ってきたのは、ナナである。
「あれ、ナナどうしたの?」
「エルンさん! エルンさんも今度の学園祭の話ですか?」
「学園祭?」
「学園祭とはグラン学園の行事の一つでな一年に一回行われる行事だ。
個人やグループで模擬店を出したり、クラスや学科で模擬店をだしたりする」
「へぇ……知ってるわよ。いや、学園祭って名前だけは知ってるって意味ね」
なるほど、もうそんな季節か。
ゲームでの学園祭。
主人公であるナナは、ホットドックを【錬金術】で大量に作り大量に売りさばく、お金もうけイベントである。
はたして、料理ではなく錬金術で作った食べ物は安全なのだろうか? と思いながらもプレイしたものだ。
それ以外にも、学園祭の終わりにはルートによってはデートイベントなどもあったきがする。
にしても、イベントが多い学校よね。
その辺はゲームと同じかぁ。
「で、錬金術科では何かするの?」
「知ってのとおり、錬金術科は人数が少ない」
本当に少ない。
元から何十人も居るわけじゃないし、結構辞めていったし普通科に編入した生徒も多い。
私も数回、ディーオの授業を受けに、不定期で行われる授業にでたけど。
受ける度に生徒の顔が違うし、何か集まってするようなことも無い。
「思うんだけど少なすぎない?」
「資格だけを買おうとする生徒などは、普通科へ編入させているからな。
もっとも、人数が多くても、錬金科は問題児や協調性の無い人間もいる」
「なんでこっちを見て言うのかしら?」
「そういう人間も居るという話だ」
「「………………」」
私とディーオがにらみ合っていると、ナナの困った声が聞こえた。
「あ、あのっ!」
「ああ、すまない。ナナ君のやりたいと言っていた模擬店の申請は下りた。そのエルン君も何かやらかすのか?」
「なんで、ナナはやりたいで、私はやらかす前提なのよ! しないわよ!」
「それは助かる、なんせ君が…………いや君達が問題を起こす度にボクの給料が減るんだ」
「………………それはゴメン」
「ご、ごめんなさい!」
「錬金術師として知識に飢えているのはわかるが…………いや説教をしたいわけじゃない。
当日の食べ物屋はボクも楽しみにしよう」
私とナナはディーオが居た部屋から一緒にでる。
廊下を歩くと、中庭には練習用の剣を振り回し練習に励む生徒も見えた。
「皆熱心ねぇ」
「はい、当日は一般解放もされますので、様々な人が来ます。
その……他の貴族様や商人の方など」
「あー……なるほどね」
流石にこの場では口にださないが、そういう事か。
どういう事かというと、簡単にいえば学園祭というのは、汚い言葉で言えば身売り場だ。
様々な特技を外の人間にアピールして縁を繋ぐというのかしら。
「ほ、ほかにも卒業生さんなども、そのカップルも多く出来ると聞いています」
「あ、もしかしてナナも恋人作り――」
「違います! 純粋にお金を稼ぎたくて……あの、錬金術の道具って何でも高いんです……」
確かに。
いまだ資産がある私なら気にしないけど、ナナだったらそうでしょうね。
ゲームでも後から出てくる道具がべらぼうな値段に成っていくし。
「――――とはいえ、私ももうそろそろ今後の事を考えたほうがいいような……」
「大丈夫です! エルンさんさえ良ければ一緒に工房を立ち上げましょう!」
「はっまた口に。でも、私まだ中和剤しか作れないわよ」
「大丈夫です! エルンさんは何もしなくてもいいんです。わたし頑張ります!」
共同経営者としてそれはどうなんだろう。
よし、だったらエルンさんも、ナナに良い所みせないとね。
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
【完結】記憶を失くした貴方には、わたし達家族は要らないようです
たろ
恋愛
騎士であった夫が突然川に落ちて死んだと聞かされたラフェ。
お腹には赤ちゃんがいることが分かったばかりなのに。
これからどうやって暮らしていけばいいのか……
子供と二人で何とか頑張って暮らし始めたのに……
そして………
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる