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74 風とともにやって来た
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風の匂いが違う、船から降りたときに感じた。
気温は暑く、船から見えた地平の向こうには砂漠が見えた。
もしかしたらピラミットとかもあるかもしれないわね。
「ふうー暑いでござるな、こう腋までびっしょりでござる。巨乳の女性は胸下や谷間にも汗をかくと聞いたでござる? 本当でござったら拙者がふくでござるか?」
コタロウの声に周りに居た人間が、私とコタロウを遠くから見る。
特に男性は私の胸を見ているような気がする。
「デリカシーって言葉が無いの?」
「拙者、デリカシーを守って生きていて初恋の女性に振られてたでござる!」
「え、守ったのに?」
「そうでござる、いつも影から見守り、彼女が買い物するのに店に入ると、拙者は外で彼女を見守り。
彼女が仕事をすると、彼女の仕事が終わるまで外で待ち、帰り道は危なくないように後ろから守っていたでござる」
一見いい話に聞こえるけど、疑問に思う所を聞いて見る事にする。
「それって本当に彼女? ちゃんと告白した?」
「告白でござるか……? してないでござる。でも彼女とは前世からの恋人であったでござるよ」
「うわ、それストーカー」
「…………父上殿にも同じ事で怒られたでござる。今は彼女の幸せを遠くで祈り、拙者も考えをこのように変えたでござるよ、未練は無いでござる」
変えた結果がこれでは、余計立ちが悪いのでは? と思ったけど黙っておいたほうが良さそうね。
さて、アマンダはどこかなーと。
首を回すと私たちの変わりに下船の手続きをしてくれていた。
何から何まで、こういう所は頼りになるのよね。
私のお腹を誰かかツンツンしてくる。
誰かっても隣にはコタロウしか居ないのでコタロウだ。
「ちょっと、訴えるわよっ」
私の忠告を無視して、何かに興奮している。
「エルン殿、エルン殿! 亜人でござるっ」
「ん?」
コタロウの目線の先をみる。
「あ、本当だ……私も始めてみた」
亜人、ガーランドではまったく姿を見せない人ではない人型の獣種族。
一説には魔物と人間の間に出来た子として、ガーランドでは畏怖されている。
まぁよくある獣人という奴だ。
私が今見ているのは、狼型だろうか?
太った男性の胸倉を掴んで、今にも襲い掛かろうとしている。
その男性の周りの男は、それぞれ長い棒を持って亜人の動きを止めていた。これから大乱闘が始まる予感さえもする。
「にゃっと」
「うわっ! あ、アマンダ」
「エルンちゃーん、亜人は初めて?」
「そうね、他のゲーム……じゃないっ! 文献でしかしらないわ」
「気ににゃるなら声かけてこようか?」
「え?」
アマンダは返事も聞かずに歩いていく、亜人がアマンダに気がつき眉を潜める。
アマンダが何かを言ったのか、亜人を押さえつけている棒が外された。
次の瞬間亜人は男性へと殴りかかろうとして……あっ。
アマンダが亜人の腕を掴んだと思ったら背負い投げをした、そのまま亜人の体の上に乗りいつ抜いたのか、短剣を亜人の顔前への地面へと突き刺している。
「すごい」
「アマンダ殿に乗られるとか羨ましいでござる」
コタロウの呟きは置いておいて、アマンダは回りに何かを話している。
襲われた男性達は、起こった顔をしながらも二人から離れていって、町中に消えていく。
「えるんちゃーん」
アマンダの声で我にかえる、亜人に乗ったまま手招きをしている。
近づいても平気なのかしら……信用するか。
「クソ! 離せっ!」
「まぁまぁまぁまぁ」
「何がまぁまぁだ、これだから人間はっ」
私は押さえ込まれている顔の前へしゃがむ。
「ええっと、見下ろす形になるけどごめん、私はエルン。こっちのブタの亜人がコタロウで、押さえつけているが何か紅剣って呼ばれている護衛のアマンダ、とりあえず落ちついたほうがいいわよ」
「ぶひーエルン殿それは酷いでござる」
「冗談よ」
狼型の亜人は私達の顔を見て目を見開く。
「アマンダ……紅剣のアマンダかっ」
「にゃはー?」
「もう暴れないし、逃げない。かの有名な剣士アマンダと聞いて暴れはしない」
そんなに有名なのかしら。
アマンダは亜人から体を離す。下につぶされていた亜人がゆっくりと起き上がった。
「人狼族のコテツだ、みっともない所を見せた。亜人が人を襲えば、ますます評判が悪く成るだろう。感謝する」
「あら、以外と礼儀正しい」
「エルン殿、礼儀正しいのは、騙して背後から食べるからでござるよ! いや、女性の場合は背後からワンワンスタイルでおか――――」
パシンッ。
と心地よい音が鳴る。
私の打った突っ込みが心地よく決まったのだ。 昼間から何を口走るんだ、くっころとか妄想もいい加減にして欲しい。
「ごめんね、特に用事はなかったんだけど気になって見ていたらアマンダが」
「ふう、いや見苦しい物を見せた。協定により我々が同等と扱われると言われたが、やはり人との格差は根強い。もう一度話を聞いてくる」
コテツが歩き出そうとする。
「アマンダっ!」
「おーけーにゃ」
一歩前に進んだ所で、アマンダはコテツの腕をとり足払いを掛けた。
次の瞬間にはコテツは地面にうつ伏せ状態になりアマンダがその背中に座っている。
「何がどうか知らないけど、今さっきの人にあっても逆効果じゃないの? 何か手伝えるかもしれないし、もちろん無理かもしれないけど……話ぐらい聞かせて」
「エルン殿のおせっかいが始まったでござる、ぐふふ」
はっ! 別にお節介じゃないしー……うん。お節介よね。
はぁ、自分から首を突っ込んでしまうとは、いやーでも、気になるんだからしょうがないわよね。
そう、ほら、あれ、錬金術師となれば見聞を広げないと。
「ぐふふ、エルン殿は見ていて面白いでござる」
「あーのーねー、そういうのは黙って置いたほうがいいわよっ!」
「何でもいいから、上からどいてくれ」
おっと、私は直ぐにアマンダへとお願いした。
気温は暑く、船から見えた地平の向こうには砂漠が見えた。
もしかしたらピラミットとかもあるかもしれないわね。
「ふうー暑いでござるな、こう腋までびっしょりでござる。巨乳の女性は胸下や谷間にも汗をかくと聞いたでござる? 本当でござったら拙者がふくでござるか?」
コタロウの声に周りに居た人間が、私とコタロウを遠くから見る。
特に男性は私の胸を見ているような気がする。
「デリカシーって言葉が無いの?」
「拙者、デリカシーを守って生きていて初恋の女性に振られてたでござる!」
「え、守ったのに?」
「そうでござる、いつも影から見守り、彼女が買い物するのに店に入ると、拙者は外で彼女を見守り。
彼女が仕事をすると、彼女の仕事が終わるまで外で待ち、帰り道は危なくないように後ろから守っていたでござる」
一見いい話に聞こえるけど、疑問に思う所を聞いて見る事にする。
「それって本当に彼女? ちゃんと告白した?」
「告白でござるか……? してないでござる。でも彼女とは前世からの恋人であったでござるよ」
「うわ、それストーカー」
「…………父上殿にも同じ事で怒られたでござる。今は彼女の幸せを遠くで祈り、拙者も考えをこのように変えたでござるよ、未練は無いでござる」
変えた結果がこれでは、余計立ちが悪いのでは? と思ったけど黙っておいたほうが良さそうね。
さて、アマンダはどこかなーと。
首を回すと私たちの変わりに下船の手続きをしてくれていた。
何から何まで、こういう所は頼りになるのよね。
私のお腹を誰かかツンツンしてくる。
誰かっても隣にはコタロウしか居ないのでコタロウだ。
「ちょっと、訴えるわよっ」
私の忠告を無視して、何かに興奮している。
「エルン殿、エルン殿! 亜人でござるっ」
「ん?」
コタロウの目線の先をみる。
「あ、本当だ……私も始めてみた」
亜人、ガーランドではまったく姿を見せない人ではない人型の獣種族。
一説には魔物と人間の間に出来た子として、ガーランドでは畏怖されている。
まぁよくある獣人という奴だ。
私が今見ているのは、狼型だろうか?
太った男性の胸倉を掴んで、今にも襲い掛かろうとしている。
その男性の周りの男は、それぞれ長い棒を持って亜人の動きを止めていた。これから大乱闘が始まる予感さえもする。
「にゃっと」
「うわっ! あ、アマンダ」
「エルンちゃーん、亜人は初めて?」
「そうね、他のゲーム……じゃないっ! 文献でしかしらないわ」
「気ににゃるなら声かけてこようか?」
「え?」
アマンダは返事も聞かずに歩いていく、亜人がアマンダに気がつき眉を潜める。
アマンダが何かを言ったのか、亜人を押さえつけている棒が外された。
次の瞬間亜人は男性へと殴りかかろうとして……あっ。
アマンダが亜人の腕を掴んだと思ったら背負い投げをした、そのまま亜人の体の上に乗りいつ抜いたのか、短剣を亜人の顔前への地面へと突き刺している。
「すごい」
「アマンダ殿に乗られるとか羨ましいでござる」
コタロウの呟きは置いておいて、アマンダは回りに何かを話している。
襲われた男性達は、起こった顔をしながらも二人から離れていって、町中に消えていく。
「えるんちゃーん」
アマンダの声で我にかえる、亜人に乗ったまま手招きをしている。
近づいても平気なのかしら……信用するか。
「クソ! 離せっ!」
「まぁまぁまぁまぁ」
「何がまぁまぁだ、これだから人間はっ」
私は押さえ込まれている顔の前へしゃがむ。
「ええっと、見下ろす形になるけどごめん、私はエルン。こっちのブタの亜人がコタロウで、押さえつけているが何か紅剣って呼ばれている護衛のアマンダ、とりあえず落ちついたほうがいいわよ」
「ぶひーエルン殿それは酷いでござる」
「冗談よ」
狼型の亜人は私達の顔を見て目を見開く。
「アマンダ……紅剣のアマンダかっ」
「にゃはー?」
「もう暴れないし、逃げない。かの有名な剣士アマンダと聞いて暴れはしない」
そんなに有名なのかしら。
アマンダは亜人から体を離す。下につぶされていた亜人がゆっくりと起き上がった。
「人狼族のコテツだ、みっともない所を見せた。亜人が人を襲えば、ますます評判が悪く成るだろう。感謝する」
「あら、以外と礼儀正しい」
「エルン殿、礼儀正しいのは、騙して背後から食べるからでござるよ! いや、女性の場合は背後からワンワンスタイルでおか――――」
パシンッ。
と心地よい音が鳴る。
私の打った突っ込みが心地よく決まったのだ。 昼間から何を口走るんだ、くっころとか妄想もいい加減にして欲しい。
「ごめんね、特に用事はなかったんだけど気になって見ていたらアマンダが」
「ふう、いや見苦しい物を見せた。協定により我々が同等と扱われると言われたが、やはり人との格差は根強い。もう一度話を聞いてくる」
コテツが歩き出そうとする。
「アマンダっ!」
「おーけーにゃ」
一歩前に進んだ所で、アマンダはコテツの腕をとり足払いを掛けた。
次の瞬間にはコテツは地面にうつ伏せ状態になりアマンダがその背中に座っている。
「何がどうか知らないけど、今さっきの人にあっても逆効果じゃないの? 何か手伝えるかもしれないし、もちろん無理かもしれないけど……話ぐらい聞かせて」
「エルン殿のおせっかいが始まったでござる、ぐふふ」
はっ! 別にお節介じゃないしー……うん。お節介よね。
はぁ、自分から首を突っ込んでしまうとは、いやーでも、気になるんだからしょうがないわよね。
そう、ほら、あれ、錬金術師となれば見聞を広げないと。
「ぐふふ、エルン殿は見ていて面白いでござる」
「あーのーねー、そういうのは黙って置いたほうがいいわよっ!」
「何でもいいから、上からどいてくれ」
おっと、私は直ぐにアマンダへとお願いした。
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