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61 雨降りの怒りの日
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ジャジャジャッジャーン。
と脳内のでBGMが流れる中、扉が再度ノックのされた。
「おーい、嬢ちゃん聞いてるか?」
「え、ああうん聞いてるわよ? でもなんで……死んだって」
「たっく、こっちもか。井戸から水飲もうとして、桶が顔に当たってな。馬車の中で休んでいただけだっちゅうのに。俺が魔物とかいうし荷物は奪われるし、村人は襲ってくるし、あんたらなら冒険者として助けてくれるかとおもって何とかここまで」
恨みににた言葉が聞こえてきた。
どうする、開けるのは簡単だ。鍵を摘めばいい。
「わかった、わかった……。開けたくないならそれでいい。
村人に何か言われているんだろう。こっちは勝手に村を出させてもらう」
不機嫌な声ではなく、仕方がないという感じに聞こえる。
「あっまって」
私は直ぐに調理場からパンとスープを取り出すと、そのまま裏口へと置く。
後は無いよりは合ったほうがいいわよね。ポケットにいれている袋から白金貨を一枚取り出した。
直ぐに出入り口の所に戻って扉越しに話す。
「裏口のほうに、少ないけど食料とお金置いておいたわ、王都にいくのよね?」
「っと、すまねえ。ああ……俺の足なら三日って所だな」
「それじゃ、フクロウ通りの錬金術師ナナの工房ってわかる? エルン・カミュラーヌが濃密度エーテルを急ぎで欲しいと伝えてくれる?」
「錬金術師ナナねぇ……ああ、あれか! なんだ。あの何でも屋と噂されてる嬢ちゃんと知り合いなのか、わかった」
足音が遠ざかる。
あの子なら頼んだ物は持って来るでしょう、あとは被害を最小限に抑えるだけ。
よし希望は持てた!
六日、いや……七日まてば全て解決する。
それぐらいなら私でも何とかなりそう。
コン。
コンコン。
「はいはいー合言葉は?」
「ボクだ」
「合言葉っ」
「ふう……山」
「川! よし」
鍵を開けるとディーオが入ってくる、あちこち濡れて外の雨が以下に凄いかがわかる。
手には大きな箱をもっており、直ぐに足元へと置く。
「寄生虫に関しては信じてくれないな。さらに言うとボクらの犯人説のほうが有力になっている」
「なんで!? まだ被害者の続報ないわよね!?」
「出るなと言われてるのに、外にでてるからな……ボクらが犯人であれば工作と思われる。 幸い各家庭で外に出ない事を承諾してくれたか、その代わり今借りている、この建物を外から打ち付ける」
「打ち付けるってっ」
「そうでなくてもボクらには不信感が強いんだ、こう何度も口を出す事によって決定的になったな。後報告になるが騎士団に君の名を使って要請をだした。七日もしないうちにくるだろう」
別にいいんだけど……。
「なんで私の名前っ」
「貴族の名のほうが何かと便利だからな、来た様だ」
ディーオがそういうと、外に人の気配がする。
直ぐにトントントントンと釘を打ち付ける音が聞こえ、出入り口や窓を封鎖してるのがわかった。
「はーい、先生質問」
可愛い女生徒らしく大きく手をあげる。
なぜかディーオは私の行動を見ると眉を潜めた。
「…………普通に質問しろ、なんだ」
ディーオがいっつも先生と呼べって言ってるんでしょうがっ! と喉まで出たのを飲み込む。
「万が一食料がつきたり一ヶ月以上たっても釘が打ち付けられたままだったら?」
「その時はボクがなんとかしよう」
ほう、なんとかって内側から壊すのかしら、案外力あるのかな。
そういえば、軽々と剣も握っていたし、もやしっぽい体系してるけど強いのかしら?
「なんだ、さっきからこっちを見て」
「と、特になにも。とりあえずご飯出来たから――――」
◇◇◇
夕食も終わり、真っ暗な客室へと入る。
窓も外からバツを作るように木で打ち付けられていた。
相変わらずの雨。
カーテンを閉めると、より部屋は暗くなる。
大きなランプに灯りを灯すと部屋全体が明るくなった。
いそいそと薄着になると、昨夜つかったベッドへと腰をかける。
そのままゆっくり枕に頭を静めた。
あとは目をつぶり寝るだけだ。
「あっ! ジャンの事言うの忘れた、まっいっか。ディーオも騎士団呼んだって言ってたし…………明日は何作ろうかしら。
屋敷ではずーーっと料理なんてしなかったから久々で楽しいわね。
味はまぁ自分で言うのもなんだけど悪くは無いしー、ディーオってば何がす……まて」
まてまてまてまて。
冷静になれエルン・カミュラーヌ! よくよく考えたら密室で男性と二人っきりだ。
そして、相手は私の料理をウマイウマイと食べてくれる、あれ? ウマイって言ってたっけ? あーたぶん、言ってた! たぶん。
それよりも私の今使っている部屋は、元は集会所だから各部屋に鍵はついていない。
万が一、万が一よ! ディーオだって若い男性なんだし部屋に来たら、私はか弱い女性だしー。
あ、カインから貰ったボムは鞄にあったわよね。
一応枕元に合ったほうがいいわよね。
起きあがり鞄を探す、あった。
あと、ええっと……万が一に、万が一に備えて、でもアレよ別にディーオが嫌なわけじゃ無くて。
「って何言っているんだ私は!」
廊下の先にある扉がバタンと開く音がした。
え…………。
足音が静に近くによって来たのがわかる。
ゴクン。
思わず唾を飲んで、部屋の扉を見る。
コンコン…………。
「ボクだ。エルン君、起きてるか?」
「な、なにっ…………おおおお、おお、おきてるわよっ!?」
思わず上ずった声が出た。
「そうか……煩いから静にしてくれ」
「え?」
「さっきから声と物音が煩い、それじゃボクは寝る」
足音が遠ざかった…………。
なんだ、このやり場の無い怒りは……。
と脳内のでBGMが流れる中、扉が再度ノックのされた。
「おーい、嬢ちゃん聞いてるか?」
「え、ああうん聞いてるわよ? でもなんで……死んだって」
「たっく、こっちもか。井戸から水飲もうとして、桶が顔に当たってな。馬車の中で休んでいただけだっちゅうのに。俺が魔物とかいうし荷物は奪われるし、村人は襲ってくるし、あんたらなら冒険者として助けてくれるかとおもって何とかここまで」
恨みににた言葉が聞こえてきた。
どうする、開けるのは簡単だ。鍵を摘めばいい。
「わかった、わかった……。開けたくないならそれでいい。
村人に何か言われているんだろう。こっちは勝手に村を出させてもらう」
不機嫌な声ではなく、仕方がないという感じに聞こえる。
「あっまって」
私は直ぐに調理場からパンとスープを取り出すと、そのまま裏口へと置く。
後は無いよりは合ったほうがいいわよね。ポケットにいれている袋から白金貨を一枚取り出した。
直ぐに出入り口の所に戻って扉越しに話す。
「裏口のほうに、少ないけど食料とお金置いておいたわ、王都にいくのよね?」
「っと、すまねえ。ああ……俺の足なら三日って所だな」
「それじゃ、フクロウ通りの錬金術師ナナの工房ってわかる? エルン・カミュラーヌが濃密度エーテルを急ぎで欲しいと伝えてくれる?」
「錬金術師ナナねぇ……ああ、あれか! なんだ。あの何でも屋と噂されてる嬢ちゃんと知り合いなのか、わかった」
足音が遠ざかる。
あの子なら頼んだ物は持って来るでしょう、あとは被害を最小限に抑えるだけ。
よし希望は持てた!
六日、いや……七日まてば全て解決する。
それぐらいなら私でも何とかなりそう。
コン。
コンコン。
「はいはいー合言葉は?」
「ボクだ」
「合言葉っ」
「ふう……山」
「川! よし」
鍵を開けるとディーオが入ってくる、あちこち濡れて外の雨が以下に凄いかがわかる。
手には大きな箱をもっており、直ぐに足元へと置く。
「寄生虫に関しては信じてくれないな。さらに言うとボクらの犯人説のほうが有力になっている」
「なんで!? まだ被害者の続報ないわよね!?」
「出るなと言われてるのに、外にでてるからな……ボクらが犯人であれば工作と思われる。 幸い各家庭で外に出ない事を承諾してくれたか、その代わり今借りている、この建物を外から打ち付ける」
「打ち付けるってっ」
「そうでなくてもボクらには不信感が強いんだ、こう何度も口を出す事によって決定的になったな。後報告になるが騎士団に君の名を使って要請をだした。七日もしないうちにくるだろう」
別にいいんだけど……。
「なんで私の名前っ」
「貴族の名のほうが何かと便利だからな、来た様だ」
ディーオがそういうと、外に人の気配がする。
直ぐにトントントントンと釘を打ち付ける音が聞こえ、出入り口や窓を封鎖してるのがわかった。
「はーい、先生質問」
可愛い女生徒らしく大きく手をあげる。
なぜかディーオは私の行動を見ると眉を潜めた。
「…………普通に質問しろ、なんだ」
ディーオがいっつも先生と呼べって言ってるんでしょうがっ! と喉まで出たのを飲み込む。
「万が一食料がつきたり一ヶ月以上たっても釘が打ち付けられたままだったら?」
「その時はボクがなんとかしよう」
ほう、なんとかって内側から壊すのかしら、案外力あるのかな。
そういえば、軽々と剣も握っていたし、もやしっぽい体系してるけど強いのかしら?
「なんだ、さっきからこっちを見て」
「と、特になにも。とりあえずご飯出来たから――――」
◇◇◇
夕食も終わり、真っ暗な客室へと入る。
窓も外からバツを作るように木で打ち付けられていた。
相変わらずの雨。
カーテンを閉めると、より部屋は暗くなる。
大きなランプに灯りを灯すと部屋全体が明るくなった。
いそいそと薄着になると、昨夜つかったベッドへと腰をかける。
そのままゆっくり枕に頭を静めた。
あとは目をつぶり寝るだけだ。
「あっ! ジャンの事言うの忘れた、まっいっか。ディーオも騎士団呼んだって言ってたし…………明日は何作ろうかしら。
屋敷ではずーーっと料理なんてしなかったから久々で楽しいわね。
味はまぁ自分で言うのもなんだけど悪くは無いしー、ディーオってば何がす……まて」
まてまてまてまて。
冷静になれエルン・カミュラーヌ! よくよく考えたら密室で男性と二人っきりだ。
そして、相手は私の料理をウマイウマイと食べてくれる、あれ? ウマイって言ってたっけ? あーたぶん、言ってた! たぶん。
それよりも私の今使っている部屋は、元は集会所だから各部屋に鍵はついていない。
万が一、万が一よ! ディーオだって若い男性なんだし部屋に来たら、私はか弱い女性だしー。
あ、カインから貰ったボムは鞄にあったわよね。
一応枕元に合ったほうがいいわよね。
起きあがり鞄を探す、あった。
あと、ええっと……万が一に、万が一に備えて、でもアレよ別にディーオが嫌なわけじゃ無くて。
「って何言っているんだ私は!」
廊下の先にある扉がバタンと開く音がした。
え…………。
足音が静に近くによって来たのがわかる。
ゴクン。
思わず唾を飲んで、部屋の扉を見る。
コンコン…………。
「ボクだ。エルン君、起きてるか?」
「な、なにっ…………おおおお、おお、おきてるわよっ!?」
思わず上ずった声が出た。
「そうか……煩いから静にしてくれ」
「え?」
「さっきから声と物音が煩い、それじゃボクは寝る」
足音が遠ざかった…………。
なんだ、このやり場の無い怒りは……。
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