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第一章 異世界にて・・・
プロローグ
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気付けばそこには恐ろしく太い木々が立ち並んでいた。
俺こと新道 桂馬は日本のどこを探せばこんな太い木が生えているのか、自分の中に全くと言っていいほど知識がなかった。
「全くどうなってやがる」
イライラしながら愚痴る。
途中で木の上になっているリンゴみたいな木の実を発見してどうにか採れないか考える。
「石でも投げてみるか」
そう思って下を見て見つけた適当な大きさの石を野球のピッチャーのように振りかぶって投げる。
すると石が軽すぎたのだろうか?恐ろしいスピードで実がなっている枝に直撃する。
だけでなく枝を粉砕してさらにそのままの勢いで飛んで行く。
「何が起きた?なぜこうなった?」
激しく動揺しながら木の実を回収する。
「とりあえず考えるのは食ってからだな」
そうボヤいてから木の実にかじりつく。
「うまいなこれ、結構濃厚な味がする」
全部食べてから感想が漏れたのを気にもせず、他にもないか周りの木を観察する。
「そう巧くはいかないか」
どうやらこの辺りの木に出来ているのは、さっき食べた一つだけのようだ。
「さて、次は水を探さないとな」
そう言って周りをキョロキョロしながら再び歩き出す。
「さっきの木の実でもいいんだけど、やっぱ水の方が優先順位は上だよな」
多少腹が膨れたおかげで冷静に考える事が出来る。
そのまま30分ほど歩いただろうか?微かに水の流れる音が聞こえ始める。
「音がする方はこっちか?」
耳を澄まして音のする方に歩いて行く。
驚くべき事にそこから更に30分歩いた。
「見つけた!」
そこまで大きくはないが中々綺麗な泉を見つける。
「とりあえず舐めてみて、変な味がしなければ飲むか」
そう呟き、手で水を掬って最初は舐めてみる。
その水は非常に美味しくそのままゴクゴクと飲み干す。
「さて、一通りセオリー通りに動いたか?」
そのまま周りを見渡す。
「さっきの木の実はないか、だがあの威力はおかしい」
そう呟いて、ある決心をしてある呪文を発する。
「ステータスオープン、なんてな····!??」
いきなり目の前に近未来なモニターが表示される。
「なんてこった」
全力で力が抜けそうになるのを堪えながらモニターに目を通す。
「名前がケイマ・シンドウになってて、年齢も30で合ってるな。」
顎に手をあてながら各項目をチェックしていく。
「装備はスーツのみで、なんだこれ?スキル?なんかすごい事になってるな」
基本的な身体能力が軒並み五桁でスキルが数は少ないのだが、
(異世界言語文字自動翻訳)、(手加減)、(アーカイブ)、(身体能力成長速度上昇)、(神の眼)、(ラーニング)、(魔力総合能力S)
これはまずい気がするな、とても人に見せていい気がしない、とりあえずあっちこっちモニターをポチポチする。
「とりあえずスキルの欄を確認した限り説明はおおよそそのままで、問題はこのメールらしきものか」
そのパソコンのファイルみたいな表示にタッチしてみる。
「初めまして新道 桂馬君、私は君たちに分かりやすく言うと神の様なもの、ようはこの次元の管理者だと思ってくれて結構だ。次元の管理者と聞いて困惑するかもしれないが私の事はあまり考えないでくれたまえ、会うことが出来ないし、そもそもこの世界は君に分かりやすく言うと剣と魔法の世界だからね、当然のように今君が見ているステータスパネルがある世界だからこそこうしてこのようなやり取りが出来るのだと思って欲しい。」
1ページ目はこのような前置きが書いてあった。
「まずは、君が異世界などに来ている理由を話そう。」
2ページ目の初めに俺が今一番気になっている部分が触れられていた。
「分かりやすく言うと君は地球で死亡事故に遭った。その際に私が魂をこちらに誘導しこの世界、グリムノースで復活させた。」
メールに書いてある内容に俺は愕然とするが、まだ文章は続いていた。
「ステータスやスキル等も確認したと思うが、君はグリムノースでは化物と言っても過言ではない。」
更に追い討ちを仕掛けてくる神様。
「なぜそうなったかと言うと、君が地球出身、つまり異世界人だからそのようなステータスになってしまった」
ここで勇者シナリオ来たー?
「君のいた地球の重力はこの星の10倍はある。そして地球人の身体能力もこの世界の住人たちの10倍、すなわち君は、君たち地球人はこの世界の住人たちよりおおよそ100倍近く身体能力が優れていることになる。」
勇者だと思ったら、某戦闘民族でござった。
「元の世界の科学ではあり得ない世界がこのグリムノースだと言う感じで理解してもらいたい。同じ大きさの惑星なのに重力が軽いのは異世界だからで納得してもらってかまわない。」
神様、説明ざっくりすぎね?
「更に言わせてもらうと君は本来なら死ぬはずがない存在だった、それなのに君は死亡事故に遭った。その原因は、グリムノースのどこかにある。」
気になるなら調べるといい、そんな感じに締め括られてメッセージは終わっていた。
「さりげなくアゴで使う気満々だな、このクソ神が!!」
要するに、自分たちでも把握できない事態が起きてこちらを利用してどうにか突破口にしようって腹か。
「冷静に考えるとリスクが高すぎる。が、気になるって言えば気になるか。」
しばし悩み、そして結論。
「まずは、この森を脱出する。そして人がいる場所を探す、更にどういう文化なのか調べる。その後、余裕があって気が向いたら調べる。そんな感じで行くかな」
自分のステータスがどういうレベルか、それがわからない以上、無理は出来ない。
「そしてこの世界、グリムノースの人たちがどういう文化でどのような歴史と国を作って生きてきたのか?それがわからないといらないいざこざを起こしたり巻き込まれるからな。」
方針が決まったら、腹が鳴き始めた。
「とりあえずスキルを確認がてら食料の確保だな」
ただどうやってスキルが発動するのかがわからない。
「まずは神の眼から使えるようになれば、安全性が随分と上がるんだけどな」
神の眼のスキル効果は見たい知りたいと思ったもののデータが分かるというスキルだ、このスキルは是非使えるようになりたいと思いながらあっちこっちをキョロキョロ見渡してみると、
「ん?」
木の上に何か果物のようなものがなっているのを見つけた。
「見た事のない果物なのに食えるって判るのは、スキル効果なのか?」
とりあえず次はジャンプしてどこまで跳べるか、身体能力のテストをやってみる事にした。
「適当に身体をほぐして、いちにのさん!!?」
5階建てのマンションよりも高そうな巨木の枝にあっさりと飛び乗る。
「まさかこれ程とは、デコピンで人が死ぬんじゃないか?」
某戦闘民族の姿が頭をよぎるが、枝の先についている果物を採って食べる。
「見た目通りに梨だなこれ」
2、3個食べてそこそこ腹が膨れたところで空を見上げると夕方と言える風景になっていた。
「とりあえず目標になりそうなものがここから見えればな」
すると、今自分が登っている木よりも3倍はありそうな巨大な大樹を見つける。
「とりあえずあれを登ってみるか、スキルを使えば余裕そうだし」
次は魔力操作スキルを使ってみる。
「スキルの説明はこの世界の万物の物質、生命に存在する唯一にして全ての根源と言うのが魔力でそれを操作していろいろ出来るスキルみたいだが、何が出来るのやら」
とりあえず若干喉が渇いたので、先程の泉の水を思い浮かべる。そしたら手の平から水が湧き出してきた!
「ジーザス、なんてこった。」
まさか、タネも仕掛けもない状態で水芸をやるとは!
「とりあえず飲むか」
さっきの泉の水と同じ感じの味に、驚きながらある可能性に気付く
「コーラを想像すれば、手の平からコーラが湧くんじゃね?」
すると手の平がピリピリとしだす、そして黒くてシュワシュワした液体が、手の平から湧き出した!
「オーマイガッ、ファンタスティック」
日本人から別の人になりながら飲み干すと、味もしっかりコーラだった。
「異世界何でもありだな」
もう一回、手の平から水を出してベタベタする手を洗った。
「ヤバい、かなり暗くなってきたな」
コーラを飲んでいるうちに日が沈みかかっている。
「とりあえず次のテストは走るか」
そう言って俺は軽めに走り出す。
するとまるで車で走るよりも早く周りの木が通りすぎて行く。
「前田慶次もびっくりだな」
軽く走って下手な車よりも早いって事は、本気で走るとひょっとすると?
「加速装置!!」
某サイボーグのように、加速して楽しくなりながらあっという間に目的地に到着した。
大樹の周りを軽くチェックして上を見上げる。
「東京タワーよりデカイな、間違いなく。けどスカイツリーよりは小さいという訳でもなさそうだな」
根っこを観察すると相当深い所まで根を張っている事が分かる。
「とりあえず上の方にどうにか行けないか試してみるか。」
思い浮かぶのは先程の手の平から出たコーラ。
「もし俺の予想通りなら、これで登れるはず」
俺は某忍者マンガを思い浮かべながら魔力を手と足に集中するようにイメージする。
「よし行くぞ!」
一歩足を踏み出して木の幹に手をあてて身体を持ち上げるように腕に力を込めると難なく身体が持ち上がる。
「ロッククライミングならぬ、ウッドクライミングか意識的には違和感バッチリだが、身体的には楽勝だな」
普通に木登りを巨大樹木の半分くらいまでやって途中から歩いて登れるか試してみると、
「出来ちゃったよ」
大木の木の幹を歩いて登るという重力の法則を無視した登り方を実行して目的の枝に到着する。
「さて、何が見えるかな?」
すると見えたのは広大な緑の絨毯のような森に、自分が登った大樹よりも高い山々が目に入った。
「まさに広大だな」
そう呟いた瞬間、太陽が沈んだ。
「とりあえずここを拠点にして活動するか。·····!!!?」
気合を入れて立ち上がったら思いっきり足が滑って枝から落ちてしまった!!
「うぅうおぉぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」
落下中に頭の中に今までの人生がよぎる。そこそこ楽しかった学校生活や、やりがいのある仕事をこなす何気ない毎日。
地面に激突する、正にその瞬間に両手を本能的に地面の方に突き出した。
[ドガァァァァァァ!!!!]
咄嗟に起こしてしまった激しい衝撃で落下の勢いを殺すどころか、再び宙に浮いて(吹き飛ぶ)しまった俺はどうにか着地する。
「はぁはぁ、どうにか生きてるか?本気で死ぬかと思った」
とりあえず木の根元を廻ってみていい感じの窪みを見つけたのでそこにハマる。
「明るくなったらまた登ってみるか、また落ちた時の対策を考えてから・・・」
そうして俺は瞼を閉じた。
俺こと新道 桂馬は日本のどこを探せばこんな太い木が生えているのか、自分の中に全くと言っていいほど知識がなかった。
「全くどうなってやがる」
イライラしながら愚痴る。
途中で木の上になっているリンゴみたいな木の実を発見してどうにか採れないか考える。
「石でも投げてみるか」
そう思って下を見て見つけた適当な大きさの石を野球のピッチャーのように振りかぶって投げる。
すると石が軽すぎたのだろうか?恐ろしいスピードで実がなっている枝に直撃する。
だけでなく枝を粉砕してさらにそのままの勢いで飛んで行く。
「何が起きた?なぜこうなった?」
激しく動揺しながら木の実を回収する。
「とりあえず考えるのは食ってからだな」
そうボヤいてから木の実にかじりつく。
「うまいなこれ、結構濃厚な味がする」
全部食べてから感想が漏れたのを気にもせず、他にもないか周りの木を観察する。
「そう巧くはいかないか」
どうやらこの辺りの木に出来ているのは、さっき食べた一つだけのようだ。
「さて、次は水を探さないとな」
そう言って周りをキョロキョロしながら再び歩き出す。
「さっきの木の実でもいいんだけど、やっぱ水の方が優先順位は上だよな」
多少腹が膨れたおかげで冷静に考える事が出来る。
そのまま30分ほど歩いただろうか?微かに水の流れる音が聞こえ始める。
「音がする方はこっちか?」
耳を澄まして音のする方に歩いて行く。
驚くべき事にそこから更に30分歩いた。
「見つけた!」
そこまで大きくはないが中々綺麗な泉を見つける。
「とりあえず舐めてみて、変な味がしなければ飲むか」
そう呟き、手で水を掬って最初は舐めてみる。
その水は非常に美味しくそのままゴクゴクと飲み干す。
「さて、一通りセオリー通りに動いたか?」
そのまま周りを見渡す。
「さっきの木の実はないか、だがあの威力はおかしい」
そう呟いて、ある決心をしてある呪文を発する。
「ステータスオープン、なんてな····!??」
いきなり目の前に近未来なモニターが表示される。
「なんてこった」
全力で力が抜けそうになるのを堪えながらモニターに目を通す。
「名前がケイマ・シンドウになってて、年齢も30で合ってるな。」
顎に手をあてながら各項目をチェックしていく。
「装備はスーツのみで、なんだこれ?スキル?なんかすごい事になってるな」
基本的な身体能力が軒並み五桁でスキルが数は少ないのだが、
(異世界言語文字自動翻訳)、(手加減)、(アーカイブ)、(身体能力成長速度上昇)、(神の眼)、(ラーニング)、(魔力総合能力S)
これはまずい気がするな、とても人に見せていい気がしない、とりあえずあっちこっちモニターをポチポチする。
「とりあえずスキルの欄を確認した限り説明はおおよそそのままで、問題はこのメールらしきものか」
そのパソコンのファイルみたいな表示にタッチしてみる。
「初めまして新道 桂馬君、私は君たちに分かりやすく言うと神の様なもの、ようはこの次元の管理者だと思ってくれて結構だ。次元の管理者と聞いて困惑するかもしれないが私の事はあまり考えないでくれたまえ、会うことが出来ないし、そもそもこの世界は君に分かりやすく言うと剣と魔法の世界だからね、当然のように今君が見ているステータスパネルがある世界だからこそこうしてこのようなやり取りが出来るのだと思って欲しい。」
1ページ目はこのような前置きが書いてあった。
「まずは、君が異世界などに来ている理由を話そう。」
2ページ目の初めに俺が今一番気になっている部分が触れられていた。
「分かりやすく言うと君は地球で死亡事故に遭った。その際に私が魂をこちらに誘導しこの世界、グリムノースで復活させた。」
メールに書いてある内容に俺は愕然とするが、まだ文章は続いていた。
「ステータスやスキル等も確認したと思うが、君はグリムノースでは化物と言っても過言ではない。」
更に追い討ちを仕掛けてくる神様。
「なぜそうなったかと言うと、君が地球出身、つまり異世界人だからそのようなステータスになってしまった」
ここで勇者シナリオ来たー?
「君のいた地球の重力はこの星の10倍はある。そして地球人の身体能力もこの世界の住人たちの10倍、すなわち君は、君たち地球人はこの世界の住人たちよりおおよそ100倍近く身体能力が優れていることになる。」
勇者だと思ったら、某戦闘民族でござった。
「元の世界の科学ではあり得ない世界がこのグリムノースだと言う感じで理解してもらいたい。同じ大きさの惑星なのに重力が軽いのは異世界だからで納得してもらってかまわない。」
神様、説明ざっくりすぎね?
「更に言わせてもらうと君は本来なら死ぬはずがない存在だった、それなのに君は死亡事故に遭った。その原因は、グリムノースのどこかにある。」
気になるなら調べるといい、そんな感じに締め括られてメッセージは終わっていた。
「さりげなくアゴで使う気満々だな、このクソ神が!!」
要するに、自分たちでも把握できない事態が起きてこちらを利用してどうにか突破口にしようって腹か。
「冷静に考えるとリスクが高すぎる。が、気になるって言えば気になるか。」
しばし悩み、そして結論。
「まずは、この森を脱出する。そして人がいる場所を探す、更にどういう文化なのか調べる。その後、余裕があって気が向いたら調べる。そんな感じで行くかな」
自分のステータスがどういうレベルか、それがわからない以上、無理は出来ない。
「そしてこの世界、グリムノースの人たちがどういう文化でどのような歴史と国を作って生きてきたのか?それがわからないといらないいざこざを起こしたり巻き込まれるからな。」
方針が決まったら、腹が鳴き始めた。
「とりあえずスキルを確認がてら食料の確保だな」
ただどうやってスキルが発動するのかがわからない。
「まずは神の眼から使えるようになれば、安全性が随分と上がるんだけどな」
神の眼のスキル効果は見たい知りたいと思ったもののデータが分かるというスキルだ、このスキルは是非使えるようになりたいと思いながらあっちこっちをキョロキョロ見渡してみると、
「ん?」
木の上に何か果物のようなものがなっているのを見つけた。
「見た事のない果物なのに食えるって判るのは、スキル効果なのか?」
とりあえず次はジャンプしてどこまで跳べるか、身体能力のテストをやってみる事にした。
「適当に身体をほぐして、いちにのさん!!?」
5階建てのマンションよりも高そうな巨木の枝にあっさりと飛び乗る。
「まさかこれ程とは、デコピンで人が死ぬんじゃないか?」
某戦闘民族の姿が頭をよぎるが、枝の先についている果物を採って食べる。
「見た目通りに梨だなこれ」
2、3個食べてそこそこ腹が膨れたところで空を見上げると夕方と言える風景になっていた。
「とりあえず目標になりそうなものがここから見えればな」
すると、今自分が登っている木よりも3倍はありそうな巨大な大樹を見つける。
「とりあえずあれを登ってみるか、スキルを使えば余裕そうだし」
次は魔力操作スキルを使ってみる。
「スキルの説明はこの世界の万物の物質、生命に存在する唯一にして全ての根源と言うのが魔力でそれを操作していろいろ出来るスキルみたいだが、何が出来るのやら」
とりあえず若干喉が渇いたので、先程の泉の水を思い浮かべる。そしたら手の平から水が湧き出してきた!
「ジーザス、なんてこった。」
まさか、タネも仕掛けもない状態で水芸をやるとは!
「とりあえず飲むか」
さっきの泉の水と同じ感じの味に、驚きながらある可能性に気付く
「コーラを想像すれば、手の平からコーラが湧くんじゃね?」
すると手の平がピリピリとしだす、そして黒くてシュワシュワした液体が、手の平から湧き出した!
「オーマイガッ、ファンタスティック」
日本人から別の人になりながら飲み干すと、味もしっかりコーラだった。
「異世界何でもありだな」
もう一回、手の平から水を出してベタベタする手を洗った。
「ヤバい、かなり暗くなってきたな」
コーラを飲んでいるうちに日が沈みかかっている。
「とりあえず次のテストは走るか」
そう言って俺は軽めに走り出す。
するとまるで車で走るよりも早く周りの木が通りすぎて行く。
「前田慶次もびっくりだな」
軽く走って下手な車よりも早いって事は、本気で走るとひょっとすると?
「加速装置!!」
某サイボーグのように、加速して楽しくなりながらあっという間に目的地に到着した。
大樹の周りを軽くチェックして上を見上げる。
「東京タワーよりデカイな、間違いなく。けどスカイツリーよりは小さいという訳でもなさそうだな」
根っこを観察すると相当深い所まで根を張っている事が分かる。
「とりあえず上の方にどうにか行けないか試してみるか。」
思い浮かぶのは先程の手の平から出たコーラ。
「もし俺の予想通りなら、これで登れるはず」
俺は某忍者マンガを思い浮かべながら魔力を手と足に集中するようにイメージする。
「よし行くぞ!」
一歩足を踏み出して木の幹に手をあてて身体を持ち上げるように腕に力を込めると難なく身体が持ち上がる。
「ロッククライミングならぬ、ウッドクライミングか意識的には違和感バッチリだが、身体的には楽勝だな」
普通に木登りを巨大樹木の半分くらいまでやって途中から歩いて登れるか試してみると、
「出来ちゃったよ」
大木の木の幹を歩いて登るという重力の法則を無視した登り方を実行して目的の枝に到着する。
「さて、何が見えるかな?」
すると見えたのは広大な緑の絨毯のような森に、自分が登った大樹よりも高い山々が目に入った。
「まさに広大だな」
そう呟いた瞬間、太陽が沈んだ。
「とりあえずここを拠点にして活動するか。·····!!!?」
気合を入れて立ち上がったら思いっきり足が滑って枝から落ちてしまった!!
「うぅうおぉぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」
落下中に頭の中に今までの人生がよぎる。そこそこ楽しかった学校生活や、やりがいのある仕事をこなす何気ない毎日。
地面に激突する、正にその瞬間に両手を本能的に地面の方に突き出した。
[ドガァァァァァァ!!!!]
咄嗟に起こしてしまった激しい衝撃で落下の勢いを殺すどころか、再び宙に浮いて(吹き飛ぶ)しまった俺はどうにか着地する。
「はぁはぁ、どうにか生きてるか?本気で死ぬかと思った」
とりあえず木の根元を廻ってみていい感じの窪みを見つけたのでそこにハマる。
「明るくなったらまた登ってみるか、また落ちた時の対策を考えてから・・・」
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