10 / 13
第一生 龍影の賢者 ラウス・テオルア
第8話 肉狩りと幼なじみとの甘酸っぱい関係
しおりを挟む
新たな魔道具の開発を頼まれて、一週間が経過した。
その日のうちにリーアが俺のところに来て、俺が村長のおじさんや長のじいちゃんに頼まれた仕事を手伝うと言ってきた。
「多分狩りや採取しに行かないといけないけどそれでも来る?」
俺がそう問うと、
「ラウ君、一人で狩りとか採取とかすると調子に乗り出して帰って来なくなるから私もついていくの!」
「おじさん達の許可は?」
「おじいさまをボコボコにして貰ったの!」
「マジで!?」
じいちゃん、ごめん俺のせいで・・・
そんな風に心の中で祖父に謝罪していると、
「だから、ラウ君の足手まといにはならないから、私も一緒にラウ君と冒険したいなぁ~」
少し唇を尖らせて指をイジイジさせながら上目遣いで自分も一緒に行きたいと、俺と一緒に行きたいと言う幼なじみの女の子にときめく事の無い思春期男子はいるのだろうか?いや、いない!!例え10才だとしても今の俺は同い年!!
「わかった、いいよ、但し、危険な時は指示を出すからその時は言うことを聞いてね?」
「うん!」
そうしてその日からまたリーアと一緒という条件付きで俺は再び森の中に入り込む事になった。
森に入った俺は給水の魔道具を作る為の素材集めから手をつけた。
「とりあえず、まずは魔石を集めよう。」
そして、始まった肉狩り・・・
「いぃぃぃぃよっしゃぁぁぁぁぁ!!!!」
それそれそれと目についたギガント・ボアやタイタン・ベアなどを正にサーチ・アンド・デストロイしていく俺達。
リーアも最初は気持ち悪そうにしていたが、元々料理を好んで頻繁にウサギとかを捌いていたし、じいちゃんや父さんが熊や猪を狩ってきた時は普通に手伝ったりしていたので、血の匂いに少し慣れなかったようだが、猪を一匹昼飯で食べたらすぐに慣れてしまったみたいだ。
ちなみに猪は主に俺が食べまくってた、魔法を使ってその場で熟成できるから超旨かった(満足)
「ラウ君、日増しに食べる量が増えてるよね?どうしてそんなに食べてるのに太ったりしないの?」
リーアが俺のお腹をじ~っと見ながら俺の体の疑問を口にする。
「そうは言ってもじいちゃんや父さんもこんな感じだしなぁ~、そんな目で見られても困る・・・」
俺がそう答えるとリーアは悔しそうに、
「うぅ、リーアだってハニーシロップたっぷりのホットケーキがいっぱい食べたいのに~」
リーアの好物はほとんどが甘い物でその中でも一番好きな食べ物がハニーシロップという蜂蜜がたっぷりかかったホットケーキだ。
ホットケーキは、俺が万能粉を偶然開発した事から作る事が出来るようになった料理で、米と麦を間違えて一緒に石臼でゴリゴリとすりつぶして偶然出来上がった一品だ。
たまたま対比が一対一の割合で混ざっていたのに気づかずまま石臼で挽いて完成した品を使ってパンを焼いて、それを食べた時にやっと気づいたぐらいその時は何も考えてなかった。
さて、何も報告をしないまま米の話をしてしまったが米は一体どこで見つけたかというと、何処にでも生えていた。
そう、この世界のお米は雑草のように逞しいのだ。
只、生命力は強いのだが群生させる必要がある為かなり広い範囲で採取する必要があったのと、繁殖力が恐ろしく強い為、他の畑から距離を置いたりと細かいところに気を使う手間があった為に時間がそれなりにかかった。
釜戸を作ってご飯を炊いてみんなで試食したらかなり好評だった。
しかし、釜戸でご飯を炊くのは中々難易度が高い為、錬成魔法に付与魔法を組み合わせてファンタジーな釜戸を各家庭に作る羽目になった。
その後、当時出来たばかりの魔法ギルドにこの釜戸の作り方を教えて俺が作る必要が無くなるように動いたのは、つい最近の事である。
「後先考えずに作るもんじゃないな・・・」
「ラウ君?」
ついつい出てしまった一言がリーアに聞こえてしまい、不思議そうにこちらを見つめる。
「いや、何でもないよ、次からはもっと隠れて作ろうって思っただけ・・・」
それを聞いたリーアは、
「ラウ君、今度は何を作ってリーアを太らせるつもり?」
「じゃあリーアが太らないように見つからないで作らないといけないな~」
「む~!ラウ君のイジワル!?」
などとリーアとじゃれあいつつ、魔石と肉を狩り続ける。
「よし!このぐらいにして明日は魔石を全部ひとつに錬成してみるかな?」
「ラウく~ん」
リーアがすごい甘えるような声で(リーアまだ10才だよね?)俺を呼んだ。
「お腹が空いたよ~、おんぶして~?」
「はぁ~、まだ森の中だから危ないからダメだよ?リーア?・・・あれ?」
急にリーアの気配が消えて、
「ラ~ウ~く~ん!!」
背後から急に現れた!
「うわっ!?」
背後からいきなりリーアに抱きつかれた俺は予想外のリーアの動きに驚愕する。
「リ、リーア?今のどうやったの?」
俺は収納魔法を使い、リーアを背負ったまま最後の獲物を収納する。
「ふふ~ん♪ラウ君、いい女には秘密がいっぱいあるのよ?」
「いやいや、リーアは俺と同い年だろ?」
まだそんなに秘密はないはず・・・だよな?
「まだまだだね!ラウ君、女の子はいくつでも女の子なんだよ?」
なんて事だ!?リーアに諭される日が来るとは!?(失礼)
「ラウ君?今、なんか失礼な事を考えてなかった?」
!?なぜバレた?!
「いや、そんな事はないよ!リーアはきっと綺麗な女の子になるだろうな~って思っただけだよ!?」
「ラウ君のエッチ!!」
そう言いながらリーアは腕に力を入れて首を絞めてきた。
「ぐっ!?苦しいってば!?リーア、許して!?」
「じゃあ今度リーアに何かプレゼント頂戴!」
また難しい事を言ってきた・・・
「給水の魔道具を作ってからでいい?」
俺がそう聞くとリーアは俺の耳元に口を寄せて、
「チューをしてくれたら考えてあ・げ・る♪」
リーア、本当にどこでそんな事を覚えて来るんだい?
俺は、一生懸命に言い訳を探しながらリーアに問いかける。
「リーア、別の事じゃダ「ダメ」・・・はい」
なら、家に着く前にやってしまいたい所だが、
「ラウ君、こっち向いて?」
俺の左ほっぺを指でプニプニしながら背負われたリーアが俺を呼びかける。
「どうしたの?リー・・・」
俺が首を左に向けるとリーアの顔が俺の顔に触れた。
「ん、今日はこれくらいで許してあげるからラウ君早く帰ろ?」
「・・・あっ!?うん、わかった・・・」
俺は今起きた出来事に理解が追い付かないまま家に帰った。
リーアも結局恥ずかしかったらしく、その日は二人とも気恥ずかしいまま食事を終えてそれぞれの部屋でベッドに入った。
翌日、魔石の加工をするために俺は自分のテリトリーである実験小屋に籠って錬成魔法を使っていた。
やっていたのはひたすら魔石の合成のみで、そのおかげでこの日1日はただこれだけで終わってしまった。
「くあ~、くたびれた・・・」
そう言って俺は椅子の背もたれに体重を預ける。
「ラウく~ん?終わった~?」
なかば放心状態のまま天井を見上げているとリーアが来た。
「うん、終わった~、後は付与魔法とかを魔石に刻んで組み立てて動くか確かめるだけ~」
・・・なのだが、ここからが長い・・・
「はぁ~、まだまだかかりそうだな~・・・」
そんな風にため息をつくと、
「もう!ご飯の時間だから早く来てよラウ君!?」
リーアが腰に手を当ててプリプリと怒りながら喋る。
「わかったよ、リーア今行く」
そう言って俺はご飯を食べに自分の部屋から出た。
すると、
「今日はね~、リーアが全部作ったんだよ!」
すごい嬉しそうに俺の腕にしがみついて来る幼なじみ(トキメク!!)
「そっか・・・じゃあお腹いっぱい食べれるんだね!!?」
「え?」
彼女が首を傾げた瞬間、俺のお腹が盛大に目を覚まし大きな声で鳴いた!
それを聞いたリーアは、
「ラ、ラウ君?今日は朝ご飯とお昼ご飯は食べたの?」
「そう言えば食べた記憶がないな~」
そう答えるとリーアの顔がひきつった。
「ラウ君のバカ~!!なんでご飯も食べないでリーアの事もほっといて朝から魔道具作りしてるの!!?」
思い切り怒られた。
「いやぁ~、軽く準備しておこうって朝の鍛練の後にやってたらなんか熱中しちゃってさ・・・」
そんな言い訳をするとリーアは、
「むぅ~!!」
すごいむくれてた。
「仕方ないだろう?早く終わらせないとリーアとの約束が果たせないしさ・・・」
とたじたじと言い訳を重ねると、
「そう言う意味じゃないもん・・・」
そう言って先に行ってしまった。
「あっ!?リーア?」
いつもと違うリーアの態度に俺は首を傾げながらご飯を食べる為にリーアの後を追って小屋から家の方に向かった。
その後、満腹になるまで晩ご飯を食べた後リーアが、
「ラウ君、ご飯美味しかった?」
いつもと違っておしとやかに俺の隣に座って今日の晩ご飯の採点を聞いてきた。
「完璧だよリーア、もう大満足じゃ・・・」
魔石を合成する作業で自分の予想よりも疲れが貯まっているようだ、すごく眠い・・・
「もう、しょうがないなぁ~膝枕してあげるね!」
「えっ?」
左肩をクイっと引っ張られて俺はコテンとリーアの膝の上に頭を乗せる。
「あらあら、仲良しさんね♪」
「うちの男どもはあれくらいしないとわからない朴念仁ばかりだからね。」
母さんとばあちゃんがなんか言ってる気がする。
「曾孫はいつになるやら・・・」
「お義父さん、ラウスはまだ10才ですからね?」
父さんとじいちゃんまでなんか言い出したがもう限界・・・寝る・・・
「ラウ君?寝るならお布団に行こ?」
リーアがそう言って俺の体を起こそうとする。
「う~、わかったよリーア・・・」
そう言われて起きた俺はうとうととしながらリーアに手を引かれて自分の部屋に行く。
「ほら着いたよ?ラウ君?」
「ん~」
そうして俺はベッドの中に入る。
すると、リーアが
「たまには一緒に寝たいなぁ~」
多分、寝惚けているときに聞こえてしまったのが不味かったのだと、俺は翌朝そう思った。
「いいよ、おいで?」
そう言って俺は少し端っこに寄ってリーアを手招きする。
「えっ?えっと・・・あう~」
リーアは湯気が出そうなくらいに赤くなりながら少し悩み、そしてベッドの中に入って俺にピタッとくっついた。
「はぁう~、ラウ君の匂いがする~」
嬉しそうにリーアは俺にしがみついて、
「おやすみ、ラウ君」
「おやすみ、リーア」
俺の意識は夢の中に落ちていった。
その日のうちにリーアが俺のところに来て、俺が村長のおじさんや長のじいちゃんに頼まれた仕事を手伝うと言ってきた。
「多分狩りや採取しに行かないといけないけどそれでも来る?」
俺がそう問うと、
「ラウ君、一人で狩りとか採取とかすると調子に乗り出して帰って来なくなるから私もついていくの!」
「おじさん達の許可は?」
「おじいさまをボコボコにして貰ったの!」
「マジで!?」
じいちゃん、ごめん俺のせいで・・・
そんな風に心の中で祖父に謝罪していると、
「だから、ラウ君の足手まといにはならないから、私も一緒にラウ君と冒険したいなぁ~」
少し唇を尖らせて指をイジイジさせながら上目遣いで自分も一緒に行きたいと、俺と一緒に行きたいと言う幼なじみの女の子にときめく事の無い思春期男子はいるのだろうか?いや、いない!!例え10才だとしても今の俺は同い年!!
「わかった、いいよ、但し、危険な時は指示を出すからその時は言うことを聞いてね?」
「うん!」
そうしてその日からまたリーアと一緒という条件付きで俺は再び森の中に入り込む事になった。
森に入った俺は給水の魔道具を作る為の素材集めから手をつけた。
「とりあえず、まずは魔石を集めよう。」
そして、始まった肉狩り・・・
「いぃぃぃぃよっしゃぁぁぁぁぁ!!!!」
それそれそれと目についたギガント・ボアやタイタン・ベアなどを正にサーチ・アンド・デストロイしていく俺達。
リーアも最初は気持ち悪そうにしていたが、元々料理を好んで頻繁にウサギとかを捌いていたし、じいちゃんや父さんが熊や猪を狩ってきた時は普通に手伝ったりしていたので、血の匂いに少し慣れなかったようだが、猪を一匹昼飯で食べたらすぐに慣れてしまったみたいだ。
ちなみに猪は主に俺が食べまくってた、魔法を使ってその場で熟成できるから超旨かった(満足)
「ラウ君、日増しに食べる量が増えてるよね?どうしてそんなに食べてるのに太ったりしないの?」
リーアが俺のお腹をじ~っと見ながら俺の体の疑問を口にする。
「そうは言ってもじいちゃんや父さんもこんな感じだしなぁ~、そんな目で見られても困る・・・」
俺がそう答えるとリーアは悔しそうに、
「うぅ、リーアだってハニーシロップたっぷりのホットケーキがいっぱい食べたいのに~」
リーアの好物はほとんどが甘い物でその中でも一番好きな食べ物がハニーシロップという蜂蜜がたっぷりかかったホットケーキだ。
ホットケーキは、俺が万能粉を偶然開発した事から作る事が出来るようになった料理で、米と麦を間違えて一緒に石臼でゴリゴリとすりつぶして偶然出来上がった一品だ。
たまたま対比が一対一の割合で混ざっていたのに気づかずまま石臼で挽いて完成した品を使ってパンを焼いて、それを食べた時にやっと気づいたぐらいその時は何も考えてなかった。
さて、何も報告をしないまま米の話をしてしまったが米は一体どこで見つけたかというと、何処にでも生えていた。
そう、この世界のお米は雑草のように逞しいのだ。
只、生命力は強いのだが群生させる必要がある為かなり広い範囲で採取する必要があったのと、繁殖力が恐ろしく強い為、他の畑から距離を置いたりと細かいところに気を使う手間があった為に時間がそれなりにかかった。
釜戸を作ってご飯を炊いてみんなで試食したらかなり好評だった。
しかし、釜戸でご飯を炊くのは中々難易度が高い為、錬成魔法に付与魔法を組み合わせてファンタジーな釜戸を各家庭に作る羽目になった。
その後、当時出来たばかりの魔法ギルドにこの釜戸の作り方を教えて俺が作る必要が無くなるように動いたのは、つい最近の事である。
「後先考えずに作るもんじゃないな・・・」
「ラウ君?」
ついつい出てしまった一言がリーアに聞こえてしまい、不思議そうにこちらを見つめる。
「いや、何でもないよ、次からはもっと隠れて作ろうって思っただけ・・・」
それを聞いたリーアは、
「ラウ君、今度は何を作ってリーアを太らせるつもり?」
「じゃあリーアが太らないように見つからないで作らないといけないな~」
「む~!ラウ君のイジワル!?」
などとリーアとじゃれあいつつ、魔石と肉を狩り続ける。
「よし!このぐらいにして明日は魔石を全部ひとつに錬成してみるかな?」
「ラウく~ん」
リーアがすごい甘えるような声で(リーアまだ10才だよね?)俺を呼んだ。
「お腹が空いたよ~、おんぶして~?」
「はぁ~、まだ森の中だから危ないからダメだよ?リーア?・・・あれ?」
急にリーアの気配が消えて、
「ラ~ウ~く~ん!!」
背後から急に現れた!
「うわっ!?」
背後からいきなりリーアに抱きつかれた俺は予想外のリーアの動きに驚愕する。
「リ、リーア?今のどうやったの?」
俺は収納魔法を使い、リーアを背負ったまま最後の獲物を収納する。
「ふふ~ん♪ラウ君、いい女には秘密がいっぱいあるのよ?」
「いやいや、リーアは俺と同い年だろ?」
まだそんなに秘密はないはず・・・だよな?
「まだまだだね!ラウ君、女の子はいくつでも女の子なんだよ?」
なんて事だ!?リーアに諭される日が来るとは!?(失礼)
「ラウ君?今、なんか失礼な事を考えてなかった?」
!?なぜバレた?!
「いや、そんな事はないよ!リーアはきっと綺麗な女の子になるだろうな~って思っただけだよ!?」
「ラウ君のエッチ!!」
そう言いながらリーアは腕に力を入れて首を絞めてきた。
「ぐっ!?苦しいってば!?リーア、許して!?」
「じゃあ今度リーアに何かプレゼント頂戴!」
また難しい事を言ってきた・・・
「給水の魔道具を作ってからでいい?」
俺がそう聞くとリーアは俺の耳元に口を寄せて、
「チューをしてくれたら考えてあ・げ・る♪」
リーア、本当にどこでそんな事を覚えて来るんだい?
俺は、一生懸命に言い訳を探しながらリーアに問いかける。
「リーア、別の事じゃダ「ダメ」・・・はい」
なら、家に着く前にやってしまいたい所だが、
「ラウ君、こっち向いて?」
俺の左ほっぺを指でプニプニしながら背負われたリーアが俺を呼びかける。
「どうしたの?リー・・・」
俺が首を左に向けるとリーアの顔が俺の顔に触れた。
「ん、今日はこれくらいで許してあげるからラウ君早く帰ろ?」
「・・・あっ!?うん、わかった・・・」
俺は今起きた出来事に理解が追い付かないまま家に帰った。
リーアも結局恥ずかしかったらしく、その日は二人とも気恥ずかしいまま食事を終えてそれぞれの部屋でベッドに入った。
翌日、魔石の加工をするために俺は自分のテリトリーである実験小屋に籠って錬成魔法を使っていた。
やっていたのはひたすら魔石の合成のみで、そのおかげでこの日1日はただこれだけで終わってしまった。
「くあ~、くたびれた・・・」
そう言って俺は椅子の背もたれに体重を預ける。
「ラウく~ん?終わった~?」
なかば放心状態のまま天井を見上げているとリーアが来た。
「うん、終わった~、後は付与魔法とかを魔石に刻んで組み立てて動くか確かめるだけ~」
・・・なのだが、ここからが長い・・・
「はぁ~、まだまだかかりそうだな~・・・」
そんな風にため息をつくと、
「もう!ご飯の時間だから早く来てよラウ君!?」
リーアが腰に手を当ててプリプリと怒りながら喋る。
「わかったよ、リーア今行く」
そう言って俺はご飯を食べに自分の部屋から出た。
すると、
「今日はね~、リーアが全部作ったんだよ!」
すごい嬉しそうに俺の腕にしがみついて来る幼なじみ(トキメク!!)
「そっか・・・じゃあお腹いっぱい食べれるんだね!!?」
「え?」
彼女が首を傾げた瞬間、俺のお腹が盛大に目を覚まし大きな声で鳴いた!
それを聞いたリーアは、
「ラ、ラウ君?今日は朝ご飯とお昼ご飯は食べたの?」
「そう言えば食べた記憶がないな~」
そう答えるとリーアの顔がひきつった。
「ラウ君のバカ~!!なんでご飯も食べないでリーアの事もほっといて朝から魔道具作りしてるの!!?」
思い切り怒られた。
「いやぁ~、軽く準備しておこうって朝の鍛練の後にやってたらなんか熱中しちゃってさ・・・」
そんな言い訳をするとリーアは、
「むぅ~!!」
すごいむくれてた。
「仕方ないだろう?早く終わらせないとリーアとの約束が果たせないしさ・・・」
とたじたじと言い訳を重ねると、
「そう言う意味じゃないもん・・・」
そう言って先に行ってしまった。
「あっ!?リーア?」
いつもと違うリーアの態度に俺は首を傾げながらご飯を食べる為にリーアの後を追って小屋から家の方に向かった。
その後、満腹になるまで晩ご飯を食べた後リーアが、
「ラウ君、ご飯美味しかった?」
いつもと違っておしとやかに俺の隣に座って今日の晩ご飯の採点を聞いてきた。
「完璧だよリーア、もう大満足じゃ・・・」
魔石を合成する作業で自分の予想よりも疲れが貯まっているようだ、すごく眠い・・・
「もう、しょうがないなぁ~膝枕してあげるね!」
「えっ?」
左肩をクイっと引っ張られて俺はコテンとリーアの膝の上に頭を乗せる。
「あらあら、仲良しさんね♪」
「うちの男どもはあれくらいしないとわからない朴念仁ばかりだからね。」
母さんとばあちゃんがなんか言ってる気がする。
「曾孫はいつになるやら・・・」
「お義父さん、ラウスはまだ10才ですからね?」
父さんとじいちゃんまでなんか言い出したがもう限界・・・寝る・・・
「ラウ君?寝るならお布団に行こ?」
リーアがそう言って俺の体を起こそうとする。
「う~、わかったよリーア・・・」
そう言われて起きた俺はうとうととしながらリーアに手を引かれて自分の部屋に行く。
「ほら着いたよ?ラウ君?」
「ん~」
そうして俺はベッドの中に入る。
すると、リーアが
「たまには一緒に寝たいなぁ~」
多分、寝惚けているときに聞こえてしまったのが不味かったのだと、俺は翌朝そう思った。
「いいよ、おいで?」
そう言って俺は少し端っこに寄ってリーアを手招きする。
「えっ?えっと・・・あう~」
リーアは湯気が出そうなくらいに赤くなりながら少し悩み、そしてベッドの中に入って俺にピタッとくっついた。
「はぁう~、ラウ君の匂いがする~」
嬉しそうにリーアは俺にしがみついて、
「おやすみ、ラウ君」
「おやすみ、リーア」
俺の意識は夢の中に落ちていった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ほっといて下さい(番外編)
三園 七詩
ファンタジー
「ほっといて下さい」のもうひとつのお話です。
本編とは関係ありません。時系列も適当で色々と矛盾がありますが、軽い気持ちで読んで頂けると嬉しいです。
✱【注意】話によってはネタバレになりますので【ほっといて下さい】をお読みになってからの方がいいかと思います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる