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第一生 龍影の賢者 ラウス・テオルア
閑話休題 前世からの想い
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それは五歳になったあの日、私の中に突然湧き出た?ううん、違う、あれは思い出したんだ。
私、リーア・エルジアとラウス・テオルアは昔から家族ぐるみでの付き合いがある。
思えばずっと一緒にいたって思う。
遊ぶのも一緒ならお風呂も一緒に入ってたし・・・ちょっと恥ずかしいからこの話はやめましょう・・・
五歳の誕生日に想心教の教会にお祈りに行った時に私はラウ君同様、祝福をもらった。
驚いた神父さんが思わず呟いていた、ラウス君に続けて祝福を授かるとは、って言ってたのを私は聞いた。
その日の夜、私は自分のステータスをチェックした。
「ステータス」
[リーア・エルジア] [五歳] [職業:子供]
職業:子供ってちょっと失礼じゃない?
妙な所に引っ掛かりながら見ていくと、最後の称号の欄にこのような表示があった。
[称号] [約束の契り]
前世からの縁を受け継ぎ、幾度生まれ変わろうとも魂の契りを交わした者と共に一生を過ごす誓い。
その者と共にいると、各能力値が上昇(大)成長補正(大)もかかる。
「これ、なんの事だろう?」
前世からの縁ってなんだろう?
「ラウ君の事かな?」
ぼんやりと赤ん坊の時から一緒にいる幼なじみの事を思い出す。
「ラウ君か~、ラウ君元気だからな~」
おませな事を呟きながら、私はラウ君の事を考える。
ラウ君は昔から落ち着いているようで落ち着いていない・・・ちょっと目を離すとどっかに行っちゃう癖があるから、一緒についていくのが大変だったりもする。
五歳になった翌日からおばさまに魔法を教えて貰おうだなんて・・・ラウ君、私達まだ五歳だよ?ラウ君も五歳だよね?実はもう十歳とかそういうのはないよね?
最初はそんな疑問を抱いたが、本格的に魔法を習い始めるとそんな疑問はいつの間にか消えてた。
とにかく、魔法を使って料理をするのが楽しかった。
お母さんのお手伝いで料理を少しやってみた事があるけどその時より全然美味しく出来た!
ラウ君に食べてもらって美味しいって言ってもらえた!それが凄く嬉しい。
私は女の子だからあまり食べないけどラウ君は男の子だからたくさん食べる。
それはとにかく食べる、お義父様もおじいさまもとにかく食べる。
てんこ盛りなお皿をいっぱい並べたのに、一気に無くなっちゃう・・・ラウ君のどこにあんなに入るの?
それから3年経って私達は八歳になった。
その頃からラウ君は狩りに行くようになった。
一緒にいる時間が少し減っちゃった。
ラウ君が狩りに行ってる時は、私はハルアと一緒にお料理をしてお菓子なんか作って二人でお茶会をしている。
「リーア、元気無いね?どうしたの?」
ハルアが心配そうに私に聞いてきた。
「最近、ラウ君とあまり会えなくて・・・」
聞いた瞬間ハルアがニヤニヤと笑顔を作った。
「あらあら?未来の旦那様が心配?」
そう言われた私は顔が熱くなるのを感じる。
「な、なに言ってるの?!」
「大丈夫よ、ラウス君ちゃんとリーアしか見てないから」
「そうかな?でも寂しいよ~」
不意討ちには焦ったが、この会話はわりと何回もしてるので、そこまで焦る事はない。
「そんなに一緒にいたいなら、もうラウス君の家に一緒に住んじゃえば?」
私はじとっとハルアに目を向けながら、
「まだお嫁さんになれないのに、そんなこと出来るわけないじゃん!」
プクっと頬を膨らませて私がハルアに抗議すると、
「リーア、可愛い!」
ハルアが私に抱きついてきた。
「ちょっとハルア!?くすぐったいよ!?」
「もうリーア、プニプニしてて最高!お家に持って帰りたい!」
「もう、持って帰るならレック君にしなよ・・・」
私のその一言にハルアは、
「な、なに言ってるの?リーア?わ、私とレックは別にそういうのじゃないんだからね!?」
「ハルア?動揺してる?」
「してないわ!?」
即答だった。
「まぁとりあえずお泊まりだったら、リーアとラウス君のお父様とお母様がいいよって言えば多分泊めてくれると思うわよ?」
それを聞いた私は、
「そっか、そうだよね!よし!早速お父さんとお母さんに・・・」
私はハルアを放置して父と母の説得に乗り出した。
それから1ヶ月、私はラウス君の家に無期限で泊まっていいという条件を勝ち取った。
そして、お母さんやお義母様、おばあ様にお父さん達にどういうアプローチをしたのか聞いてから準備をしてから早速ラウ君にアプローチをかけた。
お風呂・・・結構恥ずかしかったな・・・ちょっと早まったかな?
幸いなのが、ラウ君がのぼせるくらい私の事を意識してくれた事、でもちょっとやり過ぎた気がするからお詫びに膝枕をしてあげた。
その一時は例えようが無いくらい幸せだった。
それからしばらくしたら、何かを発見したのだろう強者の森に入り浸るようになった。
どんどん奥に進んで行って、覇者の山にも行ってしまいそうだったから一生懸命にラウ君を説得した。
途中で泣いちゃったけど、ラウ君頭をポンポンしながらチューするんだもん・・・
しばらくは森に行かないって約束してくれたから許しちゃった・・・
今日はお父さん達にラウ君何か頼まれたみたい、すごい楽しそうに物置小屋に走って行った。
もう置いてきぼりは嫌だから後でしっかりと話を聞いておかなきゃ!
私はラウ君の未来のお嫁さんなんだから、今度は私も一緒に冒険するんだから!
私、リーア・エルジアとラウス・テオルアは昔から家族ぐるみでの付き合いがある。
思えばずっと一緒にいたって思う。
遊ぶのも一緒ならお風呂も一緒に入ってたし・・・ちょっと恥ずかしいからこの話はやめましょう・・・
五歳の誕生日に想心教の教会にお祈りに行った時に私はラウ君同様、祝福をもらった。
驚いた神父さんが思わず呟いていた、ラウス君に続けて祝福を授かるとは、って言ってたのを私は聞いた。
その日の夜、私は自分のステータスをチェックした。
「ステータス」
[リーア・エルジア] [五歳] [職業:子供]
職業:子供ってちょっと失礼じゃない?
妙な所に引っ掛かりながら見ていくと、最後の称号の欄にこのような表示があった。
[称号] [約束の契り]
前世からの縁を受け継ぎ、幾度生まれ変わろうとも魂の契りを交わした者と共に一生を過ごす誓い。
その者と共にいると、各能力値が上昇(大)成長補正(大)もかかる。
「これ、なんの事だろう?」
前世からの縁ってなんだろう?
「ラウ君の事かな?」
ぼんやりと赤ん坊の時から一緒にいる幼なじみの事を思い出す。
「ラウ君か~、ラウ君元気だからな~」
おませな事を呟きながら、私はラウ君の事を考える。
ラウ君は昔から落ち着いているようで落ち着いていない・・・ちょっと目を離すとどっかに行っちゃう癖があるから、一緒についていくのが大変だったりもする。
五歳になった翌日からおばさまに魔法を教えて貰おうだなんて・・・ラウ君、私達まだ五歳だよ?ラウ君も五歳だよね?実はもう十歳とかそういうのはないよね?
最初はそんな疑問を抱いたが、本格的に魔法を習い始めるとそんな疑問はいつの間にか消えてた。
とにかく、魔法を使って料理をするのが楽しかった。
お母さんのお手伝いで料理を少しやってみた事があるけどその時より全然美味しく出来た!
ラウ君に食べてもらって美味しいって言ってもらえた!それが凄く嬉しい。
私は女の子だからあまり食べないけどラウ君は男の子だからたくさん食べる。
それはとにかく食べる、お義父様もおじいさまもとにかく食べる。
てんこ盛りなお皿をいっぱい並べたのに、一気に無くなっちゃう・・・ラウ君のどこにあんなに入るの?
それから3年経って私達は八歳になった。
その頃からラウ君は狩りに行くようになった。
一緒にいる時間が少し減っちゃった。
ラウ君が狩りに行ってる時は、私はハルアと一緒にお料理をしてお菓子なんか作って二人でお茶会をしている。
「リーア、元気無いね?どうしたの?」
ハルアが心配そうに私に聞いてきた。
「最近、ラウ君とあまり会えなくて・・・」
聞いた瞬間ハルアがニヤニヤと笑顔を作った。
「あらあら?未来の旦那様が心配?」
そう言われた私は顔が熱くなるのを感じる。
「な、なに言ってるの?!」
「大丈夫よ、ラウス君ちゃんとリーアしか見てないから」
「そうかな?でも寂しいよ~」
不意討ちには焦ったが、この会話はわりと何回もしてるので、そこまで焦る事はない。
「そんなに一緒にいたいなら、もうラウス君の家に一緒に住んじゃえば?」
私はじとっとハルアに目を向けながら、
「まだお嫁さんになれないのに、そんなこと出来るわけないじゃん!」
プクっと頬を膨らませて私がハルアに抗議すると、
「リーア、可愛い!」
ハルアが私に抱きついてきた。
「ちょっとハルア!?くすぐったいよ!?」
「もうリーア、プニプニしてて最高!お家に持って帰りたい!」
「もう、持って帰るならレック君にしなよ・・・」
私のその一言にハルアは、
「な、なに言ってるの?リーア?わ、私とレックは別にそういうのじゃないんだからね!?」
「ハルア?動揺してる?」
「してないわ!?」
即答だった。
「まぁとりあえずお泊まりだったら、リーアとラウス君のお父様とお母様がいいよって言えば多分泊めてくれると思うわよ?」
それを聞いた私は、
「そっか、そうだよね!よし!早速お父さんとお母さんに・・・」
私はハルアを放置して父と母の説得に乗り出した。
それから1ヶ月、私はラウス君の家に無期限で泊まっていいという条件を勝ち取った。
そして、お母さんやお義母様、おばあ様にお父さん達にどういうアプローチをしたのか聞いてから準備をしてから早速ラウ君にアプローチをかけた。
お風呂・・・結構恥ずかしかったな・・・ちょっと早まったかな?
幸いなのが、ラウ君がのぼせるくらい私の事を意識してくれた事、でもちょっとやり過ぎた気がするからお詫びに膝枕をしてあげた。
その一時は例えようが無いくらい幸せだった。
それからしばらくしたら、何かを発見したのだろう強者の森に入り浸るようになった。
どんどん奥に進んで行って、覇者の山にも行ってしまいそうだったから一生懸命にラウ君を説得した。
途中で泣いちゃったけど、ラウ君頭をポンポンしながらチューするんだもん・・・
しばらくは森に行かないって約束してくれたから許しちゃった・・・
今日はお父さん達にラウ君何か頼まれたみたい、すごい楽しそうに物置小屋に走って行った。
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