5 / 17
物語へのいざない
リュウの言葉
しおりを挟む
龍って、実在する動物だったっけ……?
目の前で動いてるよくわからない豆つぶたちにも覚えなかった疑問を、龍には自然に覚えた。
そうだよね、先に動いてる豆つぶに疑問持つべきだよね、うんうん。
でも……。
わたしは目の前にいる龍を見上げる。
龍といっても、いかついドラゴン!というよりは、かわいい感じ?
どことなくムーミンの顔に似ている。
大きさは、どのくらいだろうか。
5メートルくらいかなあ。
真っ白で、滑らかな毛並みがとても綺麗だ。
「夏さん!夏さん!」
「この方がリュウですよ!」
「夏さんをお呼びになった」
「リュウですよ!」
「この谷の」
「守り主ですよ!」
クロシロが視界の隅でぴょんぴょんしている。
わたしはからからになった口をやっとの思いで動かした。
どうもあんぐり口を開けていたみたいだ。
「リュウ……さんが、わたしを?」
「そうだよ」
太い、でも明るい、そんなに低くない声が、頭上から聞こえてきた。
「あなたが夏さんなんだね。ありがとう、来てくれて。」
リュウはそう言って微笑んだように見えた。
「僕たちが呼んできたんだよ!」
「ねえ褒めて!」
「褒めて褒めて!」
クロシロがまたまたぴょんぴょんしている。
「クロ、シロ、ありがとう。君たちはやっぱり僕の頼れる友人だね。」
「でしょ!」
「でしょでしょ!」
リュウに褒められて上機嫌になったのか、クロシロはくるくる回り始めた。
「夏さん、僕のことはリュウって呼んで。」
「わ、わかった……。」
「なんで僕が君をここに呼んだのか、気になって仕方ない、って顔をしているね。」
「そりゃ……まあ……。」
なんと言ってもこの状況に全く頭がついていっていない。
「君と、友だちになってほしい子がいるんだ。」
目の前で動いてるよくわからない豆つぶたちにも覚えなかった疑問を、龍には自然に覚えた。
そうだよね、先に動いてる豆つぶに疑問持つべきだよね、うんうん。
でも……。
わたしは目の前にいる龍を見上げる。
龍といっても、いかついドラゴン!というよりは、かわいい感じ?
どことなくムーミンの顔に似ている。
大きさは、どのくらいだろうか。
5メートルくらいかなあ。
真っ白で、滑らかな毛並みがとても綺麗だ。
「夏さん!夏さん!」
「この方がリュウですよ!」
「夏さんをお呼びになった」
「リュウですよ!」
「この谷の」
「守り主ですよ!」
クロシロが視界の隅でぴょんぴょんしている。
わたしはからからになった口をやっとの思いで動かした。
どうもあんぐり口を開けていたみたいだ。
「リュウ……さんが、わたしを?」
「そうだよ」
太い、でも明るい、そんなに低くない声が、頭上から聞こえてきた。
「あなたが夏さんなんだね。ありがとう、来てくれて。」
リュウはそう言って微笑んだように見えた。
「僕たちが呼んできたんだよ!」
「ねえ褒めて!」
「褒めて褒めて!」
クロシロがまたまたぴょんぴょんしている。
「クロ、シロ、ありがとう。君たちはやっぱり僕の頼れる友人だね。」
「でしょ!」
「でしょでしょ!」
リュウに褒められて上機嫌になったのか、クロシロはくるくる回り始めた。
「夏さん、僕のことはリュウって呼んで。」
「わ、わかった……。」
「なんで僕が君をここに呼んだのか、気になって仕方ない、って顔をしているね。」
「そりゃ……まあ……。」
なんと言ってもこの状況に全く頭がついていっていない。
「君と、友だちになってほしい子がいるんだ。」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
──どんなに、どんなに。
宝ひかり
恋愛
「環菜先輩、もう、遅いですか」
*
雅環菜《みやび かんな》は吹奏楽部でチューバを吹く、高校二年。
しかし、高校入学から一年が経った最中、新入部員の中に、中学の頃すれ違ってしまった嶌梓《しま あずさ》を見つけてしまった。
好きのタイミングが違い、空回りに終わった環菜と梓。
中学の頃はバスケ部だったのに、どうして梓君は吹奏楽に入部したのだろう。
もう、気まずい思いはしたくないんだけれどな……。
*
小柄なチューバ奏者×年下フルート男子
一人ではできない、皆がいるからこそできる演奏って、ありますね。
一人だけの“音”が、様々な音色が重なって初めて、“音楽”に変わる。
そんな瞬間を、丁寧に描けたら、と思い執筆しました。
執筆期間 2017.09.16~09.26
表紙イラスト:Yuu様
君と奏でる恋の音
楠富 つかさ
恋愛
地方都市、空の宮市に位置する中高一貫の女子校『星花女子学園』で繰り広げられる恋模様。
自分に自信がない主人公、君嶋知代はある満月の夜に同じ寮に住む先輩である蓮園緋咲と出会う。
王子様然とした立ち振る舞いをする彼女と出会い、同じ時間を過ごすうちに、知代は自分自身を見つめ直すようになっていた。
この物語は私が主催する同一世界観企画『星花女子プロジェクト』の参加作品です。
裏切りの国
アルカリポン酢
青春
「あたしのこと何も分かってないくせに」
彼女から受けた言葉は、一種の裏切りだった。
公立高校の吹奏楽部はたくさんの制限がかけられており、活動時間も練習にかけられるお金も私立高校と天地の差がある。
楽器と共に成長していく彼女たちが受ける裏切り、そして彼女たちによる裏切り。
命を懸ける彼女たちに、冷ややかな影が忍び寄る。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
コンファメーション
小鳥遊 庸
恋愛
高校生栗原圭太は学校でいじめを受けていた。クラスのみんなが自分のことを馬鹿にしいるように感じていた。味方なんていなかった。そんな中で圭太自身、自分を本当にどうでもいい、いらない人間と考えていた。しかし、池田栞との出会い、ジャズを知る。ジャズに目覚めた彼は少しずつ世界に対する見方を変化させていき、、、?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる