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番外編2
十四夜月-4 晴斗
しおりを挟むふんわりと漂うバニラの香気が乳白色の肌をより一層甘美に感じさせて、晴斗は夢中でその身体を貪った。
「あっん、もっと……きもちいとこ、さわってぇっ……!」
普段とは違うシチュエーションに興奮してしまっているのは、自分だけではない。
滅多に聴けないような愛らしいおねだりや、より強い快感を求めていやらしく腰を振る様が、はっきりとそのことを示していた。
「ハルトさん、はやく……ほしい、」
とろとろに蕩けた顔やあまえた声に、いますぐにでも抱き壊してしまいたい衝動に駆られる。
それでも、照れ屋な恋人が乱れていく様子に、つい焦らしたくなってしまうのも仕方のないことで。
「ひかる、わかってる? そんなカワイイこと言われちゃうと、余計にいじめたくなるってこと」
「や、いじわる、しないでぇ……」
涙で濡れた瞳で見上げられて、ますます歯止めが効かなくなってくる。
ひくひくと伸縮を繰り返して自身を待ち望む箇所に、わざと指だけを挿れて、感じる場所を集中的に責め立てた。
「だめっ、あ、あっ! なんかきちゃう、」
再び勃ちあがった先端を、円を描くように撫でる。
そうしながら前立腺をぐっと押し込むと、晶の身体がおおきく跳ねた。
「いやっ、ひっ、あ、あああーーー!!」
透明な液体が勢いよく迸り、シーツに染みを作っていく。
痙攣の収まらない身体をぐったりとベッドに沈めた晶は、呆然と目の前の光景を眺めていた。
「あ……お、れ……っ、」
ようやく事態を把握したのか、今度は顔を真っ赤にしたかと思うと、両手で顔を覆ってしくしくと泣き出してしまう。
「ひかる!? え、泣くほど嫌だった?」
ごめん、と抱き寄せて頭を撫でてやると、いやいやをするようにちいさく首を振ってきた。
「だっ、て、こんな……っ、漏らしちゃう、なんて」
「あー、」
どうやら勘違いをしているらしいことに気付いて、晴斗はぎゅっと震える身体を抱きしめる。
「もう、ほんとに可愛いなぁ、お前は……これはね、潮吹きって言って、気持ちよくなると出るものなんだよ」
「そう、なんですか……?」
戸惑った声でつぶやくと、涙でぐしゃぐしゃになった顔で見上げてくる。
「だから、気にしなくていいんだよ。むしろそんなに感じてくれて、嬉しいくらいなんだから」
「で、も……ハルトさんの、誕生日なのに……おればっかり……」
申し訳なさそうにつぶやくと、晶は顔を寄せて晴斗の鼻先にちゅ、とキスをしてきた。
「こんどは、ハルトさんが……いっぱい、きもちよくなって?」
そう言って身体を起こした晶に優しく押し倒される。
潤んだ瞳や紅く染まった頬がいつも以上に愛らしく感じられて、これ以上はとても我慢できそうになかった。
「やば、可愛すぎておかしくなりそう」
視線を合わせて促せば、応えるように自身をあてがった晶が、ゆっくりと腰を落とし始める。
「ひかるのなか、めちゃくちゃ気持ちいいよ」
「んっ……、おれ、も……」
温かな彼のなかにすこしずつ包み込まれていく感覚は、自分で挿入するときとは違う快感をもたらす。
すべてを飲み込んだ晶が、ほう、とちいさく息を吐いた。
そんな仕草すらいやらしく映って、晴斗は晶の腰を掴むと容赦なく下から突き上げる。
「あ、あっ、うごいちゃだめっ、おれが、するのっ」
悔しそうに睨みつけてくる顔はすぐに快楽に溶かされ、愛らしい文句をつぶやいていたくちからは、あまったるい喘ぎ声が漏れ始めた。
「こんなにえっちなひかるを見ちゃったら、もう無理だから……覚悟してね、」
揺さぶるようにして自身を打ちつけると、耐えきれなくなった身体がしがみついてくる。
最奥を抉るようにして吐精した瞬間、腕の中の身体からふっとちからが抜けるのを感じた。
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