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第3部
act.10-晴斗
しおりを挟む晴斗はベッドに胡坐をかいた状態で、晶が両手で自分の胸を弄ぶ様をじっくりと鑑賞していた。
自慰をしている本人にとっても、その光景は刺激的なのだろう。最初は申し訳程度だった動作が、次第に大胆になっていく様子でそれがわかる。
だが、しばらくすると晶はもじもじと身体を捩らせ、哀願するような顔をこちらに向けてきた。
途端にぞくぞくと背筋を駆け抜ける快感は、すこしの罪悪感を伴って晴斗の嗜虐性を加速させていく。
「いい子だから、もう少し頑張ってみて? いつも僕にされてること、想像して」
あくまで穏やかな、でも有無を言わさぬ口調に、晶はこくりとちいさく頷いた。
言われた通りに目を閉じ、健気に行為を続けようと胸への愛撫を再開する。
手の動きに合わせてふるふると自身を揺らしながら、なんとか絶頂を手繰り寄せようと懸命になっている姿は本当に愛らしかった。
「すっごくえっちでカワイイよ、ひかる」
「あっ……、も、じぶんじゃ……だめ、イケない……」
うるうると揺れる瞳が困ったようにみつめてきて、さすがにこれ以上は酷だな、と判断する。
視界の端に無惨に崩されたケーキの成れの果てがあることに気付いて、晴斗は黙ってそれを目の前に持ってきてやった。
晶はすこし戸惑った顔をしたが、やがてまだいくらか残っていた溶けかけのクリームを指で掬い、自身の胸の飾りを隠すように纏わせ始める。
「ここ、たべて……?」
しろい胸を突き出してねだったかと思うと、今度は恥ずかしそうにうつむいてしまった。
耳まで真っ赤にして恥じらうその仕草は、逆に晴斗の欲を煽る結果になる。
「ひとりでイクとこ、見たかったのになぁ」
「ごめんなさい……でも、やっぱり……ハルトさんに……さわって、ほしい」
か細い声でたどたどしく訴えると、伏せた瞳からひとしずく、涙がこぼれた。
「あ~っ、こっちももう、我慢の限界」
こんなに可愛くて艶っぽい恋人を目の当たりにして、これ以上焦らすのはさすがに無理というものだ。
晴斗はとろとろと溶けて流れていくクリームを舌で舐めとって、そのまま紅く色付いた果実をゆっくりと味わった。
晶は晴斗の頭を抱えるようにして、嬉しそうに身体を跳ねさせる。
「もっ、と、つよくして……っ! あ、あぁっ」
髪をかき混ぜてくる手が、与えられる快感に悦んでいることを伝えてくる。
激しく吸いついた瞬間、がくがくと四肢を痙攣させながら晶が達した。
「胸だけでイけるようになったね。どんどんエロくなってくなぁ、ひかるは」
「でも……そのほうが、ハルトさんは、うれしいですよね?」
もちろん、と言いながらキスをして、晴斗はにっこりと微笑んだ。
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