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廃部って本当なの!
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お腹を壊したことにして御堂先輩と別れたまではよかったけど、その直後から本当にお腹を壊して大変だったよ。予定外に時間も潰すことができたことだし、そろそろ部室へ戻ってみよう。
いきなり入るよりは、少しだけ中の様子を見させてもらおうかな。
そっと引き戸を開けて部室内の様子や雰囲気を探る。
「美食謳歌部は今日をもって廃部いたします」
御堂先輩の声が聞こえたと思ったら・・・・・・いきなりの廃部宣言。愛情を込めたハンバーグでもダメだったのかな?
「美食謳歌部よりも食は人を幸せにする部の方が明らかに部として活動する価値があると私は思いましたから」
「帆並ちゃん的には、あなたたちが自分で考えたのならどちらでも構わないわ」
入っていいのか、入らない方がいいのか、とても難しいタイミングになってしまったよ~。一人もじもじと廊下で悩んでしまう。
「生徒会長、そう言うことよ」
帆並ちゃんの言葉にその場にいる人たち、そして私は驚きを隠せなかった。
え? まさか部室内のどこかに生徒会長がいたの。
なぜか床にうつ伏せ状態で倒れていた米野さんがゆっくりと立ち上がった。
・・・・・・まさか、まさか米野さんが生徒会長だったの。
「我々、生徒会は――」
自らの口で生徒会の人間と名乗る米野さん。本当に米野さんが生徒会長だなんて信じられない。
「美食謳歌部、人は幸せにする部、どちらも存続を認めず、双方廃部と致します」
「えーーーー」
その場にいる全員が大きな声を上げました。
私は理由が聞きたくて中に入ると一直線で米野さんに詰め寄った。
「なんで? なんでどっちも廃部なの? 米野さん」
「いや、墨名ちゃん。私に詰め寄られましてもお答え出来ません」
「どうして、どうしてそんなこと言うの?」
「その問い、私がお答えしましょう」
背後から気配がすると思い振り返ると、目の前にはメガネをかけた男子生徒がいました・・・・・・誰?
カチャリと左手の中指でメガネを直し、男子生徒は口を開きました。
「高校生が食べることだけ楽しむなんて部そもそもダメでしょうがー。食を通じて何か分かるって言うかもしれませんが、家庭料理部があるからそっちに行ってください」
この方、めっちゃ怒ってはりますわ。
「分かりました。生徒会長直々に言われてしまえば仕方ありません。どっちも廃部・・・・・・ふふ。面白いわ」
御堂先輩はなんだかとても楽しそうだった。あまり見たことのない感じで笑っているから違和感を感じたけど、何もかもが吹っ切れたような清々しさを感じる。以前、鈴木先輩が変わったように御堂先輩も変わったのかもしれないね。
「はあ、可笑しい。私はもう美食謳歌部なんてどっちでもいいの。大切なことを思いだしたからいつでも幸羅に美味しい料理を食べさせてあげることもできるし」
幸羅ちゃん目が見えるようになっているだんね・・・・・・どう言うこと? 後から米野さんに話を聞こう、て思ったけど倒れてたから帆並ちゃんに聞いた方が良さそうだね。
「私もこれでいつでも北川君と一緒に帰れますので問題ありません」
鈴木先輩は今がい一番ラブラブな時ですもんね。
なんだか笑顔で話す美食謳歌部の人たちはとても幸せそうな感じで良いね。
「え~、私は困りますよ。食べるだけの部なんて最高な時間だったんだけど」
不満そうな表情で声をあげる米野さん・・・・・・て、結局はあの男子生徒が生徒会長だったんだよね。毎回の不思議を提供してくれる米野さんだけど、今回は何で床に倒れていたんだろうね。またタイミングよく生徒会長が話すタイミングで起き上がるって迷惑な人だよね。
「美食謳歌部も食は人を幸せにする部も廃部になってしまったってことは、私たち全員帰宅部ですね」
私の言葉にみんなが笑顔でこちらを見てくれた。
唐突に始まった部活動が唐突に終わりを告げることになりました。
だけど、短い期間だったけど楽しかった。
それに私は人を幸せにする喜びを知ることが出来た。
「生徒会長、とりあえず余った部費は使っていい?」
「ダメと言いたいところですが、私も冷酷な人間ではありませんからね。いいでしょう、来週の金曜日までならね」
生徒会長は部費の入った封筒の中身を確認した後、帆並ちゃんに手渡した。帆並ちゃんは封筒を受け取ると高々と掲げ。
「さあ、あなたたちに最後の課題よ。最後に食べたいものを見つけてきなさい? それが美食謳歌部、食は人を幸せにする部の最後の活動よ」
帆並ちゃんの手から私の手に部費の入った封筒が渡された。
「タイムリミットは来週の金曜日。最後の晩餐だと思い、それまでに食べたいものを見つけてきなさい」
帆並ちゃんから最後の課題。
最後に食べたいもの・・・・・・私は何が食べたいんだろう。
いきなり入るよりは、少しだけ中の様子を見させてもらおうかな。
そっと引き戸を開けて部室内の様子や雰囲気を探る。
「美食謳歌部は今日をもって廃部いたします」
御堂先輩の声が聞こえたと思ったら・・・・・・いきなりの廃部宣言。愛情を込めたハンバーグでもダメだったのかな?
「美食謳歌部よりも食は人を幸せにする部の方が明らかに部として活動する価値があると私は思いましたから」
「帆並ちゃん的には、あなたたちが自分で考えたのならどちらでも構わないわ」
入っていいのか、入らない方がいいのか、とても難しいタイミングになってしまったよ~。一人もじもじと廊下で悩んでしまう。
「生徒会長、そう言うことよ」
帆並ちゃんの言葉にその場にいる人たち、そして私は驚きを隠せなかった。
え? まさか部室内のどこかに生徒会長がいたの。
なぜか床にうつ伏せ状態で倒れていた米野さんがゆっくりと立ち上がった。
・・・・・・まさか、まさか米野さんが生徒会長だったの。
「我々、生徒会は――」
自らの口で生徒会の人間と名乗る米野さん。本当に米野さんが生徒会長だなんて信じられない。
「美食謳歌部、人は幸せにする部、どちらも存続を認めず、双方廃部と致します」
「えーーーー」
その場にいる全員が大きな声を上げました。
私は理由が聞きたくて中に入ると一直線で米野さんに詰め寄った。
「なんで? なんでどっちも廃部なの? 米野さん」
「いや、墨名ちゃん。私に詰め寄られましてもお答え出来ません」
「どうして、どうしてそんなこと言うの?」
「その問い、私がお答えしましょう」
背後から気配がすると思い振り返ると、目の前にはメガネをかけた男子生徒がいました・・・・・・誰?
カチャリと左手の中指でメガネを直し、男子生徒は口を開きました。
「高校生が食べることだけ楽しむなんて部そもそもダメでしょうがー。食を通じて何か分かるって言うかもしれませんが、家庭料理部があるからそっちに行ってください」
この方、めっちゃ怒ってはりますわ。
「分かりました。生徒会長直々に言われてしまえば仕方ありません。どっちも廃部・・・・・・ふふ。面白いわ」
御堂先輩はなんだかとても楽しそうだった。あまり見たことのない感じで笑っているから違和感を感じたけど、何もかもが吹っ切れたような清々しさを感じる。以前、鈴木先輩が変わったように御堂先輩も変わったのかもしれないね。
「はあ、可笑しい。私はもう美食謳歌部なんてどっちでもいいの。大切なことを思いだしたからいつでも幸羅に美味しい料理を食べさせてあげることもできるし」
幸羅ちゃん目が見えるようになっているだんね・・・・・・どう言うこと? 後から米野さんに話を聞こう、て思ったけど倒れてたから帆並ちゃんに聞いた方が良さそうだね。
「私もこれでいつでも北川君と一緒に帰れますので問題ありません」
鈴木先輩は今がい一番ラブラブな時ですもんね。
なんだか笑顔で話す美食謳歌部の人たちはとても幸せそうな感じで良いね。
「え~、私は困りますよ。食べるだけの部なんて最高な時間だったんだけど」
不満そうな表情で声をあげる米野さん・・・・・・て、結局はあの男子生徒が生徒会長だったんだよね。毎回の不思議を提供してくれる米野さんだけど、今回は何で床に倒れていたんだろうね。またタイミングよく生徒会長が話すタイミングで起き上がるって迷惑な人だよね。
「美食謳歌部も食は人を幸せにする部も廃部になってしまったってことは、私たち全員帰宅部ですね」
私の言葉にみんなが笑顔でこちらを見てくれた。
唐突に始まった部活動が唐突に終わりを告げることになりました。
だけど、短い期間だったけど楽しかった。
それに私は人を幸せにする喜びを知ることが出来た。
「生徒会長、とりあえず余った部費は使っていい?」
「ダメと言いたいところですが、私も冷酷な人間ではありませんからね。いいでしょう、来週の金曜日までならね」
生徒会長は部費の入った封筒の中身を確認した後、帆並ちゃんに手渡した。帆並ちゃんは封筒を受け取ると高々と掲げ。
「さあ、あなたたちに最後の課題よ。最後に食べたいものを見つけてきなさい? それが美食謳歌部、食は人を幸せにする部の最後の活動よ」
帆並ちゃんの手から私の手に部費の入った封筒が渡された。
「タイムリミットは来週の金曜日。最後の晩餐だと思い、それまでに食べたいものを見つけてきなさい」
帆並ちゃんから最後の課題。
最後に食べたいもの・・・・・・私は何が食べたいんだろう。
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