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登場、美食謳歌部!
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心行く迄みたらし団子を食べ尽くし、食は人を幸せにする部の活動終了したので、帰りますかと席を立とうとした時でした。
「ちょっと待ってください。墨名ちゃん、これを読んでください」
大きな声で私を制止すると米野さんは手紙を渡してきました。一体なんなのか分かりませんが、一応読むことに。
――お手紙『此の度、生徒会では美食謳歌部と食は人を幸せにする部という同一種類の部の継続は不可能と判断し、一方を廃部する方針を決めました。よってどちらの部が正式に存続するか互いの部長によって話合いをするか、或いは勝負をし、結果を生徒会まで報告されたし』
「何これ?」
「そのままです」
美食謳歌部と食は人を幸せにする部が同じような活動をしているから、一方を廃部するってことだよね? そもそも美食謳歌部なんて部もあったんだね。
「この人たち、顧問である帆並ちゃんを追い出した人たちなんです。そんな人たちに負けたくないですよね?」
いやいや、米野さん。私は帆並ちゃんの過去話とか知りませんからちゃんと説明して。
「私は元美食謳歌部だったんです。だけどある日、私の食べ方が変だからと追放されることになり、私を庇ってくれた帆並ちゃんも追放されることに・・・・・・」
帆並ちゃんを追い出したとか言ってるけど、原因は米野さんなんですね。部に入部して、早々に退部させられるって・・・・・・あなたは一体どんな食べ方をして怒らせたんですか。
食べるだけという素晴らしい部ではあったけど、今後は嫌な展開しか予感できない。面倒なことに巻き込まれる前に去るのが一番のような気がしてきた。
「私、退部しようと思います」
私は無表情で引き戸の前まで移動を始めると、帆並ちゃんも素早く椅子から立ち上がり引き戸前に移動して仁王立ちの無表情返しをしてきました。無言で何も話さない帆並ちゃんはとても怖いです。
帆並ちゃんに怯えていると後ろからペタペタと足音を立てながら妖怪ペタペタ娘が・・・・・・間違えた、米野さんがゆっくり迫ってきました。前後に逃げ場がないので私は仕方なく諦めることを選択しました。
「これから美食謳歌部と勝負をしに行きましょう」
いきなり相手の部に乗り込んで勝負しようと言う米野さん。この人は本当に強引に事を進めるよね。
「大丈夫? 話の流れからだと食は人を幸せにする部の方が後発ぽっいから不利なんじゃないの」
「ふふ、大丈夫ですよ」
「こ、根拠は?」
「ふふ、だって始まったばかりの物語でいきなり難題は訪れませんわよ。普通」
え? 米野さんは一体なんの話をしているのかな。
「さあ、行きましょう。そうだ墨名ちゃん、みたらし団子のイメージ出来てます?」
「みたらし団子のイメージ?」
明らかにこれから何か起きそうです。早くお家に帰りたいよ~帰宅部に戻りた~い。
半ば強制的に私は米野さんに連れられ美食謳歌部へ。
「ようこそ、美食謳歌部に」
私たちが来ることを知っていたのか美食謳歌部は思いのほか友好的な雰囲気で驚いたよ。もう少し敵対感があるかと思っていただけに。
それにしても、改めて聞くと美食謳歌部って高校生の部活名としては何とも言えないね。まぁ、食は人を幸せにする部も対して変わらないネーミングだけどね。
美食謳歌部の部長さんと思われる人はとても身長が高く、モデルさん並のスタイルの良さに同じ女としても惚れてしまいそうです。印象的には少し冷たい視線を感じ怖さも感じるけど出来る女性って感じ。高校生とは思えない大人な雰囲気だからこそ美食謳歌部って言っていることに違和感と言うか、残念さを感じずにはいられないんだよね。
「食べ部の米野さん、勝てると思って来たのですか?」
「ええ、新入部員も入りましたし、勝算はあります」
カッコつけて相手の部長さんと米野さんは話をしているけど、なんなんだろうこの恥ずかしい感覚は。それに美食謳歌部の部長さんに食べ部って言われちゃってるし。
「みたらし団子で勝負です」
「みたらし団子ですか。よろしいですよ、ではお相手は?」
「もちろん墨名ちゃんです」
え? 呼びました。
「いきなり新入部員とは、これでは私たちが勝ったも同然ではないですか。本当によろしいの?」
「ええ、もちろん」
二人でどんどん話を進めていますけど、一体これから何を行おうとしていらっしゃるのでしょうか? 少し心配になってきたよ。
「あら、その子は理解してます?」
「大丈夫です。墨名ちゃんには実戦をしてもらった方が理解も早いかと思いまして」
「そうですか、後悔しても知りませんよ」
「大丈夫ですよ、なんたって秘密兵器なんですから墨名ちゃんは」
私、いつの間にか秘密兵器だったんだ。
よく分からないままに席に座らされ、初対面である三年生の鈴木 幸那と名乗っただけで以降は無言の先輩と向かい合う。
目の前の机の上にはみたらし団子が用意されているだけ。
『では、勝負始め!』
カーン。
勝負始めと言われましても・・・・・・ね。
自分からは何をして良いかまったく状況理解できないので、相手の動きを真似する以外方法がないんですよ。それなのに相手も私の動きを警戒しているのかまったく微動だにしない。
戸惑う私に背後から米野さんが小声で話しかけてくれました。
「勝負方法は食べた時の表現なので、墨名ちゃんがみたらし団子を食べて感じた感情を伝えてくれればよいです」
よく意味が伝わらなかったよ。表現が勝負方法って・・・・・・普通に感想ではダメそなの。もしかして、あれ? 過剰にパフォーマンスする料理漫画やグルメリポートみたいにしろってこと?
刻一刻と時だけが過ぎていく、なんて無駄な時間を過ごしているんだろうと思う。勝ちでも負けでもなんでもいいから私の方からみたらし団子を食べることにしよう。夕陽に照らされ、甘辛いタレを纏うみたらし団子が神々しく輝きを放っている。
私はみたらし団子の串を持ち、躊躇なく口に運んだ。みたらし団子のトロッとした甘辛いタレは相変わらず美味。
満面の笑みを浮かべ、感じたままに言葉を紡いでみた。
――いざ勝負――
甘辛いタレでいきなりデレデレしてきますけど、途中でいきなり訪れるツン。
三個目くらいになると縦のままお団子さんを食べようとすると串が喉に刺さる可能性が高まるし、横向きにしてお団子さんを食べようとすると口回りがベッタリ。そうこれがツン。
刺さります、刺さります。ベッタリ付きます、付きます。
頑張ってツンを乗り越えた先に再び訪れるデレデレに癒され・・・・・・て、これはまさに飼い主にツンデレ対応することで知られる猫さんそのものやないか~い。
白い猫さんが甘辛いタレをお風呂代わりに毎日毎日入浴していたらいつの間にかみたらし団子になってた。
ふにふに、ぷにぷにした白い猫さん・・・・・・あ? もう白い猫さんじゃないね。君は世界一ツンデレなみたらし団子さんそのもの ―― by 墨名 樹季
「・・・・・・(終わりましたけど)」
『キ、キターッ会心の一撃。最後まで手を緩めない墨名選手、さあ、対戦相手は』
「ひっ(ビクッ)」
大きな声で叫ぶ米野さんに体がビクッとして私は現実に戻された。
言葉にしていた時は羞恥心が麻痺していたけど終わった後に訪れるこの恥ずかしさ。よく分からないけど、早く終わって欲しいんですけど。
対峙していた鈴木先輩はバタンと大きな音を立て、机に額を押し付け弱々しい声で一言。
「参りました」
見事に私は勝利しました・・・・・・て、なんでやねん。
『き、決まったー、見事に墨名選手の勝利です』
カンカンカーン。
勝負中は隣でオッサンのような顔をして米野さんが実況をしているし、終わりを告げるゴングを鳴らす美食謳歌部の部長さん・・・・・・あなたたちって相当仲が良いでしょ?
「さすが、秘密兵器ってところかしら」
「私たちは簡単には諦めませんよ」
「ふふ面白くなりそうね。墨名さんと言ったわね。美食謳歌部、部長の御堂 雲英よ」
美食謳歌部の部長さんである御堂さんが握手を求めてきたので私は慌てて手を両手を差し出して握手をした。
「は、はい。よろしくお願いします」
それにしても、なんだろうこの全体的に子供っぽい感じ。それに勝負もルールとか意味不明にだし、地味に地獄の時間でしたけど。
「食べ部のみなさん、次回も楽しみにしてますわよ。それでは」
美食謳歌部の人たちはその場を去って行きます。
勝利の余韻に浸りながら私と米野さんは夕陽に飲み込まれていく敗者の背を目で追った・・・・・・ちが、ここは美食謳歌部の部室、私たちが出て行かなきゃいけないんじゃ。最後の最後までなんなの一体。
まさか、こんなことが毎週行われるようなことないですよね。ないですよね・・・・・・怖いわ~。
「ちょっと待ってください。墨名ちゃん、これを読んでください」
大きな声で私を制止すると米野さんは手紙を渡してきました。一体なんなのか分かりませんが、一応読むことに。
――お手紙『此の度、生徒会では美食謳歌部と食は人を幸せにする部という同一種類の部の継続は不可能と判断し、一方を廃部する方針を決めました。よってどちらの部が正式に存続するか互いの部長によって話合いをするか、或いは勝負をし、結果を生徒会まで報告されたし』
「何これ?」
「そのままです」
美食謳歌部と食は人を幸せにする部が同じような活動をしているから、一方を廃部するってことだよね? そもそも美食謳歌部なんて部もあったんだね。
「この人たち、顧問である帆並ちゃんを追い出した人たちなんです。そんな人たちに負けたくないですよね?」
いやいや、米野さん。私は帆並ちゃんの過去話とか知りませんからちゃんと説明して。
「私は元美食謳歌部だったんです。だけどある日、私の食べ方が変だからと追放されることになり、私を庇ってくれた帆並ちゃんも追放されることに・・・・・・」
帆並ちゃんを追い出したとか言ってるけど、原因は米野さんなんですね。部に入部して、早々に退部させられるって・・・・・・あなたは一体どんな食べ方をして怒らせたんですか。
食べるだけという素晴らしい部ではあったけど、今後は嫌な展開しか予感できない。面倒なことに巻き込まれる前に去るのが一番のような気がしてきた。
「私、退部しようと思います」
私は無表情で引き戸の前まで移動を始めると、帆並ちゃんも素早く椅子から立ち上がり引き戸前に移動して仁王立ちの無表情返しをしてきました。無言で何も話さない帆並ちゃんはとても怖いです。
帆並ちゃんに怯えていると後ろからペタペタと足音を立てながら妖怪ペタペタ娘が・・・・・・間違えた、米野さんがゆっくり迫ってきました。前後に逃げ場がないので私は仕方なく諦めることを選択しました。
「これから美食謳歌部と勝負をしに行きましょう」
いきなり相手の部に乗り込んで勝負しようと言う米野さん。この人は本当に強引に事を進めるよね。
「大丈夫? 話の流れからだと食は人を幸せにする部の方が後発ぽっいから不利なんじゃないの」
「ふふ、大丈夫ですよ」
「こ、根拠は?」
「ふふ、だって始まったばかりの物語でいきなり難題は訪れませんわよ。普通」
え? 米野さんは一体なんの話をしているのかな。
「さあ、行きましょう。そうだ墨名ちゃん、みたらし団子のイメージ出来てます?」
「みたらし団子のイメージ?」
明らかにこれから何か起きそうです。早くお家に帰りたいよ~帰宅部に戻りた~い。
半ば強制的に私は米野さんに連れられ美食謳歌部へ。
「ようこそ、美食謳歌部に」
私たちが来ることを知っていたのか美食謳歌部は思いのほか友好的な雰囲気で驚いたよ。もう少し敵対感があるかと思っていただけに。
それにしても、改めて聞くと美食謳歌部って高校生の部活名としては何とも言えないね。まぁ、食は人を幸せにする部も対して変わらないネーミングだけどね。
美食謳歌部の部長さんと思われる人はとても身長が高く、モデルさん並のスタイルの良さに同じ女としても惚れてしまいそうです。印象的には少し冷たい視線を感じ怖さも感じるけど出来る女性って感じ。高校生とは思えない大人な雰囲気だからこそ美食謳歌部って言っていることに違和感と言うか、残念さを感じずにはいられないんだよね。
「食べ部の米野さん、勝てると思って来たのですか?」
「ええ、新入部員も入りましたし、勝算はあります」
カッコつけて相手の部長さんと米野さんは話をしているけど、なんなんだろうこの恥ずかしい感覚は。それに美食謳歌部の部長さんに食べ部って言われちゃってるし。
「みたらし団子で勝負です」
「みたらし団子ですか。よろしいですよ、ではお相手は?」
「もちろん墨名ちゃんです」
え? 呼びました。
「いきなり新入部員とは、これでは私たちが勝ったも同然ではないですか。本当によろしいの?」
「ええ、もちろん」
二人でどんどん話を進めていますけど、一体これから何を行おうとしていらっしゃるのでしょうか? 少し心配になってきたよ。
「あら、その子は理解してます?」
「大丈夫です。墨名ちゃんには実戦をしてもらった方が理解も早いかと思いまして」
「そうですか、後悔しても知りませんよ」
「大丈夫ですよ、なんたって秘密兵器なんですから墨名ちゃんは」
私、いつの間にか秘密兵器だったんだ。
よく分からないままに席に座らされ、初対面である三年生の鈴木 幸那と名乗っただけで以降は無言の先輩と向かい合う。
目の前の机の上にはみたらし団子が用意されているだけ。
『では、勝負始め!』
カーン。
勝負始めと言われましても・・・・・・ね。
自分からは何をして良いかまったく状況理解できないので、相手の動きを真似する以外方法がないんですよ。それなのに相手も私の動きを警戒しているのかまったく微動だにしない。
戸惑う私に背後から米野さんが小声で話しかけてくれました。
「勝負方法は食べた時の表現なので、墨名ちゃんがみたらし団子を食べて感じた感情を伝えてくれればよいです」
よく意味が伝わらなかったよ。表現が勝負方法って・・・・・・普通に感想ではダメそなの。もしかして、あれ? 過剰にパフォーマンスする料理漫画やグルメリポートみたいにしろってこと?
刻一刻と時だけが過ぎていく、なんて無駄な時間を過ごしているんだろうと思う。勝ちでも負けでもなんでもいいから私の方からみたらし団子を食べることにしよう。夕陽に照らされ、甘辛いタレを纏うみたらし団子が神々しく輝きを放っている。
私はみたらし団子の串を持ち、躊躇なく口に運んだ。みたらし団子のトロッとした甘辛いタレは相変わらず美味。
満面の笑みを浮かべ、感じたままに言葉を紡いでみた。
――いざ勝負――
甘辛いタレでいきなりデレデレしてきますけど、途中でいきなり訪れるツン。
三個目くらいになると縦のままお団子さんを食べようとすると串が喉に刺さる可能性が高まるし、横向きにしてお団子さんを食べようとすると口回りがベッタリ。そうこれがツン。
刺さります、刺さります。ベッタリ付きます、付きます。
頑張ってツンを乗り越えた先に再び訪れるデレデレに癒され・・・・・・て、これはまさに飼い主にツンデレ対応することで知られる猫さんそのものやないか~い。
白い猫さんが甘辛いタレをお風呂代わりに毎日毎日入浴していたらいつの間にかみたらし団子になってた。
ふにふに、ぷにぷにした白い猫さん・・・・・・あ? もう白い猫さんじゃないね。君は世界一ツンデレなみたらし団子さんそのもの ―― by 墨名 樹季
「・・・・・・(終わりましたけど)」
『キ、キターッ会心の一撃。最後まで手を緩めない墨名選手、さあ、対戦相手は』
「ひっ(ビクッ)」
大きな声で叫ぶ米野さんに体がビクッとして私は現実に戻された。
言葉にしていた時は羞恥心が麻痺していたけど終わった後に訪れるこの恥ずかしさ。よく分からないけど、早く終わって欲しいんですけど。
対峙していた鈴木先輩はバタンと大きな音を立て、机に額を押し付け弱々しい声で一言。
「参りました」
見事に私は勝利しました・・・・・・て、なんでやねん。
『き、決まったー、見事に墨名選手の勝利です』
カンカンカーン。
勝負中は隣でオッサンのような顔をして米野さんが実況をしているし、終わりを告げるゴングを鳴らす美食謳歌部の部長さん・・・・・・あなたたちって相当仲が良いでしょ?
「さすが、秘密兵器ってところかしら」
「私たちは簡単には諦めませんよ」
「ふふ面白くなりそうね。墨名さんと言ったわね。美食謳歌部、部長の御堂 雲英よ」
美食謳歌部の部長さんである御堂さんが握手を求めてきたので私は慌てて手を両手を差し出して握手をした。
「は、はい。よろしくお願いします」
それにしても、なんだろうこの全体的に子供っぽい感じ。それに勝負もルールとか意味不明にだし、地味に地獄の時間でしたけど。
「食べ部のみなさん、次回も楽しみにしてますわよ。それでは」
美食謳歌部の人たちはその場を去って行きます。
勝利の余韻に浸りながら私と米野さんは夕陽に飲み込まれていく敗者の背を目で追った・・・・・・ちが、ここは美食謳歌部の部室、私たちが出て行かなきゃいけないんじゃ。最後の最後までなんなの一体。
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