8 / 27
第三話 小さな事からコツコツと
中編
しおりを挟む
幸せパワーGETが目的なんだけど、大場くんが不幸だなんて可愛そうだから今すぐ幸せにするため、ついさっきCDショップの入り口で別れたばかりの大場くんを猛追することに。
私ってこんなに足が早かったかしらと思えてしまうほどの足の回転...て、おい既に走るを通り越して足がタイヤになってるー。多くの人々の視線にさらされてめっちゃ恥ずかしいんですけどー。
待って、止まって。大場くんを通り過ぎてるからー。走る暴走女と化した私は土煙を舞い上げながら無駄にショッピングモール内を駆け抜けていたわ。最終的に警備員さんに取り押さえられ、説教を頂いている最中です。
(どうなってんのよ。犯人はあんたでしょ)
(神様は成に早く追いつけるようにアプリを遠隔操作してあげただけなのに)
(やめろ、お節介は。本当に最悪ねあんたは。それから、あんた自分の事を神様って呼ぶのやめなさい)
(な、何ですと。神様なのに神様と名乗ることが出来ないとは何て理不尽な)
「君、ちゃんと聞いているのかい」
変態神とテレパシーのやり取りしていて警備員さんの話をすっかり聞いてなかったわ。適当な返事と頭を何回も下げて今回は許してもらった。
大場くんの家に直接行くしかないようね。明日でもいいけど、一日でも早くあの変態神に出て行ってもらいたいので。
ここが、大場くんの家...。
お世辞にも立派な家とは言えないわね。よくこの家で暮らせるわねって感じのボロボロ家。
・・・本当に住んでるのこれ?
人は生まれ育った環境で人格が形成されると言うわ。大場くんが爽やかで成績優秀なのはこの貧乏生活ならではの温かい家庭環境から影響しているのかもしれないわ...きっと。
取りあえず、呼び鈴をならす...まあ、無いわよね。このボロボロ家にあるはずが無い。
ガンガンって少々強引にドアをノックする。
・・・返事が無い。ドアに耳を当て聞き耳を立てる。
めっちゃアイドルソングが流れている。これはさっき大場くんが買っていったアイドルの曲だ。大音量で聞いているから聞こえてないだけなのね。裏に回り、恐らくいるであろう部屋の窓を叩く。
ピタリと音楽が鳴りやむ。
・・・ガラガラ。
「誰ですか?」
窓は開いたが、カーテン越しで姿を見せてくれない。だけど大場くんの声とは少し違う。
「えっと、誰?」
私が聞いちゃいけないんだろうけど、思わず聞き返してしまった。
「おおばです...」
ですよね、大場家だもの。
「私、大場くんの同級生の札場です。いますか?」
「今、いません」
居ないのにこれ以上長居していては迷惑になるので伝言だけして帰ることにしよう。
「その大場くんに連絡してあげるので『神様のスマホ』を貸して」
やだ、チョット待って。これすごいチャンスじゃない?大場くんの携帯の番号をGET出来るのよ。でも普通は固定電話からかければいいような気がするけど。まあ部屋から出るのが面倒なのかな?
お金に困ってそうだから弟さんか妹さんはまだ携帯電話を持たしてもらっていないのね、私は『神様のスマホ』を手渡そうとした瞬間、頭をハリセンで強烈に叩かれたような衝撃を受けた。
「いたたたー」
(飛鳥よ。『神様のスマホ』を渡すでは無い。そやつは野菜の国の魔族だ)
・・・ふ、野菜の国の魔族て...。
「失礼ですが、お名前は?」
「おおばです...」
ですよね。やっぱり大場くん家の人に失礼じゃない。変態神よついにボケたか?
(取りあえず、アプリ「プロファイリング」を使用するのだー)
面倒な奴だな~。悪いとは思ったけどカーテン越しにいる大場くん家の人に「プロファイリング」を使用した。
・名前は大葉死神と書いて(おおばデス)と読む」
・身長160センチ、体重1キロ、すぐ風に飛ばされるので家に引きこもる癖がある」
・・・本当に野菜の国の魔族なのね。私は外から強引にカーテンに掴まり中へ侵入した。
部屋の隅を見ると大場くんが緑色になって倒れている。私を騙してスマホを奪おうとした大葉死神は名前通り大葉そのものだ。これと言って特徴も無く、大葉に目が付いている程度のひ弱そうな奴ね。これなら問題なく瞬殺できそうだわ。
(油断は禁物じゃぞ。死神だけあって危険度はそれなりにあるはずじゃ)
「大丈夫よ、梅干しと一緒に漬け込んでやるわよ」
大葉死神は大鎌を背後から突然出してきた。・・・それは無いわ~反則、反則反則だわーあんな大鎌にどうやって戦えって言うのよ、っと言うところだったけど私も馬鹿では無い。
『神様のスマホ』を取り出し、大葉死神に向けて攻撃ボタンをポチッとな...。
・・・。もう一度、ポチッとな...。今は夏かしら、頭皮の毛穴という毛穴から汗が溢れ出てくる。熱中症になっちゃうからね、ちょっと涼みに外へ出ることにしよう。
「待つのです。『神様のスマホ』とあなたの命を貰います」
『神様のスマホ』はあげるから、私の命だけはご勘弁を~。大鎌を振り回す大葉死神から私は必死に逃げ続けた。
(飛鳥よ。今、スマホを遠隔操作して助けてるぞ)
スマホを操作する余裕がない私に代わり、変態神の遠隔操作によって足がタイヤになったー。スピードも上がって快適に逃げれるわー。・・・て、よく見ると大葉死神の速度も同じなんですけど。差が広がって無いじゃん。それに背中に大場くんを背負ってるし。
つーか、何で?何で攻撃ボタン押しても攻撃できなかったの?エネルギー切れ?
走りに走り続け、私はショッピングモールに入り込んだ。
ガス欠というやつかしら、明らかにスピードが落ちてきた。私自身も体力に限界を感じ始めていた万事休す...。
(なかなか面倒な奴じゃの~。仕方がないエネルギーを少し充電してやろう。これで攻撃できるはずじゃ)
「そう言う事ならさっさと充電しやがれ、変態神が~」
私は無駄に走らされた事に怒りを感じ、怒りをぶつけるかのように攻撃ボタンをポチッと押した。ビビビビーってな。
私と同じように疲れていたようである大葉死神は避けることなく花火のように無数に破片を飛び散らせながら爆発していった。
背中の負われていた大場くんはその場に倒れ込みました。
私は大場くんの傍に駆け寄ろうとしましたが、警備員さんに連れていかれました。
はい、そうです。私が今日2回も暴走した女です。
私ってこんなに足が早かったかしらと思えてしまうほどの足の回転...て、おい既に走るを通り越して足がタイヤになってるー。多くの人々の視線にさらされてめっちゃ恥ずかしいんですけどー。
待って、止まって。大場くんを通り過ぎてるからー。走る暴走女と化した私は土煙を舞い上げながら無駄にショッピングモール内を駆け抜けていたわ。最終的に警備員さんに取り押さえられ、説教を頂いている最中です。
(どうなってんのよ。犯人はあんたでしょ)
(神様は成に早く追いつけるようにアプリを遠隔操作してあげただけなのに)
(やめろ、お節介は。本当に最悪ねあんたは。それから、あんた自分の事を神様って呼ぶのやめなさい)
(な、何ですと。神様なのに神様と名乗ることが出来ないとは何て理不尽な)
「君、ちゃんと聞いているのかい」
変態神とテレパシーのやり取りしていて警備員さんの話をすっかり聞いてなかったわ。適当な返事と頭を何回も下げて今回は許してもらった。
大場くんの家に直接行くしかないようね。明日でもいいけど、一日でも早くあの変態神に出て行ってもらいたいので。
ここが、大場くんの家...。
お世辞にも立派な家とは言えないわね。よくこの家で暮らせるわねって感じのボロボロ家。
・・・本当に住んでるのこれ?
人は生まれ育った環境で人格が形成されると言うわ。大場くんが爽やかで成績優秀なのはこの貧乏生活ならではの温かい家庭環境から影響しているのかもしれないわ...きっと。
取りあえず、呼び鈴をならす...まあ、無いわよね。このボロボロ家にあるはずが無い。
ガンガンって少々強引にドアをノックする。
・・・返事が無い。ドアに耳を当て聞き耳を立てる。
めっちゃアイドルソングが流れている。これはさっき大場くんが買っていったアイドルの曲だ。大音量で聞いているから聞こえてないだけなのね。裏に回り、恐らくいるであろう部屋の窓を叩く。
ピタリと音楽が鳴りやむ。
・・・ガラガラ。
「誰ですか?」
窓は開いたが、カーテン越しで姿を見せてくれない。だけど大場くんの声とは少し違う。
「えっと、誰?」
私が聞いちゃいけないんだろうけど、思わず聞き返してしまった。
「おおばです...」
ですよね、大場家だもの。
「私、大場くんの同級生の札場です。いますか?」
「今、いません」
居ないのにこれ以上長居していては迷惑になるので伝言だけして帰ることにしよう。
「その大場くんに連絡してあげるので『神様のスマホ』を貸して」
やだ、チョット待って。これすごいチャンスじゃない?大場くんの携帯の番号をGET出来るのよ。でも普通は固定電話からかければいいような気がするけど。まあ部屋から出るのが面倒なのかな?
お金に困ってそうだから弟さんか妹さんはまだ携帯電話を持たしてもらっていないのね、私は『神様のスマホ』を手渡そうとした瞬間、頭をハリセンで強烈に叩かれたような衝撃を受けた。
「いたたたー」
(飛鳥よ。『神様のスマホ』を渡すでは無い。そやつは野菜の国の魔族だ)
・・・ふ、野菜の国の魔族て...。
「失礼ですが、お名前は?」
「おおばです...」
ですよね。やっぱり大場くん家の人に失礼じゃない。変態神よついにボケたか?
(取りあえず、アプリ「プロファイリング」を使用するのだー)
面倒な奴だな~。悪いとは思ったけどカーテン越しにいる大場くん家の人に「プロファイリング」を使用した。
・名前は大葉死神と書いて(おおばデス)と読む」
・身長160センチ、体重1キロ、すぐ風に飛ばされるので家に引きこもる癖がある」
・・・本当に野菜の国の魔族なのね。私は外から強引にカーテンに掴まり中へ侵入した。
部屋の隅を見ると大場くんが緑色になって倒れている。私を騙してスマホを奪おうとした大葉死神は名前通り大葉そのものだ。これと言って特徴も無く、大葉に目が付いている程度のひ弱そうな奴ね。これなら問題なく瞬殺できそうだわ。
(油断は禁物じゃぞ。死神だけあって危険度はそれなりにあるはずじゃ)
「大丈夫よ、梅干しと一緒に漬け込んでやるわよ」
大葉死神は大鎌を背後から突然出してきた。・・・それは無いわ~反則、反則反則だわーあんな大鎌にどうやって戦えって言うのよ、っと言うところだったけど私も馬鹿では無い。
『神様のスマホ』を取り出し、大葉死神に向けて攻撃ボタンをポチッとな...。
・・・。もう一度、ポチッとな...。今は夏かしら、頭皮の毛穴という毛穴から汗が溢れ出てくる。熱中症になっちゃうからね、ちょっと涼みに外へ出ることにしよう。
「待つのです。『神様のスマホ』とあなたの命を貰います」
『神様のスマホ』はあげるから、私の命だけはご勘弁を~。大鎌を振り回す大葉死神から私は必死に逃げ続けた。
(飛鳥よ。今、スマホを遠隔操作して助けてるぞ)
スマホを操作する余裕がない私に代わり、変態神の遠隔操作によって足がタイヤになったー。スピードも上がって快適に逃げれるわー。・・・て、よく見ると大葉死神の速度も同じなんですけど。差が広がって無いじゃん。それに背中に大場くんを背負ってるし。
つーか、何で?何で攻撃ボタン押しても攻撃できなかったの?エネルギー切れ?
走りに走り続け、私はショッピングモールに入り込んだ。
ガス欠というやつかしら、明らかにスピードが落ちてきた。私自身も体力に限界を感じ始めていた万事休す...。
(なかなか面倒な奴じゃの~。仕方がないエネルギーを少し充電してやろう。これで攻撃できるはずじゃ)
「そう言う事ならさっさと充電しやがれ、変態神が~」
私は無駄に走らされた事に怒りを感じ、怒りをぶつけるかのように攻撃ボタンをポチッと押した。ビビビビーってな。
私と同じように疲れていたようである大葉死神は避けることなく花火のように無数に破片を飛び散らせながら爆発していった。
背中の負われていた大場くんはその場に倒れ込みました。
私は大場くんの傍に駆け寄ろうとしましたが、警備員さんに連れていかれました。
はい、そうです。私が今日2回も暴走した女です。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ほどけそうな結び目なのにほどけないね
圍 杉菜ひ
ライト文芸
津賀子さんに迫り来るものとは……
紹介文
津賀子は小学一年生の時以来と思われるソナタさんとトイレで偶然に再会した。この再会により津賀子は大変な目に……。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
家出令嬢が海賊王の嫁!?〜新大陸でパン屋さんになるはずが巻き込まれました〜
香月みまり
恋愛
20も離れたおっさん侯爵との結婚が嫌で家出したリリ〜シャ・ルーセンスは、新たな希望を胸に新世界を目指す。
新世界でパン屋さんを開く!!
それなのに乗り込んだ船が海賊の襲撃にあって、ピンチです。
このままじゃぁ船が港に戻ってしまう!
そうだ!麦の袋に隠れよう。
そうして麦にまみれて知ってしまった海賊の頭の衝撃的な真実。
さよなら私の新大陸、パン屋さんライフ〜
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる