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序章
第21話 奴隷商人が来てるらしいけど、毎回可愛い女の子とは限らない③
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素敵なアベックっぷりで奴隷市場へと入場する二人。
リリスは目を煌めかせながら右へ左と品定めを始め、興味がなさそうなサブロウも一応そのムーブに合わせる。
まずサブロウは右の檻に視線を移す。
中には幸薄げな美少女が一人、三角座りで此方を見つめていた。
程よく伸びた綺麗な黒髪。吸い込まれそうな儚げな瞳。白いワンピースから覗く華奢な肩。玉のような白い肌に、すらりとした足。そして、その間から見え隠れする白い下着……からの膨らみ。
(ん? 膨らみ……?)
その親近感のある膨らみを見た瞬間、何故だろうか……サブロウの額からは嫌な汗が噴き出してくる。
(いや……ないないない。あんな可愛らしい子が、まさか……)
サブロウは頭を振りつつ、これまた何故かは知らんが、恍惚な表情を浮かべるその子から目を離し、今度は左の檻へと視線を移す。
中には活発的な印象を受ける美少女が一人、三角座りで此方に手を振っていた。
ショートカットの艶やかな金髪。太陽のように輝く笑顔。白いワンピースから覗く程よい肉付きの肩。健康的な小麦色の肌と、すらりとした足。そして、その間から見え隠れする黒い下着……からの膨らみ。
(………………)
その親近感のある膨らみを見た瞬間、何故だろうか……サブロウの眼は、どんどん真っ黒に染まっていく。
(いや、ありえない……。コインの裏を出したあと、『やっぱ、今のなし!』っつって、政府と戦うくらいありえない……)
サブロウは現実を受け入れられなかった。
なので、もう一度その少女……少女? を見つめる。
上気した顔、とろんとした瞳、そしてハァハァと息を荒げ……陰部を膨らませている。その明らかに楽しんでいる姿を見て、サブロウは確信した。
(あぁ、そうか……。ここは変態たちが集う場所なんだ……)
奴隷市場なのだから変態的な場所で間違いない。
しかし、それは側だけであり、本質は違う。
まず第一に奴隷なのに身なりが綺麗すぎるということ。
髪は綺麗に整えられているし、着ているワンピースは真っ白でバリッとしている。
第二に檻に入ってはいるが、鎖にはつながれていない。
それどころか『休憩に入りまーす』とか言って、普通に檻から出て行って外出する始末。あと檻の中にポテチとコーラを常備してて、中々快適そうだ。
第三に何故か全員三角座りで、陰部を見せびらかしている。
これに関しては理由が分からない。単純にそういう趣味なのか、もしくは『我々はこういう者です』という証明の為か。まあ、恐らくどちらも間違いでないだろう。
第四に彼……いや、彼女たちは皆、嫌がってはおらず、寧ろ楽しんでいるということ。
だからこそ奴隷商人も必死に売り込みをかけているし、その関係性は他者から見ても『信頼』という二文字が浮かび上がってくるほどだった。
さて、ここまで御膳立てしたんだ。もはや導き出される結論は一つしかないだろう? ハイ、サブロウくん。
(なるほど……つまり、仕事熱心ってことだな!)
いや、そういうことじゃなくて……。言及を避けるのは、やめようかサブロウ? この奴隷市場の真実に目を向けるのだ。
だが、サブロウは逃げるように隣にいるリリスへと視線を移す。
「………………」
が……どうやらこちらも察したらしい。目が死んでいた。
そんな訳で二人は終始微妙な面持ちのまま、地獄のデス・ロードを歩き切ったのであった。
リリスは目を煌めかせながら右へ左と品定めを始め、興味がなさそうなサブロウも一応そのムーブに合わせる。
まずサブロウは右の檻に視線を移す。
中には幸薄げな美少女が一人、三角座りで此方を見つめていた。
程よく伸びた綺麗な黒髪。吸い込まれそうな儚げな瞳。白いワンピースから覗く華奢な肩。玉のような白い肌に、すらりとした足。そして、その間から見え隠れする白い下着……からの膨らみ。
(ん? 膨らみ……?)
その親近感のある膨らみを見た瞬間、何故だろうか……サブロウの額からは嫌な汗が噴き出してくる。
(いや……ないないない。あんな可愛らしい子が、まさか……)
サブロウは頭を振りつつ、これまた何故かは知らんが、恍惚な表情を浮かべるその子から目を離し、今度は左の檻へと視線を移す。
中には活発的な印象を受ける美少女が一人、三角座りで此方に手を振っていた。
ショートカットの艶やかな金髪。太陽のように輝く笑顔。白いワンピースから覗く程よい肉付きの肩。健康的な小麦色の肌と、すらりとした足。そして、その間から見え隠れする黒い下着……からの膨らみ。
(………………)
その親近感のある膨らみを見た瞬間、何故だろうか……サブロウの眼は、どんどん真っ黒に染まっていく。
(いや、ありえない……。コインの裏を出したあと、『やっぱ、今のなし!』っつって、政府と戦うくらいありえない……)
サブロウは現実を受け入れられなかった。
なので、もう一度その少女……少女? を見つめる。
上気した顔、とろんとした瞳、そしてハァハァと息を荒げ……陰部を膨らませている。その明らかに楽しんでいる姿を見て、サブロウは確信した。
(あぁ、そうか……。ここは変態たちが集う場所なんだ……)
奴隷市場なのだから変態的な場所で間違いない。
しかし、それは側だけであり、本質は違う。
まず第一に奴隷なのに身なりが綺麗すぎるということ。
髪は綺麗に整えられているし、着ているワンピースは真っ白でバリッとしている。
第二に檻に入ってはいるが、鎖にはつながれていない。
それどころか『休憩に入りまーす』とか言って、普通に檻から出て行って外出する始末。あと檻の中にポテチとコーラを常備してて、中々快適そうだ。
第三に何故か全員三角座りで、陰部を見せびらかしている。
これに関しては理由が分からない。単純にそういう趣味なのか、もしくは『我々はこういう者です』という証明の為か。まあ、恐らくどちらも間違いでないだろう。
第四に彼……いや、彼女たちは皆、嫌がってはおらず、寧ろ楽しんでいるということ。
だからこそ奴隷商人も必死に売り込みをかけているし、その関係性は他者から見ても『信頼』という二文字が浮かび上がってくるほどだった。
さて、ここまで御膳立てしたんだ。もはや導き出される結論は一つしかないだろう? ハイ、サブロウくん。
(なるほど……つまり、仕事熱心ってことだな!)
いや、そういうことじゃなくて……。言及を避けるのは、やめようかサブロウ? この奴隷市場の真実に目を向けるのだ。
だが、サブロウは逃げるように隣にいるリリスへと視線を移す。
「………………」
が……どうやらこちらも察したらしい。目が死んでいた。
そんな訳で二人は終始微妙な面持ちのまま、地獄のデス・ロードを歩き切ったのであった。
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