2 / 42
第一幕:【魔盗団】殲滅作戦編
リン・フォーネレス
しおりを挟む
東都クランセマム。そこは駆け出しから熟練冒険者が集う大きな都。そしてそこにあるのが小さくも大きくもない中途半端な冒険者ギルド【クレイセルド】。このギルドは毎日繁盛しており、冒険者や冒険者以外の人々が行き交っている。ただ、繁盛のし過ぎでいつもいつもてんわやんわだったりする為、なにかと忙しい。そしてそのギルドに一人の少女がやってきた。扉を開けて、中に入ると、一人の青年が元気よく出向かける。
「ようこそ!冒険者ギルド【クレイセルド】へ!」
黒髪で髪先が赤みがかっているいわゆる赤いメッシュを入れた紅い瞳をもつ青年。彼の太くもなく細くもない程よい身体を包むのは白いシャツと緩めの黒いパンツ。そして、優しそうで大人しそうな顔立ちの割に右耳に銀色のピアスが付けられており、右手の人差し指には鈍色のリングが嵌められている。
「あ、あの!冒険者登録をしたいんですけど…」
「あー、冒険者登録ですね。では、あちらの方にいる【ユナ・クライセフ】と記されたネームプレートを付けたブロンド髪の女性職員にお声かけください」
胸に【シエン・クロイセス】と記されたネームプレートを付けた青年は左奥にいるブロンド髪の女性をさして笑いかける。少女は一言、『ありがとうございます』と返し案内通りに向かう。
無数の木のテーブルや椅子。壁にかけられた賞状や勲章の数々や【クレイセルド】の象徴と言われる鷹の紋章が刻まれた飾り盾が中央奥に掛けられ、その下にクエスト受付のカウンターらしきものが四つと受付嬢らしい女性四人が各カウンターに1人ずつ居る。そしてそこに目的の女性職員がいるのを見つけ、少女は少し駆けて1つのカウンター前に立つ。
「えっと…ぼ、冒険者登録したいんですけど…」
少女は掻き消えるような声で告げると、
「はい、冒険者登録ですね。では、まず最初にコチラの石版に手をかざしてくださいますか?」
ユナは少女が触れやすい距離に石版を出す。恐る恐るとそれに手をかざす。すると、石版が虹色に輝き、一枚のカードが姿を現す。ユナはそれを確認した後、少女にカードを差し出す。
「はい、どうぞ。これで冒険者登録は完了です。クエストはあちらで受けれますので」
「あ、ありがとうございます!!」
少女は嬉しそうに微笑んでカードをマジマジと眺める。このカードは【冒険者カード】と呼ばれ、登録者の名前と職業やサポート機能等が付いた冒険者の証明となる特殊なカードだ。万が一、紛失したり、奪われた場合は、登録したギルドで職員にお伝えすることで銀貨三枚と引き換えに再発行が出来る。
「では、良い冒険者ライフをお楽しみください。リン・フォーネレスさん」
「は、はい!楽しんできます!」
新米冒険者となった少女、リン・フォーネレスは再度お辞儀をしたあと、クエストカウンターへと駆けて行った。
夢のようなワクワクとドキドキだらけの冒険ライフを追い求めて・・・。しかし彼女は思い知る事になる。冒険者になる事がどう意味なのかを--。
「ようこそ!冒険者ギルド【クレイセルド】へ!」
黒髪で髪先が赤みがかっているいわゆる赤いメッシュを入れた紅い瞳をもつ青年。彼の太くもなく細くもない程よい身体を包むのは白いシャツと緩めの黒いパンツ。そして、優しそうで大人しそうな顔立ちの割に右耳に銀色のピアスが付けられており、右手の人差し指には鈍色のリングが嵌められている。
「あ、あの!冒険者登録をしたいんですけど…」
「あー、冒険者登録ですね。では、あちらの方にいる【ユナ・クライセフ】と記されたネームプレートを付けたブロンド髪の女性職員にお声かけください」
胸に【シエン・クロイセス】と記されたネームプレートを付けた青年は左奥にいるブロンド髪の女性をさして笑いかける。少女は一言、『ありがとうございます』と返し案内通りに向かう。
無数の木のテーブルや椅子。壁にかけられた賞状や勲章の数々や【クレイセルド】の象徴と言われる鷹の紋章が刻まれた飾り盾が中央奥に掛けられ、その下にクエスト受付のカウンターらしきものが四つと受付嬢らしい女性四人が各カウンターに1人ずつ居る。そしてそこに目的の女性職員がいるのを見つけ、少女は少し駆けて1つのカウンター前に立つ。
「えっと…ぼ、冒険者登録したいんですけど…」
少女は掻き消えるような声で告げると、
「はい、冒険者登録ですね。では、まず最初にコチラの石版に手をかざしてくださいますか?」
ユナは少女が触れやすい距離に石版を出す。恐る恐るとそれに手をかざす。すると、石版が虹色に輝き、一枚のカードが姿を現す。ユナはそれを確認した後、少女にカードを差し出す。
「はい、どうぞ。これで冒険者登録は完了です。クエストはあちらで受けれますので」
「あ、ありがとうございます!!」
少女は嬉しそうに微笑んでカードをマジマジと眺める。このカードは【冒険者カード】と呼ばれ、登録者の名前と職業やサポート機能等が付いた冒険者の証明となる特殊なカードだ。万が一、紛失したり、奪われた場合は、登録したギルドで職員にお伝えすることで銀貨三枚と引き換えに再発行が出来る。
「では、良い冒険者ライフをお楽しみください。リン・フォーネレスさん」
「は、はい!楽しんできます!」
新米冒険者となった少女、リン・フォーネレスは再度お辞儀をしたあと、クエストカウンターへと駆けて行った。
夢のようなワクワクとドキドキだらけの冒険ライフを追い求めて・・・。しかし彼女は思い知る事になる。冒険者になる事がどう意味なのかを--。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる