上 下
40 / 66
一学期【中間試験】編

しーにゃん先輩のお誘い 前編

しおりを挟む



中間試験が終わって放課後。試験の疲れを癒すために友達とゲーセンやショッピングに行く生徒や恋人とデートをしに行く生徒などがいる中で、俺はウキウキ気分で廊下をスキップしながら三年生の教室に向かっていた。というのも、帰宅準備をしている時に、しーにゃん先輩からお呼び出しがあったのだ。きっとこれは前に約束したデートのお誘いに違いない!てなわけで周囲のイタイ視線なんて気にならない(ちょっと強がってます)。階段をのぼり、【3-3】と記された教室まで相変わらずのウキウキステップで向かっていると、

「何してんだ?ケータ」

ちょうど、【3-3】の教室から、しーにゃん先輩が出てきて、首を傾げて尋ねてきた。俺は直ぐにウキウキステップをやめ、

「しーにゃん先輩からのお誘いにウキウキしてスキップしてました!」

バカ正直にありのままの事を答えた。その言葉に、廊下で談笑したり帰ろうとしていた三年生達が驚いた顔でこちらを見た気がするけど気にしないでおこう。今は有象無象なんてどうでもいい。

「それで、お誘いの内容は…もしかしなくても前に約束したデーtべぶぁら!?」

嬉しみ100%スマイルで尋ねかけた瞬間、言葉を遮るように、しーにゃん先輩の足が俺の頬を蹴り抜いた。不意打ちということもあり、受け身も取れず勢いの止まらない体が廊下の壁にめり込む。正直、壁を突き破る程じゃなくて安心している自分がいる。ここが突き破られると落下するのでシャレにならない。毎度のことだが、色んな人に蹴られ慣れてしまったので意識が飛ぶのも一瞬だし、体に支障が出ることもない。慣れというのは怖いなとつくつぐ思う。

「いたた…。な、何するんですか?しーにゃん先輩」

お顔真っ赤の可愛い可愛いしーにゃん先輩に抗議すると、

「だ、黙れ!お前は、ほん…と。こんな公衆の面前でなんてこと言おうとしてんだ!!」

お怒りMAXでめちゃくちゃ蹴られる。正直、しーにゃん先輩じゃなければ今頃、グーパンかましてる所である。と、そんなことはどうでも良くてだ。このままでは話が進まないので進行しなければ。

「と、とりあえず場所移動しませんか!? こ、ここだと目立ちますし!ね?」

蹴られつつも俺がそう提案すると、しーにゃん先輩は少し不服そうだったが、生徒達からの視線が集まっていることに気づき、渋々といった感じで頷く。

「それじゃ、行きmぐえ!?」

蹴りが止み、起き上がろうとしたら首根っこを掴まれた。いきなりのことで痛いです。

「さ、さっさと行くぞ!おら!」

「ちょ…首しま…しーにゃん先輩!?聞いてますか!?」

抗議するもそんなものは虚しく、尻を床に擦る&首締まりそうな状態で人気のない場所まで引きずられ始めた。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!

佐々木雄太
青春
四月—— 新たに高校生になった有村敦也。 二つ隣町の高校に通う事になったのだが、 そこでは、予想外の出来事が起こった。 本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。 長女・唯【ゆい】 次女・里菜【りな】 三女・咲弥【さや】 この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、 高校デビューするはずだった、初日。 敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。 カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。

ながしょー
青春
 ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。  このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について

塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。 好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。 それはもうモテなかった。 何をどうやってもモテなかった。 呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。 そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて―― モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!? 最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。 これはラブコメじゃない!――と <追記> 本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。

田中天狼のシリアスな日常

朽縄咲良
青春
とある県の平凡な県立高校「東総倉高等学校」に通う、名前以外は平凡な少年が、個性的な人間たちに翻弄され、振り回され続ける学園コメディ! 彼は、ごくごく平凡な男子高校生である。…名前を除けば。 田中天狼と書いてタナカシリウス、それが彼の名前。 この奇妙な名前のせいで、今までの人生に余計な気苦労が耐えなかった彼は、せめて、高校生になったら、平凡で平和な日常を送りたいとするのだが、高校入学後の初動に失敗。 ぼっちとなってしまった彼に話しかけてきたのは、春夏秋冬水と名乗る、一人の少女だった。 そして彼らは、二年生の矢的杏途龍、そして撫子という変人……もとい、独特な先輩達に、珍しい名を持つ者たちが集まる「奇名部」という部活への起ち上げを誘われるのだった……。 ・表紙画像は、紅蓮のたまり醤油様から頂きました! ・小説家になろうにて投稿したものと同じです。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

カノジョのいる俺に小悪魔で金髪ギャルの後輩が迫ってくる

中山道れおん
青春
鎌ヶ谷右京(かまがや うきょう)は高校一年生のときに人生で初めてのカノジョができた。 恋人である市川栞梨(いちかわ しおり)と少しずつ関係を深めていき、幸せな日々を送る右京。 しかし高校二年生に進級すると、中学生のときの後輩である野田良子(のだ りょうこ)と再会したことがきっかけとなり、右京の幸せな日々は歪に形を変えていくのであった。 主人公もヒロインもそれぞれ一途な想いを持っている。 だけど、なぜか不純愛の世界へと導かれていく。 果たして、それぞれの一途な想いはどこへ向かっていくのか。 この物語は一途な想いを持つ者たちによる不純愛ラブコメである!

自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話

水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。 そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。 凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。 「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」 「気にしない気にしない」 「いや、気にするに決まってるだろ」 ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様) 表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。 小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。

処理中です...