30 / 66
一学期【中間試験】編
吸血鬼JKの本音
しおりを挟む
「はぁ…。ほんと賑やかね、この家は」
私は気絶しているケータを布団に寝かせてクスッと笑う。昼食も終えて少し休憩もとったので試験勉強に移る予定だったけど、教育係がこの状態じゃやれないだろう。まぁ、私にとっては助かることなんだけど。昔から勉強は苦手で順位はいつも下から数える方が早い。それに勉強なんかしなくても父の仕事を受け継ぐから問題ないと思っていた。だけど、あまりにも馬鹿すぎて受け継ぐという話はナシになってしまった。それ以来は自分なりに頑張っていたけどダメだった。そんな時に、ケータが教えてくれる様になった。だから感謝はしている。普段は絶対に言わないけど、こんな時くらい言ってもいいだろう。
「いつもありがとう、ケータ」
頬を朱に染めてお礼を告げて、部屋を出ると、
「む?吸血鬼よ、顔が赤いがどうかしたのか?」
レヴィが階段を昇ってきた所だった。なんて間の悪い魔王娘なんだ、と私は毒づく。ただ、気持ちを悟られたくもないし、悟られた所で癪なのでなんでもない風を装うことにする。
「別に。アイツが重かっただけよ」
「ふむ、それならよい。我はてっきり未来の伴侶が眠ってるのをいいことにいかがわしいことでもしてるのかと思っていたが、どうやら思い過ごしみたいで安心した」
「・・・はぁ。なんかアンタに戸惑った私が馬鹿だったわ。それじゃ、私はもう帰るから」
「うむ!また明日だ!吸血鬼!!」
レヴィは無邪気な笑みを浮かべて告げる。私はそれにヒラヒラと手を振って勉強道具を詰め込んだバッグを肩にかけて玄関へと向かう。その道中で、リビングの方からかすかに声が聞こえてきた。
「全く、お兄のバカ。いつもいつも女の子を家に連れてきて。しかも、よりにもよってあんな厨二病クソブス女だなんて。何がなんでもあんな奴と私のお兄を恋人関係になんてさせないんだから」
どうやらケータの代わりに皿洗いをしている妹華ちゃんの声らしい。あんなにもケータの事を嫌っているように振舞ってるのに、裏ではブラコンだなんて可愛いじゃない。この事をアイツに教えたらアホみたいにテンション上がると思うけど、それはそれでキモイから黙っておこっと。
「兄妹…か」
私はそうぽつりと水滴を零すように告げて、ケータの家を後にした。
私は気絶しているケータを布団に寝かせてクスッと笑う。昼食も終えて少し休憩もとったので試験勉強に移る予定だったけど、教育係がこの状態じゃやれないだろう。まぁ、私にとっては助かることなんだけど。昔から勉強は苦手で順位はいつも下から数える方が早い。それに勉強なんかしなくても父の仕事を受け継ぐから問題ないと思っていた。だけど、あまりにも馬鹿すぎて受け継ぐという話はナシになってしまった。それ以来は自分なりに頑張っていたけどダメだった。そんな時に、ケータが教えてくれる様になった。だから感謝はしている。普段は絶対に言わないけど、こんな時くらい言ってもいいだろう。
「いつもありがとう、ケータ」
頬を朱に染めてお礼を告げて、部屋を出ると、
「む?吸血鬼よ、顔が赤いがどうかしたのか?」
レヴィが階段を昇ってきた所だった。なんて間の悪い魔王娘なんだ、と私は毒づく。ただ、気持ちを悟られたくもないし、悟られた所で癪なのでなんでもない風を装うことにする。
「別に。アイツが重かっただけよ」
「ふむ、それならよい。我はてっきり未来の伴侶が眠ってるのをいいことにいかがわしいことでもしてるのかと思っていたが、どうやら思い過ごしみたいで安心した」
「・・・はぁ。なんかアンタに戸惑った私が馬鹿だったわ。それじゃ、私はもう帰るから」
「うむ!また明日だ!吸血鬼!!」
レヴィは無邪気な笑みを浮かべて告げる。私はそれにヒラヒラと手を振って勉強道具を詰め込んだバッグを肩にかけて玄関へと向かう。その道中で、リビングの方からかすかに声が聞こえてきた。
「全く、お兄のバカ。いつもいつも女の子を家に連れてきて。しかも、よりにもよってあんな厨二病クソブス女だなんて。何がなんでもあんな奴と私のお兄を恋人関係になんてさせないんだから」
どうやらケータの代わりに皿洗いをしている妹華ちゃんの声らしい。あんなにもケータの事を嫌っているように振舞ってるのに、裏ではブラコンだなんて可愛いじゃない。この事をアイツに教えたらアホみたいにテンション上がると思うけど、それはそれでキモイから黙っておこっと。
「兄妹…か」
私はそうぽつりと水滴を零すように告げて、ケータの家を後にした。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
男だけど女性Vtuberを演じていたら現実で、メス堕ちしてしまったお話
ボッチなお地蔵さん
BL
中村るいは、今勢いがあるVTuber事務所が2期生を募集しているというツイートを見てすぐに応募をする。無事、合格して気分が上がっている最中に送られてきた自分が使うアバターのイラストを見ると女性のアバターだった。自分は男なのに…
結局、その女性アバターでVTuberを始めるのだが、女性VTuberを演じていたら現実でも影響が出始めて…!?
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
全体的にどうしようもない高校生日記
天平 楓
青春
ある年の春、高校生になった僕、金沢籘華(かなざわとうか)は念願の玉津高校に入学することができた。そこで出会ったのは中学時代からの友人北見奏輝と喜多方楓の二人。喜多方のどうしようもない性格に奔放されつつも、北見の秘められた性格、そして自身では気づくことのなかった能力に気づいていき…。
ブラックジョーク要素が含まれていますが、決して特定の民族並びに集団を侮蔑、攻撃、または礼賛する意図はありません。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
女を肉便器にするのに飽きた男、若返って生意気な女達を落とす悦びを求める【R18】
m t
ファンタジー
どんなに良い女でも肉便器にするとオナホと変わらない。
その真実に気付いた俺は若返って、生意気な女達を食い散らす事にする
彼氏と親友が思っていた以上に深い仲になっていたようなので縁を切ったら、彼らは別の縁を見つけたようです
珠宮さくら
青春
親の転勤で、引っ越しばかりをしていた佐久間凛。でも、高校の間は転校することはないと約束してくれていたこともあり、凛は友達を作って親友も作り、更には彼氏を作って青春を謳歌していた。
それが、再び転勤することになったと父に言われて現状を見つめるいいきっかけになるとは、凛自身も思ってもいなかった。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる