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一学期【中間試験】編

負けられない馬鹿共の戦い ④

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小さい頃は鬼ごっこをよくしていた元気っ子な俺だったが、鬼ごっこってこんなに怖いものでしたっけ? 

「待ちなさい!クソむっつり野郎!!」

背後から物凄い速さで追いかけてくる雪音が叫んでいる。それに対し、俺はめちゃくちゃ必死に逃げていた。

「ちょ!うおっ!? ひぇっ!?」

拳で風圧を生み出す雪音の攻撃を紙一重で必死に躱しながら逃げる。逃げる。逃げる。捕まったらやられる。ボコボコにされるのだけは避けたい。因みに新とレヴィに助けを求めようとしたが、せっかく野郎共を分散する事に成功したのに、それが無駄になる。オマケに桜花達に一瞬でもヘイトが傾く可能性もあるから、力にだけは自信のある野郎バカ共のヘイトは俺達に向けたままにしたい。よって、この状況を俺は1人でなんとか切り抜けるしかない。

「さっきから逃げてばっかじゃない! 逃げずに私にやられろ!というかやらせなさい!!」

「いや、どんなけ俺をやりてえんだよ!? お前に恨まれるようなことしてねえだろ!?」

「うるさい!アンタは雫の下着を見ても興奮しなかった!それが許せない!!」

「なんでそんな前のことでまだキレてんだよ!? 執着しすぎだろ!?」

無理やりすぎるキレる理由に俺は悲痛な声を上げる。こいつやべぇよ。雫の下着を見て興奮しないって、それの方がいいやん。興奮してたら学園内で俺の居場所なくなるよ? そりゃ俺だって男な訳だし、エロに関しては少しだけ興味はある。でもだ、そんなところ構わず興奮するような変態ではない。オマケに幼馴染の下着を見て興奮しろ?それこそ無理がある。あいつも俺も互いに異性として見ていない。変わらずただの幼馴染だ。

「前とか後とかどうでもいい! あんたが興奮さえすればそれで万事解決だ!」

「無茶苦茶すぎんだろ!? 」

必死に逃げながら俺は悲痛の声をあげる。

「あーもう!! ちょこまか逃げるなっての!!」

ドス!ゴス!っと、鈍い破壊音を鳴らしているのに、床が壊れないのは相変わらず凄いなと感心する。まぁ、こんな人外ばかりの学校な訳だし、防刃防弾だけでなく衝撃などにも対応できるようにしてあるのは当たり前か。というか、エリア狭すぎて逃げ場が限られる。最悪、引き返す手もあるが、それは最後の最後、選択肢がそのひとつしかなくなった時だけに使いたい。というか、このまま逃げてても捕まるのは時間の問題だ。早く棒をぶっ倒せよ!と桜花達の方を見やると--

「邪魔する奴らはぶっ潰しなさい!!」

棒を守るAチームの奴らが、桜花率いる暴力ゴリラ軍団に蹴散らされていた。
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