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2話
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国を出た私たちは隣国で冒険者として生計をたてていた。
ハルミィト王子……、ハルは剣術の腕は一流だったのですが冒険者としては未熟でしたので、私も一緒になって頑張りました。
その甲斐もあって私たちはすぐに夫婦冒険者ハルとセフィーとして有名になりました。
もちろん偽名ですしまだ結婚はしてません。
一緒に頑張るうちに私は才能をメキメキと開花させ。攻撃魔法、回復魔法、剣術などを極めていきました。
ただ、やはり冒険者としては強いだけではやっていけないのでレンジャーを仲間にすることにしました。
ちょうどレンジャーの女性冒険者ベティーさんが今までいたパーティーを追い出されたと言うので私たちのパーティに加入してもらいました。
ただ彼女のボディーは豊満で服装も肌色が多目で少し戸惑いました。
これは恥ずかしいですが嫉妬です。ハルがベティーさんに誘惑されるのではないかと……。
辞めさせられた理由が男女間の問題と言うのも引っ掛かりまして。
ハルもその容姿と辞めさせられた理由からベティーさんの加入を渋りました。ただ自分から正直に理由を言ったのと私はハルを信じているのでベティーさんに加入してもらうことにしました。
加入していただいて分かったのですがやはりレンジャーの方の加入は必須でした。
魔物の索敵が早くなり先制攻撃ができるようになったのと素材集め、夜営の設置や料理など多岐にわたって私たちの助けになりました。
もうベティーさんが奥さんで良いんじゃないかと言うくらいに。
それから半年後、私を指名した依頼があり一人でこなして町に戻るとハルとベティーさんが楽しそうに町を歩いていました。
嫌な予感がして跡をつけてしまいました。最低です。
跡をつけると裏路地に入った店でベティーさんに数個のアクセサリを当てて笑いあっていました。
私はその場から逃げ出しました。
宿屋に戻った私は荷物をまとめました。
嫉妬や怒りではなくハルには幸せになって欲しいから。
あの日、私を助けてくれたあの人の邪魔にはなりたくない、邪魔だと思われたくない。
だから私がいなくなれば良いだけだから。
ドアが勢いよく開かれるとハルが入ってきて荷物を整理しているのを止められ抱き締められました。
その後からベティーさんも入ってきて息を切らせています。
どうやら私がいたのを索敵で見つかってしまい、すぐに追いかけてきたようです。
「ハル、離して私はハルの邪魔になりたくないの」
「何を馬鹿なことをいってるんだ!」
「だって……」
「馬鹿だね、私がハルと良い関係になるわけないだろ? 私の趣味はマッチョゴリラで優男じゃないわよ」
「でも……」
「ほら、早く渡しなよ」
ベティーさんはハルのおしりを叩いてなにかを促します。
懐からはハルは一つの箱を取り出しました。
「誕生日おめでとう」
「え、私? あ……」
そうでした、すっかり忘れていました今日は私の誕生日だったのです。
どうやらこのサプライズのために私の名指し依頼を出し、その間に宝石店を回っていたのだそうです。
そしてケーキや豪華な食事が部屋に運び込まれました。
「こんな……」
「指輪かネックレスか迷ったんだけど、指輪にした。ネックレスは切れるけどリングは切れないからね。だから一生一緒にいてください」
「え、」
「結婚しよう」
それはプロポーズの言葉でした。私の感情は溢れ涙が頬を伝わりました。
私は裏切られたトラウマで男性を信じることが出来なくなっていました。
私を助けてくれたハルミィトでさえも。
もっと信じよう、私はもっとハルミィトを信用しなくちゃダメだと心から思いました。
だから私の返事はひとつです。
「……はい」
その日、私は初めてをハルミィトに捧げました。
ハルミィト王子……、ハルは剣術の腕は一流だったのですが冒険者としては未熟でしたので、私も一緒になって頑張りました。
その甲斐もあって私たちはすぐに夫婦冒険者ハルとセフィーとして有名になりました。
もちろん偽名ですしまだ結婚はしてません。
一緒に頑張るうちに私は才能をメキメキと開花させ。攻撃魔法、回復魔法、剣術などを極めていきました。
ただ、やはり冒険者としては強いだけではやっていけないのでレンジャーを仲間にすることにしました。
ちょうどレンジャーの女性冒険者ベティーさんが今までいたパーティーを追い出されたと言うので私たちのパーティに加入してもらいました。
ただ彼女のボディーは豊満で服装も肌色が多目で少し戸惑いました。
これは恥ずかしいですが嫉妬です。ハルがベティーさんに誘惑されるのではないかと……。
辞めさせられた理由が男女間の問題と言うのも引っ掛かりまして。
ハルもその容姿と辞めさせられた理由からベティーさんの加入を渋りました。ただ自分から正直に理由を言ったのと私はハルを信じているのでベティーさんに加入してもらうことにしました。
加入していただいて分かったのですがやはりレンジャーの方の加入は必須でした。
魔物の索敵が早くなり先制攻撃ができるようになったのと素材集め、夜営の設置や料理など多岐にわたって私たちの助けになりました。
もうベティーさんが奥さんで良いんじゃないかと言うくらいに。
それから半年後、私を指名した依頼があり一人でこなして町に戻るとハルとベティーさんが楽しそうに町を歩いていました。
嫌な予感がして跡をつけてしまいました。最低です。
跡をつけると裏路地に入った店でベティーさんに数個のアクセサリを当てて笑いあっていました。
私はその場から逃げ出しました。
宿屋に戻った私は荷物をまとめました。
嫉妬や怒りではなくハルには幸せになって欲しいから。
あの日、私を助けてくれたあの人の邪魔にはなりたくない、邪魔だと思われたくない。
だから私がいなくなれば良いだけだから。
ドアが勢いよく開かれるとハルが入ってきて荷物を整理しているのを止められ抱き締められました。
その後からベティーさんも入ってきて息を切らせています。
どうやら私がいたのを索敵で見つかってしまい、すぐに追いかけてきたようです。
「ハル、離して私はハルの邪魔になりたくないの」
「何を馬鹿なことをいってるんだ!」
「だって……」
「馬鹿だね、私がハルと良い関係になるわけないだろ? 私の趣味はマッチョゴリラで優男じゃないわよ」
「でも……」
「ほら、早く渡しなよ」
ベティーさんはハルのおしりを叩いてなにかを促します。
懐からはハルは一つの箱を取り出しました。
「誕生日おめでとう」
「え、私? あ……」
そうでした、すっかり忘れていました今日は私の誕生日だったのです。
どうやらこのサプライズのために私の名指し依頼を出し、その間に宝石店を回っていたのだそうです。
そしてケーキや豪華な食事が部屋に運び込まれました。
「こんな……」
「指輪かネックレスか迷ったんだけど、指輪にした。ネックレスは切れるけどリングは切れないからね。だから一生一緒にいてください」
「え、」
「結婚しよう」
それはプロポーズの言葉でした。私の感情は溢れ涙が頬を伝わりました。
私は裏切られたトラウマで男性を信じることが出来なくなっていました。
私を助けてくれたハルミィトでさえも。
もっと信じよう、私はもっとハルミィトを信用しなくちゃダメだと心から思いました。
だから私の返事はひとつです。
「……はい」
その日、私は初めてをハルミィトに捧げました。
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