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何かに引っ張られるような感覚に目を覚ますと見慣れない白い天井が視界に映った。「吏都?」と誰かが名前を呼ぶ。声のした方に顔を傾けると母親の麻奈美が目を丸くしてこちらを見つめている。吏都が「お母さん?」と声を出すと麻奈美は吏都の手を取りすがるように泣きじゃくった。麻奈美の頭を撫でていると吏都の記憶がぼんやりと甦ってくる。麻奈美が落ち着きを取り戻しナースコールを押すと、吏都はフラフラとベッドから起き上がり「たす君は?」と麻奈美に聞いた。すると「まずは先生に看てもらおう。」と麻奈美は吏都の話をはぐらかした。はっきりしない麻奈美の態度に違和感を感じた吏都はベッドから降りて祐を探し始めた。しかし、数ヵ月の間意識が戻らずベッドに寝ていたせいで足に力が入らず床に転倒した。しかし、這いつくばいながらも祐の名前を呼び続け探しに行こうとする。麻奈美が泣きながら「止めて、吏都!」と吏都の腕を掴むが、振り払い「たす君!たす君!!」と叫び続け病室を這って出ていこうとする。そこへ看護師と医者が駆け付け、ベッドに戻される。それでも吏都はもがき続けると、看護師に抑えつけられ医者に鎮痛剤を注射されると段々に大人しくなりそのまま眠った。
吏都が目を覚ますとベッドの側に麻奈美が座っていた。
「吏都?目が覚めた?」
「‥うん。」
「吏都に会わせたい人が居るんだけど、入ってもらってもいい?」
「え?‥うん。」
吏都が頷くと麻奈美が病室のドアを開けて「どうぞ」と病室の外で待つ誰かに声をかけた。病室に入ってきたのは明日香と志治だった。
「明日香さん!おじさん!」
「水無瀬さんが連絡くれてね、居ても立ってもいられなくて会いに来ちゃった。」
「吏都ちゃん、意識が戻って良かった。」
「心配かけてごめんなさい。‥私階段から落ちたような気がするんだけど覚えてなくて。」
「そうだったのね。‥吏都ちゃんは祐の友達の蜂谷君に階段から突き落とされて重症をおったのよ。」
「あ‥蜂谷君‥」
「蜂谷准平はすぐに逮捕されたよ。しばらく黙秘を続けていたが、今は罪を認めているらしい。」
「たす君はどこに居るの?もしかして入居してる?」
「いや、入院はしてないよ。」
「良かった!たす君はケガ無かったんど!今は家に居るの?」
吏都の言葉に明日香と志治が顔を見合わせる。明日香は吏都の手をぎゅっと握るとゆっくりと口を開いた。
「祐はね‥亡くなったの。」
「‥え?」
「吏都ちゃんと一緒に階段から落ちてね。打ち所が悪かったの。」
「嘘?」
「目覚めて間もないのに驚かせてしまって申し訳ない。」
「たす君も階段から落ちたの?‥あの時、蜂谷君の近くに居たのは私で‥蜂谷君が私を押して‥たす君は‥私の腕を引っ張って‥助けて‥くれた?‥私が‥殺したの?」
「吏都?」
「私が鈍臭かったから、たす君死んじゃったの?」
「違う!吏都ちゃんは何も悪くないんだ!」
「ごめんなさい、たす君を死なせてごめんなさい!」
「やめて、吏都ちゃん!」
「私が助かってごめんなさいっ!」
「吏都ちゃん!」
「ごめんなさい!ごめんなさいっ!!」
「吏都ちゃんは悪くない。でも、そう思ってしまうなら祐の分まで生きていて欲しい。」
「うっ‥うぅ‥。」
泣きながら謝り続ける吏都の背中を明日香が涙を堪えて擦って吏都を落ち着かせようとさせる。志治は行き場の無い吏都の思いに寄り添うように言葉をかけた。
翌日、医者から吏都に病状の説明があった。運び込まれてきた時には危ない状態だった。特に胸を手すりに強くぶつけた際に心臓にかなりのダメージを受けた事が致命的だった。一時は生死をさ迷ったが、幸いにも心臓を提供するドナーが現れ一命を取り止めた。しかし吏都はうつろな表情で医者から説明を受けても「そうですか。」と他人事のように返事をしただけだった。祐のいない世界で生きていても虚しいだけ。尋那と部活仲間が面会に訪れたが、どこか上の空でいる吏都に戸惑っていた。明日香と志治は自分達と会えば吏都がより悲観的になってしまうのではと恐れ、それ以降面会に行けないでいた。リハビリが始まっても胸に穴が空いたようで気力がわかず少し歩いては座り込んでしまう。移植の経過は良好だったが吏都の精神的回復が見られず入院が長引いていた。ある日のリハビリ終わりに、ロビーに設置された自動販売機で缶珈琲を買おうとしたが、間違えてフルーツオ・レを買ってしまった。頭も体も思ったように働いてくれない自分に呆れて吏都はため息を漏らした。
「交換する?」
「え?」
声が聞こえた方を見ると、伊吹が立っていた。
「俺、それ好きなんだから。」
「でも‥。」
「フルーツオ・レも買う候補に入ってたし。」
「すいません。じゃあお願いします。」
「うん。」
伊吹はフルーツオ・レを受けとるとお金を入れ、その隣にディスプレイされた珈琲のボタンを押した。「はい。」と伊吹が手渡すと吏都は「ありがとうございます。」と会釈をして受け取った。
「女子って甘いの好きなんじゃないの?」
「私はそんなにで。」
「俺は苦い珈琲より断然こっちの方が好きだけどね。」
「ふふ。私の幼馴染みの男の子もそれ好きでしたよ。持病があって飲食に制限があったみたいだけど、たまに飲んでたな。」
「ふーん。たまのご褒美ってやつね。」
「そうですね。‥ごほっ!」
「どうした?大丈夫か?」
珈琲を口にした瞬間苦くて体が受け付けずむせ込んでしまう。今までは好んで飲んでいたブラック珈琲が美味しいと感じず自分の味覚に違和感を覚え戸惑った。伊吹が心配そうに吏都の顔を覗き込んだ。吏都は先程伊吹に手渡したフルーツオレが無性に気になって「すいません!」と伊吹から奪うように取り返すと1口飲んだ。すると体が求めていたようにもっともっとと欲しがる。吏都がぐびぐびとフルーツオレを飲む姿を見ていた伊吹は「やっぱり甘党じゃねぇか。」とフッと笑った。吏都は味覚の変化に驚きながら「何でだろう?今まで飲みたいと思わなかったのに。たす君みたいに甘党になっちゃったのかな?」と祐の名前を出した瞬間、心臓がドクンと跳ねた。一瞬何が起きたのか分からず吏都が左胸に手を当て固まっていると伊吹が「大丈夫か?」と気に掛けた。吏都は左胸に手を当てたままもう一度「たす君?」と祐の名前を声に出す。すると返事をするように心臓が跳ねた。その瞬間、吏都は急にぼろぼろと泣き出し伊吹がたじろきながらも「看護師呼ぼうか?」と気遣っている。吏都は首を横に振りながら手の甲で涙を拭うと、踵を返し病院の玄関の方に向かって走り出した。病院を飛び出て入院着のまま街を走り続け祐と2人で訪れた喫茶店に着いた。息を切らしたまま店内に入る。
「いらっしゃいま‥あの、どうされました?大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ、はぁ‥」
「‥吏都ちゃん!?」
店内に入るとカウンター席に志治が座って珈琲を飲んでいたが、店主が入院着姿の吏都を見て取り乱していると志治が吏都に気付き慌てて駆け寄ってきた。
「とうしたんだ!?病院抜け出してきたのか!?」
「はぁ、はぁ‥」
「おい!水を頼む!」
「分かった!」
「痛い所はないか?今すぐ病院に送っていくから!」
「はぁ、はぁ‥たす君がね、いるの。」
「え?」
「たす君がねここに居るの。たす君の名前を呼ぶとね返事をするんだよ!」
吏都は左胸に手を当て涙を浮かべながら真っ直ぐに志治を見た。臓器提供した側も受けた側もプライバシー保護の為個人的やり取りは禁止となっていて、志治は祐が臓器提供した事を吏都に言えず吏都の話を黙って聞いている。「私はたす君を2度も殺してしまった。どうして私が生き残っちゃったんだろう。」と吏都は力尽きたように床に座り込み泣きじゃくる。志治は子供をあやすように吏都の頭を撫でると一度大きく息を吐いた。
「もし祐が吏都ちゃんと同じ立場だったら吏都ちゃんと同じ事を言っていただろうな。‥祐はもういない。けどアイツは最後に貪欲に生きたいと願ったんだ。姿は見えないが祐は何処かで生きていると俺達は思ってる。何より、吏都ちゃんが生きている事を誰よりも喜んでいるのは祐だと思う。祐にとって吏都ちゃんは特別な存在だからね。だから生き残ったなんて思わないで堂々と生きてくれ。」
吏都が泣き止むまで志治は吏都の頭を撫でていた。吏都が泣き止むと病院に連れていき志治が看護師と担当医に頭を下げて事なきを得た。それから吏都は現状を受け入れたかのようにリハビリに励むと数週間後に退院した。退院する頃には年度が変わり、長期休学していた吏都は留年し、2度目の高校3年生が始まった。
吏都が目を覚ますとベッドの側に麻奈美が座っていた。
「吏都?目が覚めた?」
「‥うん。」
「吏都に会わせたい人が居るんだけど、入ってもらってもいい?」
「え?‥うん。」
吏都が頷くと麻奈美が病室のドアを開けて「どうぞ」と病室の外で待つ誰かに声をかけた。病室に入ってきたのは明日香と志治だった。
「明日香さん!おじさん!」
「水無瀬さんが連絡くれてね、居ても立ってもいられなくて会いに来ちゃった。」
「吏都ちゃん、意識が戻って良かった。」
「心配かけてごめんなさい。‥私階段から落ちたような気がするんだけど覚えてなくて。」
「そうだったのね。‥吏都ちゃんは祐の友達の蜂谷君に階段から突き落とされて重症をおったのよ。」
「あ‥蜂谷君‥」
「蜂谷准平はすぐに逮捕されたよ。しばらく黙秘を続けていたが、今は罪を認めているらしい。」
「たす君はどこに居るの?もしかして入居してる?」
「いや、入院はしてないよ。」
「良かった!たす君はケガ無かったんど!今は家に居るの?」
吏都の言葉に明日香と志治が顔を見合わせる。明日香は吏都の手をぎゅっと握るとゆっくりと口を開いた。
「祐はね‥亡くなったの。」
「‥え?」
「吏都ちゃんと一緒に階段から落ちてね。打ち所が悪かったの。」
「嘘?」
「目覚めて間もないのに驚かせてしまって申し訳ない。」
「たす君も階段から落ちたの?‥あの時、蜂谷君の近くに居たのは私で‥蜂谷君が私を押して‥たす君は‥私の腕を引っ張って‥助けて‥くれた?‥私が‥殺したの?」
「吏都?」
「私が鈍臭かったから、たす君死んじゃったの?」
「違う!吏都ちゃんは何も悪くないんだ!」
「ごめんなさい、たす君を死なせてごめんなさい!」
「やめて、吏都ちゃん!」
「私が助かってごめんなさいっ!」
「吏都ちゃん!」
「ごめんなさい!ごめんなさいっ!!」
「吏都ちゃんは悪くない。でも、そう思ってしまうなら祐の分まで生きていて欲しい。」
「うっ‥うぅ‥。」
泣きながら謝り続ける吏都の背中を明日香が涙を堪えて擦って吏都を落ち着かせようとさせる。志治は行き場の無い吏都の思いに寄り添うように言葉をかけた。
翌日、医者から吏都に病状の説明があった。運び込まれてきた時には危ない状態だった。特に胸を手すりに強くぶつけた際に心臓にかなりのダメージを受けた事が致命的だった。一時は生死をさ迷ったが、幸いにも心臓を提供するドナーが現れ一命を取り止めた。しかし吏都はうつろな表情で医者から説明を受けても「そうですか。」と他人事のように返事をしただけだった。祐のいない世界で生きていても虚しいだけ。尋那と部活仲間が面会に訪れたが、どこか上の空でいる吏都に戸惑っていた。明日香と志治は自分達と会えば吏都がより悲観的になってしまうのではと恐れ、それ以降面会に行けないでいた。リハビリが始まっても胸に穴が空いたようで気力がわかず少し歩いては座り込んでしまう。移植の経過は良好だったが吏都の精神的回復が見られず入院が長引いていた。ある日のリハビリ終わりに、ロビーに設置された自動販売機で缶珈琲を買おうとしたが、間違えてフルーツオ・レを買ってしまった。頭も体も思ったように働いてくれない自分に呆れて吏都はため息を漏らした。
「交換する?」
「え?」
声が聞こえた方を見ると、伊吹が立っていた。
「俺、それ好きなんだから。」
「でも‥。」
「フルーツオ・レも買う候補に入ってたし。」
「すいません。じゃあお願いします。」
「うん。」
伊吹はフルーツオ・レを受けとるとお金を入れ、その隣にディスプレイされた珈琲のボタンを押した。「はい。」と伊吹が手渡すと吏都は「ありがとうございます。」と会釈をして受け取った。
「女子って甘いの好きなんじゃないの?」
「私はそんなにで。」
「俺は苦い珈琲より断然こっちの方が好きだけどね。」
「ふふ。私の幼馴染みの男の子もそれ好きでしたよ。持病があって飲食に制限があったみたいだけど、たまに飲んでたな。」
「ふーん。たまのご褒美ってやつね。」
「そうですね。‥ごほっ!」
「どうした?大丈夫か?」
珈琲を口にした瞬間苦くて体が受け付けずむせ込んでしまう。今までは好んで飲んでいたブラック珈琲が美味しいと感じず自分の味覚に違和感を覚え戸惑った。伊吹が心配そうに吏都の顔を覗き込んだ。吏都は先程伊吹に手渡したフルーツオレが無性に気になって「すいません!」と伊吹から奪うように取り返すと1口飲んだ。すると体が求めていたようにもっともっとと欲しがる。吏都がぐびぐびとフルーツオレを飲む姿を見ていた伊吹は「やっぱり甘党じゃねぇか。」とフッと笑った。吏都は味覚の変化に驚きながら「何でだろう?今まで飲みたいと思わなかったのに。たす君みたいに甘党になっちゃったのかな?」と祐の名前を出した瞬間、心臓がドクンと跳ねた。一瞬何が起きたのか分からず吏都が左胸に手を当て固まっていると伊吹が「大丈夫か?」と気に掛けた。吏都は左胸に手を当てたままもう一度「たす君?」と祐の名前を声に出す。すると返事をするように心臓が跳ねた。その瞬間、吏都は急にぼろぼろと泣き出し伊吹がたじろきながらも「看護師呼ぼうか?」と気遣っている。吏都は首を横に振りながら手の甲で涙を拭うと、踵を返し病院の玄関の方に向かって走り出した。病院を飛び出て入院着のまま街を走り続け祐と2人で訪れた喫茶店に着いた。息を切らしたまま店内に入る。
「いらっしゃいま‥あの、どうされました?大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ、はぁ‥」
「‥吏都ちゃん!?」
店内に入るとカウンター席に志治が座って珈琲を飲んでいたが、店主が入院着姿の吏都を見て取り乱していると志治が吏都に気付き慌てて駆け寄ってきた。
「とうしたんだ!?病院抜け出してきたのか!?」
「はぁ、はぁ‥」
「おい!水を頼む!」
「分かった!」
「痛い所はないか?今すぐ病院に送っていくから!」
「はぁ、はぁ‥たす君がね、いるの。」
「え?」
「たす君がねここに居るの。たす君の名前を呼ぶとね返事をするんだよ!」
吏都は左胸に手を当て涙を浮かべながら真っ直ぐに志治を見た。臓器提供した側も受けた側もプライバシー保護の為個人的やり取りは禁止となっていて、志治は祐が臓器提供した事を吏都に言えず吏都の話を黙って聞いている。「私はたす君を2度も殺してしまった。どうして私が生き残っちゃったんだろう。」と吏都は力尽きたように床に座り込み泣きじゃくる。志治は子供をあやすように吏都の頭を撫でると一度大きく息を吐いた。
「もし祐が吏都ちゃんと同じ立場だったら吏都ちゃんと同じ事を言っていただろうな。‥祐はもういない。けどアイツは最後に貪欲に生きたいと願ったんだ。姿は見えないが祐は何処かで生きていると俺達は思ってる。何より、吏都ちゃんが生きている事を誰よりも喜んでいるのは祐だと思う。祐にとって吏都ちゃんは特別な存在だからね。だから生き残ったなんて思わないで堂々と生きてくれ。」
吏都が泣き止むまで志治は吏都の頭を撫でていた。吏都が泣き止むと病院に連れていき志治が看護師と担当医に頭を下げて事なきを得た。それから吏都は現状を受け入れたかのようにリハビリに励むと数週間後に退院した。退院する頃には年度が変わり、長期休学していた吏都は留年し、2度目の高校3年生が始まった。
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