俺に婚約者?!

ながしょー

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第13話 クリスマスイブのお誘い

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 もうすぐで十二月、木々たちの葉は彼枯れ落ち、寒さも厳しくなっている。
 ある日、学校の放課後のことだ。俺は教室で日直の仕事をしていると……

 「優希くんはクリスマスイブどーするの?」

 美紀は俺にそう聞いてきた。

 「別にどーもしないよ。いつも通りに過ごすだけ」

 そう言うと、美紀は前のめりになって、

 「じゃあ、予定はないんだね!そーいうことでしょ!」

 たかだかクリスマスイブが空いているからってどうなる。一般の男女は好きな人とデートしたりするみたいだが、俺はそーいうのは嫌いだ。リア充は爆発して死ねばいいと思ってるぐらいだ。

 「予定はないけど……どうして?」

 「クリスマスイブ一緒に出かけない?」

 一応言っておく。俺は……リア充じゃない!

 「いや、俺は家で……」

 「あぁん?」

 「はい、喜んで行かせていただきます!」

 目がマジだった。断ったら殺される。
 こうして、クリスマスイブは美紀と出かけることになった。
 が、しかし翌日の放課後。次は莉々からお誘いをいただいた。
 
 「ゆーくん、クリスマスイブ暇でしょ!だから、私と一緒に過ごすことを許すわ!」

 なぜ暇だと断言するんだコイツ。それに、お嬢様みたいなこと言うな!
 だけど、残念ながら俺は美紀と過ごすことがもう決まっている。

 「悪いけど…クリスマスイブは用事が……」

 「はぁあ?」

 ちょっと莉々さん少し落ち着きましょうか?目がヤバいですよ!「もう殺ってやろうか」みたいな目付きになってますよ!
 このままじゃ、本当に殺りかねないのでクリスマスイブの俺の予定を話した。

 「私と美紀、どっちが大事なわけ?」

 「ええええ?!」

 もう何言ってんのか分かんないよ!どっちも選べるわけないでしょ!だって……だって僕たち…………付き合ってるわけでもないんだから!
 
 「どっちが大事とかは置いといてさ」

 「なんで置くの?」

 普通はその話置いとくよ?だって付き合ってもないじゃん!今はただの友だちだろ?
 ……まあ、そんなことも言えるわけもなく、一旦その場から逃げ出した。
 だって命欲しいじゃん!失いたくないもん!

 「はぁ……疲れた……」

 「よっ!優希どうしたんだい?」

 ふと、目の前を見ると悠人がいた。

 「いや、ちょっといろいろあってね」

 「そのいろいろって、美紀ちゃんと莉々ちゃんのことでしょ?」

 「なぜわかった?」

 「だって優希のいろいろって、もうそれしかないじゃん」

 なるほど。たしかに。
 俺は学校でも家でもあまり問題を起こさない。だから、俺の「いろいろあった」は固定されているのか。

 「まあ、何があったかまでは知らんが、頑張れよ!」

 「えぇー……」

 なんか見捨てられた感がハンパない。
 とりあえず、俺は家に帰ることにした。
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