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第9話 記憶……
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ある日の夜中のことだった。
俺は夢を見ているのだろうか…今までに知らない出来事が頭を駆け巡った。
「ねぇねぇ、優希くんってば……」
六歳ぐらいの可愛らしい幼女が俺の名前を呼んでいる。
「君は……誰なんだ……?」
俺がその子に声をかけても返事はない。まるで聞こえていないかのように……。
ただ、その子の顔に少し見覚えがあった。どこかで……見たような……。
次の瞬間、俺は目を覚ました。
「今のは……なんだったんだ?」
最近、このような夢を結構見る。というか、たぶん、これは俺の過去なのだろう。ただ、目を覚まし、思い出そうとしても思い出せないので、過去を完全に取り戻したというわけではないみたいだ。
俺は素早く身支度をし、朝食を食べ終わると学校に向かった。
道中、美紀と出会った。
「優希くん、おはよう!」
「ああ、おはよー……ん?」
「どうしたのですか?」
俺は美紀の顔を見て、なんかモヤモヤした。……どこかで……あっ!夢の中に出てきた幼女に似ている!
「……そうか、あの夢は美紀と俺の過去の出来事だったのか……」
俺は考え込んだような感じでそう呟くと、美紀が心配そうな顔を向けてきた。
「あのー……本当にどうしたんですか?大丈夫ですか?」
「ああ、わりぃ!なんでもない!」
美紀はまだ心配そうな顔だったが、とりあえず学校に行くことを促した。
その日の夜もまた同じ夢を見た。
もう少しで思い出しそうなところでいつも目を覚ましてしまう。そんな日を毎日続いていたある日。
「今日もあの俺と美紀の過去を夢として見ちゃうのかなー……」
俺はさっそくベッドにはいり、目を閉じた。自分でも気がつかないうちに深い眠りに着いてしまったようだ。
夢はというと……
「ゆーくん、こっちこっち!」
あれ?あの夢じゃないってことは新しい俺の過去なのだろうか?
「ゆーくん!何ボーッとしているの!」
またもや可愛らしい少女がいた。年齢的には十歳前後。
この子もどこかで見たような顔をしている。
「ねー。君は……誰?」
俺はその子に質問してみるが、やはり俺の声は届かないようだ。まあ、そりゃーそうだよな。夢だし。……というか、俺の過去。
でも、なんか見覚えがある風景に落ち着くようなみんなの声。あともう少しで何が掴めそうなときに俺はベッドから落ちてしまった。
「あー……いってー……」
やっぱりこうなったか。
俺は身支度をし、いつものように学校に行くと、莉々が俺のところに駆け寄ってきた。
「ゆーくん、おはよーう!」
「ああ、おは……」
「どうしたの?」
莉々は不安そうな顔でこちらを見ている。
あれ?……もしかして、あの夢は莉々と俺の過去だったのか。あの子の顔と莉々の顔が似ている。
「い、いや、なんでもないよ!」
「……そう?」
ちょうど予鈴が鳴り、莉々は自分の席に戻っていった。
俺はもう少しで過去の記憶を取り戻せるのだろうかと考えていた。
俺は夢を見ているのだろうか…今までに知らない出来事が頭を駆け巡った。
「ねぇねぇ、優希くんってば……」
六歳ぐらいの可愛らしい幼女が俺の名前を呼んでいる。
「君は……誰なんだ……?」
俺がその子に声をかけても返事はない。まるで聞こえていないかのように……。
ただ、その子の顔に少し見覚えがあった。どこかで……見たような……。
次の瞬間、俺は目を覚ました。
「今のは……なんだったんだ?」
最近、このような夢を結構見る。というか、たぶん、これは俺の過去なのだろう。ただ、目を覚まし、思い出そうとしても思い出せないので、過去を完全に取り戻したというわけではないみたいだ。
俺は素早く身支度をし、朝食を食べ終わると学校に向かった。
道中、美紀と出会った。
「優希くん、おはよう!」
「ああ、おはよー……ん?」
「どうしたのですか?」
俺は美紀の顔を見て、なんかモヤモヤした。……どこかで……あっ!夢の中に出てきた幼女に似ている!
「……そうか、あの夢は美紀と俺の過去の出来事だったのか……」
俺は考え込んだような感じでそう呟くと、美紀が心配そうな顔を向けてきた。
「あのー……本当にどうしたんですか?大丈夫ですか?」
「ああ、わりぃ!なんでもない!」
美紀はまだ心配そうな顔だったが、とりあえず学校に行くことを促した。
その日の夜もまた同じ夢を見た。
もう少しで思い出しそうなところでいつも目を覚ましてしまう。そんな日を毎日続いていたある日。
「今日もあの俺と美紀の過去を夢として見ちゃうのかなー……」
俺はさっそくベッドにはいり、目を閉じた。自分でも気がつかないうちに深い眠りに着いてしまったようだ。
夢はというと……
「ゆーくん、こっちこっち!」
あれ?あの夢じゃないってことは新しい俺の過去なのだろうか?
「ゆーくん!何ボーッとしているの!」
またもや可愛らしい少女がいた。年齢的には十歳前後。
この子もどこかで見たような顔をしている。
「ねー。君は……誰?」
俺はその子に質問してみるが、やはり俺の声は届かないようだ。まあ、そりゃーそうだよな。夢だし。……というか、俺の過去。
でも、なんか見覚えがある風景に落ち着くようなみんなの声。あともう少しで何が掴めそうなときに俺はベッドから落ちてしまった。
「あー……いってー……」
やっぱりこうなったか。
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「い、いや、なんでもないよ!」
「……そう?」
ちょうど予鈴が鳴り、莉々は自分の席に戻っていった。
俺はもう少しで過去の記憶を取り戻せるのだろうかと考えていた。
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