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第2話 2人目の婚約者現る
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休日の一件が過ぎ、何日かたったある日の学校の昼休み。
美紀はいつものように俺のクラスに来て、いつものように俺にベタベタくっついていた。
あの日以来、美紀は会う度にくっついてきて、周りの同級生からは「仲がいいね!」とか言われたりしている。
ただ、まだこれぐらいならいいのだが、
「いつから付き合ってるの?」
と聞かれたときは、
「付き合ってないよ!」
と、俺は否定はする。
だが、美紀はというと.........
「付き合ってないよ!婚約してるんだよ♪」
「.........」
この発言をきっかけに同級生からはすごい目で見られ、先生からも呼び出され、本当に俺の青春は終わった。
まあ、これまでに起きた事はもういいとして、ここからが問題だ。
いつものように美紀と昼休みを過ごしていると、一人の美少女というか俺のクラスメイトの片田莉々がこちらを射殺すかのように睨んでいた。
というか、なぜか分からないけど死んだわ!残りのライフは0!今日が俺の命日!
「.........なんで.........してるのよ…」
莉々は悲しそうな表情を浮かべながら.........
あれ、今なんか言ってたけど聞き取れなかったな。
なので、聞き返してみた。
「片田さん、今なんて言ったの?」
「なんで、他の女とイチャイチャしてるのよ!」
「イチャイチャなんてしてないよ!美紀が一方的にくっついてきているだけだよ!」
「もういいっ!!」
莉々はすぐさまに僕らの前から立ち去っていった。
「.........なんで、怒ってるんだ?」
このときの俺には莉々がなぜ怒っているのか、見当もつかなかった。
ましてや、あまり話したこともないから謎は深まるばかりである。
だけど、怒っているからには絶対に理由があるはず。
俺はそれを考えているときに美紀が、
「優希くんは本当に何も覚えていないのですね」
「え?それは、どういう.........」
「あの子、あなたの幼馴染じゃない」
「ええええええええ?!」
「昔、言ってたじゃない。小学校から仲のいい女の子がいるって」
美紀は、幼馴染かどうかはよく分からんが、俺に女の子の幼馴染がいたとは.........。
なんか、めっちゃいいじゃん!ラブコメ的な展開がきてるじゃん!俺、ギャルゲーの主人公になれるじゃん!
とか、いろいろな妄想をしていたら、
「きっも」
と、美紀からありがたいお言葉をいただきました。
美紀ちゃんやっぱり怖いなー。
将来、もし結婚した後浮気でもしたら一発でバレますね!
「.........浮気したら殺すからね♪」
なんでいつも俺の考えていることを的確に読み取るのかな?!
この後、俺は考えることをやめ、無心で残りの休み時間を過ごしたのであった。
放課後、学校の帰り道、莉々とたまたま出会った。
一応、俺が記憶喪失である事を伝えて、幼馴染である事を忘れていた事を謝ろう!と、決意した俺は莉々に話しかけた。
「莉々、実は俺、半年程前に交通事故にあって、それまでの記憶を失っているんだ。だから、お前が幼馴染である事を忘れていてごめん!」
「知ってる。だから、謝らなくてもいい」
「じゃ、なんで怒ってたんだ?」
「そ、それは.........」
そして、莉々は顔を紅潮させ、俯き、
「ゆーくんの事が昔から好きだったからよっ!」
莉々は言った。
あまりにも衝撃的だったのでつい固まってしまった。
何だこれ!
「いきなり、学校でイチャイチャしてるなと思っていたけど.........婚約ですって?!そんなの私が許さない!私の方がゆーくんのこと好きだし、幼馴染だからなんでも知っている!なのになんで.........」
俺はなんて言えばいいのか分からなくなってしまい、そのまま立ち尽くしていた。
俺ってけっこうモテてたんだな!なんか自分でも誇らしいね!とか、考えていたがそんなこと考えている場合ではない。とりあえず莉々を落ち着かせることにした。
「片田さん、とにかく落ち着いて」
「莉々って呼んで!」
「え、あ、うん...分かった」
「それと、結婚して!」
「うん。わ.........ええええええ?!なんで?!」
「私の方がゆーくんをたくさん幸せにできるよ?だから、結婚しよ?」
今の会話でなんで結婚の方にいくんだよ!いきなり過ぎてついOKしてしまうところだったじゃないか!あ、こーいう罠なのかな?
「け、結婚は無理かな」
「じゃ、婚約でいいよ!」
「いずれにしろ結婚と変わんねーよ!それに俺は誰とも婚約なんてしていなーい!」
「え?じゃあ、美紀さんとの婚約は?」
「あれは.........あははははっ」
逃げることはできませんでした!というより、逃がしてくれませんでした。
こうして、二人目の婚約者を獲得したのだった。
俺は石油王かよ!日本は一夫多妻は認められてませんよ!
美紀はいつものように俺のクラスに来て、いつものように俺にベタベタくっついていた。
あの日以来、美紀は会う度にくっついてきて、周りの同級生からは「仲がいいね!」とか言われたりしている。
ただ、まだこれぐらいならいいのだが、
「いつから付き合ってるの?」
と聞かれたときは、
「付き合ってないよ!」
と、俺は否定はする。
だが、美紀はというと.........
「付き合ってないよ!婚約してるんだよ♪」
「.........」
この発言をきっかけに同級生からはすごい目で見られ、先生からも呼び出され、本当に俺の青春は終わった。
まあ、これまでに起きた事はもういいとして、ここからが問題だ。
いつものように美紀と昼休みを過ごしていると、一人の美少女というか俺のクラスメイトの片田莉々がこちらを射殺すかのように睨んでいた。
というか、なぜか分からないけど死んだわ!残りのライフは0!今日が俺の命日!
「.........なんで.........してるのよ…」
莉々は悲しそうな表情を浮かべながら.........
あれ、今なんか言ってたけど聞き取れなかったな。
なので、聞き返してみた。
「片田さん、今なんて言ったの?」
「なんで、他の女とイチャイチャしてるのよ!」
「イチャイチャなんてしてないよ!美紀が一方的にくっついてきているだけだよ!」
「もういいっ!!」
莉々はすぐさまに僕らの前から立ち去っていった。
「.........なんで、怒ってるんだ?」
このときの俺には莉々がなぜ怒っているのか、見当もつかなかった。
ましてや、あまり話したこともないから謎は深まるばかりである。
だけど、怒っているからには絶対に理由があるはず。
俺はそれを考えているときに美紀が、
「優希くんは本当に何も覚えていないのですね」
「え?それは、どういう.........」
「あの子、あなたの幼馴染じゃない」
「ええええええええ?!」
「昔、言ってたじゃない。小学校から仲のいい女の子がいるって」
美紀は、幼馴染かどうかはよく分からんが、俺に女の子の幼馴染がいたとは.........。
なんか、めっちゃいいじゃん!ラブコメ的な展開がきてるじゃん!俺、ギャルゲーの主人公になれるじゃん!
とか、いろいろな妄想をしていたら、
「きっも」
と、美紀からありがたいお言葉をいただきました。
美紀ちゃんやっぱり怖いなー。
将来、もし結婚した後浮気でもしたら一発でバレますね!
「.........浮気したら殺すからね♪」
なんでいつも俺の考えていることを的確に読み取るのかな?!
この後、俺は考えることをやめ、無心で残りの休み時間を過ごしたのであった。
放課後、学校の帰り道、莉々とたまたま出会った。
一応、俺が記憶喪失である事を伝えて、幼馴染である事を忘れていた事を謝ろう!と、決意した俺は莉々に話しかけた。
「莉々、実は俺、半年程前に交通事故にあって、それまでの記憶を失っているんだ。だから、お前が幼馴染である事を忘れていてごめん!」
「知ってる。だから、謝らなくてもいい」
「じゃ、なんで怒ってたんだ?」
「そ、それは.........」
そして、莉々は顔を紅潮させ、俯き、
「ゆーくんの事が昔から好きだったからよっ!」
莉々は言った。
あまりにも衝撃的だったのでつい固まってしまった。
何だこれ!
「いきなり、学校でイチャイチャしてるなと思っていたけど.........婚約ですって?!そんなの私が許さない!私の方がゆーくんのこと好きだし、幼馴染だからなんでも知っている!なのになんで.........」
俺はなんて言えばいいのか分からなくなってしまい、そのまま立ち尽くしていた。
俺ってけっこうモテてたんだな!なんか自分でも誇らしいね!とか、考えていたがそんなこと考えている場合ではない。とりあえず莉々を落ち着かせることにした。
「片田さん、とにかく落ち着いて」
「莉々って呼んで!」
「え、あ、うん...分かった」
「それと、結婚して!」
「うん。わ.........ええええええ?!なんで?!」
「私の方がゆーくんをたくさん幸せにできるよ?だから、結婚しよ?」
今の会話でなんで結婚の方にいくんだよ!いきなり過ぎてついOKしてしまうところだったじゃないか!あ、こーいう罠なのかな?
「け、結婚は無理かな」
「じゃ、婚約でいいよ!」
「いずれにしろ結婚と変わんねーよ!それに俺は誰とも婚約なんてしていなーい!」
「え?じゃあ、美紀さんとの婚約は?」
「あれは.........あははははっ」
逃げることはできませんでした!というより、逃がしてくれませんでした。
こうして、二人目の婚約者を獲得したのだった。
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